資源エネルギーに関する調査会

2020-05-20 参議院 全91発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和二年五月二十日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十六日
    辞任         補欠選任
     滝波 宏文君     高階恵美子君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     高階恵美子君     堀井  巌君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君     岩本 剛人君
     高野光二郎君     清水 真人君
     高橋はるみ君     山田 太郎君
     堀井  巌君     三木  亨君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         宮沢 洋一君
    理 事
                阿達 雅志君
                岩井 茂樹君
                森屋  宏君
                斎藤 嘉隆君
                平木 大作君
                梅村  聡君
                山添  拓君
    委 員
                岩本 剛人君
                こやり隆史君
                清水 真人君
                高野光二郎君
                高橋はるみ君
                長峯  誠君
                堀井  巌君
                三浦  靖君
                三木  亨君
                宮崎 雅夫君
                山田 太郎君
                岸 真紀子君
                古賀 之士君
                塩村あやか君
                浜野 喜史君
                矢田わか子君
                杉  久武君
                若松 謙維君
                音喜多 駿君
                市田 忠義君
                嘉田由紀子君
   副大臣
       経済産業副大臣  松本 洋平君
       環境副大臣    佐藤ゆかり君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        亀澤 宏徳君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      佐藤  暁君
       文部科学省大臣
       官房審議官    千原 由幸君
       経済産業省大臣
       官房審議官    河本 健一君
       経済産業省産業
       技術環境局長   飯田 祐二君
       資源エネルギー
       庁次長      平井 裕秀君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    覺道 崇文君
       環境省大臣官房
       審議官      白石 隆夫君
       環境省地球環境
       局長       近藤 智洋君
       環境省総合環境
       政策統括官    中井徳太郎君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房緊急事
       態対策監     山形 浩史君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  大村 哲臣君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  市村 知也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○原子力等エネルギー・資源に関する調査
 (「資源エネルギーの安定供給」のうち、エネ
 ルギーの安定供給)
    ─────────────
この発言だけを見る →
宮沢洋一#1
○会長(宮沢洋一君) ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として堀井巌君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
宮沢洋一#2
○会長(宮沢洋一君) 原子力等エネルギー・資源に関する調査を議題といたします。
 本日は、「資源エネルギーの安定供給」のうち、「エネルギーの安定供給」について政府から説明を聴取し、質疑を行った後、委員間の意見交換を行います。
 本日の議事の進め方でございますが、経済産業省及び環境省から合わせて三十分程度説明を聴取し、一時間三十分程度質疑を行った後、一時間程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、初めに経済産業省から説明を聴取いたします。松本経済産業副大臣。
この発言だけを見る →
松本洋平#3
○副大臣(松本洋平君) 調査会に御指示いただいた項目に沿って御説明させていただきます。
 まずは、現下の新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞、それに伴う原油市場の不安定化など、我が国を取り巻く資源エネルギーに関する国際情勢について御説明させていただきます。
 まず、油価の動向について御説明いたします。
 二ページを御覧ください。
 アメリカ、ロシアといった産油国の生産拡大により原油市場は供給過剰となり、OPECの協調減産が進められてきました。そうした状況の中、新型コロナウイルスの感染拡大を契機とし、原油価格を下支えしていた中国での需要が減少に転じ、油価は大きく下落をいたしました。
