竹本直一の発言 (科学技術・イノベーション推進特別委員会)
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○竹本国務大臣 先生はこの分野に非常にお詳しい方でございますので、緊張感を持って拝聴させていただいておりますが、ともかく、今回のコロナの災害というのは、キットの開発、それから治療薬の開発、そして再発防止のためのワクチンの開発、この三段階でやって、特に、この薬については、これといった確たる治療薬がないということが、まず初めて我々が経験する大変な災害と言っていいと思うんです。これを防ぐためには、どこの国にも確たる薬を持っていないわけですから、各国が今、競争してやっております。
先ほど厚労省の方から説明がありましたように、今回のコロナ対策としては、一次、二次、三次、四次とずっと予算をふやしまして、八百億ぐらい、七百数十億か、それぐらいの予算で研究費を、AMEDを中心として担当させておりますが、今回、第二次補正はまだ予算が通っておりませんけれども、それが通りますと、更に六百億ぐらいふやしまして、相当の規模で研究開発に当たらせるわけであります。
なぜならば、世界各国が競争している中で、この大変な厄介な病気に対する治療薬をもし日本の企業が、あるいは日本の公的機関が発明したとなると、これは大変各国から感謝されますし、日本に対する信頼が非常に高くなるだろう。
だから、我が国は資源のない国でありますから、科学技術を頼りとして、科学技術によって生き抜くような国でなきゃいけない、このように思っております。
じゃ、そのために、今、十分そういう体制になっているかと、実はそうでもない。ノーベル賞こそ連年出ましたけれども、論文の提出された数は、かつては世界で二位ぐらいにいっていたと思いますけれども、今では四位、五位、六位と、どんどん下がってきております。それから、採用される論文も、一〇%ぐらいのところで、採用されるところも、随分地位が落ちてきております。
なぜか。それは、研究者の研究環境が非常に劣悪であると言っていいと思います。というのは、ポスドク等で大学で研究しておられる方の待遇がそれほどよくない。そして、任期が五年とか十年とか、限られている。だから安定がしない。研究しておっても、雑務が六割ぐらいあるということでございまして、本来の研究に打ち込めない。そういう状況の中で新しい発明、発見をするというのは、非常に苦しいところであります。
したがいまして、そういったことのないように、今回、昨年の暮れの補正予算の中で五百億円ぐらい予算をとりまして、研究者一人、年間七百万、それを十年間、研究予算としてお渡しするというようなこともやりましたし、そのほか、研究者で何かすばらしい発明、発見をした人には表彰制度も設けようと考えております。
もろもろやっておりますけれども、なかなか、社会の科学の成果品に対する評価が非常に低い。例えば、大学のベンチャーで、大学で発明したものに対する産業界の評価を考えますと、特許で比べたんですけれども、アメリカでは、一つの特許に関して千六百万ぐらいの、大学発の特許です、報酬というか評価をしております。ところが、日本の大学で発明したものに対しては、一件当たり七十五万、約二十分の一なんです。これでは、優秀な学者はどんどんアメリカへ行ってしまう。
こういう状態は何としても避けたい、そういう思いで、今回の科学技術・イノベーション法、つまり、イノベーションと、そして人文科学も取り入れた総合的な科学の発展を目指して我々はこれから取り組んでいきたいという政府の強い決意と思っていただければありがたいと思っております。