外務委員会
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会
会議録情報#0
令和三年四月十四日(水曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 あべ 俊子君
理事 伊藤信太郎君 理事 鈴木 貴子君
理事 鈴木 憲和君 理事 辻 清人君
理事 中根 一幸君 理事 阿久津幸彦君
理事 小熊 慎司君 理事 佐藤 茂樹君
秋本 真利君 今枝宗一郎君
尾身 朝子君 城内 実君
黄川田仁志君 國場幸之助君
新藤 義孝君 鈴木 隼人君
薗浦健太郎君 高木 啓君
中曽根康隆君 中谷 真一君
原田 憲治君 穂坂 泰君
松島みどり君 簗 和生君
青山 大人君 岡田 克也君
緑川 貴士君 山川百合子君
渡辺 周君 國重 徹君
穀田 恵二君 田村 貴昭君
浦野 靖人君 山尾志桜里君
…………………………………
外務大臣 茂木 敏充君
外務副大臣 鷲尾英一郎君
外務副大臣 宇都 隆史君
経済産業副大臣 長坂 康正君
内閣府大臣政務官 和田 義明君
外務大臣政務官 國場幸之助君
外務大臣政務官 鈴木 隼人君
外務大臣政務官 中西 哲君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 安東 隆君
政府参考人
(内閣府沖縄振興局長) 原 宏彰君
政府参考人
(金融庁総合政策局参事官) 井上 俊剛君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 赤堀 毅君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 曽根 健孝君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 有馬 裕君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 原 圭一君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 御巫 智洋君
政府参考人
(外務省総合外交政策局長) 山田 重夫君
政府参考人
(外務省アジア大洋州局南部アジア部長) 小林 賢一君
政府参考人
(外務省経済局長) 四方 敬之君
政府参考人
(農林水産省大臣官房輸出促進審議官) 池山 成俊君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 田村 暁彦君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 渡邉 洋一君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 三浦 章豪君
政府参考人
(防衛省人事教育局長) 川崎 方啓君
参考人
(学習院大学国際社会科学部教授) 伊藤 元重君
参考人
(日本貿易振興機構アジア経済研究所主任研究員) 浜中慎太郎君
参考人
(東京大学大学院教授) 鈴木 宣弘君
外務委員会専門員 小林 扶次君
―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
辞任 補欠選任
小田原 潔君 穂坂 泰君
新藤 義孝君 原田 憲治君
竹内 譲君 國重 徹君
穀田 恵二君 田村 貴昭君
同日
辞任 補欠選任
原田 憲治君 新藤 義孝君
穂坂 泰君 高木 啓君
國重 徹君 竹内 譲君
田村 貴昭君 穀田 恵二君
同日
辞任 補欠選任
高木 啓君 今枝宗一郎君
同日
辞任 補欠選任
今枝宗一郎君 秋本 真利君
同日
辞任 補欠選任
秋本 真利君 小田原 潔君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
地域的な包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件(条約第一号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 あべ 俊子君
理事 伊藤信太郎君 理事 鈴木 貴子君
理事 鈴木 憲和君 理事 辻 清人君
理事 中根 一幸君 理事 阿久津幸彦君
理事 小熊 慎司君 理事 佐藤 茂樹君
秋本 真利君 今枝宗一郎君
尾身 朝子君 城内 実君
黄川田仁志君 國場幸之助君
新藤 義孝君 鈴木 隼人君
薗浦健太郎君 高木 啓君
中曽根康隆君 中谷 真一君
原田 憲治君 穂坂 泰君
松島みどり君 簗 和生君
青山 大人君 岡田 克也君
緑川 貴士君 山川百合子君
渡辺 周君 國重 徹君
穀田 恵二君 田村 貴昭君
浦野 靖人君 山尾志桜里君
…………………………………
外務大臣 茂木 敏充君
外務副大臣 鷲尾英一郎君
外務副大臣 宇都 隆史君
経済産業副大臣 長坂 康正君
内閣府大臣政務官 和田 義明君
外務大臣政務官 國場幸之助君
外務大臣政務官 鈴木 隼人君
外務大臣政務官 中西 哲君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 安東 隆君
政府参考人
(内閣府沖縄振興局長) 原 宏彰君
政府参考人
(金融庁総合政策局参事官) 井上 俊剛君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 赤堀 毅君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 曽根 健孝君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 有馬 裕君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 原 圭一君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 御巫 智洋君
政府参考人
(外務省総合外交政策局長) 山田 重夫君
政府参考人
(外務省アジア大洋州局南部アジア部長) 小林 賢一君
政府参考人
(外務省経済局長) 四方 敬之君
政府参考人
(農林水産省大臣官房輸出促進審議官) 池山 成俊君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 田村 暁彦君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 渡邉 洋一君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 三浦 章豪君
政府参考人
(防衛省人事教育局長) 川崎 方啓君
参考人
(学習院大学国際社会科学部教授) 伊藤 元重君
参考人
(日本貿易振興機構アジア経済研究所主任研究員) 浜中慎太郎君
参考人
(東京大学大学院教授) 鈴木 宣弘君
外務委員会専門員 小林 扶次君
―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
辞任 補欠選任
小田原 潔君 穂坂 泰君
新藤 義孝君 原田 憲治君
竹内 譲君 國重 徹君
穀田 恵二君 田村 貴昭君
同日
辞任 補欠選任
原田 憲治君 新藤 義孝君
穂坂 泰君 高木 啓君
國重 徹君 竹内 譲君
田村 貴昭君 穀田 恵二君
同日
辞任 補欠選任
高木 啓君 今枝宗一郎君
同日
辞任 補欠選任
今枝宗一郎君 秋本 真利君
同日
辞任 補欠選任
秋本 真利君 小田原 潔君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
地域的な包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件(条約第一号)
――――◇―――――
あ
あべ俊子#1
○あべ委員長 これより会議を開きます。
地域的な包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
本日は、本件審査のため、参考人といたしまして、学習院大学国際社会科学部教授伊藤元重君、日本貿易振興機構アジア経済研究所主任研究員浜中慎太郎君、東京大学大学院教授鈴木宣弘君、以上三名の方々に御出席をいただき、御意見を承ることにしております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、伊藤参考人、浜中参考人、鈴木参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと思います。
なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、最初に伊藤参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →地域的な包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
