地方創生及び消費者問題に関する特別委員会

2020-06-03 参議院 全74発言

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会議録情報#0
令和二年六月三日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     加田 裕之君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 信秋君
    理 事
                徳茂 雅之君
                三木  亨君
                山田 俊男君
                伊藤 孝恵君
                山本 香苗君
    委 員
                尾辻 秀久君
                太田 房江君
                加田 裕之君
                藤末 健三君
                堀井  巌君
               三原じゅん子君
                山田 修路君
                田村 まみ君
                野田 国義君
                羽田雄一郎君
                福島みずほ君
                宮沢 由佳君
                森本 真治君
                熊野 正士君
                安江 伸夫君
                松沢 成文君
                柳ヶ瀬裕文君
                大門実紀史君
                浜田  聡君
   衆議院議員
       修正案提出者   穴見 陽一君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        衛藤 晟一君
   副大臣
       内閣府副大臣   大塚  拓君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        藤原  崇君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
       常任委員会専門
       員        佐藤 研資君
   参考人
       東京大学社会科
       学研究所教授   田中  亘君
       全国消費者行政
       ウォッチねっと
       事務局長
       弁護士      拝師 徳彦君
       オリンパス株式
       会社人事部門ス
       ーパーバイザー
       最高裁勝訴内部
       通報訴訟経験者  濱田 正晴君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公益通報者保護法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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佐藤信秋#1
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから地方創生及び消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、宮崎雅夫君が委員を辞任され、その補欠として加田裕之君が選任されました。
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佐藤信秋#2
○委員長(佐藤信秋君) 公益通報者保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。衛藤内閣府特命担当大臣。
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衛藤晟一#3
○国務大臣(衛藤晟一君) ただいま議題となりました公益通報者保護法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 公益通報者保護法の制定後においても、消費者の安全、安心を損なう社会問題化する事業者の不祥事が明らかになっています。こうした国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令違反の発生状況等に鑑み、これらの法令の規定の遵守を図る必要があります。
 こうした状況を踏まえ、事業者に対して公益通報に適切に対応するために必要な体制の整備を義務付けるとともに、公益通報者及び通報対象事象の範囲の拡大並びに公益通報者の保護の強化を行うなどの必要があるため、この法律案を提出した次第です。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、通報者に対する不利益な取扱いを未然に防止するとともに内部通報に適切に対応できるようにするため、事業者に対して必要な体制の整備等を義務付け、その違反に対して行政措置を導入することとしています。また、通報者を特定させる情報の守秘を義務付け、その違反に対して刑事罰を導入することとしています。
 第二に、行政機関等への通報を行いやすくするため、権限を有する行政機関に対する通報の保護要件について、氏名等を記載した書面を提出する場合を追加するとともに、被害の拡大の防止等に必要と認められる者に対する通報の保護要件について、財産に対する損害のある場合等を追加することとしています。また、公益通報に適切に対応できるようにするため、権限を有する行政機関に対して必要な体制の整備等を義務付けることとしています。
 第三に、退職者や役員を保護の対象とする者に追加するとともに、行政罰の対象となる不正を保護の対象となる通報に追加することとしています。また、公益通報をした通報者に対して損害賠償を請求することができないこととしています。
 なお、一部の附則規定を除き、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしています。
 以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
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佐藤信秋#4
○委員長(佐藤信秋君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員穴見陽一君から説明を聴取いたします。穴見陽一君。
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穴見陽一#5
○衆議院議員(穴見陽一君) 穴見陽一でございます。
 公益通報者保護法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 本修正は、政府がこの法律の施行後三年を目途として検討を加える対象として、公益通報をしたことを理由とする公益通報者に対する不利益な取扱いの裁判手続における請求の取扱いを明記するものであります。これは、立証責任の転換に関する規定の創設も視野に入れて検討することを政府に義務付ける趣旨であります。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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佐藤信秋#6