 三月上旬にOPECプラスによる協調減産が試みられましたが、交渉は決裂し、三月下旬には、世界の代表的な原油価格市場でありますブレント原油価格は二十ドル台まで下落いたしました。産油国の経済財政や石油産業への打撃が懸念され、株価も急落をいたしました。
 四月以降、協調減産に向けた調整が行われ、四月十二日、OPECプラスは日量九百七十万バレルの減産に合意をいたしました。これは、世界の石油需要である日量約一億バレルの約一割に相当する大規模なものであります。
 しかしながら、三ページ目の油価の推移のとおり、原油需要が一層減少する中、協調減産の合意後も油価は下落を続けました。その後、五月初旬以降、欧米諸国による経済活動再開の動きなどが見られる中、ブレント原油価格は三十ドル台まで上昇しています。
 当面、油価は不安定な動きが続くことが考えられます。引き続き、原油動向、日本の石油事業者への影響を注視することが必要と考えております。
 なお、御説明内容を補足するものとして、OPECプラス減産合意の内容、昨年来の中東情勢について資料を御用意しております。御確認ください。
 次に、このようなエネルギーをめぐる国際情勢を踏まえ、日本のエネルギー安全保障を確保するための取組について御説明いたします。
 まず、日本の現状について御説明いたします。
 七ページには、我が国の原油、LNG輸入の国別シェアを示しております。
 我が国は、原油、天然ガスのほぼ全量を海外からの輸入に頼っております。中東情勢の緊迫化といった地政学リスクの高まり、新興産油国の台頭といった供給構造の変化、国際的な資源獲得競争の激化が進むことが見込まれる中、資源の安定的かつ低廉な調達は引き続き重要な課題であります。
 我が国は、海外での権益確保、国内の資源開発、燃料の備蓄によってエネルギーの安定供給を図っております。それぞれの取組について御紹介いたします。
 八ページは、主な海外権益獲得などの取組をまとめたものであります。
 アジアを中心とする新興国の台頭に伴い、需要量減少により我が国の交渉力が低下する中、上流権益の獲得による自主開発比率の向上や資源の調達先多角化の実現といった対策を講じています。
 具体的には、二〇一八年二月に世界有数の埋蔵量を誇る油田の権益を再獲得したUAEや、二〇一八年七月に日本企業が主導する初の大型LNGプロジェクトであるイクシスLNGが生産を開始した豪州のほか、シェールガス由来のLNG輸出が増加する米国や、北極圏に豊富な資源のポテンシャルを有するロシアなどと共同プロジェクトを戦略的に推進しています。
 次に、国内資源開発について御紹介いたします。
 国内資源は、地政学リスクに左右されない安定的な資源であるため、エネルギー安全保障の観点から非常に重要です。
 石油、天然ガスについては、我が国周辺の潮流の速い海域など探査実績の少ない海域において、昨年就航した三次元物理探査船「たんさ」を活用するなど、機動的な探査や試掘を実施します。
 メタンハイドレートは、小さな体積から大きなエネルギーを生み出す、日本近海に大量に存在するエネルギー資源です。安定的にメタンハイドレートからガスを生産するための技術など、今後の商業化に向けた技術開発をしっかり推進していきます。
 十ページを御確認ください。
 国内外の積極的な資源開発を行うとともに、有事に備えて我が国は石油を備蓄しております。現在、国内消費量の二百日分を超える量が確保されています。緊急事態が発生した場合においても円滑に対応できるよう、平時より、石油精製、元売各社との連携強化、情報収集、共有を行っています。
 次に、日本のエネルギーミックスの進捗状況について御説明いたします。
 十三ページは、二〇一八年七月に閣議決定いたしました第五次エネルギー基本計画の概要です。
 二〇三〇年に向けて、エネルギーミックスの確実な実現のため、再エネについては、主力電源化に向けてコスト低減の取組強化、再エネの大量導入を支えるネットワークの整備などに取り組みます。
 原子力については、徹底した省エネや再エネの導入などに取り組み、原発依存度を可能な限り低減する方針の下、安全最優先で地元の理解を得ながら再稼働を進めていきます。
 化石燃料については高効率火力の有効活用などに取り組み、省エネについては省エネ法に基づく規制と支援策を一体的に講ずることとしております。
 十四ページは、エネルギーミックスの推移を示しております。
 エネルギーミックスは将来の需給構造の見通しです。あるべき姿として、3EプラスS、すなわち安全性の確保を大前提に、安定供給、経済効率性及び環境適合について、達成すべき三つの政策目標をバランスよく達成する姿として示したものであります。上段の棒グラフは日本におけるエネルギー供給全体のエネルギー構成の推移を、下段の棒グラフはその中での電力部門における電力構成の推移を示しております。
 十五ページでは、震災前から現在までの電源構成などの進捗を示しております。
 二〇一三年度と比較をいたしまして二〇一八年度には、エネルギー起源CO2排出量が十二・四億トンから十・六億トンまで減少、電力コストは年間九・七兆円から八・五兆円まで減少、エネルギー自給率は七%から一二%まで改善いたしました。先ほど御説明させていただいた取組により、いずれの指標についても着実な進展が見られております。
 他方、ミックスの達成はいまだ道半ばの状況にあり、確実にミックスを達成するため、引き続き取り組んでまいります。
 続いて、再生可能エネルギーについてです。
 十八ページを御確認ください。
 FIT導入以降、日本の再エネ比率は大幅に拡大しており、着実に再エネの導入は進んでいます。他方、電力の安定供給を確保しつつ再エネの導入を進めるためには、系統制約への対応が必要です。様々な対応を行ってもなお電力の供給が需要を上回る場合には再エネの出力制御を行うこととしており、それを前提とすることで再エネの接続を拡大しています。
 九州では二〇一八年度から出力制御を実施していますが、今後の一層の再エネ導入拡大に向けて、電力系統の整備、運用面において更なる対策を講じてまいります。
 十九ページを御確認ください。
 その対策の一つが日本版コネクト・アンド・マネージの推進です。系統制約の克服に向けてまずは既存系統を最大限活用すべく、一定の条件の下で系統への電源の接続などを認める仕組みであります日本版コネクト・アンド・マネージを導入しており、効果も確認されております。
 続いて、二十ページを御確認ください。
