郡司隆文の発言 (文教科学委員会)
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○参考人(郡司隆文君) おはようございます。全日本教職員連盟委員長の郡司でございます。
参議院文教科学委員会吉川委員長を始め、文教科学委員の皆様には、このような機会を設けていただきまして、誠にありがとうございます。
私たち全日本教職員連盟は、幼稚園、認定こども園から高等学校までの管理職を含めた教職員等から成る教職員団体です。中でも義務教育段階の教職員が多数を占めております。本日は、そういった学校現場の声から、また、私自身、現在は休職専従でありますが、小学校教諭であるという立場から給特法改正案につきまして意見を述べさせていただければと存じます。
改めて言うまでもないことでありますが、現在、教職員の勤務実態は極めて厳しい状況にあり、一刻も早く手を打たなければならないという中で、中教審において、本日もお見えになっております、連合相原事務局長、日P東川顧問を始め多くの有識者の長時間にわたる議論の下、答申がなされ、それにのっとった形で本法案が提出されたものと認識しております。
そこで、まず初めに、上限ガイドラインが指針に格上げされることについてですが、賛成であります。
学校現場では、以前に比べると、在校等時間の把握については、実施率も上がっているものの、いまだに不十分な地域や学校もございます。学校現場では、これまでタイムマネジメントをしっかり行うという意識が管理職も含めて薄く、現在においても十分とは言えないということもあろうかと思います。実際とは異なる打刻を強要されているとか、あるいはそれを自発的にしているといったこともないとは言えません。そういった意味において、指針に格上げされ法的根拠が担保されることにより、私たち教師のタイムマネジメントについての意識改革が喚起され、あわせて在校等時間の把握がしっかりと行われるようになるということが考えられます。その上で、業務改善の内容と在校等時間をリンクさせた、可視化された働き方改革が行われなければならないと考えます。
次に、一年単位の変形労働時間制の選択的導入についてです。こちらについても賛成であります。
理由を述べます。
一点目です。
現在、各学校では業務改善が進んでおり、成果も上がっております。しかしながら、現時点では、あるいは数年以内に、通常勤務時間内で全ての業務が終了するということは実質的には不可能であると考えます。そして、現在はそのはみ出た部分については何の代替もなく、どぶに捨てているというような現状でございます。
そこで、はみ出た部分について、一年単位の変形労働時間制の導入で、直接的に業務が減ることではありませんが、中教審答申に示されているように、まとめ取りによって、教師が日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようにするという働き方改革の目的と整合するものであると考えるからです。
一年単位の変形労働時間制を導入しなくてもまとめ取りができるのではとの声もありますが、様々な事情で年休の取得を多くしている教師にとっては、また臨時的任用職員にとっては、この制度なくしてまとめ取りはできません。
二点目です。
夏季休業等においても多数の業務があり、まとめ取りができないとの指摘がありますが、だからこそ、その現状を変えるべく、夏季休業中の研修の在り方や部活動、各種大会の日程等の見直し等、業務改善が進むことが想定できます。さらに、夏季休業中の業務を学期中に移行するということも考えられますが、そうなれば、当然、学期中の業務改善にも玉突き的にその影響は波及することになり、年間を通した業務の見直しにつながることが十分考えられます。
こういった点において、一年単位の変形労働時間制の導入は、働き方改革、業務改善の起爆剤になり得ると考えるからです。
私事で恐縮ですが、私は平成六年採用なんですけれども、その採用された当時の夏季休業中の業務予定表、夏休みのですね、空欄の日が多数ありました。その後、平成十四年度の学校週五日制の完全実施に伴うまとめ取りの廃止及び平成十四年初等中等教育企画課長通知、加えて、地域、保護者等社会の要請もあり、夏季休業中の業務は増加してまいりました。
しかし、本年六月、長期休業期間における学校の業務の適正化についての通知が文科省の方から発出され、平成十四年度初等中等教育企画課長通知は廃止されました。あわせて、一年単位の変形労働時間制の導入により、時計の針を二十年前に戻せることにつながるのではないかというふうにも考えております。
他方、懸念の声が上がっていることも承知しております。勤務時間が延びるのではないかとか、制度の導入を管理職が恣意的に決めてしまうのではないかとか、文科省が想定していないようなひどい運用がなされるのではないかとの指摘です。これらの指摘については、改正法が成立した場合に新たに制定することとなる文部科学省令や指針において具体的に示されるとされており、懸念されるような運用はないものと考えておりますが、不安を持っている方がいることも確かです。本法案の中身について誤解をしている方に向け、しっかりと周知することが極めて重要であると考えます。
そのような中で、文部科学省にもお願いしたいこともございます。冒頭述べましたように、現在、各学校においては、業務改善、働き方改革が進んでおります。時間という資源をどう使うのか、どこに注力するのか、どの行事、業務を廃止、縮小するのか、そしてそれは本当に可能なのか、地域、保護者の理解は得られるのか。地域、保護者の信頼を失うようなことになれば、ふだんの教育活動にも支障を来し、ひいては子供たちにも悪影響を及ぼしかねません。まさに瀬戸際に立ち、それぞれの判断を行っている状況です。文部科学省には、中教審答申に示されているように、社会と学校との連携起点、つなぎ役としての役割を前面に立って具体的に果たし、変わろうと必死に努力している学校をお支えいただきたいと思います。
また、その中で、我々教師は、教育専門職として、学校現場の責任者であるという気概を持って、それぞれの学校において目の前にいるいとし子のために働き方改革を実践していきたいと存じます。できない、無理だと嘆き責任転嫁するのではなく、どうすればできるかを我々自身しっかりと考え、地道な努力を着実に実行していきたいと思います。
最後になりますが、学校における働き方改革は、文科省、教育委員会、学校のそれぞれが主体性を持って、保護者、地域社会の理解を得ながら、まさに総力戦を行わなければなりません。本法案はそのための重要な一歩であると確信いたします。本法案の可決を心よりお願いいたしまして、私の意見陳述といたします。
御清聴ありがとうございました。