本日は、本件審査のため、参考人といたしまして、学習院大学国際社会科学部教授伊藤元重君、日本貿易振興機構アジア経済研究所主任研究員浜中慎太郎君、東京大学大学院教授鈴木宣弘君、以上三名の方々に御出席をいただき、御意見を承ることにしております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、伊藤参考人、浜中参考人、鈴木参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと思います。
なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、最初に伊藤参考人にお願いいたします。
伊
伊藤元重#2
○伊藤参考人 学習院大学の伊藤でございます。よろしくお願いします。
十分ということでございますので、お手元に、今日お話をする簡単なポイントだけまとめてございます。私、専門が元々国際経済学でございますから、その視点から主にお話をさせていただきたいと思います。
最初に書いてあることは、通商政策とか、あるいは通商戦略もそうなんでしょうけれども、これは行き当たりばったりでやることではなくて、当たり前の話なんですけれども、十年、二十年、場合によっては五十年という大きな体系の中でやはり進めていかなきゃいけないという問題でございまして、したがいまして、一方では、現実の経済がどう動いているかということに対応するためにいろいろなことが必要でありますし、他方で、こういういろいろな政策を進めることによって経済を動かしていくという面もあるんだろうと思います。
ここに四つのアプローチと書いてございます。皆さん、釈迦に説法でございますけれども、WTOのようなマルチの場と、それから、今回話題になっているようないわゆるリージョナル、地域の場と、それから、日米だとかあるいは日・シンガポールだとか、二国間のいろいろな取組と、それから、日本が独自に、ユニラテラルに自由化するということもいろいろな分野であると思いますけれども、この四つが組み合わされてきて、そのどれも恐らく欠かすことができない駒だろうと思います。
ただ、難しいのは、時代によって、非常に機能が低下する面と、機能が非常に期待される部分の濃淡が出てくる。例えば、日米貿易摩擦で何十年と日本は苦しんできたわけですけれども、この時期には、どちらかというと現実に対する対応という面があるんですけれども、二国間の協定が非常に重要になってきているわけですし、あるいは、もう少し前の、いわゆるガットの全盛期であれば、マルチだろうと思うんです。
御案内のように、残念ながら、この二十年ぐらい、WTOを通じたマルチの部分が、機能が非常に弱まっている。もちろん、これをしっかり強化するということは非常に重要なんですけれども、それと同時に、それを補完するという役割がいわゆる経済連携協定に期待されてきているわけです。
ただ、御案内のように、これも、経済連携協定、日本はシンガポールと今世紀初めぐらいに結んだわけですけれども、ほとんどが二国間の協定でございまして、しかも、ちょっと言葉を選ばなくてはいけないのかもしれませんけれども、難しい相手とはやってこなかった。例えば、そこに書いてあるように、アメリカとかカナダとか豪州とかニュージーランド、こういうところは農業が非常に強い生産国で、これはなかなか日本にとってみるとハードルが高いですし、それから、中国と韓国は、近隣にあるということもあるものですから、貿易額、投資は非常に多いにもかかわらず、やらなかった。
ただ、ここに来て、特にTPPに日本が交渉を決めてからは、今並べた国の前半の方の国々と結ぶような結果になりましたし、今回のRCEPの場合には中国、韓国が入ってきているというところが非常に大きな特徴なのかもしれません。そこが、当然、賛成、反対、いろいろな議論があるんだろうと思います。
TPPとかあるいはRCEPとか、経済連携協定というのはWTOと少し違うのは、WTOというのは上から全体で交渉して仕組みを提供する枠、まさに多国間協定なんですけれども、経済協定というのは下から積み上げていくわけです。
日本は、御案内のように、最初は日本・シンガポールとか日本・メキシコとかいうところから積み上げてきたわけで、そのときに非常に重要なのは、ビルディングブロックという考え方、つまり、これはその次のステージに行くためにも重要なステップであるという視点が重要で、今回、TPPを結んだ上でなぜRCEPをやらなきゃいけないのかというような議論も当然あるだろうと思いますけれども、これは長い目で見たときに、こういう形でいわゆる経済連携の輪を広げていくということは非常に重要な話になると思います。今日この話はしませんけれども、TPPの交渉がまとまった後、EUとの経済連携協定にも弾みがついたように、個々の交渉というのはそういう連関があるということだと思います。
そういう中で、RCEPの特徴は、いわゆるスーパーリージョナルな協定である、非常に多くの国が出てくる。
御存じのように、ASEANの人たちと話すと、自分たちはアジアの経済連携協定のドライビングシートに乗っているんだ、つまり、自分たちがリーダーシップを取ってアジアの経済連携協定を結んでいきたいということを、よく学者の仲間では、もう十年も二十年も前から話を聞いたわけですけれども。
そういう中で、スーパーリージョナルになることの重要性は何かというと、やはり国際取引あるいは国際関係というのが、二国では完結しないようなケースになってきている。いろいろな国の間を部品が動くということもありますし、あるいは、企業自身が多数のアジアの国の中に拠点をそれぞれ持って、我々の言葉を使うと、国境を越えた分業が進んできている。
しかも、その分業というのは、単に物が取引されているだけではなくて、企業が拠点をあちこちに設けて、同時に、人が動く、これは単に日本の人が行くというだけではなくて、現地の人も日本との間でいろいろな形で技術等のインタラクションがある、そして投資も進むという形になってくると、人、物、金、あるいは投資、そういうものを統合的にしたときに、どういう形でその地域のフレームワークをつくっていったらいいだろうかということになってくると、このスーパーリージョナルの枠組みというのが非常に重要になってくるだろうというふうに思います。
もう一つ、是非申し上げたいのは、WTOというのは非常に大事な仕組みで、これは是非しっかり強化しなきゃいけないんですけれども、ただ、多様なバックグラウンド、例えば先進国と途上国とか、農業国と工業国とか、あるいは人口の大きい国とそうではない国とか、いろいろな国が集まって、あれだけの大きな参加者の中で合意を得るのは非常に難しい部分があると思います。
そういう意味で、WTOとかその前身のガットというのは、比較的、多国間で合意がしやすいテーマに絞って議論をしてきた面があるわけですね。非常に乱暴に言ってしまえば、関税の引下げというところに非常にウェートが多かった。
それはそれで非常に大事だと思うんですけれども、現実の経済の場合には、国境を越えていろいろなものが関連しているわけで、我々の世界では、それはディーパーインテグレーション、より深い統合というふうに申し上げるんですけれども、単に物が取引されるだけではなくて、例えばサービスですとか、あるいは競争政策ですとか、あるいは金融ですとか、あるいは知的財産だとか、あるいはデジタルだとか、いろいろな問題が出てきていて、残念ながら、これはなかなか今の段階では十分な解決というのはないわけですけれども、しかし、そういうものに取り組んでいくという中で考えたときに、このスーパーリージョナル、先ほどのTPPとかRCEPとかEUとの経済連携協定とか、こういうものを足がかりにしていくということが非常に重要なんだろうと思います。
そういう意味では、御案内のように、このRCEPも随分昔からずっと議論をされてきたんですけれども、今ここで国会の審議のところまで来たということでは非常に重要なタイミングだと思いますので、是非慎重な議論をしていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →十分ということでございますので、お手元に、今日お話をする簡単なポイントだけまとめてございます。私、専門が元々国際経済学でございますから、その視点から主にお話をさせていただきたいと思います。
最初に書いてあることは、通商政策とか、あるいは通商戦略もそうなんでしょうけれども、これは行き当たりばったりでやることではなくて、当たり前の話なんですけれども、十年、二十年、場合によっては五十年という大きな体系の中でやはり進めていかなきゃいけないという問題でございまして、したがいまして、一方では、現実の経済がどう動いているかということに対応するためにいろいろなことが必要でありますし、他方で、こういういろいろな政策を進めることによって経済を動かしていくという面もあるんだろうと思います。
ここに四つのアプローチと書いてございます。皆さん、釈迦に説法でございますけれども、WTOのようなマルチの場と、それから、今回話題になっているようないわゆるリージョナル、地域の場と、それから、日米だとかあるいは日・シンガポールだとか、二国間のいろいろな取組と、それから、日本が独自に、ユニラテラルに自由化するということもいろいろな分野であると思いますけれども、この四つが組み合わされてきて、そのどれも恐らく欠かすことができない駒だろうと思います。