○委員長(佐藤信秋君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
    ─────────────
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佐藤信秋#7
○委員長(佐藤信秋君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公益通報者保護法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に東京大学社会科学研究所教授田中亘君、全国消費者行政ウォッチねっと事務局長・弁護士拝師徳彦君及びオリンパス株式会社人事部門スーパーバイザー・最高裁勝訴内部通報訴訟経験者濱田正晴君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐藤信秋#8
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
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佐藤信秋#9
○委員長(佐藤信秋君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
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佐藤信秋#10
○委員長(佐藤信秋君) 公益通報者保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、田中参考人、拝師参考人、濱田参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願います。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず田中参考人からお願いいたします。田中参考人。
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田中亘#11
○参考人(田中亘君) 東京大学社会科学研究所の田中亘と申します。
 私は、商法、会社法を専門とする法学者であり、また、今回の法改正に向けた検討のため、平成二十八年に消費者庁に設置された公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会ワーキング・グループの委員として審議に参加いたしました。
 本日は、このような経験に基づいて、公益通報者保護法の一部を改正する法律案について意見を述べさせていただきます。
 平成十六年の公益通報者保護法制定から十五年がたちました。この間に、大企業を中心として相当数の事業者が内部通報制度を導入するなど、制度への理解は国民の間に徐々に浸透しつつあります。しかし、上場会社における大規模な会計不正に見られるように、通報制度が十分機能していれば防げたと思われる企業不祥事は、なお後を絶ちません。
 また、消費者庁が平成二十八年に実施した労働者における公益通報者保護制度に関する意識等のインターネット調査においても、回答者の半数近くは勤務先の不正を知った場合であっても通報、相談はしないと答えており、さらに、現実に通報、相談をした経験のある回答者のうち約四割が何らかの不利益な取扱いを受けたと回答しています。
 公益通報者の保護によって適切な通報を促し、もって事業者による法令の遵守を図るという公益通報者保護制度の目的を実現するには、制度の更なる改善強化を図る必要性は高いと考えます。
 本法案による改正は、公益通報者保護制度を強化し、より使いやすいものにするものであり、誠に意義深いもののように思われます。とりわけ次の三点の改正が重要であると考えます。
 第一に、改正法案は、一定の事業者に対し、公益通報に応じ適切に対応するために必要な体制、いわゆる内部通報体制の整備を義務付けています。
 現行法においても、会社法上の大会社は、会社の業務が適正に行われることを確保する体制、いわゆる内部統制システムの整備の決定をすべきものとされていますが、整備すべきシステムの内容の中に内部通報体制が含まれるかは解釈に委ねられており、必ずしも明確ではありませんでした。
 今回の改正は、従業員数三百人超の事業者に内部通報体制の整備を義務付けた上、その実効性確保のための行政措置も導入します。また、従業員数三百人以下の事業者についても、努力義務として内部通報体制の整備を求めています。さらに、公益通報対応業務に従事する者の守秘義務をも明定しました。こうした改正により、労働者等が安心して内部通報を行うための環境整備が進むと期待されます。
 第二に、改正法案は、公益通報が保護されるための要件を拡張し、公益通報を行いやすくしています。
 特に、行政機関に対する通報、いわゆる行政通報について、現行法では、これが保護されるためには、通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信じるに足りる相当の理由があること、いわゆる真実相当性要件を必要としています。しかし、改正法案ではこれを改め、通報者が、氏名、住所のほか、通報対象事実の内容及び通報の理由に関して記載した書面を提出した場合には保護されるものとしています。
 真実相当性要件は、現行法上、名誉毀損の違法性が阻却されるための要件としても用いられていますが、行政通報が事業者の名誉を直ちに毀損するとは言えません。むしろ、行政機関が法令違反の有無の調査も含めて適切な対応をするための端緒となるものであります。そのような通報が保護されるために真実相当性まで必要とするのはいささか厳格に過ぎ、公益通報をためらわせる要因になっていたように思われます。
 改正法案が、行政通報について真実相当性を不要とし、氏名等を明示した書面による通報であれば足りるものとしたのは、公益通報者の保護を大幅に強化する画期的なものであると考えます。
 第三に、改正法案は、保護対象となる公益通報者の範囲を拡大し、退職者や役員を保護対象に含めています。
 労働者が在職中に法令違反の通報をすることはためらわれ、退職後に通報しようとする例は少なくないと言われます。また、会社の経営に従事する役員が重要な法令違反の事実を知る機会も多いことでしょう。これらの者をも保護の対象に含めることで公益通報がより促され、事業者による法令遵守が図られると期待されます。
 以上のとおり、本法案は、公益通報者保護制度の強化のため、大きな前進であると考えます。本法案が成立し、早期に施行されることを望みたいと思います。
 このように申し上げた上で、残りの時間では、法案の規定の中で、その解釈、適用に際し注意を要すると思われる点を指摘したいと思います。また、公益通報者保護制度の更なる強化のため、引き続き改正の検討をお願いしたい点を幾つか申し上げたいと思います。
 まず、規定の解釈、適用に際し注意を要すると考えますのは役員の保護要件に関してです。
 改正法案六条二号、三号は、行政通報又は行政通報以外の外部通報を行った役員が保護されるための要件として、調査是正措置をとるように努めたことを必要としています。これは、役員は法令遵守の義務を負い、また、会社の業務の適正を監視、監督する義務をも負っていますので、役員が善良な管理者の注意を尽くしてそれらの職務を行ったことを保護の要件にしようという趣旨と解され、それ自体は合理的なものと思われます。
 ただ、裁判所が本規定を解釈、適用するに際しては、役員が調査是正措置をとるように努めたという要件を余り厳しく解した場合、不相当に役員の保護範囲を狭めてしまう懸念があります。この点に関して申し上げたいのは、役員が法令違反の調査、是正のために会社内部でできることは限られている場合も少なくないだろうということです。
