三浦瑠麗の発言 (予算委員会公聴会)

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○公述人(三浦瑠麗君) ありがとうございます。
 新型コロナウイルスに関して、先ほどイタリアの例を、フォーリン・ポリシーの論文を引きながら御紹介いたしました。そこでも、やはり一番の分断や政治化、問題の政治化の原因として挙げられたのが、やはり弱い政権なんですね。つまり、弱い連立政権を通じて政治化が起こると。つまり、日本でどうして、イタリアに比べるとですね、これだけ深刻なコロナの被害がありながらも、まあこの程度で収まっているかというと、政権が安定しているからだろうと思うんですね。
 したがって、まずG7のその首脳同士の間でできることというのは、お互いに支え合うことであって、間違っても入国制限をお互いにぶつけ合ってやり取りすることではないんですね。
 これを、せっかく意見陳述の機会をいただきましたので、一つだけ日韓両国について申し上げますと、確かに韓国の感染は深刻ですから、入国を制限するかどうかというのは政府の御判断だろうと思います。ただ、そこにおいて外交的な緊張を和らげるやり方というのはあったわけで、例えば根回し、もう一つは、政府の対立は致し方ないけれども、実際に日本企業の大企業を含め、あらゆる現場で頑張って労働力として貢献してくれている、韓国からそのまま就職してくれている人たちに関する目配りができているよというメッセージを、例えば四月入社を決めている人たちに関するこのような日本政府は目配りをしているよと、企業に対しても指導するよというふうなメッセージさえあれば、仮に韓国政府がこれだけ同じように感情的に反応しても、やはり印象は違ったと思います。
 というように、まずは、現状ある政府しか存在しないのだから、首脳同士非難し合ったり協力を拒むのではなくて、まずは資源を融通し合ったり、そしてその当事国の、被害が広まっている当事国の制限にまずは任せるというのが大事ではないかと。
 つまり、イタリアのコンテ首相は、サルヴィーニさんからのどんどん右から圧力を掛けられた結果、初動対応が遅れたという批判を受けて、中国からの直行便、中国への直行便を禁止するんですね。それがヨーロッパ初の試みであったということを自分の成果として公言されます。その後にイタリアに対してヨーロッパ各国が、あるいは世界各国がとった措置に関しては、コンテ首相御自身は反発を抱いておられるわけですね。
 外交というのは相互主義です。したがって、自分が行ったことが、内政上のインパクトだけではなくて、いずれ自分がその場に置かれたときに降りかかってくると。これは、コロナについてはもう一番、人を選ばずに感染しますから、表出することなんだろうというふうに思います。
 もう一つ、日本人が、日本政府がG7始め世界各国に助言できることというのは、やはり先ほど申し上げた外交上の原則とも関連しますが、法律至上主義というのはそこまで悪いことではないと思うんですね。それは、新しい事態が起きると新しい法律を作れということになりますが、やはり、日本のように厳格な法治国家であっても多少の融通は利くのであって、日本がなぜこれだけ被害がまあまあ抑えられているかといったときに、やはり香港と並んで人々の、末端の人々それぞれの、例えば手を洗うであるとか、いろんな行動の規則を守るとか、そういった秩序正しい公衆衛生の概念というのは無視できないだろうと思います。その公衆衛生の概念こそ、伝えること、あるいは移入することが難しい概念なのですが、しかし、そういった地道な努力こそ役に立つ場合もあるだろう、逆に自分たちが学ぶべきこともあるだろうと思います。
 一斉休校は整然と行われましたが、他方で、パチンコであるとか様々な高齢者が出入りする施設に関して、じゃ、どのように体温測定していくのか、あるいは健康状況を見ていくのか、人々を離すのかというような、そういったオペレーションに関しては、シンガポールや香港の方に学ぶところが大きいだろうと思います。
 自分たちだけが優れているという立場に立たずに、そこら辺の自分たちの貢献できるところをメッセージとして昇華していき、同時にほかの国のいいところも紹介していくというやり方が必要ではないかと思います。
 二つ目の御質問ですが、核兵器に関しましては、基本的に軍拡あるいは軍備管理、両方について言えることですが、技術革新の側面においては軍備管理というのは進みません。ですから、核兵器やその運搬手段が技術革新、軍事革命の局面に入っていれば必ずその軍備管理は失敗し、他方で、それが不要なものになればなるほど軍備管理が促進されるという構造がございます。
 実際に、オバマ政権で戦略核を削減した背景には、そのような大量の戦略核を維持していくだけの費用の見通しが立たないという現実的な理由がございました。他方で、トランプ政権で再確認されました核、戦術核をめぐる方針については、これは実際にロシア、中国が軍拡を行っている局面では、なかなか日本としても何らかの対案を出さなければ戦術核の増産に歯止めを掛けることはできないと思われます。
 基本的に百三十兆円ほどの支出が見込まれると考えられているアメリカの戦術核の増産を止めるためには、逆説的ですが、日本が通常兵力を拡大するしかないんですね。核が嫌なのであれば、日本が同盟の中での負担割合を増やして、それを核ではない兵力によってアメリカの負担を多少肩代わりするという方向でしか実現が難しいのではないかと思いますが、とはいえ、正論を維持し続けることも大切ですから、日本政府としてはその二重の努力をしていただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 120115262X00120200310_194

発言者: 三浦瑠麗

speaker_id: 5314

日付: 2020-03-10

院: 参議院

会議名: 予算委員会公聴会