ただ、難しいのは、時代によって、非常に機能が低下する面と、機能が非常に期待される部分の濃淡が出てくる。例えば、日米貿易摩擦で何十年と日本は苦しんできたわけですけれども、この時期には、どちらかというと現実に対する対応という面があるんですけれども、二国間の協定が非常に重要になってきているわけですし、あるいは、もう少し前の、いわゆるガットの全盛期であれば、マルチだろうと思うんです。
御案内のように、残念ながら、この二十年ぐらい、WTOを通じたマルチの部分が、機能が非常に弱まっている。もちろん、これをしっかり強化するということは非常に重要なんですけれども、それと同時に、それを補完するという役割がいわゆる経済連携協定に期待されてきているわけです。
ただ、御案内のように、これも、経済連携協定、日本はシンガポールと今世紀初めぐらいに結んだわけですけれども、ほとんどが二国間の協定でございまして、しかも、ちょっと言葉を選ばなくてはいけないのかもしれませんけれども、難しい相手とはやってこなかった。例えば、そこに書いてあるように、アメリカとかカナダとか豪州とかニュージーランド、こういうところは農業が非常に強い生産国で、これはなかなか日本にとってみるとハードルが高いですし、それから、中国と韓国は、近隣にあるということもあるものですから、貿易額、投資は非常に多いにもかかわらず、やらなかった。
ただ、ここに来て、特にTPPに日本が交渉を決めてからは、今並べた国の前半の方の国々と結ぶような結果になりましたし、今回のRCEPの場合には中国、韓国が入ってきているというところが非常に大きな特徴なのかもしれません。そこが、当然、賛成、反対、いろいろな議論があるんだろうと思います。
TPPとかあるいはRCEPとか、経済連携協定というのはWTOと少し違うのは、WTOというのは上から全体で交渉して仕組みを提供する枠、まさに多国間協定なんですけれども、経済協定というのは下から積み上げていくわけです。
日本は、御案内のように、最初は日本・シンガポールとか日本・メキシコとかいうところから積み上げてきたわけで、そのときに非常に重要なのは、ビルディングブロックという考え方、つまり、これはその次のステージに行くためにも重要なステップであるという視点が重要で、今回、TPPを結んだ上でなぜRCEPをやらなきゃいけないのかというような議論も当然あるだろうと思いますけれども、これは長い目で見たときに、こういう形でいわゆる経済連携の輪を広げていくということは非常に重要な話になると思います。今日この話はしませんけれども、TPPの交渉がまとまった後、EUとの経済連携協定にも弾みがついたように、個々の交渉というのはそういう連関があるということだと思います。
そういう中で、RCEPの特徴は、いわゆるスーパーリージョナルな協定である、非常に多くの国が出てくる。
御存じのように、ASEANの人たちと話すと、自分たちはアジアの経済連携協定のドライビングシートに乗っているんだ、つまり、自分たちがリーダーシップを取ってアジアの経済連携協定を結んでいきたいということを、よく学者の仲間では、もう十年も二十年も前から話を聞いたわけですけれども。
そういう中で、スーパーリージョナルになることの重要性は何かというと、やはり国際取引あるいは国際関係というのが、二国では完結しないようなケースになってきている。いろいろな国の間を部品が動くということもありますし、あるいは、企業自身が多数のアジアの国の中に拠点をそれぞれ持って、我々の言葉を使うと、国境を越えた分業が進んできている。
しかも、その分業というのは、単に物が取引されているだけではなくて、企業が拠点をあちこちに設けて、同時に、人が動く、これは単に日本の人が行くというだけではなくて、現地の人も日本との間でいろいろな形で技術等のインタラクションがある、そして投資も進むという形になってくると、人、物、金、あるいは投資、そういうものを統合的にしたときに、どういう形でその地域のフレームワークをつくっていったらいいだろうかということになってくると、このスーパーリージョナルの枠組みというのが非常に重要になってくるだろうというふうに思います。
もう一つ、是非申し上げたいのは、WTOというのは非常に大事な仕組みで、これは是非しっかり強化しなきゃいけないんですけれども、ただ、多様なバックグラウンド、例えば先進国と途上国とか、農業国と工業国とか、あるいは人口の大きい国とそうではない国とか、いろいろな国が集まって、あれだけの大きな参加者の中で合意を得るのは非常に難しい部分があると思います。
そういう意味で、WTOとかその前身のガットというのは、比較的、多国間で合意がしやすいテーマに絞って議論をしてきた面があるわけですね。非常に乱暴に言ってしまえば、関税の引下げというところに非常にウェートが多かった。
それはそれで非常に大事だと思うんですけれども、現実の経済の場合には、国境を越えていろいろなものが関連しているわけで、我々の世界では、それはディーパーインテグレーション、より深い統合というふうに申し上げるんですけれども、単に物が取引されるだけではなくて、例えばサービスですとか、あるいは競争政策ですとか、あるいは金融ですとか、あるいは知的財産だとか、あるいはデジタルだとか、いろいろな問題が出てきていて、残念ながら、これはなかなか今の段階では十分な解決というのはないわけですけれども、しかし、そういうものに取り組んでいくという中で考えたときに、このスーパーリージョナル、先ほどのTPPとかRCEPとかEUとの経済連携協定とか、こういうものを足がかりにしていくということが非常に重要なんだろうと思います。
そういう意味では、御案内のように、このRCEPも随分昔からずっと議論をされてきたんですけれども、今ここで国会の審議のところまで来たということでは非常に重要なタイミングだと思いますので、是非慎重な議論をしていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。拍手
あ
浜
浜中慎太郎#4
○浜中参考人 おはようございます。アジア経済研究所の浜中慎太郎と申します。
本日は、衆議院外務委員会の場でRCEPについて意見を述べるという大変光栄な機会をいただき、非常に喜ばしく思っております。
最初に一点申し上げなくてはいけないことがあるんですが、それは、本日私がこの場で申し上げる意見というのは、私の個人的な意見でありまして、私が属する組織の見解とは必ずしも一致するものではないということであります。
それで、早速ですが、本題に入りますけれども、私の今日お話しすることの一つ大前提があります。それは、関税の交渉、関税というのは、FTA、RCEPを含むFTAの大きなパッケージの一つの側面にすぎないということであります。
当然、関税の効果はあります。いろいろな経済モデルを回してみたりすると、恐らく日本には相対的に大きい影響が来る、プラスの影響があるというふうになることは間違いないと思います。これはある意味当然のことでありまして、RCEPのメンバーのうち、今、FTAが主要国で欠けているのが日中、日韓ということになります。では、この日中、日韓がRCEPによってカバーされることによって日本に相対的な大きな影響が出るということは、ちょっと裏返して言うと、日本が周辺諸国と比べてFTA外交で乗り遅れていたという事実を反映しているにすぎないわけだから、当たり前のことであります。
それから、日中の間で貿易が大きく増えるのは、これは事実なんですけれども、相対的に日本への影響が大きくなる、これは相対的に日本経済が巨大化していく中国経済と比べて縮小しているということなので、これもある意味当然のことだと思います。なので、経済的なインパクトが日本に相対的に大きいという事実をもって、交渉をうまくやったということには必ずしもつながらないんだというところは注意して見ていく必要があると思います。
私が思うのは、やはり関税だけじゃなくて、ルールというのが非常に今後重要になっていくと思います。日本政府は常にルール・ベースド・オーダー、ルールに基づく統治、秩序が重要だということを言っております。これは南シナ海を含む安全保障の分野でも当然なんですけれども、国際経済分野においても、このルールというのが今後一層重要になっていくと思います。
そういう意味で考えていくと、ルールというものと関税というものの両方があって、もし仮に関税の部分で日本が若干得をしているのであれば、裏返して言うと、ルールの部分で若干損しているかもしれないなというぐらい注意して、ルールの交渉というふうにRCEPを見ていく、FTA全体を見ていくということが必要なのかもしれないというふうに思っております。
二〇二〇年というのは、私は非常に大きな世界史的なターニングポイントの年になったのではないかというふうに思っております。これは、当然、コロナのパンデミックがあったということもそうなんですけれども、やはりアジアがRCEPというルールによってカバーされたということは非常に重要だと思います。
我々は、近い将来、非常に重要な問題に直面すると思います。RCEPがルールであるということで、非常に重要な問題、すなわち、近い将来、RCEPのメンバーシップがいずれ拡大していくと思います。これに対して日本がどういうふうに対応していくのかということであります。
RCEPというのは、本当に日本にとって望ましいルールなんでしょうか。もし仮にそうだとするならば、私は、もう今後のFTAの交渉というのはRCEPをひな形にやっていく、アジアの多くの国で合意したルールなら、これをひな形にやっていく、そのぐらいの心構えでいいと思います。