 取締役会を設置する株式会社の場合、取締役は、取締役会の構成員としてその意思決定に参加することができるだけであり、取締役会から権限を与えられない限り会社の業務を執行することはできず、また、法令違反の有無を調査したり証拠を収集する権限も持っておりません。したがって、ある取締役が法令違反が行われている疑いがあるとして取締役会で法令違反の調査あるいは是正を求めたとしても、それはないとして多数決で否決されれば、もはや会社内部でできることは残っていないことになります。
 これに対し、監査役は、法律上は単独で業務の調査や是正の権限を持っていますが、これとても、経営者が監査役の求めに応じなければ、監査役が権限を行使するには裁判に訴える以外にはありません。裁判すれば事は公となり、会社内部で処理するということはもはやできません。
 このように、役員といえども、他の役員の多数の支持を得られない状況では、会社内部で調査是正措置をとるといっても、できることは極めて限られています。そのような状況下では、外部への通報、殊に監督権限を持つ行政機関への通報が法令違反を最も迅速かつ実効的に是正する手段であると言える場合も少なくないものと思われます。
 そのような場合に、裁判所が、役員が調査是正措置をとるように努めたかどうかを厳しく検討し、それがないという理由で行政通報は保護されないということになりますと、法令違反を是正する実効的な手段を役員から奪ってしまうことになりかねません。また、役員ぐるみで法令違反が行われているような事案で、一人声を上げた役員のみが不利益を被るといった不公平な事態の発生も懸念されます。
 こうした事態を招かないためには、改正法案六条二号、三号に言う調査是正措置とは、具体的な状況下において、通常の役員であればとることが合理的に期待できるような措置に限られるというように解釈する必要があります。これは、裁判所が法規定を合理的に解釈することにより対応できると思いますが、例えば消費者庁が規定の解釈について見解を示す際にも、役員に無理を強いることのないよう御留意いただきたいと存じます。
 次に、今回の法案では改正事項とされていない事項の中で、公益通報者保護制度の更なる改善強化を図るため、改正に向け積極的な御検討をいただきたい事項がありますので、それについて申し上げます。
 一つは、通報対象事実の範囲についてです。
 現行の公益通報者保護法は、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律の中で、特に同法が別表で列挙するものに規定する罪の犯罪行為の事実のみが通報対象事実とされています。改正法案では、通報対象事実を行政罰、過料の対象事実にも広げていますが、法令違反を限定列挙するという方式は変わっていません。
 しかし、およそ法律によってある行為を罰すべきものとしているのは、国民の重要な利益の保護のためにそれが必要であるからこそそうしているはずです。限定列挙方式を改め、罰則の対象となる行為の事実は全て通報対象事実とすることが、事業者による法令の規定の遵守を図るという法の目的に最もかなうように思われます。
 第二に、公益通報者に対し不利益な取扱いをした事業者に対して、行政措置等の適切なサンクション、制裁の措置を設けることを引き続き御検討いただきたいと存じます。
 現行法では、不利益取扱いを受けた通報者は、自ら是正を求め、事業者が応じない場合には裁判を提起し、公益通報による不利益取扱いを受けたことを主張、立証して初めて救済を受けられるにすぎません。しかも、不利益取扱いが認められた場合も、事業者は通報者を不利益取扱いの前の状態に回復することが求められるだけであり、それ以上の制裁は科されません。これでは、不利益取扱いに対する十分な抑止効果が働かないという懸念があります。
 公益通報を促し、事業者による法令遵守を図るため、不利益取扱いに対する適切なサンクションを設けることを御検討いただきたいと存じます。とりわけ、公益通報者保護専門調査会が提案している行政措置、特に不利益取扱いに対する勧告、公表の制度は検討に値すると存じます。
 以上の二点は今回の法改正案にこそ盛り込まれていませんが、法案の附則五条では、法律の施行後三年をめどとして、公益通報者に対する不利益な取扱いの是正に関する措置の在り方を含め新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされています。
 また、衆議院におかれましては、附則第五条の検討に当たっては、行政処分等を含む不利益取扱いに対する行政措置の導入、立証責任の緩和、退職者の期間制限の在り方、通報対象事実の範囲等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることを含めた適切な措置を講ずることを政府に求める附帯決議がされたと承知しています。
 今後、政府そして国会において適切な検討が行われ、公益通報制度が一層使いやすいものとなり、ひいては事業者の法令遵守が図られることを通じ、国民の生命、身体、財産その他の利益がより良く保護されるようになることを願ってやみません。
 以上で意見を終わります。
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佐藤信秋#12
○委員長(佐藤信秋君) ありがとうございました。
 次に、拝師参考人にお願いいたします。拝師参考人。
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拝師徳彦#13
○参考人(拝師徳彦君) 全国消費者行政ウォッチねっとという消費者団体の事務局長をしております弁護士の拝師と申します。
 本日は、貴重な発言の機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。
 私からは、消費者行政や消費者関連法について消費者の視点からウオッチするという活動を行ってきた立場から、また法律家である弁護士の立場から、本改正法案に対する評価、そして要望を申し上げます。
 なお、衆議院の委員会審議におきまして、参考人としての発言に代えて意見書を提出させていただきました。一枚物で机上にあるかと思いますが、以下、衆議院意見書と呼ばせていただきますが、こちらと若干重複する点もあるかと思いますが、御容赦いただければと思います。
 まず、本改正法案の全体評価について申し上げたいと思います。
 現行法は、民事ルールのみによる通報者保護を中心とし、内部通報優先という立て付けだったために十分に機能せず、様々な企業不祥事を防ぐことができなかったのではないかと思います。
 これに対し、本改正法案は、公益通報対応業務従事者に対する刑事罰付き守秘義務や、事業者に対する内部通報体制整備義務の導入によって、言わば当事者に任せきりだった通報者保護に国が積極的に関与するという大きな方向転換を図っており、通報者保護に向けた一歩を踏み出すものとして評価しております。
 また、内部通報と行政通報の保護要件をかなりフラットな形にして、いわゆる制度間競争が機能するような仕組みを導入しております。これによって企業がこれまで以上に内部通報体制の信頼性を高める努力をすることが期待できるのであり、この点も大きな改善点ではないかと思っております。
 さきに提出させていただいた衆議院意見書では、不祥事に関する情報を透明化することで不祥事を予防、是正するという視点が重要である旨記載させていただきました。本改正法案が適切に運用されることで情報の透明度が今まで以上に高まっていくのではないかと期待しているところです。
 もちろん、不利益取扱いを行った事業者に対する行政措置、刑事罰の導入が見送られるなど、重要な課題が先送りにされたということは大変残念ですが、施行から十四年間、抜本的な改正が行われなかった本法が大きく変わっていく第一歩ですので、是非今国会で成立させていただきたいというふうに思います。
 次に、本改正法案の施行、運用に当たっての課題について申し上げます。
