小田原潔の発言 (外務委員会)
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○小田原委員 我が国の優秀な警察官が外国で活躍することはできません。同様に、外国の警察官も我が国で活躍することはできません。しかし、我が国が本当に直面している危機というのは、我が国の領土、領海において、あたかも外国の警察が外国の領土、領海として法執行機関の行動を取ろうとしていることにどう対処するかということであろうと思います。
三月の二十六日に、自民党の会議で海上保安庁の第三管区海上保安本部長さんが来られまして、御自身の尖閣の現場での任務体験を教えてくださいました。感涙にむせぶほど感動した報告でありました。ホームページですとかテレビの報道などですと、確かに、侵入している件数、延べ隻数は増えているように見えます。しかしながら、現場では、今のところ、常に相手方のチームの数ですとか、今どこを通ってどういう航路を取りそうだということを正確に把握し、毎回例外なく相手を凌駕する若しくは少なくとも同等の体制で臨み、必ず追い払っているという報告でありました。その現場の緊張感とみなぎる責務に、聞いていた我々は大変胸を打たれ、また、こういう人たちを私たちが支えなければいけないという思いを新たにしたところであります。
しかしながら、今のところはそれで済むということと、これからもそれでいいんだということとは別でありましょう。また、その本部長さんのお言葉や態度の中に、必ず追い払うということと、必ず無血で任務を遂行するということがありました。すなわち、武器の使用というのは極力避けたい、やりたくないという思いが満ち満ちておりました。
実は、「警察官によるけん銃の適正使用のために」という、二〇一一年度時武英男賞というのを受賞された、時武英男先生というのは刑事法の大家だそうですが、論文があります。
この論文はなぜ書かれたかというと、警察の方が書いたんじゃないんですけれども、拳銃の使用に対する過度に抑制的な意識を払拭するという点がいまだ効果的な解決に至っていない、使用をちゅうちょ、忌避してしまうのが現状であるということから書かれた論文でありまして、最後、まとめのところで、拳銃使用に関する現状の課題として、拳銃使用の可否を判断する際、警棒を所持していたか、銃口を相手に向けたか、警察官及び相手方の人数比、相手方は凶器を所持していたか、多岐にわたる項目があって、現実的に拳銃使用をした場合、そのことが審査されるというか、戦目付に問われることになるわけであります。また、現実的に、各都道府県警において例規及び訓令といった形で要件の具体化はあるが、条件による場合分けは細分化されていて多岐にわたる上、いまだその具体化は十分であるとは言い難い、結果的に、警察官による拳銃使用が適法になる基準については、複雑かつ実用性に欠けたものにならざるを得ないという論文でありました。
陸上で活動している警察官ですら、このように拳銃使用というものに対しては大変な制約と心の葛藤があるということが見て取れる論文であります。
結果的には、全ての現場において、深刻な事態、これは三種類しかないと思います、絶対に逃がしちゃいけないか、自分がやられそうか、ほっておくと誰かがやられちゃうかという判断を、瞬時に個人の決断によく言えば委ねている、悪く言えば押しつけているというのが現状ではないでしょうか。同じことを海上保安官にも押しつけることが本当にできるのかということを考えなければいけないと思います。
したがいまして、私自身は、突き詰めると、海上保安庁の巡視船が国際法に違反せずに外国公船に危害射撃をすることはできないのではないかと思うんですけれども、ここは是非大臣に御見識をいただきたいと思います。