もし仮にそれができないんだとすれば、なぜでしょうか。やはりRCEPのルールに若干不満があるんじゃないでしょうか。だとしたら、その点はやはりちゃんと我々は認識するべきだと思っています。
それで、RCEPは、後ほどお話ししますけれども、若干やはり中国の意向が強く反映されているルールであるということは否定できないと思います。今後我々が直面しなくちゃいけないのは、RCEPのルールを世界中に拡散させていくのか、あるいはTPPのルールを世界中に拡散させていくのか、こういう非常に重要な問題で、ここを日本は考えなくちゃいけない。
仮に、RCEPに入ろうと思っているんだけれどもと特定の国が日本に相談を持ちかけたときに、日本も、よし、RCEPに入ってくれと言うのか、あるいは、ううん、もっと頑張ってやはりTPPに入った方がいいんじゃないかという逆提案をするということもあるわけで、そういうことについても、今、日本は考えていかなくちゃいけない時期にかかっていると思います。
RCEPの成果についての評価なんですけれども、ルールという観点では、ある程度の成果があるのは事実でございます。サービス、投資、知的財産権、政府調達、電子商取引、こういう分野で、ある程度のルールメイキングというのはできております。
ただ一方、やはり不十分な点もありまして、例えば投資の場合、いわゆるISDSというのが入っていません。ISDSというのは、日本企業が外国に投資した場合に、外国政府が政策を変更することによって投資の効果が見込めなくなった場合に外国の政府に補償を求めるというような国際的なメカニズムなんですけれども、これが抜け落ちております。TPPには入っておりますし、日本が今まで締結してきた主要なFTAには入っております。これは、私の見るところ、やはり中国がなかなかのみ込んでくれなかったということであります。
それから、電子商取引の分野においても、ある程度のルールができてはいますけれども、非常に重要な点で、これがディスピュート・セトルメント、紛争処理には使えないということになっております。これは、例えると、画竜点睛を欠くといいますか、国内法で言うならば、法律は作ったけれども裁判所はない、そういうような状況でありまして、これは非常に私は憂慮する状況だと思います。
例えて言うならば、だから、ある程度のルールはあるんだけれども、完璧ではない。ワインのボトルに半分ワインは入っている、半分空になっている、これをハーフエンプティーと言うのかハーフフルと言うかという問題で、ハーフフルだと言うのはいいんです。ただ、ハーフフルだからいいんだとそこで終わっては駄目なので、ではどうやってフルに持っていくんだということを我々としては考えていかなくちゃいけない。
例えば、ISDSの場合は、二年以内に再交渉するということになっております。それから、電子商取引のディスピュート・セトルメントについても、いずれのタイミングかでもう一度交渉するということになっています。日本には、こういう再交渉の場を利用して、こんなもの、仮に両方とも取れないんだったら日本はRCEPから出ていくよ、そのくらいの強い立場で交渉を進めていくということが私は必要だと思っております。
それから次に、プロセスについて述べたいことがあります。プロセス、いわゆる主導権をどこの国が持っていたということであります。
よく、日本が実はRCEPの主導権を持っていたというような話を聞く機会があります。そういう場合は、大体、話では、電子商取引の場で、二〇一七年の四月にASEANの関係閣僚が和歌山に来た際に根回しをして、翌月の二〇一七年五月のRCEP閣僚会議で、日本がRCEPに電子商取引を入れるべきだと提案する。これに対して、中国がそんな話は聞いていないということになったけれども、事前に根回しをしていた例えばベトナム等の支援を得て、結局日本の主張が通った。これをもって日本の主導権、日本主導でやったというような議論があると思います。
でも、最終的には、先ほど述べましたように、ルール自体は中国の意向をかなり強く反映したということで、だんだん主導権が中国に移っていったんだという評価ができます。
私がここで言いたいのは、中国が主導権を取っているからけしからぬということではないんです。日本はそろそろ主導権という考え方をやめませんか。ちょっと悪い言い方をすると、やはり主導権ごっこというものに陥っているという側面がどうしてもあると思います。日本がやらなくちゃいけないのは、やはりリーダーシップを発揮することだと思います。
中国を排除した場で根回しをして、中国に聞いていないよと言われて、でも、日本がその主張を押し切る、これを中立な第三国が見たらどう思うでしょうか。日本はすばらしいことをやった、日本はすばらしい国だと思うでしょうか。私は個人的には思いません。だから、そういう意味では、本当の意味でのリーダーシップを日本に発揮してもらいたいというふうに思います。
それから、もう一つ関連することなんですけれども、存在感という概念があります。これも先ほどの主導権と一緒で非常に日本的で、日本が交渉する場合は、交渉において存在感を示すというのがよくあります。でも、実質的には、存在感のある国が交渉に招かれて、交渉の場において意見を聞いてもらえるわけです。
では、存在感のある国は何なんだ。いろいろな要素があるんですけれども、私が一つ非常に重要だと思っているのは、明確なポジションを持っているということだと思います。日本は、一部の分野においては非常に明確なポジションを持っています。例えば農業の米の問題、漁業、捕鯨の問題、こういうところでは日本は非常に明確なポジションを持っているので、いや応なしにも国際交渉でスポットが当たって、日本が明確に、いろいろな、ある程度の影響力を発揮することがある、ネガティブ、ポジティブ、分かれ目がある。
それに対して、今私が申し上げた投資、電子商取引、日本に明確なポジションはあるでしょうか。私が思うに、中国は明確にあったと思います。日本はなかったんじゃないのかという疑問を私は持っています。
そういうことがあるんですけれども、では、そうすると、最終的に大きな問題として考えなくちゃいけないのは、どういうふうに交渉に取り組んでいくのか。新しい交渉もありますし、次の再交渉もあるんですけれども、それをどうやっていくんだということなんです。
私は、中国と張り合っていくということではないと思います。今回、中国は、やはりある程度自分たちのリーダーシップをうまく発揮した。それはもう認識した上で、日本としては、やはりオール・ジャパンで、どういう国際経済ルールが日本にとって望ましいのか、世界にとって望ましいのかということを、やはり産官学、市民グループを交えてちゃんと議論した方がいいと思います。日本にとっていいルールが必ずしも世界にとっていいルールではないこともあると思います。そこは、ではどっちを優先するんだということをやはり日本は考えていかなくちゃいけない。
私が強調したいのは、日本国内の交渉ですらまとめられないのであれば、世界的な交渉をまとめる、引っ張っていくのは無理です。なので、日本国内の交渉を避けて、国際的な交渉で何かうまくやろうというのは無理なんじゃないかというふうに思います。
もう時間もほとんどないので、最後、一点あるんですけれども、今回のRCEPの交渉を見ると、明らかにやはり情報が不足していて、不透明な中で行われたということがあると思います。
守秘義務がある、これはもうしようがないんだと思うんですけれども、前回のTPPのときと比べても、やはり明らかに透明性が欠けていたと思います。この点について、どういうことがあったのかというようなことをやはり解明して、今後の交渉に役立てていくということが必要なんじゃないのかというふうに思っております。
以上で終わります。ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、衆議院外務委員会の場でRCEPについて意見を述べるという大変光栄な機会をいただき、非常に喜ばしく思っております。
最初に一点申し上げなくてはいけないことがあるんですが、それは、本日私がこの場で申し上げる意見というのは、私の個人的な意見でありまして、私が属する組織の見解とは必ずしも一致するものではないということであります。
それで、早速ですが、本題に入りますけれども、私の今日お話しすることの一つ大前提があります。それは、関税の交渉、関税というのは、FTA、RCEPを含むFTAの大きなパッケージの一つの側面にすぎないということであります。
当然、関税の効果はあります。いろいろな経済モデルを回してみたりすると、恐らく日本には相対的に大きい影響が来る、プラスの影響があるというふうになることは間違いないと思います。これはある意味当然のことでありまして、RCEPのメンバーのうち、今、FTAが主要国で欠けているのが日中、日韓ということになります。では、この日中、日韓がRCEPによってカバーされることによって日本に相対的な大きな影響が出るということは、ちょっと裏返して言うと、日本が周辺諸国と比べてFTA外交で乗り遅れていたという事実を反映しているにすぎないわけだから、当たり前のことであります。