 本改正法案の一番の目玉は、やはり第十二条において公益通報対応業務従事者に守秘義務を課し、これに違反した場合には罰則を科すとした点ではないかと思います。これによって、通報者が最も心配する通報者の氏名等の漏えいが一定程度防止できることになります。
 もっとも、懸念事項としては、守秘義務を解除する正当な理由の内容いかんでは守秘義務が骨抜きになりかねず、通報者が安心して通報することができなくなるのではないかということです。例えば、通報に係る法令違反等について調査の必要があるという理由で守秘義務が解除されるということになれば、通報者としては安心して通報することはできません。他方で、せっかく通報してもらった法令違反等の事実については、きちんと調査して是正、予防につなげていかなければならない。
 このように、正当な理由の解釈は、通報者の安心確保の要請と、不祥事の調査、是正の要請という一見すると対立する二つの要請の兼ね合いがあるため、どこで線を引くのか悩ましいところだと思います。しかしながら、やはり通報者が怖がって通報できないということであればそもそも調査も始まらないわけですので、通報者の安心確保を第一に考えるべきだと思います。
 したがって、改正法第十二条の正当な理由は、書面による真意に基づく本人の同意がある場合等極めて限定的な場合に限る必要があると思います。この同意についても、事業者側からの働きかけによる場合は、労働者と事業者とのパワーバランスから考えて、真意かどうか疑義を生じることになりますので、あくまで本人が自発的に申し出て同意に至った場合に限定すべきであろうというふうに思っております。
 それでは調査ができなくなってしまうのではないかという御指摘もあるかもしれませんが、例えば、マスコミが調査報道のための取材を行う場合には、通報に関する部署とは違う部署から調査をする等の工夫をされていると聞いたことがあります。現行の民間事業者向けガイドラインにも様々な工夫が記載されています。こうした調査における工夫を調査手法事例集のようなものを作って集積し、担当者向けの研修で伝授する等の方策を講じることによって調査スキルをブラッシュアップしていく、これによって守秘義務の遵守と的確な調査とが両立できていくのではないかと考えております。
 また、公益通報対応業務従事者の範囲をなるべく限定的にしてほしいとの意見もあるようですが、あらかじめ定められた担当者に守秘義務を課すことはもちろんですが、ケースによっては、あらかじめ定められていた担当者以外の従業員、役員等にも調査、是正をお願いしなくてはならないこともあると思います。その場合には、例えば、通報窓口の責任者が必要に応じて公益通報対応業務従事者の追加選任をできるような仕組みにしておくなど、漏れなく守秘義務が掛かるようにするべきだというふうに考えます。
 次に、内部通報体制整備義務について申し上げます。
 同義務は、これまで民民に任せきりだった公益通報者保護の分野に行政がしっかり関与していく足掛かりとして極めて重要な制度だというふうに思います。
 問題はその内容でして、形だけヘルプラインがあればいいということではなくて、従業員から信頼され、ちゅうちょなく利用されるものにしなくてはならない。これを担保するような具体的内容を指針で定めていく必要があると思います。
 特に強調したいのは、内部通報体制に関するデータや事案の内容を記録、保管すべきことをきちんと指針の中に規定して義務付けてほしいということです。民間事業者向けガイドラインにも評価・改善等という独立した項目がありますし、恐らく大企業のヘルプライン等では、既にある程度こうした情報を記録、保管しているのではないかと思いますので、そういった実態も踏まえて検討をしていただきたいというふうに思います。
 その際大切なのは、我が国の企業全体の内部通報制度がどの程度機能しているのかといった、次の制度改正を見据えた立法事実の把握という観点、さらには、当該企業の情報の透明化度を含めたガバナンスリスクを客観的に把握するという投資家的な視点を踏まえながら、具体的な記録、保管の対象を定めていただきたいと思います。
 以上は、本改正法案の施行、運用に関する意見ですが、以下、今回の改正法案で盛り込まれなかった課題について触れさせていただきます。
 先ほど刑事罰付きの守秘義務の話をしましたが、刑事罰付きの守秘義務を入れたからといって、それだけで一〇〇%完璧に通報者の氏名等の漏えいが防げるわけではありません。例えば過失による漏えいもあり得ますし、担当者からの漏えいがなくても、事業者内で特定の情報を知っている人間が限られていれば、おのずと誰が通報したか推測できてしまうということもあろうかと思います。だからこそ、不利益取扱いを行った事業者に対する行政措置、刑事罰の導入が重要だということで、次回の改正の際の最大の課題になっているわけです。
 今回不利益取扱いに対する行政措置の導入を見送った理由として、政府は行政側のマンパワーの不足を挙げています。消費者庁創設の消費者運動に関わった一人として残念でなりませんが、まずは、内部通報体制整備に関する行政チェックを十分担える人材の確保、育成を行った上で、次の改正までに人的体制を大幅に強化していくことが現実的なのではないかと思います。
 また、衆議院意見書でも触れたように、外部の人材を活用して、調査チームを個別につくって調査を委嘱するような制度的工夫もされてはどうかと思います。
 なお、衆議院の附帯決議第八項では、附則第五条について、行政処分等を含む不利益取扱いに対する行政措置の導入について検討を加える旨の文言を盛り込んでいただいております。できれば、直罰規定を含む刑事罰の導入も検討対象であることを明示していただけると有り難いというふうに思っております。
 次に、立証責任の転換について簡単に触れさせていただきます。
 衆議院の審議で提出された修正案において、附則第五条に基づく三年後見直しの対象に、裁判手続における請求の取扱いという形で、立証責任の転換に関する規定の創設についても見直しの対象に入れるんだということを追加していただきました。
 この立証責任の転換は、実際に不利益取扱いが発生してしまった場合の通報者側の訴訟負担の軽減にもつながりますし、民事訴訟以外の紛争解決手続、例えば労働審判や弁護士会のADR等においても早期紛争解決等の好影響を与えることになると思いますので、是非導入に向けた積極的な議論をお願いしたいと思います。
 次に、資料の収集行為の免責ルールの法定について申し上げます。
 本改正法案によって行政通報のハードルが極めて低くなることは、内部通報優先の仕組みを改め、企業の自助努力を更に促進するという点で大変重要なポイントだと思っておりますが、結果的に行政への通報が不祥事の予防、是正につながらなければ意味がありませんし、この場合、むしろ行政負担のみが重くなるということにもなりかねないという問題があります。このため、重要なのは、通報に伴う裏付け資料がそれなりにそろっているということです。
 ところが、こうした裏付け資料、証拠資料の持ち出しについては、それ自体が就業規則違反等に該当し、新たな不利益取扱いの根拠となりかねません。そうすると、通報者は裏付け資料の持ち出しをちゅうちょしてしまい、結果的に通報が不祥事の予防、是正に生かされないことになるおそれがあります。
 こうした問題を解決するには、やはりこうした裏付け資料の持ち出し行為についての免責ルールを法律上明確に定めておくということが重要だと思います。この点、今回の法改正では見送りとなっていますが、是非この点も附則第五条に基づく三年後見直しの検討事項として、少なくとも附帯決議には明記をしていただきたいと思います。
 ちなみに、持ち出した資料が不祥事の予防、是正の目的に限って利用される限り、企業側のダメージはそれほど大きくならないとは思っておりますので、一旦出た情報が無限定に出回るかのような前提での議論にならないよう配慮していただければと思います。
