伊藤元重の発言 (外務委員会)

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○伊藤参考人 伊藤でございます。
 こういう場で、ちょっと不謹慎な言い方で申し訳ないんですけれども、昔、よくアメリカとか欧州の交渉担当官の方と話すと、日本のプレゼンスが全く見えないとよく叱られたもので、特にガットの交渉においては、どちらかというと決まったものをフォローすることがある。
 TPPでアメリカが離脱して、TPP11の交渉に日本が入ったときに、ある場で、これは欧州の経済学者ですけれども、日本、頑張っているじゃないかというふうに言われまして、そういう意味では、議員おっしゃるように、確かに存在感が少し出てきているのかもしれませんし、こういう時代でございますから、日本も積極的に発言すべきだろうと。
 先ほどちょっと申し上げなかった点で一つ申し上げたいんですけれども、多国間の交渉の非常に難しいのは、新興国、途上国の自由化を促すことが非常に難しい。既に仕組みがあるわけですから、彼らはいわゆる最恵国待遇の恩恵を受けておらないわけで、これは彼らにとってみても必ずしも好ましいことではないわけで。
 今回、先ほどの鈴木さんの表にも出ていたんですけれども、結果的に、日本が非常に関税で経済的な利益を得るような形で、ASEANは必ずしもそうなっていない。これはいろいろな議論があるんですけれども、それの一つの大きなポイントというのは、こういうことを通じて、先ほど言ったアフリカとか、あるいはアジアとか、いろいろな国の自由化を促していくメカニズムになるということだろうと思うんです。
 ただ、もちろん、そういうことで経済社会が変わっていけば、当然分配が大きく変わるわけで、分配が変わるから何もやるべきではないということではないんだろうと思うんですね。
 先ほどの鈴木さんは、種苗は、種はできるだけ自家増殖するべきであると。自家増殖を守ることは大事だと思いますけれども、多分それをずっとやってきたら、昔、マルサスが言ったように、人類は人口は増えるんだけれども、食べ物はそんなに増えていかないから、多分、結構厳しいことになっただろうと。今、このマルサスの予言が外れたのは、やはり技術革新とかテクノロジーが食料を非常に増やしたという面もあるわけで、全てがそれがいいというわけではありませんけれども、そういう意味で、いろいろな面があるのかなという気がします。
 農業の問題は非常に大事な問題だと思います、あるいは医療も大事だと思いますから、そういう問題について、いわゆる貿易保護の中に全部押し込んでしまうのではなくて、より直接的な、いわゆる国内の対応とか政策ということとセットでやはり考えていく。やはり、そういうことを考えるきっかけという意味でも、このRCEPを結んだということは非常に意義があるのかなというふうに思います。
 どうもありがとうございました。

発言情報

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発言者: 伊藤元重

speaker_id: 24102

日付: 2021-04-14

院: 衆議院

会議名: 外務委員会