それから、日中の間で貿易が大きく増えるのは、これは事実なんですけれども、相対的に日本への影響が大きくなる、これは相対的に日本経済が巨大化していく中国経済と比べて縮小しているということなので、これもある意味当然のことだと思います。なので、経済的なインパクトが日本に相対的に大きいという事実をもって、交渉をうまくやったということには必ずしもつながらないんだというところは注意して見ていく必要があると思います。
私が思うのは、やはり関税だけじゃなくて、ルールというのが非常に今後重要になっていくと思います。日本政府は常にルール・ベースド・オーダー、ルールに基づく統治、秩序が重要だということを言っております。これは南シナ海を含む安全保障の分野でも当然なんですけれども、国際経済分野においても、このルールというのが今後一層重要になっていくと思います。
そういう意味で考えていくと、ルールというものと関税というものの両方があって、もし仮に関税の部分で日本が若干得をしているのであれば、裏返して言うと、ルールの部分で若干損しているかもしれないなというぐらい注意して、ルールの交渉というふうにRCEPを見ていく、FTA全体を見ていくということが必要なのかもしれないというふうに思っております。
二〇二〇年というのは、私は非常に大きな世界史的なターニングポイントの年になったのではないかというふうに思っております。これは、当然、コロナのパンデミックがあったということもそうなんですけれども、やはりアジアがRCEPというルールによってカバーされたということは非常に重要だと思います。
我々は、近い将来、非常に重要な問題に直面すると思います。RCEPがルールであるということで、非常に重要な問題、すなわち、近い将来、RCEPのメンバーシップがいずれ拡大していくと思います。これに対して日本がどういうふうに対応していくのかということであります。
RCEPというのは、本当に日本にとって望ましいルールなんでしょうか。もし仮にそうだとするならば、私は、もう今後のFTAの交渉というのはRCEPをひな形にやっていく、アジアの多くの国で合意したルールなら、これをひな形にやっていく、そのぐらいの心構えでいいと思います。
もし仮にそれができないんだとすれば、なぜでしょうか。やはりRCEPのルールに若干不満があるんじゃないでしょうか。だとしたら、その点はやはりちゃんと我々は認識するべきだと思っています。
それで、RCEPは、後ほどお話ししますけれども、若干やはり中国の意向が強く反映されているルールであるということは否定できないと思います。今後我々が直面しなくちゃいけないのは、RCEPのルールを世界中に拡散させていくのか、あるいはTPPのルールを世界中に拡散させていくのか、こういう非常に重要な問題で、ここを日本は考えなくちゃいけない。
仮に、RCEPに入ろうと思っているんだけれどもと特定の国が日本に相談を持ちかけたときに、日本も、よし、RCEPに入ってくれと言うのか、あるいは、ううん、もっと頑張ってやはりTPPに入った方がいいんじゃないかという逆提案をするということもあるわけで、そういうことについても、今、日本は考えていかなくちゃいけない時期にかかっていると思います。
RCEPの成果についての評価なんですけれども、ルールという観点では、ある程度の成果があるのは事実でございます。サービス、投資、知的財産権、政府調達、電子商取引、こういう分野で、ある程度のルールメイキングというのはできております。
ただ一方、やはり不十分な点もありまして、例えば投資の場合、いわゆるISDSというのが入っていません。ISDSというのは、日本企業が外国に投資した場合に、外国政府が政策を変更することによって投資の効果が見込めなくなった場合に外国の政府に補償を求めるというような国際的なメカニズムなんですけれども、これが抜け落ちております。TPPには入っておりますし、日本が今まで締結してきた主要なFTAには入っております。これは、私の見るところ、やはり中国がなかなかのみ込んでくれなかったということであります。
それから、電子商取引の分野においても、ある程度のルールができてはいますけれども、非常に重要な点で、これがディスピュート・セトルメント、紛争処理には使えないということになっております。これは、例えると、画竜点睛を欠くといいますか、国内法で言うならば、法律は作ったけれども裁判所はない、そういうような状況でありまして、これは非常に私は憂慮する状況だと思います。
例えて言うならば、だから、ある程度のルールはあるんだけれども、完璧ではない。ワインのボトルに半分ワインは入っている、半分空になっている、これをハーフエンプティーと言うのかハーフフルと言うかという問題で、ハーフフルだと言うのはいいんです。ただ、ハーフフルだからいいんだとそこで終わっては駄目なので、ではどうやってフルに持っていくんだということを我々としては考えていかなくちゃいけない。
例えば、ISDSの場合は、二年以内に再交渉するということになっております。それから、電子商取引のディスピュート・セトルメントについても、いずれのタイミングかでもう一度交渉するということになっています。日本には、こういう再交渉の場を利用して、こんなもの、仮に両方とも取れないんだったら日本はRCEPから出ていくよ、そのくらいの強い立場で交渉を進めていくということが私は必要だと思っております。
それから次に、プロセスについて述べたいことがあります。プロセス、いわゆる主導権をどこの国が持っていたということであります。
よく、日本が実はRCEPの主導権を持っていたというような話を聞く機会があります。そういう場合は、大体、話では、電子商取引の場で、二〇一七年の四月にASEANの関係閣僚が和歌山に来た際に根回しをして、翌月の二〇一七年五月のRCEP閣僚会議で、日本がRCEPに電子商取引を入れるべきだと提案する。これに対して、中国がそんな話は聞いていないということになったけれども、事前に根回しをしていた例えばベトナム等の支援を得て、結局日本の主張が通った。これをもって日本の主導権、日本主導でやったというような議論があると思います。
でも、最終的には、先ほど述べましたように、ルール自体は中国の意向をかなり強く反映したということで、だんだん主導権が中国に移っていったんだという評価ができます。
私がここで言いたいのは、中国が主導権を取っているからけしからぬということではないんです。日本はそろそろ主導権という考え方をやめませんか。ちょっと悪い言い方をすると、やはり主導権ごっこというものに陥っているという側面がどうしてもあると思います。日本がやらなくちゃいけないのは、やはりリーダーシップを発揮することだと思います。
中国を排除した場で根回しをして、中国に聞いていないよと言われて、でも、日本がその主張を押し切る、これを中立な第三国が見たらどう思うでしょうか。日本はすばらしいことをやった、日本はすばらしい国だと思うでしょうか。私は個人的には思いません。だから、そういう意味では、本当の意味でのリーダーシップを日本に発揮してもらいたいというふうに思います。
それから、もう一つ関連することなんですけれども、存在感という概念があります。これも先ほどの主導権と一緒で非常に日本的で、日本が交渉する場合は、交渉において存在感を示すというのがよくあります。でも、実質的には、存在感のある国が交渉に招かれて、交渉の場において意見を聞いてもらえるわけです。
では、存在感のある国は何なんだ。いろいろな要素があるんですけれども、私が一つ非常に重要だと思っているのは、明確なポジションを持っているということだと思います。日本は、一部の分野においては非常に明確なポジションを持っています。例えば農業の米の問題、漁業、捕鯨の問題、こういうところでは日本は非常に明確なポジションを持っているので、いや応なしにも国際交渉でスポットが当たって、日本が明確に、いろいろな、ある程度の影響力を発揮することがある、ネガティブ、ポジティブ、分かれ目がある。
それに対して、今私が申し上げた投資、電子商取引、日本に明確なポジションはあるでしょうか。私が思うに、中国は明確にあったと思います。日本はなかったんじゃないのかという疑問を私は持っています。
そういうことがあるんですけれども、では、そうすると、最終的に大きな問題として考えなくちゃいけないのは、どういうふうに交渉に取り組んでいくのか。新しい交渉もありますし、次の再交渉もあるんですけれども、それをどうやっていくんだということなんです。
私は、中国と張り合っていくということではないと思います。今回、中国は、やはりある程度自分たちのリーダーシップをうまく発揮した。それはもう認識した上で、日本としては、やはりオール・ジャパンで、どういう国際経済ルールが日本にとって望ましいのか、世界にとって望ましいのかということを、やはり産官学、市民グループを交えてちゃんと議論した方がいいと思います。日本にとっていいルールが必ずしも世界にとっていいルールではないこともあると思います。そこは、ではどっちを優先するんだということをやはり日本は考えていかなくちゃいけない。
私が強調したいのは、日本国内の交渉ですらまとめられないのであれば、世界的な交渉をまとめる、引っ張っていくのは無理です。なので、日本国内の交渉を避けて、国際的な交渉で何かうまくやろうというのは無理なんじゃないかというふうに思います。
もう時間もほとんどないので、最後、一点あるんですけれども、今回のRCEPの交渉を見ると、明らかにやはり情報が不足していて、不透明な中で行われたということがあると思います。