 最後に、先ほど田中参考人も触れられておりましたが、取締役等の役員の保護要件について申し上げます。
 改正法第六条一号は、取締役等の役員が外部への通報を行おうとする場合、原則として通報対象事実の調査、是正のために必要な措置をとるよう努めなければならないという調査是正義務の前置を定めています。もちろん、取締役等の役員は、通常の従業員に比べれば、社内の不祥事の予防、是正をなし得る可能性の高い立場にいるのでしょうが、社内の力関係によってはそうとは限りませんし、むしろそのような動きを取れば不利益取扱いを免れないような立場にある役員もいるのではないかと思います。にもかかわらず、原則として一律に調査是正措置、事前措置を義務付けることには疑問があり、将来的には緩和、撤廃することが望ましいのではないかと思います。
 少なくとも、改正法の運用の中でこの事前措置の実施の有無を判断する際には、組織内部での是正可能性の有無、程度や、通報した役員に対する不利益取扱いの蓋然性等について外部から判断し難い面があることを十分踏まえて、例えば、取締役会の正式議題にのせなければ事前措置をしたことにならないといった画一的、硬直的な解釈ではなく、他の役員への事実上の打診や働きかけ等もこの事前措置に当たるんだといった柔軟な解釈を取っていただきたいというふうに考えております。
 私からの意見は以上でございます。
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佐藤信秋#14
○委員長(佐藤信秋君) ありがとうございました。
 次に、濱田参考人にお願いいたします。濱田参考人。
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濱田正晴#15
○参考人(濱田正晴君) オリンパス株式会社人事部門スーパーバイザーの、今オリンパスの現職正社員、また、裁判を丸八年、十年近く内部通報訴訟を闘いまして、それに非常に苦しみ、なおかつ勉強し、そういった意味で、内部通報訴訟経験者ということでお話をさせていただきます。
 本日は、私自身、オリンパス株式会社、会社の方から、最初は年休で申請したんですけど、特別休暇で行ってくれということがありまして、今日は会社公認で、非常にやっぱり愛社精神貫いていてよかったなというふうに思っておりまして、今日は、そういった意味で、田中先生と拝師先生がかなり専門的なところはもう述べてくださったので、そこはもうごもっとも、もちろんそのとおりだと思った前提で、私がいわゆる実際の内部通報被害者という立場で、そういうことで、やっぱり世の中この法律によって苦しんでいる方々がたくさんいるということで、私もブログを立ち上げて、「公益通報者が守られる社会を!ネットワーク」ということでやっていますけれども、やっぱり相談が大変多いということで、それらの方々の個別対応はできないというのがじくじたる思いなんですが、そこの代表選手として今日は話をさせていただきたいと思っています。
 まず冒頭に、この法改正、無断漏えいに対しての刑事罰が入るということで、衆議院の方でも衛藤大臣がおっしゃられたように、私が評価しているというふうにおっしゃられていましたけど、そのとおりでございまして、私は、この日本の文化とかいろんなしがらみとかいろんな人の意見とかある中で、やはりここに刑事罰が入ったということ自体は、この公益通報者保護法を引き締めるという意味において、本質的な法律のいわゆる性質を変えるという意味において私としては高く評価しております。
 もちろん課題、すなわち、過失ではオーケーとか、そういった刑事罰が入る対象外とか、いろいろ課題はあるにせよ、とにかく、私が主張してきた無断漏えい、これがなければ、私は八年、丸裁判八年、さらに通報前後から通算すると十年で、サラリーマン人生のほぼ三分の一近くですね、裁判に費やしてきた。それも一番私が大好きなオリンパス株式会社、オリンパスとの闘い、それも、公益通報者保護法の定義である、いわゆる現職のまま裁判で訴えなければならないと、これが国民の中で一体何人できるかと、そういうことを考えていただきたいと。
 そこを、やはりある意味、最高裁で勝訴し、その後やはり私が一番感じたのは、勝訴した後が怖かったです。なぜかというと、裁判中というのは、やはり訴訟ですから、非常に何かまだ変なことはできないというのはありましたけど、終わるとまた何かやられるんじゃないかということで、権利回復も含めてやっぱり第二回目の、最高裁勝訴後の裁判をせざるを得なかったということで、結局は、和解しなければもうまず話にならないと。
 それと、あとは現職、私は営業でしたけど、営業に戻るという請求は、裁判長から、そういう請求は我が国ではないと、民事訴訟法ではないということですから、裁判前提としても権利回復はできない国であるということですので、やはり、これだけ話した内容は、やっぱり裁判、民事訴訟前提での法律ということには、これは重大な課題として残っているということがまず一点。これ、極めて重要なポイントです。
 それで、あと二番目に、今回、かなり多くの事前配付資料で新聞記事とか私の裁判の時系列出していますけど、個別には説明いたしませんで、事前に読んでいただいていると思うので。これだけでもほんの一部の記事で、やっぱりマスコミの皆さんの力とか、内部通報の報復を受けていたときから、読売新聞の一面トップ、告発漏れということで、世の中で私の状況が世間に知れたときに初めて暗闇の小屋から出れたという気がいたしましたので、一つやっぱりマスコミの力というのは、やっぱり私はその力を得たというのは大変大きかったなと、勇気になったと。あと、家族の力。あとは、たくさんではないけど勇気を持った同僚の力、こういったのがあったので、私としては、やはり、今回の法改正ここまで来た、もう少しで成立というところには非常に感慨深い思いをしています。
 そこにいらっしゃる加納さんともかなり議論を、激しい議論をもう交わしまして、もうけんかぐらいやるんだけど、だけど、彼の立場も理解しながら、私は彼、加納さんとも良き関係を築き上げてきたつもりで今日に至っているというふうに、まあ、笑っていますからね、そう思っていると思いますけど。
 そういうことで、まず冒頭。こうやると、私、時間が大体一時間ぐらい要るんですけど、ちゃんと終わりますので大丈夫です。
 それで、もう一つ。当日配付資料の中で、私、特別に配りました理由は、要するに、故意に漏えいしたか過失だったかというところがやはり、このお配りしている、まずEメールですね。まずこれ、当時私が通報したときのですから、七月三日のEメール。これは、承諾を取って通報の、私の名前とか内容を皆さんに開示したと、関係者に開示したということで正当化している。しかし、翌日、濱田様との機密保持の約束を守らず大変失礼いたしましたと、要するに御容赦くださいと謝っている。これは過失なのか故意だったのか、書いているのか、今でもいろんな問合せがありますけど、はっきり言って分かりません。だからこそ、さっき言った課題が残っていると。
 それで、さらに裁判資料。ここに載っていますのは、これは、私の主張をここで取り上げてもしようがないので、当時の会社側の、一審で私が敗訴したときの会社側の主張。これはやはり、私は客観的に物事は見ますので、労働者側、経営者側、コンプライアンスの担当者側、全ての立場で考えたときに、やはり、今から思うと、ここに書いてある弁護士、会社側の弁護士の言っていることは法的には正しいんですよね。要は、ガイドラインなんて法的拘束力はないと。しかし、やっぱり志ある方々は一生懸命ガイドラインを整備して作っていると。
 そういう中において、企業の裁量権、これがあるからということで、これ、内部通報したときの配転命令というのは、やはり解雇とかすると露骨ですから、配転命令というやっぱり企業の裁量権、ここのところでやっぱり裁判になると闘ってくる。
