拝師徳彦の発言 (地方創生及び消費者問題に関する特別委員会)

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○参考人(拝師徳彦君) この公益通報者保護法関係ということに限って言うと、実際に本法に関係しそうな事件として受任したのは三件程度、そして、関係しそうな相談を受けたけれども受任に至らなかったものというのは十件以上あるだろうというふうに思っています。
 問題は、やはりその後者の、相談されたけれども受任に至らなかった案件です。中には、非常に我々がみんな知っているような大企業についての不祥事についての情報を抱えていらっしゃる相談者の方もいらっしゃいました。何とかしようということで相談されるわけですけれども、現行法では、弁護士の立場ではとても、それでは勇気を持って頑張って通報しましょうというふうに後押しすることはできません。やはり、もし通報した場合にどうなるか、不利益取扱いを受ける可能性がありますよ、そして、仮にそういう不利益取扱いを受けた場合には、こちらから裁判を起こして、それが違法、無効であることについて主張を立証しなくてはいけませんよと。ですから、そういう訴訟のリスク、不利益取扱いを受けるリスク、もちろん、訴訟をやったからといって手持ちの証拠で完全に勝てるという保証はどこにもない、むしろ企業の方が多くの情報を持っていて有利である、そういうことを説明せざるを得ないわけですね。ですから、そういうこちらからの法的なアドバイスをすると通報を断念される、そういうケースが多々あったというふうに認識をしております。
 今回の改正法でそれが、じゃ、がらっと変わって、じゃ、分かりました、頑張って一緒にやりましょうという状況になるかというと、決してそうではないだろうというふうに思っております。例えば、立証責任の転換規定が見送られる、それから証拠資料の持ち出しの免責ルールも明文化が見送られておりますので、がらっとは変わらない。ただ、先ほどから申し上げているような、例えば通報した場合に氏名等が漏えいするおそれというのは従来よりはかなり安心してできるんじゃないかと。
 それから、内部通報体制整備義務の一環として、多くの企業が内部規程で不利益取扱いの禁止というものを入れてくるだろうというふうに思っております。その場合には、そういうものを引用しながら、かなり今までよりはリスクは低くはなっています、ただしリスクはゼロではありませんという形で、一歩は踏み込んだ相談はできますが、それがどうなっていくのか、またちょっとその内部通報体制整備義務の指針の中身等にもよるかと思いますが、そういう悩ましい状況は引き続き続くのかなとは思っております。

発言情報

speech_id: 120115328X00920200603_026

発言者: 拝師徳彦

speaker_id: 2015

日付: 2020-06-03

院: 参議院

会議名: 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会