守秘義務がある、これはもうしようがないんだと思うんですけれども、前回のTPPのときと比べても、やはり明らかに透明性が欠けていたと思います。この点について、どういうことがあったのかというようなことをやはり解明して、今後の交渉に役立てていくということが必要なんじゃないのかというふうに思っております。
以上で終わります。ありがとうございました。
あ
鈴
鈴木宣弘#6
○鈴木参考人 東京大学の鈴木でございます。
本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私の方からは、「RCEPで誰が得て、誰が失うか」というペーパーに基づいて、お話しさせていただきます。
私の研究室でも、RCEPの経済的影響について、政府と同じGTAPモデルを用いて、緊急に暫定試算を行いました。その結果、いろいろな特徴が見えてまいりました。
まず、物品貿易でございますが、日本がASEANなどの犠牲の上に利益を得る構造という点が一つのポイントであります。
表の一のとおり、日本のGDP増加率は二・九五%と突出して大きく、中国、韓国もGDPは伸びますが僅か、ASEAN諸国とオセアニアに至ってはマイナス、GDPが減少します。つまり、物品貿易について、言うならば、中国独り勝ちというような状況ではなく、むしろ日本の独り勝ちという状況になっているということでございます。
次のポイントは、一つ表を飛ばしまして、表の三でございます、二ページ。
日本全体の利益が大きいというわけではなくて、利益が大きいのは自動車で、農業では大変な打撃が出る。つまり、自動車独り勝ちで農業独り負けの状態に近いということでございます。
確かに、日本の農産物の関税撤廃率は、TPPと比べても六割程度ということで、日本が目指したTPP水準は実現できませんでした。しかし、それでも農業生産の減少額は五千六百億円に上り、TPP11の半分程度とはいえ、大変な損失です。しかも、RCEPの場合は、青果物が八百六十億円の損失と農業部門内で最も大きく、TPP11の三・五倍にもなっております。これは九日の審議で議論になった点ですが、これが数字で見える化された形になっているということでございます。
次に、表の三でもう一つのポイントは、政府試算の農業生産量の変化がプラス・マイナス・ゼロになっているということでございます。
これは、関税撤廃が行われても、それによる生産量の減少がちょうど相殺されるように生産性が向上する、そういう手当てをするというメカニズムが組み込まれているからでございます。要は、影響がないように対策するから影響がないという影響試算であって、これは影響試算ではないということは認識しておく必要があるということであります。
次に、五番目の点ですが、農業を犠牲にして自動車が利益を得る構造、三ページですね。
先ほど申し上げましたとおり、農業での被害は非常に大きい、一方で、自動車分野の生産額の増加は三兆円にも及びます。このことが、つまり、農業がある意味差し出される形で自動車で利益を得ていくという、これまでの日本の貿易自由化の基本構造というものを指摘してきたわけですが、それが見える化された形になっております。
私は、これまで、日韓、日中韓始め、たくさんのFTAの事前交渉に参加してまいりました。その中でも、物品で一番問題になったのは自動車で、最後まで自動車がもめました。日本は徹底的に関税撤廃を求め、それに対して相手国が抵抗するという構図でありました。
次に、物品以外の問題ですが、次のポイントは、各国の市民、農民の猛反発が起こったということ。これは、日本提案が問題があるということの証左ではないかという視点を持つべきではないかということでございます。
例えば、ISDS条項につきましては、TPPでも、アメリカと日本が一生懸命入れようとしました。このとき、国内では、ISDSを懸念する人たちに対して、根拠がないことで人々を不安にするTPPお化けだとまで言われたわけですが、今、ISDSが国際的にどういう状況になっているか。EUは、ISDSは死んだものだと断言しております。日本が追従したアメリカでさえ、ISDSの入っているような貿易協定にはアメリカは参加しないとバイデン大統領が明言しているという状況になっている。それなのに、日本は、RCEPで韓国とともにISDSを組み込もうとしたわけです。
さらに、薬や種に関連した知財権の強化も日韓が強く求め、各国の市民、農民から猛反発が起こりました。それでも、種苗の育成者権を強化し、農家の自家増殖の権利を制約する方向に誘導する協力ということは明記されてしまっておりますが、日韓が求めた知財権の強化の義務としての水準は実現できなかったわけであります。こういうことからも、企業利益の追求と、それが人々を苦しめるのではないかという視点、日本の要求をトーンダウンせざるを得なかったことの意味を重く受け止める必要があるんじゃないか。
特に、薬も種もそうですが、人の命を守る共有財産です。ジェネリック医薬品が作れなくなったら、人の命は守れません。命を救うのが薬の役割ではないでしょうか。
種を握られたら、食料が作れません。種は、何千年もかけてみんなで守ってきた共有財産。それに対して、一部の企業がちょっと遺伝子操作をして、フリーライドして独占的にもうけの道具にするという方向性がよいのでしょうか。自家増殖は守られるべき農民の権利ではないか。それを剥奪しようとしたから、RCEPでは大変な抵抗が起きたわけです。こういうことは、日本のやろうとしていることに問題があるのではないかという証左であります。
それなのに、日本国内では、既に農家の自家増殖の制限を種苗法の改定でやってしまったわけです。こう考えると、日本における種苗法の改定の問題もよりクリアになります。世界の農民、市民が猛反発したことを、日本の国内ではもうやってしまったということになるわけです。
最後に、これ以上加害者になってはいけないのではないかという視点を申し上げたいと思います。
今こそ、日本と世界の市民、農民の声に耳を傾け、今だけ、金だけ、自分だけの企業利益追求のために、国内の農家や国民を犠牲にしたり、途上国の人々を苦しめるような交渉には終止符を打つ必要があるのではないか。
保護主義対自由貿易とよく言いますが、実際には、市民の命、権利、生活を守るか、ごく一部企業の利益を増やすかという対立になってしまってはいないかということでございます。自由貿易を錦の御旗にして、これ以上、市民の命、権利と、企業利益のバランスを崩してはいけないのではないか。これ以上、日本政府、企業が、アジアの国々を中心に、加害者になってはいけない。そういう視点を十分に考慮すべきではないかということを申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私の方からは、「RCEPで誰が得て、誰が失うか」というペーパーに基づいて、お話しさせていただきます。
私の研究室でも、RCEPの経済的影響について、政府と同じGTAPモデルを用いて、緊急に暫定試算を行いました。その結果、いろいろな特徴が見えてまいりました。
まず、物品貿易でございますが、日本がASEANなどの犠牲の上に利益を得る構造という点が一つのポイントであります。
表の一のとおり、日本のGDP増加率は二・九五%と突出して大きく、中国、韓国もGDPは伸びますが僅か、ASEAN諸国とオセアニアに至ってはマイナス、GDPが減少します。つまり、物品貿易について、言うならば、中国独り勝ちというような状況ではなく、むしろ日本の独り勝ちという状況になっているということでございます。
次のポイントは、一つ表を飛ばしまして、表の三でございます、二ページ。
日本全体の利益が大きいというわけではなくて、利益が大きいのは自動車で、農業では大変な打撃が出る。つまり、自動車独り勝ちで農業独り負けの状態に近いということでございます。
確かに、日本の農産物の関税撤廃率は、TPPと比べても六割程度ということで、日本が目指したTPP水準は実現できませんでした。しかし、それでも農業生産の減少額は五千六百億円に上り、TPP11の半分程度とはいえ、大変な損失です。しかも、RCEPの場合は、青果物が八百六十億円の損失と農業部門内で最も大きく、TPP11の三・五倍にもなっております。これは九日の審議で議論になった点ですが、これが数字で見える化された形になっているということでございます。
次に、表の三でもう一つのポイントは、政府試算の農業生産量の変化がプラス・マイナス・ゼロになっているということでございます。
これは、関税撤廃が行われても、それによる生産量の減少がちょうど相殺されるように生産性が向上する、そういう手当てをするというメカニズムが組み込まれているからでございます。要は、影響がないように対策するから影響がないという影響試算であって、これは影響試算ではないということは認識しておく必要があるということであります。
次に、五番目の点ですが、農業を犠牲にして自動車が利益を得る構造、三ページですね。
先ほど申し上げましたとおり、農業での被害は非常に大きい、一方で、自動車分野の生産額の増加は三兆円にも及びます。このことが、つまり、農業がある意味差し出される形で自動車で利益を得ていくという、これまでの日本の貿易自由化の基本構造というものを指摘してきたわけですが、それが見える化された形になっております。
