赤池誠章の発言 (文教科学委員会)
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○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章でございます。
私どもは、長い歴史の中で幾多の困難にぶつかってまいりました。その都度、先人たちを含め、我々国民がそれぞれの立場で自分にできることを一生懸命なし、助け合い、励まし合いながら乗り越えてきたわけであります。だからこそ今日があるのではないかと思っております。
しかしながら、今また新型コロナウイルス感染症が国内のみならず全世界的に流行し、未知のウイルスゆえワクチンや薬もいまだなく、誰しもが感染するかもしれないという不安が広がり、非常に広範囲なリスクが発生しております。さらに、経済不況も巻き起こし、先行き不透明で深刻な危機に陥っております。
この危機に対して、何とか事態の打開を目指して、手探りの部分があるかもしれませんが、国民それぞれがそれぞれの立場で一生懸命力を尽くし、乗り越えようとしています。ただ、今までの当たり前が当たり前でなくなり、非常に流動化している現状において、国民の受け止め方もいろいろであろうかと存じます。しばし我慢をしていればいつかコロナが流行する前に戻ると期待する方も多くいらっしゃるでしょう。この期待は当然だと思います。
しかしながら、我々の社会は、今回のコロナに限らず常に感染症のリスクにさらされているのだという認識を新たにした以上、今後は新しい日常、新しい生活様式や、それに基づく国家、社会の形成を念頭に置かなければなりません。今は、我慢すれば元どおりではなく、新しい段階に変わっていく転換点なのだという認識でこの危機を乗り越えていかねばならないだろうと思っております。
そして、感染症のリスクに耐え得る国家、社会をつくり上げるには、当たり前ですが自然発生的にでき上がるものではありません。ですから、国民が、自分さえ良ければいいではなく、国家、社会の一員として、それぞれの立場でそれぞれの役割をしっかり果たしていくことが重要だと思っています。中でも、我々国会議員や、そしてこれから質問をいたします行政官の皆様方の責務は重く、国家、社会の形成者として先頭に立って取り組んでいかなければなりません。
この度の危機に際し、まだまだ現状で解決しなければいけない課題は山積しておりますが、一方で現時点での教訓も見えてきているわけであります。
思うに、ふだんから危機意識を持って危機管理ができていたかという点。今回、目の前に追われた対応が目立ったことは否めないわけであります。方針が変更になることもありました。
それは、一つには平時と有事の切替えがうまくいっていなかったことが挙げられると思います。例えば対応のスピード感。有事においては対応にスピードが要求されますが、平時のスピード感で対応しようとしていなかったか。一方、スピード重視で詰めが甘く、二転三転してはいないかという反省点もあります。
また、危機対応の結果としてせざるを得ない社会変革ではなく、急進的な社会変革そのものが目的と化したように感じるケースもありました。本当に国家国民のためなのか、今その変革に耐えるキャパシティーがあるのかは忘れてはならない点だと思います。
有事に平時の感覚で臨んでも結果が出ないのは当然ですし、有事だからといって平時にできないことをやろうとするのもまた結果は伴わないと思います。今がどういう事態にあるのかという現状の判断、そして切替えは非常に重要です。そして、有事対応は何の準備もなくできるものではありません。常日頃の平時にどれだけ備えてきたかに懸かっているわけであります。
今回の教訓を踏まえ、今まさに乗り越えなければならない課題はもちろん、その次に、その先を見据え今なすべきことをする、これもまた我々の大事な仕事です。決まったことしか情報が表に出ないのではなく、ただでさえ不確定要素が多いわけでありますから、先行きに不安を感じておられる国民が多くいらっしゃると思います。
少しでもその不安に、その解消につながればという思いを込めて、今回は文部科学省の所管事項について、この先どういう方向で動いていくのかということを、中長期的な展望を主に以下の三点を中心に御教示いただければと思っています。一つ目は、新しい日常が要求される転換点だという認識、二つ目は、教育基本法にもございます国家、社会の形成者という文科行政における基礎、基本の問題、そして三つ目は、日頃からの備えと危機管理意識の醸成であります。以上三点を踏まえつつ、順次御見解を伺いたいと存じます。
まず、初等中等教育政策について見解を伺います。