佐藤ゆかりの発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○副大臣(佐藤ゆかり君) 環境副大臣の佐藤ゆかりでございます。
今回、気候変動対策に関する内外の取組について御説明を求められておりますところ、一年目でもありますことから、まず、気候変動をめぐる国際的な概況を含めたパリ協定を始めとする国際協調について御説明させていただいた後に、我が国の気候変動対策について、我が国の中長期目標等に加え、特に御指示をいただいた地域における脱炭素化、ESG投資、カーボンプライシングについて、資料に沿って御説明を申し上げたいと存じます。
二ページ目を御覧いただきたいと存じます。
昨年夏に房総半島台風及び東日本台風が立て続けに日本に上陸をしまして、強風や多量の降雨により甚大な被害を及ぼしたことは記憶に新しいところでございますが、同様に、アジアや北米での大雨、ヨーロッパでの熱波、オーストラリアでの森林火災など、世界各地で数多くの自然災害が発生しております。
世界気象機構、WMOでも、最近の顕著な降水や高温の増加傾向は長期的な地球温暖化の傾向と関係しているとの見解が示されておりまして、更なる平均気温の上昇により、こうした影響はより深刻化すると想定されております。
三ページ目を御覧ください。
気候変動問題に関し科学的知見を提供する学者の集まりでありますIPCC、気候変動に関する政府間パネルでは、二〇一八年に発表した一・五度特別報告書において、現状のペースでいけば、世界の平均気温の上昇を一・五度を大きく超えないためには、二〇五〇年前後のCO2排出量を正味ゼロにすることが必要との見解を示しました。
四ページ目を御覧ください。
一方、こうした気候変動の原因となっている温室効果ガスのうちエネルギー起源のCO2については、二〇一七年に世界全体で三百二十八億トンが排出されており、中国、アメリカ、インドの排出量がそのうち半分を占めております。
引き続き、世界第五位の排出国であります我が国の排出を削減するとともに、その他の国の排出量を引き下げるための取組も重要でございます。
五ページ目を御覧ください。
こうした中で、二〇一五年にパリ協定が採択され、本年より実施されております。世界のCO2削減の取組は先進国のみでは達成できません。パリ協定では、先進国のみならず全ての国が参加する新たな、パリ協定は新たな国際的枠組みでございます。全ての国に削減目標等の国の決定する貢献、いわゆるNDCの五年ごとの提出を義務付けるとともに、その実施状況を確認する仕組みを構築いたしました。
一方で、残念ながらアメリカは本年十一月にパリ協定を脱退する予定でございまして、世界第二位の排出国であるアメリカの取組をパリ協定外でどのように進めていくかは課題でございます。
六ページ目を御覧ください。
昨年十二月にマドリッドにおいて開催された気候変動枠組条約第二十五回締約国会議、COP25では、このパリ協定の実施に必要な市場メカニズムの実施指針についての交渉が行われました。本会合では結論が得られませんでしたが、小泉環境大臣が主要関係国と精力的に調整を行った結果、次回のCOP26での採択に向けた道筋を付けることができました。
七ページ目を御覧ください。
市場メカニズムは、他国におけるCO2削減を自国の技術等を導入することで削減した場合に、その削減量の一部を自国の削減量としてカウントできることにより、技術が不足する特に途上国のCO2削減を進める制度でございます。我が国は、各国に先行してJCMと呼ばれる市場メカニズム制度によって日本の優れた脱炭素技術などを展開することで、特にアジア諸国のCO2削減に貢献をしておりまして、今後、アジア諸国だけではなく、アフリカ諸国や、GDP当たりのCO2排出量の大きい中東諸国にも広げてまいりたいと考えております。
八ページ目を御覧ください。
ここからは、我が国の気候変動対策について御説明申し上げます。
まず、我が国の温室効果ガス排出量ですが、二〇一八年度の時点で約十二億四千万トンでありましたが、中期目標の基準年度である二〇一三年度に比べて一二%減、五年連続で削減をしております。ここ五年連続で削減を達成したのは、G7では日本とイギリスのみでございます。また、この間、我が国のGDPは増加しておりまして、経済成長と同時に温室効果ガスを削減する、いわゆるデカップリングを達成いたしております。
九ページ、十ページ目を御覧ください。
我が国は、昨年六月にパリ協定に基づく長期戦略を策定し、G7の中では初めて長期戦略の中でカーボンニュートラルへの道筋を示しました。今世紀後半のできるだけ早い早期に、できる限り二〇五〇年に近い時期に脱炭素社会を実現することを目指しております。
一方で、この実現は、従来の取組の延長では実現困難でありまして、非連続なイノベーションを通じた環境と成長の好循環の実現が必要でございます。
十一ページ目を御覧ください。
このため、本年一月には、このイノベーションを創出するための革新的環境イノベーション戦略を策定いたしました。世界のカーボンニュートラル、さらには過去のストックベースでのCO2削減、いわゆるビヨンド・ゼロを可能とするため、例えば、浮体式洋上風車技術の確立やCCUSの実用化などの革新的技術を二〇五〇年までに確立することを目指しております。
十二ページ目を御覧ください。
さらに、本年三月にパリ協定に基づくNDCを更新いたしました。このNDCにおいては、一、二〇三〇年度二六%削減の確実な達成と、これにとどまらない更なる削減努力、二、具体的実行計画である地球温暖化対策計画の見直し着手、三、更なる削減目標の検討は、今後のエネルギーミックスの改定と整合的に、更なる野心的な削減努力を反映した意欲的な数値を目指すことを表明しております。このNDCに基づき、地球温暖化対策計画の見直しを検討してまいります。
現在、政府を挙げてコロナ対策に取り組んでおりますが、今般の新型コロナウイルスへの対策をきっかけに、暮らし方や働き方が変化してくることも想定されます。計画の見直しに当たっては、そうした動きも踏まえつつ、持続可能な脱炭素社会への移行を促していく対策を考えていきたいと考えております。
十三ページ目を御覧ください。
先般成立しました令和二年度補正予算におきましても、脱炭素化社会への移行を促す施策を盛り込んでおります。
今後、新型コロナウイルスを契機にサプライチェーンを国内回帰する動きが出てくる可能性も指摘されておりまして、そのような場合にも防災にも資する省エネ設備や再エネ設備が導入されることが重要であります。
環境省では、今年度予算や補正予算によりましてこうした設備の導入への補助を行います。また、設備導入による削減量を売買可能なJ―クレジットとして認証することで、民民の取引を通じた投資回収の後押しもしてまいります。引き続き、新型コロナウイルスの状況も踏まえながら持続可能な脱炭素社会への移行を促してまいります。
十四ページ目を御覧ください。
ここからは、政府以外の主体、自治体や企業の動きについて御紹介したいと存じます。
我が国の目標は、さきに述べましたとおり、今世紀後半のできるだけ早期に、できる限り二〇五〇年に近い時期に脱炭素社会を実現するということでありますが、その一歩先を行く目標である二〇五〇年排出実質ゼロを掲げる自治体、いわゆるゼロカーボンシティが増加をしております。人口規模では日本の人口の過半に迫る大きな動きとなっておりまして、今後は各地域のゼロカーボンシティ実現に向けた実効性のある取組の後押しが課題になってまいります。
十五ページ目を御覧ください。
地域の脱炭素化に向けた様々な取組が進んでおります。
千葉県睦沢町では、太陽光発電やガスコージェネレーション等の分散型エネルギーの活用を進めております。これによって、平時にはCO2削減につながっておりますが、昨年の房総半島台風の影響で地域に停電が発生した際にも、この分散型エネルギーが稼働して地域に一定のエネルギー供給を継続できたという実績がございます。こうした好事例を全国各地に創出していきたいと考えております。
十六ページ目を御覧ください。
また、地域を超えた取組も進んでおります。
横浜市は、再生可能エネルギーが豊富に存在する東北十二市町村と連携し、再生可能エネルギーの供給を受けるとともに、住民、企業間の連携による地域間のつながりを強めております。こうした地域循環共生圏の創造が地域の脱炭素化と地域の活性化を同時に進めていく鍵であると考えております。
十七ページ目でございます。
こうした自治体の動きに加えて、企業でも脱炭素経営を進める動きが加速しております。TCFD、SBT、RE一〇〇といった気候変動に関する様々な国際イニシアティブに賛同、参画する日本企業が増えており、世界でもトップクラスの数となっております。
十八ページ目を御覧ください。
こうした企業の取組を金融面から後押しをするのがESG金融でございます。世界的なESG金融の拡大が先行しておりますが、我が国でも近年急拡大をしております。
十九ページ目でございます。
環境省としては、ESG金融の更なる拡大に向けて、ESG地域金融の普及のための地域金融機関への働きかけ、ポジティブインパクトを生み出す金融に向けたガイドの整備等を進めてまいります。
二十、二十一、二十二ページ目でございます。
カーボンプライシングについては、既に導入されているものとして地球温暖化対策税がございますが、脱炭素社会に向けてあらゆる資源の戦略的な配分を促し、新たな経済成長につなげていく原動力として、更なるカーボンプライシングの可能性について検討をしているところでございます。
また、炭素税や排出量取引とは異なりますが、省エネ、再エネ設備の導入等による温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証し、その取引を可能とするJ―クレジットという制度もございます。このJ―クレジット制度については、現在、ブロックチェーン技術等のデジタル技術を活用した利便性の向上について、私が中心となって検討を進めているところでございます。
こうした自主的なクレジット取引の活性化を通じて、家庭や中小企業、地方公共団体における環境投資を促進するとともに、脱炭素化に向けた取組を後押しすることにより、環境と成長の好循環の実現を目指してまいります。
以上でございます。