私は、これまで、日韓、日中韓始め、たくさんのFTAの事前交渉に参加してまいりました。その中でも、物品で一番問題になったのは自動車で、最後まで自動車がもめました。日本は徹底的に関税撤廃を求め、それに対して相手国が抵抗するという構図でありました。
次に、物品以外の問題ですが、次のポイントは、各国の市民、農民の猛反発が起こったということ。これは、日本提案が問題があるということの証左ではないかという視点を持つべきではないかということでございます。
例えば、ISDS条項につきましては、TPPでも、アメリカと日本が一生懸命入れようとしました。このとき、国内では、ISDSを懸念する人たちに対して、根拠がないことで人々を不安にするTPPお化けだとまで言われたわけですが、今、ISDSが国際的にどういう状況になっているか。EUは、ISDSは死んだものだと断言しております。日本が追従したアメリカでさえ、ISDSの入っているような貿易協定にはアメリカは参加しないとバイデン大統領が明言しているという状況になっている。それなのに、日本は、RCEPで韓国とともにISDSを組み込もうとしたわけです。
さらに、薬や種に関連した知財権の強化も日韓が強く求め、各国の市民、農民から猛反発が起こりました。それでも、種苗の育成者権を強化し、農家の自家増殖の権利を制約する方向に誘導する協力ということは明記されてしまっておりますが、日韓が求めた知財権の強化の義務としての水準は実現できなかったわけであります。こういうことからも、企業利益の追求と、それが人々を苦しめるのではないかという視点、日本の要求をトーンダウンせざるを得なかったことの意味を重く受け止める必要があるんじゃないか。
特に、薬も種もそうですが、人の命を守る共有財産です。ジェネリック医薬品が作れなくなったら、人の命は守れません。命を救うのが薬の役割ではないでしょうか。
種を握られたら、食料が作れません。種は、何千年もかけてみんなで守ってきた共有財産。それに対して、一部の企業がちょっと遺伝子操作をして、フリーライドして独占的にもうけの道具にするという方向性がよいのでしょうか。自家増殖は守られるべき農民の権利ではないか。それを剥奪しようとしたから、RCEPでは大変な抵抗が起きたわけです。こういうことは、日本のやろうとしていることに問題があるのではないかという証左であります。
それなのに、日本国内では、既に農家の自家増殖の制限を種苗法の改定でやってしまったわけです。こう考えると、日本における種苗法の改定の問題もよりクリアになります。世界の農民、市民が猛反発したことを、日本の国内ではもうやってしまったということになるわけです。
最後に、これ以上加害者になってはいけないのではないかという視点を申し上げたいと思います。
今こそ、日本と世界の市民、農民の声に耳を傾け、今だけ、金だけ、自分だけの企業利益追求のために、国内の農家や国民を犠牲にしたり、途上国の人々を苦しめるような交渉には終止符を打つ必要があるのではないか。
保護主義対自由貿易とよく言いますが、実際には、市民の命、権利、生活を守るか、ごく一部企業の利益を増やすかという対立になってしまってはいないかということでございます。自由貿易を錦の御旗にして、これ以上、市民の命、権利と、企業利益のバランスを崩してはいけないのではないか。これ以上、日本政府、企業が、アジアの国々を中心に、加害者になってはいけない。そういう視点を十分に考慮すべきではないかということを申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。
ありがとうございました。拍手
あ
あ
鈴
鈴木憲和#9
○鈴木(憲)委員 自由民主党の鈴木憲和です。
本日は、伊藤先生、そして浜中先生、鈴木先生、それぞれのお立場から貴重な御意見をありがとうございました。
いろいろ心に響く部分もありましたが、今日、時間も限られておりますので、二点だけお伺いさせていただければというふうに思います。
まず、伊藤先生にお伺いをします。
私自身、このRCEP協定、大変有意義だというふうに思っています。これは、もちろん、ルールの分野でとか様々なことを言われますが、何よりも、この協定を締結する、前に進むことによって、日本にとっては、TPP11と、そして日・EU・EPA、そして日米貿易協定、これら全部合わせると、アフリカ、ロシア、南米の一部を除く世界のほとんどの国々と、共通のルールに基づいて、もちろんそれぞれの協定はルールが多少違いますが、それでも一定のルールに基づいて取引ができる国というふうになることができると思います。
この意味でいうと、日本のプレゼンスというのは、私は相当上がってくるんじゃないかというふうに思っていますが、この点について、長い目で見たときに伊藤先生はどのようにお考えかというのをお伺いをしたいのと、あともう一点、今日、鈴木先生の方から、RCEPによると、各国、勝ち負けみたいなことが出てきちゃうんだというお話がありました。
これは大変実は大切な私は指摘なのかなというふうにも思う一方で、これだけサプライチェーンがグローバル化をしていて、各国、特に日本はアジアの国々との間では緊密な関係があるわけですけれども、国際経済学の立場から見たときに、こういう協定を結んだ際に、勝ち負けとか、例えば損得みたいなことは、なかなかもうこれは言えないんじゃないかなというのが私の率直な感覚なんですが、この点についても伊藤先生の御見解をお伺いできればと思います。
この発言だけを見る →本日は、伊藤先生、そして浜中先生、鈴木先生、それぞれのお立場から貴重な御意見をありがとうございました。
いろいろ心に響く部分もありましたが、今日、時間も限られておりますので、二点だけお伺いさせていただければというふうに思います。
まず、伊藤先生にお伺いをします。
私自身、このRCEP協定、大変有意義だというふうに思っています。これは、もちろん、ルールの分野でとか様々なことを言われますが、何よりも、この協定を締結する、前に進むことによって、日本にとっては、TPP11と、そして日・EU・EPA、そして日米貿易協定、これら全部合わせると、アフリカ、ロシア、南米の一部を除く世界のほとんどの国々と、共通のルールに基づいて、もちろんそれぞれの協定はルールが多少違いますが、それでも一定のルールに基づいて取引ができる国というふうになることができると思います。
この意味でいうと、日本のプレゼンスというのは、私は相当上がってくるんじゃないかというふうに思っていますが、この点について、長い目で見たときに伊藤先生はどのようにお考えかというのをお伺いをしたいのと、あともう一点、今日、鈴木先生の方から、RCEPによると、各国、勝ち負けみたいなことが出てきちゃうんだというお話がありました。
これは大変実は大切な私は指摘なのかなというふうにも思う一方で、これだけサプライチェーンがグローバル化をしていて、各国、特に日本はアジアの国々との間では緊密な関係があるわけですけれども、国際経済学の立場から見たときに、こういう協定を結んだ際に、勝ち負けとか、例えば損得みたいなことは、なかなかもうこれは言えないんじゃないかなというのが私の率直な感覚なんですが、この点についても伊藤先生の御見解をお伺いできればと思います。
伊
伊藤元重#10
○伊藤参考人 伊藤でございます。
こういう場で、ちょっと不謹慎な言い方で申し訳ないんですけれども、昔、よくアメリカとか欧州の交渉担当官の方と話すと、日本のプレゼンスが全く見えないとよく叱られたもので、特にガットの交渉においては、どちらかというと決まったものをフォローすることがある。
TPPでアメリカが離脱して、TPP11の交渉に日本が入ったときに、ある場で、これは欧州の経済学者ですけれども、日本、頑張っているじゃないかというふうに言われまして、そういう意味では、議員おっしゃるように、確かに存在感が少し出てきているのかもしれませんし、こういう時代でございますから、日本も積極的に発言すべきだろうと。
先ほどちょっと申し上げなかった点で一つ申し上げたいんですけれども、多国間の交渉の非常に難しいのは、新興国、途上国の自由化を促すことが非常に難しい。既に仕組みがあるわけですから、彼らはいわゆる最恵国待遇の恩恵を受けておらないわけで、これは彼らにとってみても必ずしも好ましいことではないわけで。
今回、先ほどの鈴木さんの表にも出ていたんですけれども、結果的に、日本が非常に関税で経済的な利益を得るような形で、ASEANは必ずしもそうなっていない。これはいろいろな議論があるんですけれども、それの一つの大きなポイントというのは、こういうことを通じて、先ほど言ったアフリカとか、あるいはアジアとか、いろいろな国の自由化を促していくメカニズムになるということだろうと思うんです。
ただ、もちろん、そういうことで経済社会が変わっていけば、当然分配が大きく変わるわけで、分配が変わるから何もやるべきではないということではないんだろうと思うんですね。
先ほどの鈴木さんは、種苗は、種はできるだけ自家増殖するべきであると。自家増殖を守ることは大事だと思いますけれども、多分それをずっとやってきたら、昔、マルサスが言ったように、人類は人口は増えるんだけれども、食べ物はそんなに増えていかないから、多分、結構厳しいことになっただろうと。今、このマルサスの予言が外れたのは、やはり技術革新とかテクノロジーが食料を非常に増やしたという面もあるわけで、全てがそれがいいというわけではありませんけれども、そういう意味で、いろいろな面があるのかなという気がします。