 二つ目の対策が電力系統の整備です。既存系統の利用には限界があり、今後の更なる再エネ導入拡大には、系統自体の増強が必要となります。このため、既に地域間連系線の増強や、東北北部における電源募集プロセスなどの地域系統の増強を進めています。
 さらに、今通常国会において、プッシュ型の系統形成と系統増強費用を全国で支える仕組みを導入するための制度整備に係る法案を提出したところであります。
 続いて、二十一ページを御確認ください。
 三つ目の対策が分散型エネルギーシステムの構築です。分散型電源である再エネの特性を生かし、地域のレジリエンス向上と地産地消型のエネルギー供給を目指す分散型システム実現への取組を進めております。
 具体的には、災害時に自立的な電力供給を可能とする地域マイクログリッドの実証を実施するとともに、配電事業に関する必要な制度整備案を今通常国会に提出いたしました。
 続いて、二十二ページを御確認ください。
 再エネの導入拡大に向けては、系統制約問題への対応に加え、蓄電池の普及拡大が重要です。蓄電池は、系統安定化のための調整力、自家消費の促進、さらに災害時の電力供給源としても期待される技術である一方、今後の普及拡大には技術面の検証や低コスト化が課題となっております。そのため、蓄電池を導入した実証事業や革新的電池の技術開発を通じ、蓄電池の普及拡大に向けて取り組んでいるところであります。
 続いて、二十三ページを御確認ください。
 新たなエネルギーの一つである水素は、運輸、産業、電力などの様々な分野での利用が可能であり、余剰再エネの貯蔵機能としても期待されています。二〇一七年に水素基本戦略を策定し、水素の製造、輸送・貯蔵、利用での技術開発、市場創出を実施するとともに、二〇一八年から水素閣僚会議を日本で開催しております。
 昨年十二月には神戸で世界初の液化水素運搬船が進水し、今年三月には、世界最大級の水電解装置により、再生可能エネルギー由来の水素製造実証を行う福島水素エネルギー研究フィールドが開始をいたしました。引き続き、水素社会実現に向けた取組を推進してまいります。
 このように、再エネを日本のエネルギー供給の一翼を担う長期安定的な主力電源にしていくため、必要な取組を一つ一つ進めてまいります。
 次に、具体的な温室効果ガス削減の取組について御紹介いたします。
 パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略で示されているとおり、日本は、二〇三〇年度に温室効果ガス排出量を二〇一三年度比二六%削減するとともに、二〇五〇年までに八〇%削減し、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現することを目指しています。
 日本は順調に温室効果ガスを削減しておりますが、今後の温室効果ガス排出量の大幅な削減は従来の取組の延長では実現することが困難であり、非連続なイノベーションを実現していくことが不可欠です。その具体的な取組を御紹介いたします。
 二十五ページの火力発電の高効率化に関する資料を御覧ください。
 現在、広島県の大崎上島では、高い発電効率が期待できる石炭ガス化複合発電、いわゆるIGCCにCO2の分離回収を組み合わせた実証事業を実施しています。今後は、IGCCに燃料電池を組み合わせた更に高効率な火力発電である石炭ガス化燃料電池複合発電、IGFCの実証試験も実施する予定です。IGCC、IGFCの実用化により、環境負荷の少ない石炭火力発電が活用可能になります。また、今年度から、大崎上島はカーボンリサイクルの実証研究拠点として整備されております。
 二十六ページのカーボンリサイクルに関する資料を御覧ください。
 カーボンリサイクルとは、CO2を資源として捉え、回収して化学品や燃料、コンクリートなどの原料に再利用する、日本で考案されたコンセプトです。具体例としては人工光合成やCO2を吸収するコンクリート製造技術などがあり、実用化に向けた技術開発を進めています。
 二十七ページのCCSに関する資料を御覧ください。
 CCSとは、二酸化炭素を大気に放散する前に回収し、地下へ貯留する技術を指します。CCSは将来の脱炭素化を実現する上で鍵となる技術であり、苫小牧におけるCCSとカーボンリサイクルの実証拠点化を進めます。
 このような様々なイノベーションを通じ、世界のCO2の実効的な排出削減に貢献してまいります。
 一昨年の北海道胆振東部地震、昨年の台風第十五号、台風十九号等による大規模かつ長期間の停電を踏まえ、強靱かつ持続可能な電力の供給体制の確保が重要な課題となっております。
 このため、今通常国会にエネルギー供給強靱化法案を提出しております。その主な内容につきまして御説明いたします。
 二十九ページを御覧ください。
 一般送配電事業者に対して災害時連携計画の策定を義務付け、事業者間で連携するのみならず、自治体や自衛隊といった関係機関の災害時における連携を強化するための措置を講じます。災害時連携計画とは、台風や地震といった災害時においても電気の安定供給を可能にするために事業者が作成するものです。これにより、電源車の地域間融通など、事業者が柔軟に災害に対応することが可能となります。
 次に、三十ページの左の図を御覧ください。
 全国の送電鉄塔の多くが建設から四十年から五十年経過しており、既存設備の更新の必要性が高まっております。このため、送電鉄塔などの送配電設備の老朽化の程度を把握しつつ、必要な投資をタイムリーに行うことが電力システムの強靱化にとって重要です。
 そこで、一般送配電事業者に対し、送配電設備の計画的な更新を求める制度を整備いたします。さらに、レジリエンス強化のための必要な送配電投資を事業者が着実に実施すると同時にコスト効率化にも取り組むため、託送料金制度改革を実施します。
 三十二ページを御覧ください。
 昨年の台風第十五号では、東京電力管内の鉄塔や電柱が倒壊、損傷しました。これを踏まえ、鉄塔や電柱に係る技術基準を見直すなど、電力供給設備の強靱化を推進してまいります。
 こうした取組を通して、強靱かつ持続可能な電気の供給体制を確保してまいります。
 以上が経済産業省からの説明になります。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#4
○会長(宮沢洋一君) 次に、環境省から説明を聴取いたします。佐藤環境副大臣。
