赤池誠章の発言 (文教科学委員会)
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○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章でございます。
公立の義務教育諸学校の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法につきまして、今国会で一連の審議を通じまして感じたこと、そしてお願いをしたいことを、以下三点につきまして意見表明をまずさせていただきたいと存じます。
第一は推進体制の強化、第二は要因分析に基づく具体的な解決策の策定、第三は改革の全体像と工程表を示すことであり、そして進捗管理をしっかりするということであります。
第一の推進体制の管理についてでありますけれども、学校での働き方改革の推進は、従来、学校で当然とされていたことを一つ一つ変えようとすることであり、非常に困難が伴う作業であります。そして、推進体制が何よりも重要ではないかと感じております。それは、今回の法改正に至るまで、少なくとも約五年間にわたりまして経緯を見れば明らかではないかと思っております。
五年前、平成二十六年にOECDのいわゆるTALIS調査報告が出て、既にそのときから国際的に我が国の教師の勤務時間が最長であるということが明らかにされたわけであります。その後、文部科学省でも独自の調査を行って、平成二十七年、四年前には独自の調査を踏まえた業務改善ガイドライン、そして、それは子供と向き合う時間を確保することだということを、既に四年前からガイドラインで目的とそして具体的な手法につきまして先進事例を含めた紹介をし、各地域で働き方改革を促すということを始めたところでございます。そして、平成二十八年は十年ぶりに、平成十八年以来十年ぶりに教員の勤務実態調査を全面実施をするということになるわけであります。
そして、平成二十九年、これは一つの大きな節目だと思うわけでありますけれども、新しい学習指導要領が改訂をされると同時に、政府全体として働く方々の全体の働き方改革を進めていこうという機運の中で、文部科学省におかれましても前年の調査の速報値が公表されまして、過労死レベルの、言われる月八十時間超を超える教員の方々が小学校で約三割、中学校で約六割ということが、改めてTALIS調査以上の実態が明らかになり、そういった中での文部科学大臣から中央教育審議会に諮問がなされると。そして、それを受けた中教審の特別部会、参考人の質疑でもお越しをいただいた委員の方々が、すぐさま勤務実態を意識した、タイムカードを始めとした勤務実態を意識した緊急提言を出されたわけであります。そして、その年の年末には中教審から中間まとめとして、学校業務の役割分担、適正化、つまり学校が担わなくてもいい登下校の問題や教師が中心とならなくてもいいような業務、また、教師の業務であったとしても負担軽減ができるというものが具体的に出されたわけであります。
そして、昨年、平成三十年には、スポーツ庁、文化庁からそれぞれ部活動のガイドラインが出されたわけであります。御承知のとおり、一日二時間、平日一日、休日一日の休養日の設定等が推奨をされて、引き続き、中教審では計二十一回にわたって精力的な議論が進められて、今年に入りまして、一月に答申案が取りまとめられて公表され、文部科学省として全国各地に通知を発出され、そして月四十五時間という上限ガイドラインが公表をなされたというところでございます。
さらに、令和の御代になっても、夏休み前の六月には、いわゆる学校閉庁日を夏季休暇につくってほしいというような通知も出されたわけでございます。
そして、本臨時国会におきまして、今回の提案であります上限ガイドラインを指針化をすること、それから一年単位の変形労働制を導入するという給特法の改正案が出されて、今日まで我々は衆参と議論を続けてきたわけであります。
以上、文部科学省の動きを中心にして説明をさせていただいたわけでありますけれども、私ども自民党においても、教育再生実行本部や文部科学部会を中心として関係者から聞き取りを行って、その都度、文部科学省に提言をしているわけであります。そして、今回の法改正の作成に至ったというわけであります。
以上、改めてこの五年間の経緯を振り返ったときに、教師の皆様方の長時間勤務問題がいかに解決に向けて困難であるかということが分かるのではないかと思います。繰り返し繰り返し文部科学省として通知を出し、各地で促してきていても、課題山積という状況であるのには変わりはございません。
今回の法改正を契機に、どう実効性を担保していくのか。国、地方、教育委員会、学校、家庭、地域社会、総掛かりとなって推進体制をどうつくっていくかということが改めて喫緊の課題だということを痛感をしているところでございます。残念ながら、今までどおりの体制や方法だと学校での働き方改革は遅々として進まないということが明々白々ではないかということも感じているわけであります。三年後、改めて勤務実態調査を行うわけでありますが、成果を得るためには、関係者はもちろんでありますが、改めて社会総掛かりの推進体制を構築すべきだと考えている次第でございます。
文部科学省におかれましては、各地に通知を出したり、予算を付けたり、先進事例を周知するためにフォーラムを開催をしたりということで各種施策を展開しているわけではありますけれども、まだまだ実効性という面では担保、確保ができていないというふうに言わざるを得ないわけであります。
改めて、文部科学大臣自ら先頭に立っていただきまして、地方団体、知事会、市長会、町村会、協力要請すると同時に、都道府県、政令市の教育長を一堂に集めていただいて、学校での働き方改革を改めて直接依頼をすべきではないかということも感じているところであります。
そして、その上で、四十七都道府県、二十政令市、人事権者でありますけれども、それぞれ、市町村教育長や全公立学校、私学も含めていいと思うんですけれども、校長を集めていただきまして、文科省の幹部自らが出席をして、働き方改革の推進のための業務改善プロセスを具体的に検討する会議体を設定すべきだと考えるわけであります。
特に年度中にやっていただきたいことは、本国会の審議の場でも明らかにされております、約四割にとどまっているというタイムカードやICT機器導入による学校での客観的な勤務時間の把握ということであります。勤務時間が把握できなければ、やはり長時間勤務の是正の効果も確認することができないということであります。
二番目といたしましては、教師の長時間労働の要因分析に基づく具体的な解決策をということであります。
既に、勤務実態調査、そして中教審の答申によっても、長時間労働の主要な要因として三点、若手教員の増加、二番目としては総授業時間数の増加、三つ目としては部活動の増加が挙げられているわけであります。
若手の増加に関しましては、大量退職、大量採用という、これ必然的なところがあります。改めて、初任者研修が現行でいいのか、見直しも検討すべきだと思います。また、教員免許研修、それから十年研修の重なりも含めて、福井県においては共通化、効率化が取り組まれているわけでありますから、そういった具体的な視点にとって研修の見直しも考えていただきたいと思いますし、教員の養成段階においても働き方改革の視点を入れた講義の導入も必要だと思われます。
また、総時間数の増加に関しては、これは時代の要請の中で学校で教えることが増えていくという不可避の中で、学校の情報化、ICT化による対応ということが重要だと思っております。現在、我が自民党におきましては、補正予算を契機として、学校のネットワーク環境の整備、計画的に小学校高学年から中学生に対して一人一台のパソコンを普及させようとしているわけであります。それを契機として、先生の皆様方の授業の変革、準備、試験、補習、成績管理、また公務の効率化等につなげていただければと思います。
そして三つ目として、部活動であります。この部活動というのは大変難しい問題ではありますけれども、その解決に向けて、地域ごとで、また学校、中学校、高校ごとでスポーツ関係者や地域の関係者を入れた協議の場で、規模や数や種類や共通化などの具体的な議論の場を、是非、スポーツ庁、また文部科学省として設定いただきたいというふうに思っているところであります。
今回聞いている中で、その背景として給特法そのものの存在があるという指摘がございます。いわゆる教師の特殊性や自発性が定額で働かせ放題になっているという、そういった批判があるわけであります。
しかしながら、改めて教師を通常の労働者として位置付けるのは、やはりそれはそれで実態にそぐわないのではないかということも感じているわけであります。教師には、学校において子供たちと向き合い、教科教育や学校生活を通じて人格の完成を目指して国家、社会の形成者として育成すべし、極めて複雑、困難、高度な問題を取り扱って専門的な知識、技能を必要とされるなど、職務の特殊性があるわけであります。また、教育の実施に当たっては、専門的な職業としての教師一人一人の自発性、創造性が大いに期待されていることは何年たっても変わらないのではないかということを感じております。
だからといって、家庭や地域社会、放課後に過度に教師に依存することは、これは大いに是正すべきであることは言うまでもありません。改めて、文部科学省に対しては、教師のいわゆる特殊性や自発性、創造性を踏まえた形での着地点を考えていただきたいというふうに思います。
最後に、第三点であります。今回の法改正というのは、改めて考えると解決策の一部であり、これをもって全てを解決するということではないわけでありますから、改革の全体像、そして工程表、時間軸を明確にした上で、関係者の理解をしっかり得ていただきたいというふうに思います。これも教師の学校での議論と同時に、保護者の方々、地域社会を入れた形での具体的な議論の場をつくっていただきたいというふうに思います。全体像にかけましては中教審の答申にあるとおりでもございます。引き続き、是非議論を進めていただきたいというふうに思っているところでございます。
以上、本法案は公立学校を対象としているわけですが、私学に関しても是非具体的な指導、助言も行ってほしいと思います。
以上、国会での審議を踏まえまして三点、第一番目、推進体制の強化、二番目、要因分析に基づく具体的な解決策の策定、三つ目として、改革の全体像と工程表を示して進捗管理をしていただきたいことについて意見表明をさせていただきました。改めて、萩生田文部大臣から、学校での働き方改革実現に向けて、特に推進体制の強化について見解を伺えればと存じます。