 それで、個人情報保護法。これ、私もその当時、今は大分知識ありますけど、分かりませんでしたから、これも関係ないと。もう取り付く島がないということで、ここでお出ししたのは、裁判になるとこういう事態に配転命令の報復はなりますという意味で、当日配付資料として出させていただいております。
 それで、全て私の主張は失当であると。そういうことで、これはやっぱり一審ではこれが認められましたけど、高裁でこれは違うと、無断漏えいであると。ということで、最高裁においても認められて私が勝訴したという経緯ではあります。
 ということで、この部分において、やっぱり裁判、これを前提の法律、これもう一回言わなければいけないと思っています。これは駄目。そこから脱するためには、やはり企業に対しての罰則と、行政罰というところを、そこにやっぱり三年後、今直ちに全ては無理としても、三年後にはやっぱりやっていかなければいけないというふうに思っています。
 次に、問題、公益通報者になれない。そもそもこの法律の入口ができないんですよね。要するに、さっき、ここにある会社側の弁護士書いていますように、犯罪行為の事実、これをいう。法律名じゃ駄目。
 例えば、内部通報だと、こういったことが起ころうとしていますというところで、いや、私は予言者じゃないですよと。要するに、例えばここで、路上でいろいろと棒を振り回している人がいる。だけど、これは何か、何とかの法律には該当するんじゃないかと思っても、これはこの次にどういう行動、犯罪行為をするかを予言して言わないといけない、じゃないと公益通報者になれないということは、罰則を付けても何をしても、そもそも論として公益通報者になれないんですから。ここのことは、いわゆる内部通報とか、いわゆる思料すればいい、将来まさに起ころうとすること、ここはやっぱり弁護士の先生方でもこれは難しい、人類として不可能だ、これを要求しているということで、入口のところのいわゆる公益通報の定義、これ自体がやっぱり大きな課題で残っていると思います。
 三番目、相変わらず不利益通報者の裁判、これに対してのやっぱりガイドラインということの非常に法的拘束力のなさ。これから発する企業の裁量権の判例ですね、東亜ペイント最高裁判例、ここのところが大きく立ちはだかる、要するに企業の裁量権ということで。
 ですから、民事訴訟においての、私が言うのは、やっぱり配転というところが、いろんな例えば企業でも、いわゆる役所でも、いろんなところに勤めていると、自分が命を賭けてやってきた仕事を取られる。同僚といわゆる隔離状態に、組織的な隔離になり、例えば私の場合、部長付きということで、一人で新規事業創生探索活動、こういったようなところというのは、やっぱりこの東亜ペイント最高裁判例のところのベール、ここに立ち向かうというのは、業務上の必要性、あとは不当な動機、これをこちらが立証しなければいけない。それはどうやって立証、私ができたか。今でも、やはり弁護士の、私の二審の弁護士の皆様の力が大きかったと思うんですけど、そういった部分においては、やはりこの判例というのは十分頭に置いて法律の改正及び三年後の見直しに進んでいかなければいけないと思います。
 それと、あと、やっぱり私が思うのは、さっき言ったように、私の立場、要するに、私は勤務して今は人事の方、部門にいますけど、やはりこの法律がしっかりしないと、通報する側も、さっきも申し上げたように、コンプライアンスで働く人たちも、いわゆる企業の経営者も、私の裁判でもういわゆる浮き彫りにしたように、みんな関係者が不幸になる。要するに、オリンパスという会社は、皆さん真面目でいい人がやっぱり大変多い会社なんですよ。ところが、この法律でこういう形の不備が浮き彫りになってくると、やはりみんなが苦しむ結果になるということで、いろんな企業、役所で、私のような目とか、今度は私の加害者になった人の立場とか、そういったことを一切なくするような法律にしてほしい。その辺は、私が今の立場では具体的に言えるのはなかなかこの時間では限界がありますので、そこら辺は課題として考えていただきたいと思います。
 あと、やっぱり思うのは、学生さんたちですね、要するに大学生とかこれから企業人になる人たちでもやっぱり分かりやすい法律、そういうふうにしていただきたい。ですから、事前配付資料で、「機械設計」の四月号、ここで、「良い仕事」ということで、これは非常にいいことを書かれているなと思ったので今回の資料にさせていただきました。
 要するに、我々ビジネスマン、今働いている方々だけじゃなくて、学生のときからこの法律はやっぱり勉強しなければ、特に技術者、私は機械工学科ですから、技術系に関わる人はやはりこういう法律を事前にしっかり勉強しておかないと、急に対峙しようと思っても無理だというようなことで出させていただいております。
 そういう意味からしても、やっぱり、何といいますか、通報対象事実、通報対象事実の範囲、これが公益通報者保護法と、例えばオリンパスだけではありませんけど、いろんな企業の通報対象事実とのやっぱりギャップがでかいんですよね。やっぱり企業においては、通報対象事実は、これ何かおかしいぞと思うこと、そういったことも通報対象事実なんですよ。だけれども、そこでコンプライアンスという言葉だけが先行して、公益通報者保護法というところの意味合いの説明が、やっぱりコンプライアンスの担当者も含めて非常に難しいというのと、アンタッチャブルみたいでできていないというのがあるので、これからこの法律が成立したら、やっぱりガイドラインを無にするということでもなく、無にしてはいけない。さらに、やっぱり企業等のコンプライアンス、こういったところに、コンプライアンス室、ヘルプラインの窓口の方々にしっかりとPRする。
 私も定年になって、この後、再雇用でもやりますけど、私は、各企業、オリンパス以外の企業に、この法律が成立したらやっぱりPRしていきたいというふうに思っていますので、そういうことで、私は今回の法改正は第一歩、大きな前進として評価します。
 そういうことで、私からの陳述は以上です。ありがとうございました。
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佐藤信秋#16
○委員長(佐藤信秋君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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徳茂雅之#17
○徳茂雅之君 自由民主党の徳茂雅之でございます。
 まず、三名の参考人の方には、緊急事態宣言は解除されましたけれども、今なお新型コロナウイルスの対応ということで厳しい中、今回は国会にお越しいただき、また貴重な意見陳述を頂戴しました。改めまして御礼申し上げます。
 また、それぞれ、今回の法案作成も含めていろんなところで公益通報者保護制度に関して関わってこられた田中参考人、拝師参考人、そしてまた、オリンパスの訴訟ということで長い間裁判経験された濱田参考人、大変ありがとうございました。
 御存じのとおり、本法、現行法は、平成十八年に施行されてから十四年間、実質的な改正がなされてきていません。それまでの間、いろんな場面でその見直しについてのいろんな面の検討もされ、先ほど申し上げたとおり、田中参考人あるいは拝師参考人におかれましては、実効性向上検討会等、あるいはワーキングチームの中で本当にいろんな面での貴重な意見も頂戴しています。
 一昨年の十二月に、消費者委員会から、の専門委員会の答申ということで、政府が今回の公益通報者保護法の見直しについての提言を受けたわけであります。
 私、自民党でありますけれども、今日おいでの太田先生とともに、自民党の消費者問題調査会の下にワーキングチーム、プロジェクトチームをつくりまして、昨年十一月から、これ多くの利害関係者の方も含めて計八回、ヒアリングもやり、その中では、今日消費者庁も来ておりますけれども、厚労省も含めて、本当にかんかんがくがくといいますか、厳しい協議、意見の言い合いもしながら、この法律の作成についても私自身も関わらせていただきました。