この発言だけを見る →
佐藤ゆかり#5
○副大臣(佐藤ゆかり君) 環境副大臣の佐藤ゆかりでございます。
 今回、気候変動対策に関する内外の取組について御説明を求められておりますところ、一年目でもありますことから、まず、気候変動をめぐる国際的な概況を含めたパリ協定を始めとする国際協調について御説明させていただいた後に、我が国の気候変動対策について、我が国の中長期目標等に加え、特に御指示をいただいた地域における脱炭素化、ESG投資、カーボンプライシングについて、資料に沿って御説明を申し上げたいと存じます。
 二ページ目を御覧いただきたいと存じます。
 昨年夏に房総半島台風及び東日本台風が立て続けに日本に上陸をしまして、強風や多量の降雨により甚大な被害を及ぼしたことは記憶に新しいところでございますが、同様に、アジアや北米での大雨、ヨーロッパでの熱波、オーストラリアでの森林火災など、世界各地で数多くの自然災害が発生しております。
 世界気象機構、WMOでも、最近の顕著な降水や高温の増加傾向は長期的な地球温暖化の傾向と関係しているとの見解が示されておりまして、更なる平均気温の上昇により、こうした影響はより深刻化すると想定されております。
 三ページ目を御覧ください。
 気候変動問題に関し科学的知見を提供する学者の集まりでありますIPCC、気候変動に関する政府間パネルでは、二〇一八年に発表した一・五度特別報告書において、現状のペースでいけば、世界の平均気温の上昇を一・五度を大きく超えないためには、二〇五〇年前後のCO2排出量を正味ゼロにすることが必要との見解を示しました。
 四ページ目を御覧ください。
 一方、こうした気候変動の原因となっている温室効果ガスのうちエネルギー起源のCO2については、二〇一七年に世界全体で三百二十八億トンが排出されており、中国、アメリカ、インドの排出量がそのうち半分を占めております。
 引き続き、世界第五位の排出国であります我が国の排出を削減するとともに、その他の国の排出量を引き下げるための取組も重要でございます。
 五ページ目を御覧ください。
 こうした中で、二〇一五年にパリ協定が採択され、本年より実施されております。世界のCO2削減の取組は先進国のみでは達成できません。パリ協定では、先進国のみならず全ての国が参加する新たな、パリ協定は新たな国際的枠組みでございます。全ての国に削減目標等の国の決定する貢献、いわゆるNDCの五年ごとの提出を義務付けるとともに、その実施状況を確認する仕組みを構築いたしました。
 一方で、残念ながらアメリカは本年十一月にパリ協定を脱退する予定でございまして、世界第二位の排出国であるアメリカの取組をパリ協定外でどのように進めていくかは課題でございます。
 六ページ目を御覧ください。
 昨年十二月にマドリッドにおいて開催された気候変動枠組条約第二十五回締約国会議、COP25では、このパリ協定の実施に必要な市場メカニズムの実施指針についての交渉が行われました。本会合では結論が得られませんでしたが、小泉環境大臣が主要関係国と精力的に調整を行った結果、次回のCOP26での採択に向けた道筋を付けることができました。
 七ページ目を御覧ください。
 市場メカニズムは、他国におけるCO2削減を自国の技術等を導入することで削減した場合に、その削減量の一部を自国の削減量としてカウントできることにより、技術が不足する特に途上国のCO2削減を進める制度でございます。我が国は、各国に先行してJCMと呼ばれる市場メカニズム制度によって日本の優れた脱炭素技術などを展開することで、特にアジア諸国のCO2削減に貢献をしておりまして、今後、アジア諸国だけではなく、アフリカ諸国や、GDP当たりのCO2排出量の大きい中東諸国にも広げてまいりたいと考えております。
 八ページ目を御覧ください。
 ここからは、我が国の気候変動対策について御説明申し上げます。
 まず、我が国の温室効果ガス排出量ですが、二〇一八年度の時点で約十二億四千万トンでありましたが、中期目標の基準年度である二〇一三年度に比べて一二%減、五年連続で削減をしております。ここ五年連続で削減を達成したのは、G7では日本とイギリスのみでございます。また、この間、我が国のGDPは増加しておりまして、経済成長と同時に温室効果ガスを削減する、いわゆるデカップリングを達成いたしております。
 九ページ、十ページ目を御覧ください。
 我が国は、昨年六月にパリ協定に基づく長期戦略を策定し、G7の中では初めて長期戦略の中でカーボンニュートラルへの道筋を示しました。今世紀後半のできるだけ早い早期に、できる限り二〇五〇年に近い時期に脱炭素社会を実現することを目指しております。
 一方で、この実現は、従来の取組の延長では実現困難でありまして、非連続なイノベーションを通じた環境と成長の好循環の実現が必要でございます。
 十一ページ目を御覧ください。
 このため、本年一月には、このイノベーションを創出するための革新的環境イノベーション戦略を策定いたしました。世界のカーボンニュートラル、さらには過去のストックベースでのCO2削減、いわゆるビヨンド・ゼロを可能とするため、例えば、浮体式洋上風車技術の確立やCCUSの実用化などの革新的技術を二〇五〇年までに確立することを目指しております。
 十二ページ目を御覧ください。
 さらに、本年三月にパリ協定に基づくNDCを更新いたしました。このNDCにおいては、一、二〇三〇年度二六%削減の確実な達成と、これにとどまらない更なる削減努力、二、具体的実行計画である地球温暖化対策計画の見直し着手、三、更なる削減目標の検討は、今後のエネルギーミックスの改定と整合的に、更なる野心的な削減努力を反映した意欲的な数値を目指すことを表明しております。このNDCに基づき、地球温暖化対策計画の見直しを検討してまいります。
 現在、政府を挙げてコロナ対策に取り組んでおりますが、今般の新型コロナウイルスへの対策をきっかけに、暮らし方や働き方が変化してくることも想定されます。計画の見直しに当たっては、そうした動きも踏まえつつ、持続可能な脱炭素社会への移行を促していく対策を考えていきたいと考えております。
 十三ページ目を御覧ください。
 先般成立しました令和二年度補正予算におきましても、脱炭素化社会への移行を促す施策を盛り込んでおります。
 今後、新型コロナウイルスを契機にサプライチェーンを国内回帰する動きが出てくる可能性も指摘されておりまして、そのような場合にも防災にも資する省エネ設備や再エネ設備が導入されることが重要であります。
 環境省では、今年度予算や補正予算によりましてこうした設備の導入への補助を行います。また、設備導入による削減量を売買可能なJ―クレジットとして認証することで、民民の取引を通じた投資回収の後押しもしてまいります。引き続き、新型コロナウイルスの状況も踏まえながら持続可能な脱炭素社会への移行を促してまいります。
 十四ページ目を御覧ください。
 ここからは、政府以外の主体、自治体や企業の動きについて御紹介したいと存じます。
 我が国の目標は、さきに述べましたとおり、今世紀後半のできるだけ早期に、できる限り二〇五〇年に近い時期に脱炭素社会を実現するということでありますが、その一歩先を行く目標である二〇五〇年排出実質ゼロを掲げる自治体、いわゆるゼロカーボンシティが増加をしております。人口規模では日本の人口の過半に迫る大きな動きとなっておりまして、今後は各地域のゼロカーボンシティ実現に向けた実効性のある取組の後押しが課題になってまいります。
 十五ページ目を御覧ください。
 地域の脱炭素化に向けた様々な取組が進んでおります。
 千葉県睦沢町では、太陽光発電やガスコージェネレーション等の分散型エネルギーの活用を進めております。これによって、平時にはCO2削減につながっておりますが、昨年の房総半島台風の影響で地域に停電が発生した際にも、この分散型エネルギーが稼働して地域に一定のエネルギー供給を継続できたという実績がございます。こうした好事例を全国各地に創出していきたいと考えております。
 十六ページ目を御覧ください。
 また、地域を超えた取組も進んでおります。
 横浜市は、再生可能エネルギーが豊富に存在する東北十二市町村と連携し、再生可能エネルギーの供給を受けるとともに、住民、企業間の連携による地域間のつながりを強めております。こうした地域循環共生圏の創造が地域の脱炭素化と地域の活性化を同時に進めていく鍵であると考えております。
 十七ページ目でございます。
 こうした自治体の動きに加えて、企業でも脱炭素経営を進める動きが加速しております。TCFD、SBT、RE一〇〇といった気候変動に関する様々な国際イニシアティブに賛同、参画する日本企業が増えており、世界でもトップクラスの数となっております。
 十八ページ目を御覧ください。
 こうした企業の取組を金融面から後押しをするのがESG金融でございます。世界的なESG金融の拡大が先行しておりますが、我が国でも近年急拡大をしております。
 十九ページ目でございます。
 環境省としては、ESG金融の更なる拡大に向けて、ESG地域金融の普及のための地域金融機関への働きかけ、ポジティブインパクトを生み出す金融に向けたガイドの整備等を進めてまいります。
 二十、二十一、二十二ページ目でございます。
 カーボンプライシングについては、既に導入されているものとして地球温暖化対策税がございますが、脱炭素社会に向けてあらゆる資源の戦略的な配分を促し、新たな経済成長につなげていく原動力として、更なるカーボンプライシングの可能性について検討をしているところでございます。
 また、炭素税や排出量取引とは異なりますが、省エネ、再エネ設備の導入等による温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証し、その取引を可能とするJ―クレジットという制度もございます。このJ―クレジット制度については、現在、ブロックチェーン技術等のデジタル技術を活用した利便性の向上について、私が中心となって検討を進めているところでございます。
 こうした自主的なクレジット取引の活性化を通じて、家庭や中小企業、地方公共団体における環境投資を促進するとともに、脱炭素化に向けた取組を後押しすることにより、環境と成長の好循環の実現を目指してまいります。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#6
○会長(宮沢洋一君) 以上で政府からの説明聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようにお願いいたします。
 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力お願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 三浦靖君。
この発言だけを見る →
三浦靖#7
○三浦靖君 ありがとうございます。自由民主党の三浦靖です。
 私は島根県の出身でございまして、唯一県庁所在地に原発を抱える、島根県東部の松江市に島根原発一号機、二号機を抱える、また西部には三隅火力発電所を抱えております。本調査会での貴重な質疑の機会を頂戴いたしましたことに感謝申し上げます。
 限られた時間でございますので、早速質疑の方に入らせていただきたいと思います。
 先ほど松本副大臣より、エネルギーをめぐる国際情勢、またエネルギー安全保障、ベストミックスに関して御説明をいただきました。もとより我が国は化石燃料を始めとする地下資源に乏しく、特に原油、天然ガスを輸入に頼らざるを得ない中、先ほどもおっしゃられていましたけれども、国際情勢に大きく左右されています。
 一九七〇年代の二度にわたるオイルショックは忘れられない教訓となっておりまして、くしくも今次の新型コロナウイルス感染症の問題でもトイレットペーパーの買占めなど同様な現象が起きてしまったことは、非常に残念なことでございました。一方で、マスクなどの医療関係資材の海外依存リスクや基幹産業のサプライチェーンの断絶リスクを浮き彫りにし、そういった意味で、電力資源である化石燃料の大部分を海外に依存している我が国のエネルギー事情は、安定供給において大きなリスクを負っていると再認識しなくてはならないということではなかったのでしょうか。
 そこで、比較的国際情勢に左右されにくい準国産エネルギーとも言える原子力の安全運転を軌道に乗せることは、我が国にとって必要不可欠のエネルギーの安全保障ではないかと考えております。
 もちろん、御説明いただいた3EプラスS、Sの部分でございます安全性が大前提ではございますけれども、必要な審査を行うのは当然ではありますけれども、マンパワーの拡充や審査の工夫、効率化などにより可能な限り審査の早期化を進めていくことが必要な時期に至っているのだと考えておりますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#8
○会長(宮沢洋一君) どなたに対する質問ですか。
この発言だけを見る →
三浦靖#9
○三浦靖君 経産省ですね。
この発言だけを見る →
山形浩史#10
○政府参考人(山形浩史君) お答えさせていただきます。
 審査は、大前提である安全性について判断を行う場であるからこそ、実際に現場の安全に直接携わっておられる申請者の方、そういう方と十分な議論を行って共通理解を得るべく、納得のいくまで議論をして結論を得るということが重要と考えておりまして、規制委員会としては、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて厳正な判断を下すことが重要であると認識しております。その上で、審査の時間は申請者にとってでなく我々にとっても重要でございますので、審査を効率的、効果的に進めることが望ましいと考えております。
 このため、審査の予見性を確保するため、審査について、審査項目ごとに進捗状況や残っている主な論点を整理しました審査進捗状況表を作成、公表すること、また、審査の過程における主要な論点や適合性の結果をまとめた審査書、確認書、そういうものを作成、公表すること、また、同じような型の原子炉の審査が並行している場合には他の事業者の同席を認めることなど、そういうことを心掛けて効率的な審査に取り組んでございます。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#11
○会長(宮沢洋一君) 先ほど申し上げましたけれども、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。
この発言だけを見る →
三浦靖#12
○三浦靖君 大変失礼いたしました。
 先ほども申し上げましたように、島根原発を抱えておりますけれども、一号機は既に廃炉が決定しております。そして三十年以上経過する二号機は適合審査中、さらには、三号機も建設中という形にはなっておりますが、新しいものが今あるというところでございますが、現在、我が国の原子力の運転期間は四十年に制限されておりまして、二十年の延長を一度限り認めるという運転期間が制限されております。
 しかしながら、海外では運転期間の制限を採用していない、そういった国もあり、米国では既に八十年運転の承認事例も順次出始めているそうなんですけれども、エネルギーの安定供給を環境適合的、また経済的に達成していくためには、そうした既設発電所の有効活用を科学的根拠にのっとって検討していくことが肝要ではないかと考えております。
 科学的なエビデンスに基づいて安全性の根拠を検討する動きも出ておるというふうに聞いておりますけれども、現在の状況についてお知らせいただけますでしょうか。原子力規制委員会、お願いいたします。
この発言だけを見る →
大村哲臣#13
○政府参考人(大村哲臣君) お答え申し上げます。
 御指摘の原子力発電所の運転期間四十年につきましては、国会審議におきまして、技術的研究のみならず、幅広い観点から議論が重ねられた上で法制化されたものというふうに認識しておりますけれども、原子力発電所の経年劣化につきましては、技術的な見地から丁寧かつ慎重な議論が必要であるというふうに考えてございます。
 この経年劣化に関しましては、現在、原子力エネルギー協議会、ATENAとの実務者レベルの技術的意見交換会を開催しておりまして、これまで二回開催をしております。次回は、五月二十二日にテレビ会議により開催をする予定としてございます。
 事務局といたしましては、六月も引き続きこの技術的意見交換会を行う予定としておりまして、議論がまとまり次第、報告書を取りまとめ、原子力規制委員会に報告したいというふうに考えてございます。
この発言だけを見る →
三浦靖#14
○三浦靖君 ありがとうございます。是非、そういった関係者と緊密に連携を取っていただいて、少しずつ進めていただければと思っております。
 先ほど、運転期間、発電を行っていない点検・審査期間や震災以降の休止期間も含まれている、この運転期間の中に含まれているということ、これ自体が科学的に本来ふさわしいものなのか、経済的にはもちろん合っていないということは皆さんお分かりだと思いますけれども、そういった中で、全く規模の違う話になり大変恐縮なんですけれども、発電停止期間の同様な事例として、小水力発電について少しお尋ねしたいと思います。
 小水力発電は、再生可能エネルギーとして、天候に左右されず、安定的でかつ急峻な日本国土、地形に適した効率的な発電であるとともに、また環境にも非常に負荷の少ない優れたものではないかと考えております。
 現在、多くの事業体がFITに移行しているようですけれども、ただ、この買取り期間に、近年頻発している大規模自然災害、大型台風やゲリラ豪雨による河川の増水や土砂崩れ、そういった被害によって発電所の稼働を停止をせざるを得ない、そういった状況の生じた期間も含まれているということでございます。
 これは再生可能エネルギーを推進する施策に即したものにはなっていないと考えておりまして、規模が小さい事業体であり、さらには、先ほどお話がありましたように、地域の地産地消型エネルギー供給を実現させていくということであれば、不可避な災害、事故、修理期間、発電停止期間を買取り期間から除外して、実際の稼働期間でカウントしていただくことが望ましいと私は考えておりますけれども、経済産業省のお考えをお伺いいたします。
この発言だけを見る →
覺道崇文#15
○政府参考人(覺道崇文君) お答え申し上げます。
 再エネ特措法に基づきますFIT制度は、国民が負担する賦課金を用いまして再エネ電気を長期固定価格で買い取ることによって、投資回収の予見可能性を担保し、再エネ導入初期における普及拡大と、それを通じたコストダウンを実現することを目的とした特別措置でございます。
 再エネ電気の買取り単価である調達価格は、再エネ電気の供給に通常要する費用を基礎としまして、適正な利潤等を勘案して算定しているところでございます。このうち適正な利潤は、事業リスクに見合ったものとして設定されているものでございます。
