古谷一之の発言 (議院運営委員会)
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○参考人(古谷一之君) 古谷一之でございます。
本日は、所信を述べる機会をいただきまして、ありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
まず、公正取引委員会委員長の任務についての認識を述べさせていただきます。
公正取引委員会が所管しております独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇用及び国民実所得の水準を高め、もって一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的としております。
公正取引委員会の任務はこの目的を達成することにほかならず、そのトップである委員長には、ほかにも増して国民全体の奉仕者たる国家公務員としての強い自覚を持ち、国民の皆様や関係各方面の御意見を伺いつつ、公正中立に職務を遂行していくことが求められていると考えております。
次に、取り組むべき施策の基本的な方向についての考えを申し述べたいと思います。
我が国を取り巻く国内外の経済社会の環境は大きく変化し、人口減少や少子高齢化を乗り越えていく必要があるなど、大変厳しい状況にあります。
こうした中、公正かつ自由な競争を維持促進し、イノベーションを引き出す環境をつくることで我が国経済の活性化を図り、消費者の利益を確保していくことが極めて重要であると考えられます。消費者のニーズを発掘、開拓、充足することに挑戦をし続け、かつての成功体験のくびきから逃れ、既存の事業慣行を革新し続けていくことによってこそ、経済活動は活力を持ち、国民の生活に豊かさをもたらすものだと考えております。
また、こうした公正かつ自由な競争を確保していくことは、日本国の経済社会の発展を促し、これを持続的に支えていく上での重要なインフラであり、それを支える独占禁止法を厳正かつ適正に執行し、競争政策の推進に取り組んでいくことは、我が国の経済が活力を持って発展していく上で極めて重要な基盤を確保するものであると考えております。
具体的な施策といたしまして、七点申し上げます。
第一に、厳正かつ実効性のある独占禁止法の執行を確保していくことが重要であると考えております。独占禁止法が禁じる競争制限的な行為に厳正に対処していくことは、経済の活性化、消費者の利益に資するところであります。したがって、国民生活に影響の大きい価格カルテル事件や入札談合事件などに厳正に対処していく必要があると考えます。また、合併等の企業結合事案については、迅速かつ的確に企業結合審査を進めていくことが求められていると考えております。
第二には、公正な取引慣行を推進する観点から、中小企業に不当に不利益を与える行為の取締りをしっかりと実施することです。優越的地位の濫用、不当廉売などの不公正な取引方法や下請法違反行為など、中小企業に不当に不利益を与える行為があってはなりません。中小企業にとって事業環境が厳しい中、こうした行為に対しては厳正かつ積極的に対処するとともに、違反行為を未然に防止していくための施策を実施していくことが重要であると考えております。
第三に、昨年十月に消費税率の引上げが行われました。消費税転嫁対策特別措置法に基づいて消費税の転嫁拒否等の行為に対し迅速かつ厳正な対処に努めることなどにより、消費税の円滑かつ適正転嫁を確保していくことも重要と考えております。
第四に、経済のデジタル化に伴い、情報を競争資源とする分野における競争環境を整備することがイノベーションを促進する上で欠かせません。今後、デジタルプラットフォームの分野についても実態把握を引き続き実施し、独占禁止法、競争政策上の考え方の整理を行っていくほか、デジタルプラットフォーム事業者による反競争的な行為に対しては厳正に対処していくことが重要であると考えております。
また、デジタル分野の競争環境の整備に向けては、公正取引委員会以外にも多くの省庁が関係することから、昨年九月、内閣官房にデジタル市場競争本部が設置をされ、政府全体での取組が行われており、こうした検討に積極的に参加していくことが必要と考えております。
第五に、デジタル分野以外についても、様々な分野について競争環境の整備への取組も行っていく必要があると考えております。経済社会の変化やビジネスの実態の変化を捉えて、業界の実態調査や提言等に引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。
第六に、昨年の通常国会において審議、可決していただきました独占禁止法の一部改正をする法律については、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年六か月以内に施行することとされており、改正法の円滑な施行に向けた準備を進め、改正法をしっかりと施行、定着させていくことが重要と考えております。
最後に、近時、経済が急速にグローバル化し、企業活動が国境を越えて行われている中、国際的なカルテルへの対応や企業結合事案等、法執行面での海外競争当局との連携協力の必要性が増大しております。また、法執行以外の分野におきましても、二国間、多国間の様々な枠組みを通じた競争当局間の国際的連携の推進が重要な課題となってきていると考えられます。こうした面でも日本の競争当局としてふさわしい貢献を行っていくことが必要と考えております。
終わりに当たりまして、両院の御同意をいただくことができまして公正取引委員会委員長に任ぜられましたならば、その職責をしっかりと認識し、国権の最高機関である国会における御議論を始め、いろいろな御意見に耳を傾けながら、公正取引委員会の使命を達成すべく、他の委員とともに力を尽くしてまいる所存でございますので、よろしく御指導賜りますようお願いを申し上げます。
以上、私の所信を述べさせていただきました。
本日は、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします。