井上智夫の発言 (災害対策特別委員会)
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○政府参考人(井上智夫君) 球磨川の治水対策については、平成二十一年以降、ダムによらない治水対策を検討する場や球磨川流域治水対策協議会において、ダムによらない治水対策を県や流域市町村とともに検討してきたところです。
昨年十一月には、昭和四十年七月洪水と同規模の洪水を目標に十の治水対策案を取りまとめましたが、その中で最も効果の大きい十七か所の遊水地を中心とした対策案を実施した場合でも、今回の豪雨における人吉地点のピーク流量は毎秒約五千五百立方メートルと算出されました。この流量は、河道で安全に流下させることができる流量の毎秒約四千立方メートルを大きく上回り、これらの対策だけでは浸水被害を防げないことを、この十月に開催した球磨川豪雨検証委員会で確認しています。
他方、過去に検討していた貯留型の川辺川ダムの整備だけで対応した場合、今回の豪雨における人吉地点のピーク流量は毎秒約四千八百立方メートルと算出されました。この流量も、河道で安全に流下させることができる流量の毎秒約四千立方メートルを上回っており、浸水被害は防げないことを確認しています。
球磨川が流下する人吉・球磨盆地は、周囲を急峻な山々に囲まれ、多くの急流支川が流入し、山地部に降った雨がすり鉢状の盆地に集まりやすい地形です。さらに、その盆地の最下流部において川幅が絞り込まれ、山間狭窄部を流下するという特徴を持っている地形的に治水対策が難しい河川です。
球磨川においては、流域のあらゆる関係者が協働して、集水域、氾濫域、河川区域のあらゆる対策を総動員して取り組む流域治水を検討する必要があると認識しています。