 調達期間内における自然災害等による発電停止につきましては、事業を実施する上で事業者が負うべき一般的なリスクでございまして、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制との両立を図る観点からは、当該発電停止期間を買取り期間から除外するべきではないというふうに考えてございます。
 なお、自然災害への対応につきましては様々な損害保険サービスが提供されておりまして、近年の自然災害の増加等を踏まえまして、事業用太陽光発電に関して今年度から損害保険への加入を努力義務化したところでございます。
 事業者による経営努力を促しまして、コスト効率的な再エネの導入拡大を図ってまいりたいと考えてございます。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#16
○会長(宮沢洋一君) 時間ですので、おまとめください。
この発言だけを見る →
三浦靖#17
○三浦靖君 はい、時間ですので。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#18
○会長(宮沢洋一君) 古賀之士君。
この発言だけを見る →
古賀之士#19
○古賀之士君 立憲・国民.新緑風会・社民、合同会派の国民民主党、古賀之士でございます。
 先ほどの御説明、報告を聞いておりまして、改めましてこの参議院独自の資源エネルギー調査会、資源のない、資源の乏しい我が国にとりまして本当に存在意義それから今後のことを考えていく上で重要な調査会だということを、認識を新たにさせていただきました。
 言わずもがなですが、かつては水資源を求めて争いが起き、さきの大戦でも石油資源を求めて大きな戦火に包まれたのは皆さんもよく御存じのとおりでございます。そういった資源に乏しい我が国にとりまして、技術を前面に押し出しながら奇跡の復興を遂げてきたわけでございます。
 そういった観点から、まず質問は、新しい原子炉技術の開発についてお尋ねをさせていただきます。新しい原子炉技術の開発状況について、経産副大臣又は参考人に伺います。
 第五次エネルギー基本計画に取り組むべき技術課題として示されております高温ガス炉、それから小型モジュール炉、溶融塩炉について、現在どのような開発段階にあり、また、発電開始までのロードマップはどのようになっているでしょうか。また、フランスで建設が進んでおります、二〇二五年の運転開始を目途としております国際熱核融合実験炉、これはITERと呼ぶそうですが、このITERはどのように我が国として捉えていらっしゃるんでしょうか。
この発言だけを見る →
松本洋平#20
○副大臣(松本洋平君) ITERの部分は文科省からお答えになるのが適当かと思いますので、私の方からは革新的な原子力技術の開発支援状況ということでまずお答えをさせていただきたいと思います。
 二〇一八年七月に閣議決定をいたしましたエネルギー基本計画に記載をしておりますとおり、二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指すという長期的目標の達成に向けまして、脱炭素化のあらゆる選択肢を追求していくことが重要であります。そのため、原子力については、実用段階にある脱炭素化の選択肢といたしまして、安全性の一層の向上に加えて、多様な社会的要請の高まりも見据えたイノベーションを進めていく方針としております。
 その一環といたしまして、先ほど委員からも御紹介をいただきましたようなそうした新しい技術分野について、令和元年度から民間企業などによる革新的な原子力技術の開発支援を開始したところであり、今後も原子力のイノベーションに向けた取組を進めてまいりたいと存じます。
この発言だけを見る →
千原由幸#21
○政府参考人(千原由幸君) お答え申し上げます。
 核融合エネルギーは、エネルギー問題と環境問題を根本的に解決する将来のエネルギー源としてその実現が期待されておりまして、現在、科学的、技術的実現性の確立を目指している段階にございます。この段階にある主要プロジェクトでございます御指摘のITERの建設につきましては、世界七か国・地域の協力によりフランスで進められておりまして、二〇二五年に予定される運転開始まで約六九%まで進捗してございます。
 文部科学省といたしましては、ITER計画を進めるとともに、日欧連携により取り組んでおりますITER計画の補完、支援を目的とする幅広いアプローチ活動等を通じ、核融合の科学的、技術的実現性を検証してまいります。それを踏まえ、二〇三〇年代に実験炉の次の原型炉への移行判断を行い、今世紀中葉までに核融合エネルギーの実用化のめどを得るべく研究開発を進めてまいります。
この発言だけを見る →
古賀之士#22
○古賀之士君 今、今世紀中頃までというお話がありましたように、二〇五〇年代以降、つまり二十一世紀の後半にはこの新しい技術がどのように生かされていくのか、私たちにとりまして、いや、世界にとりましても重要な案件でございますので、きちっとした見極めと、そして開発への努力を怠りなくお願いをいたします。
 さらに、その新しい原子炉技術がもたらす環境への影響につきまして、環境副大臣又は参考人にお話を伺います。
 新しい原子炉技術が実現に至れば、二〇五〇年までの温室効果ガス八〇%という、現状ではなかなか厳しい数字ですが、今世紀後半の脱炭素社会に向けて大きく前進するのではないかと思われます。環境省として、新しい原子炉技術と温室効果ガスの削減との関係につきましては、今、現段階でどのようにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
佐藤ゆかり#23
○副大臣(佐藤ゆかり君) お答え申し上げます。
 昨年六月に閣議決定をいたしましたパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略におきましては、エネルギー転換、脱炭素化への挑戦を進めていくために、再生可能エネルギー、蓄電池、水素、原子力、CCS、CCUなど、あらゆる選択肢の可能性とイノベーションを追求していくことが重要としてありまして、原子力は脱炭素化の選択肢の一つと位置付けられていると承知をいたしております。また、原子力関連技術のイノベーションを促進するという観点が重要であるとも記載をされております。一方で、同戦略では、原子力は、安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減すると位置付けられていることも承知をいたしております。