 そのような経験から、今日は、三名の参考人の本当に貴重な意見陳述について、まず厚く御礼申し上げたいというふうに思います。
 それぞれの立場で御意見頂戴したわけでありますけれども、今回、一昨年の消費者委員会のその報告書をベースに党内でももちろん議論もさせていただきましたけれども、幾つかコメントございました。今回の法律については、十分評価をいただいているところもあれば、まだまだ過不足といいますか、不足している点もあるなということでございます。
 まず、三名の参考人に、その意見陳述の中にもありましたけれども、改めまして、今回の改正内容に対する評価について、それぞれの立場で改めて御意見があればお聞かせいただきたい、このように思います。
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佐藤信秋#18
○委員長(佐藤信秋君) それでは、田中参考人、お願いします。
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田中亘#19
○参考人(田中亘君) ありがとうございます。
 今回の改正に関しましては、私は大きな前進であると受け止めております。特に、内部通報体制の整備、守秘義務の明定、行政通報についての保護要件の大幅な拡充、退職者、役員も保護範囲に含めるといった点で大きな前進が見られたと思います。
 その上で、法案附則にも明記されていますように、今後三年間で必要な検討を行い、特に行政の体制の、人的体制の整備も含めて検討を行っていただいて、そして、とりわけ不利益取扱いを行った事業者に対する適切なサンクションということについて是非御検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
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佐藤信秋#20
○委員長(佐藤信秋君) 次に、拝師参考人。
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拝師徳彦#21
○参考人(拝師徳彦君) 今回の改正内容に対する評価ということでございますけれども、この法案が公表されて、いろんな議員の方々、あるいは政党の方々ともお話をさせていただいて、端的にこの法案、合格点なのかどうか、どうでしょうというふうに聞かれました。私の方は、悩みましたが、ぎりぎり合格点というふうに申し上げました。
 ぎりぎりと申し上げているのは、やはり先ほど申し上げた不利益取扱いがなされた場合に対する行政措置というのが抜け落ちてしまって、先ほど濱田さんがお話しされたような、やっぱりまだ裁判で解決しなくてはいけないという課題が大きく残っているという点では非常に残念なところなんですが、他方で、先ほど私が申し上げたように、今まで、裁判やらなきゃ被害回復できないということもそうですが、ほとんど行政、国がタッチしない、そういう法律だったものに対して、行政がかなり関与するような立て付けになっています。内部通報体制整備義務もそうですし、やはり大きいのは、守秘義務について刑事罰付きで課していくという立て付け、これは消費者委員会の答申を超える内容になっておりまして、自民党のPTの皆さん、先生方も頑張られたと思いますけれども、やはりここの部分は大きかったかなというふうに思っておりまして、そこで何とか合格というふうに考えております。
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濱田正晴#22
○参考人(濱田正晴君) 濱田です。
 私としては、いろんな日本の文化とか様々な点を考慮し、日本の会議の難しさとか調整の難しさを勘案すると九十八点。その九十八点というのは今のを勘案しての話ですから、それを勘案しなければ六十点と、まあ可と、こういうことでございますので、皆さんの努力分が三十八点を獲得しているというような形で私は考えています。
 それで、やっぱりポイントとして、評価点のところとしては、話題になっている立証ですね。やっぱりここのところが、企業側か通報者側かというところ、ここ大変難しい部分だと思うんですけど、この点に関しての課題、これは残っていると。これ、企業側に立証させたらいいか、労働者側かと、これは、私は今の時点でやっぱり言明はできない。だから、ここはやはり引き続き課題として検討を継続して、三年目の見直しのところにはクリアな方針を示していただければなと思います。
 もう一つは、やはり、私、裁判ずっとやってきましたけど、結局、民事裁判前提でも、裁判によって和解しても、事前の配付資料で配っているように、やはり当時、通報するとデマが流れるというところで、これ、私にだけないしょで流れていると。そういう事態で、勝って、それで同僚とまた一緒に協働して仕事をしようとしても、そこを解消しなければやっぱり難しいというのがあるので、やっぱり裁判で解決付けない。要するに、民事訴訟の限界というのを私が示したという意味で、やっぱりさっき申し上げたことに戻っていくと、問題点が戻っていくということでございます。
 私からは以上の評価とさせていただきます。
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徳茂雅之#23
○徳茂雅之君 率直な御評価ありがとうございました。
 続いて、田中参考人にお伺いしたいと思います。
 内部統制、ガバナンスの関係で、今回の公益通報者保護法についてお尋ねしたいと思います。
 公益通報者保護法というのは、まさに公益を確保する目的でということでありますが、一方、企業、個別の企業にとってみれば、例えば虚偽だとか、あるいは過失による内部通報があって、企業が場合によっては倒産するケースもあり得ます。そのような場合には、例えば働く従業員も失業するということで、常に、公益全体の利益なのか、あるいは個別の企業の利益なのかというところのバランスの問題が出てくるかというふうに思っております。
 東京証券取引所では、コーポレートガバナンス・コードを発表されておりまして、その中には、これ上場企業ということでありますけれども、内部統制システム、体制整備というのがうたわれており、さらに情報提供者の保護、あるいは不利益取扱いの禁止というふうな規定もございます。このようなバランスについてどのように考えたらいいのか、参考人の御所見をお尋ねしたいと思います。
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田中亘#24
○参考人(田中亘君) ありがとうございます。
 御質問にもございましたように、会社法上、取締役は法令の遵守義務を負っており、そして特に大会社、会社法に言うような大会社においては、法令遵守その他会社の業務の適正を確保するための体制の整備の決定を行うことが義務付けられています。この体制の内容については法令でそれほど細かく規定されているわけではなく、会社の裁量が大きいわけでありますが、現実的には、上場企業を始めとして、少なくとも大企業については、法令遵守を確保するための体制として内部通報体制を整備してきていると思います。
 バランスというのは非常に難しい問題ですけれども、一般的に言えば、法令の遵守ということは会社の利益に優先するものでありまして、企業は、法令を違反したということについて隠す正当な利益は持っていません。したがって、内部通報体制が法令違反を隠して内々に事を処理するような形で運営されることはあってはならないと思います。