 環境省といたしましては、外局として独立性の高い三条委員会であります原子力規制委員会を所管しておりますことから、原発推進の是非については控えさせていただくことと存じますが、こうした政府方針に沿って、環境省としても徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの最大限の導入を進めてまいる所存でございます。
この発言だけを見る →
古賀之士#24
○古賀之士君 相矛盾する大変難しい課題だとは思いますけれども、副大臣始め、今日の環境省の皆さん方、一層の奮起でひとつ脱炭素社会に向けての行動をよろしくお願い申し上げます。
 そして、今度は、また再び経産副大臣にお伺いをいたします。
 コミュニケーションの充実について、第五次エネルギー基本計画、この質問を最後にさせていただきますが、この基本計画の中に国民各層とのコミュニケーションの充実と示されております。エネルギーに関する広報の在り方、客観的な情報データのアクセス向上による第三者機関によるエネルギー情報の発信促進及びエネルギー教育の推進について、具体的に現状どのような取組を行っていらっしゃるでしょうか。
この発言だけを見る →
松本洋平#25
○副大臣(松本洋平君) エネルギーは、国民生活や産業活動の基盤であります。エネルギーに関する国民各層の理解が深まることで、省エネルギーの徹底や再生可能エネルギーの活用を始め国民の主体的な取組が広がっていくものと考えております。こうした考えの下、議員御指摘のエネルギーに関する広報につきましては、資源エネルギー庁のホームページやパンフレットを始めとする様々な媒体、イベントや講演会などの機会を通じて情報発信をさせていただいています。
 例えば、資源エネルギー庁ホームページでは、スペシャルコンテンツといたしまして、様々な切り口でエネルギーに関するテーマや基礎用語を解説した記事を定期的に配信しており、毎月二十から三十万件のアクセスがございます。
 第三者機関によるエネルギー情報の発信の促進に向けた取組といたしましては、メディアや民間調査機関、非営利法人といった第三者がエネルギーについて独自の分析や情報発信をする際に活用していただけるよう、資源エネルギー庁のホームページに統計情報のポータルサイトを設けて国内外のエネルギー関係統計を一覧性のある形で提供しており、毎月二十万件ほどのアクセスをいただいているところであります。
 エネルギー教育の関係では、先生方が授業でそのまま利用できる教材を開発、提供する取組などを実施しております。例えば、昨年十二月に作成をいたしました最も新しい教材は、これまでに十五万冊以上を教育現場にお届けをしているところであります。
 引き続き、エネルギーに関する国民の理解が深まるよう取り組んでまいります。
この発言だけを見る →
古賀之士#26
○古賀之士君 終わらせていただきますが、最後に要望として、この資源エネルギーの問題というのはかつては、先ほど申し上げましたように、水や石油を争ってきた歴史もございます。そして、戦後の復興では、今、一バレル当たり石油は三十ドルぐらいになっているかと思いますが、日本が復興を遂げた際は一バレル一ドルから二ドルでした。こういったその石油価格の、原油価格が低廉化していた、安かったということも、幸運もありました。
 そういった資源エネルギーと我が国との歴史、こういったものもしっかり、今と未来の問題ではなく、過去の歴史と照らし合わせてこの資源エネルギーの将来を考えていくという行為、こういったものがもう少しあったらより国民の皆さんの理解を得られると思いますので、よろしくお願いをいたします。
 以上で質問を終わります。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#27
○会長(宮沢洋一君) 若松謙維君。
この発言だけを見る →
若松謙維#28
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 まず、松本経済産業副大臣にお尋ねいたします。
 経済産業省の資料の十三ページを開きながら質問させていただきますが、御存じのように、今、新型コロナウイルス感染症の影響で新しい生活様式が求められております。
 そういう中、今後のエネルギー政策にどのように反映させていくかお尋ねするわけでありますけれども、ちょうど二〇二一年七月まで、いわゆる第六次基本計画ですか、その検討を開始するということでありますが、ちょうどここに、3EプラスS、これに、これからの新しい考え方は3E・SプラスNLと、ニューライフ、新しい生活様式、これもしっかり盛り込むべきではないかと、そう考えまして、そういった考え方を含めて政府の見解をお尋ねいたします。
この発言だけを見る →
松本洋平#29
○副大臣(松本洋平君) まずもって、新型コロナウイルス感染症によりまして経営環境が厳しさを増す中、経産省としては、企業活動の継続と雇用を何としてでも守り抜くという決意の下、幅広い支援策を講じてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 お尋ねの点でありますが、まずは感染症流行終息に全力で取り組みつつ、それと同時に、感染症による影響の長期化も見据えまして、ウイルスの存在を前提にする新しい生活様式を産業界や国民の皆様とともに実践をしていくことが重要であると考えております。
 例えば、接触を減らして感染症の拡大を抑制するため、多くの企業でテレワークの導入が拡大され、オンライン会議の利用も増加をしておりますし、また医療分野では、病院内感染のリスクを減らすため、初診も含めた電話やオンラインによる治療が解禁されたほか、教育分野でも遠隔教育等の取組が拡大をしているところであります。
 委員御指摘がございましたように、こうして国民生活の変化というものが生まれている中で、この変化を踏まえた新しい生活様式の下、人々のエネルギー消費の在り方にどのような変化が生じるのかを我々としてもしっかりと見極めていかなければいけないと思いますし、その結果というものを来年予定されているエネルギー基本計画の改定の議論などに是非反映をしてまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
← 戻る