 企業の評判の低下とか、場合によっては倒産するということもあり得るわけですけれども、それは、やはり真実でない通報といいますか、実際には行っていないことについてまで虚偽、真実でない通報が行われるということによって企業に不利益が及ぶということは防がなければならないわけで、その点において、企業が通報について適切に調査するということが必要であります。
 しかし一方で、真実が違法なものであったときに、それを隠すことはあってはならないということであります。この点は、企業のマンパワーとか財政的な体制によって、余り過剰な要求をすることはできないかもしれませんけれども、できるだけ外部者の目を利かせるということですね。弁護士その他外部の専門家の判断をどこかの時点で仰げるような体制をつくっておくことで、企業が自社の短期的な利益に偏った判断をするということをできるだけ防ぐことが重要だと考えております。
 以上です。
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徳茂雅之#25
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 続いて、拝師参考人にお尋ねしたいと思います。
 参考人、弁護士業務を実施されているということでありますので、恐らくこれまでも多くの相談を受けられたというふうに思っております。今回、弁護士実務面で、この改正が現行法で何か改善される見通しがあるのかどうか。弁護士実務として何か期待されることがあるのであれば、お教えいただきたいと思います。
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拝師徳彦#26
○参考人(拝師徳彦君) この公益通報者保護法関係ということに限って言うと、実際に本法に関係しそうな事件として受任したのは三件程度、そして、関係しそうな相談を受けたけれども受任に至らなかったものというのは十件以上あるだろうというふうに思っています。
 問題は、やはりその後者の、相談されたけれども受任に至らなかった案件です。中には、非常に我々がみんな知っているような大企業についての不祥事についての情報を抱えていらっしゃる相談者の方もいらっしゃいました。何とかしようということで相談されるわけですけれども、現行法では、弁護士の立場ではとても、それでは勇気を持って頑張って通報しましょうというふうに後押しすることはできません。やはり、もし通報した場合にどうなるか、不利益取扱いを受ける可能性がありますよ、そして、仮にそういう不利益取扱いを受けた場合には、こちらから裁判を起こして、それが違法、無効であることについて主張を立証しなくてはいけませんよと。ですから、そういう訴訟のリスク、不利益取扱いを受けるリスク、もちろん、訴訟をやったからといって手持ちの証拠で完全に勝てるという保証はどこにもない、むしろ企業の方が多くの情報を持っていて有利である、そういうことを説明せざるを得ないわけですね。ですから、そういうこちらからの法的なアドバイスをすると通報を断念される、そういうケースが多々あったというふうに認識をしております。
 今回の改正法でそれが、じゃ、がらっと変わって、じゃ、分かりました、頑張って一緒にやりましょうという状況になるかというと、決してそうではないだろうというふうに思っております。例えば、立証責任の転換規定が見送られる、それから証拠資料の持ち出しの免責ルールも明文化が見送られておりますので、がらっとは変わらない。ただ、先ほどから申し上げているような、例えば通報した場合に氏名等が漏えいするおそれというのは従来よりはかなり安心してできるんじゃないかと。
 それから、内部通報体制整備義務の一環として、多くの企業が内部規程で不利益取扱いの禁止というものを入れてくるだろうというふうに思っております。その場合には、そういうものを引用しながら、かなり今までよりはリスクは低くはなっています、ただしリスクはゼロではありませんという形で、一歩は踏み込んだ相談はできますが、それがどうなっていくのか、またちょっとその内部通報体制整備義務の指針の中身等にもよるかと思いますが、そういう悩ましい状況は引き続き続くのかなとは思っております。
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徳茂雅之#27
○徳茂雅之君 時間が参りましたので、終わります。
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伊藤孝恵#28
○伊藤孝恵君 三人の参考人の皆様、本日は本当にありがとうございました。
 まず、田中参考人に伺います。
 今回、通報対象事実の拡大に係る限定列挙、別表の削除に先ほど言及いただきました。まさに本質だと思います。公益通報者に当たるかどうか、普通に働く者が判断するのは不可能です。そういった部分で本質に切り込んでいただいたんですが、今回の改正案では、犯罪行為など刑罰で担保されるものに加え、過料により担保される法令違反行為を導入したこと、これは一歩前進だと思います。
 しかし一方で、この刑罰、行政措置の規定のない法律、例えば公文書管理法というのは、今も別表及び別表八に係る政令で定める四百七十の法律の中には含まれておりませんし、改正後も対象外となると承知しています。
 しかし、行政内で、もし文書改ざんとか隠蔽とか破棄、虚偽答弁などが行われているのであれば、その事実を明らかにして、その明らかにした者が正しく守られる、それは当たり前のことだと思います。こういった公文書管理法等を含む行政内におけるこの公益通報の充実というのに関してどう思われるかが一点。
 それから、もう一点、今回刑罰で担保される犯罪行為、それから過料により担保される法令違反行為、いわゆる行政措置までですけれども、次回の改正でこれを処分にまで広げる、これについてどう思われるか。二点、教えてください。
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田中亘#29
○参考人(田中亘君) ありがとうございます。
 通報対象事実につきまして、限定列挙方式を改めて、少なくとも罰則のある法令については、国民の利益保護の観点から重要性が高いわけですから、一般的に保護対象に含めることが適切ではないかと思います。
 その上で、行政処分の対象になる行為とかや、行政機関における公文書管理等の、制度上罰則は用意されていなくても国民の利益の観点から重要性の高い規定についても範囲を広げる可能性がないか、検討する価値があると思います。
 ただ、一点申し上げておきたいことは、公益通報者保護法は、この法律の要件に合致すれば、その通報した者を不利益に取り扱ってはならないことを明確にしたという意味があるにとどまるのであって、この法律の要件に合致しなければ不利益取扱いをしていいんだということではないわけであります。この点が非常に重要であると思います。
 例えばハラスメントとかですね、ハラスメントは行き過ぎれば当然刑法に反する行為になるわけですけれども、しかし、別にハラスメント自体が刑法にまでは違反しないとしても、ハラスメント被害を訴えた人を不利益に扱っていいはずがないわけですね。この辺は労働法による適切な保護が図られなければならないわけです。
 ついでに申し上げれば、会社法でもそうでして、会社法でも、役員は株主総会で解任できるわけですが、正当な理由がなければ、役員は損害賠償請求ができるわけであります。その際に、正当な、ハラスメントについて申し立てたからという理由で解任することが正当な理由になるはずがありませんので、そのような場合は役員は損害賠償請求ができます。
 この法律の規定がなくても救済されるものがあるはずで、これは当然のこととして、裁判所も法律関係者も、それから企業、労働者も、皆が認識を共有しなければならないと考えております。
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