農業の問題は非常に大事な問題だと思います、あるいは医療も大事だと思いますから、そういう問題について、いわゆる貿易保護の中に全部押し込んでしまうのではなくて、より直接的な、いわゆる国内の対応とか政策ということとセットでやはり考えていく。やはり、そういうことを考えるきっかけという意味でも、このRCEPを結んだということは非常に意義があるのかなというふうに思います。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →こういう場で、ちょっと不謹慎な言い方で申し訳ないんですけれども、昔、よくアメリカとか欧州の交渉担当官の方と話すと、日本のプレゼンスが全く見えないとよく叱られたもので、特にガットの交渉においては、どちらかというと決まったものをフォローすることがある。
TPPでアメリカが離脱して、TPP11の交渉に日本が入ったときに、ある場で、これは欧州の経済学者ですけれども、日本、頑張っているじゃないかというふうに言われまして、そういう意味では、議員おっしゃるように、確かに存在感が少し出てきているのかもしれませんし、こういう時代でございますから、日本も積極的に発言すべきだろうと。
先ほどちょっと申し上げなかった点で一つ申し上げたいんですけれども、多国間の交渉の非常に難しいのは、新興国、途上国の自由化を促すことが非常に難しい。既に仕組みがあるわけですから、彼らはいわゆる最恵国待遇の恩恵を受けておらないわけで、これは彼らにとってみても必ずしも好ましいことではないわけで。
今回、先ほどの鈴木さんの表にも出ていたんですけれども、結果的に、日本が非常に関税で経済的な利益を得るような形で、ASEANは必ずしもそうなっていない。これはいろいろな議論があるんですけれども、それの一つの大きなポイントというのは、こういうことを通じて、先ほど言ったアフリカとか、あるいはアジアとか、いろいろな国の自由化を促していくメカニズムになるということだろうと思うんです。
ただ、もちろん、そういうことで経済社会が変わっていけば、当然分配が大きく変わるわけで、分配が変わるから何もやるべきではないということではないんだろうと思うんですね。
先ほどの鈴木さんは、種苗は、種はできるだけ自家増殖するべきであると。自家増殖を守ることは大事だと思いますけれども、多分それをずっとやってきたら、昔、マルサスが言ったように、人類は人口は増えるんだけれども、食べ物はそんなに増えていかないから、多分、結構厳しいことになっただろうと。今、このマルサスの予言が外れたのは、やはり技術革新とかテクノロジーが食料を非常に増やしたという面もあるわけで、全てがそれがいいというわけではありませんけれども、そういう意味で、いろいろな面があるのかなという気がします。
農業の問題は非常に大事な問題だと思います、あるいは医療も大事だと思いますから、そういう問題について、いわゆる貿易保護の中に全部押し込んでしまうのではなくて、より直接的な、いわゆる国内の対応とか政策ということとセットでやはり考えていく。やはり、そういうことを考えるきっかけという意味でも、このRCEPを結んだということは非常に意義があるのかなというふうに思います。
どうもありがとうございました。
鈴
鈴木憲和#11
○鈴木(憲)委員 ありがとうございました。大変参考になります。
というのは、先生がおっしゃった、分配が変わるから何もやるべきではないということではなくて、やはり、その先に、私たちの国としても、どうしたことができるのかということなんだろうというふうに思います。この点は、先ほど浜中先生がおっしゃった、要するに、日本は主導権じゃなくてリーダーシップを発揮すべきだというふうにおっしゃっていただいたこと、本当に私もそのとおりだろうというふうに思っています。
この意味で、これから、このRCEP協定の後に、私たちの国はこのアジアの地域でどういうリーダーシップを発揮できるのかというのがまさに大切なんだろうというふうに思います。
もう一点お伺いをしたいのは、私の選挙区も、地元山形でありまして、いつも、こういう協定をやる際には、特に重要五品目の話がもちろん気になるわけです。今回の協定は、米を始めとした重要五品目、もちろん除外になっていますので、これでどうこうということにはならないというふうに思っていますが、逆の意味でいうと、日本は食料の安定供給の観点でいえば、やはりこれから輸出を増やしていくことが、最終的には、日本全体で見たときの食料の安定供給というのに将来的に私はすごいつながるのではないかというふうに思います。
この視点で見たときに、このRCEP協定、どのように捉えていらっしゃるかをお三方から是非お伺いをしたいというふうに思います。その中で、もし、関税が下がることによって、農林水産分野での国内対策、やはり一定程度必要ではないかという御意見等もありましたら、そのことも併せて簡単にそれぞれからお伺いできればというふうに思います。
この発言だけを見る →というのは、先生がおっしゃった、分配が変わるから何もやるべきではないということではなくて、やはり、その先に、私たちの国としても、どうしたことができるのかということなんだろうというふうに思います。この点は、先ほど浜中先生がおっしゃった、要するに、日本は主導権じゃなくてリーダーシップを発揮すべきだというふうにおっしゃっていただいたこと、本当に私もそのとおりだろうというふうに思っています。
この意味で、これから、このRCEP協定の後に、私たちの国はこのアジアの地域でどういうリーダーシップを発揮できるのかというのがまさに大切なんだろうというふうに思います。
もう一点お伺いをしたいのは、私の選挙区も、地元山形でありまして、いつも、こういう協定をやる際には、特に重要五品目の話がもちろん気になるわけです。今回の協定は、米を始めとした重要五品目、もちろん除外になっていますので、これでどうこうということにはならないというふうに思っていますが、逆の意味でいうと、日本は食料の安定供給の観点でいえば、やはりこれから輸出を増やしていくことが、最終的には、日本全体で見たときの食料の安定供給というのに将来的に私はすごいつながるのではないかというふうに思います。
この視点で見たときに、このRCEP協定、どのように捉えていらっしゃるかをお三方から是非お伺いをしたいというふうに思います。その中で、もし、関税が下がることによって、農林水産分野での国内対策、やはり一定程度必要ではないかという御意見等もありましたら、そのことも併せて簡単にそれぞれからお伺いできればというふうに思います。
伊
伊藤元重#12
○伊藤参考人 お答えしたいと思います。
農業に限らず、あらゆる分野の貿易というのはいわゆるクロスホーリング、つまり輸出と輸入が両方増えていく形になっておりますから、日本の農業についても輸出という面はやはり重視しなくてはいけないだろうと思います。
その意味では、アジアという国は人口が非常に多いわけですので、今後、所得水準が上がっていくということは、当然、食料、単なる農産品だけではなくて、付加価値が高い、例えば日本酒だとか加工食品だとか、そういうものに対するニーズが高いと思いますから、そういうものをしっかり見据えながら戦略を立てていくということは重要だろうと思います。
もちろん、貿易政策だけで何かが変わるものではございませんから、委員おっしゃったように、日本の国内でどういうふうに、農業も含めて、産業を強化するかということをこの機会にきちっと考えていく必要があると思います。
この発言だけを見る →農業に限らず、あらゆる分野の貿易というのはいわゆるクロスホーリング、つまり輸出と輸入が両方増えていく形になっておりますから、日本の農業についても輸出という面はやはり重視しなくてはいけないだろうと思います。
その意味では、アジアという国は人口が非常に多いわけですので、今後、所得水準が上がっていくということは、当然、食料、単なる農産品だけではなくて、付加価値が高い、例えば日本酒だとか加工食品だとか、そういうものに対するニーズが高いと思いますから、そういうものをしっかり見据えながら戦略を立てていくということは重要だろうと思います。
もちろん、貿易政策だけで何かが変わるものではございませんから、委員おっしゃったように、日本の国内でどういうふうに、農業も含めて、産業を強化するかということをこの機会にきちっと考えていく必要があると思います。
浜
浜中慎太郎#13
○浜中参考人 御質問ありがとうございます。
食料の問題、非常に重要な問題だと思います。
私はその分野の専門家ではないんですけれども、一般的に考えまして、やはり地理的に狭い範囲で見ていけば見ていくほど、リスクというのは高くなっていく。例えば、山形県が何か洪水が起こって、山形県で米が取れなくなるということはあり得る。でも、その場合、ほかの東北の地方がまだ米を作ってくれる。だから、東北が冷夏で米が作れなくなれば、まだほかの地域で作っていける。ただ、日本全体が冷夏になったら、日本で米が取れなくなるということがあるわけで、範囲を狭めていって、そこで食料を確保しようとすればするほど、やはりひずみが出てくるし、リスクが高くなる。
だから、逆に言うと、日本は世界中から米を買います、日本のものも世界中に出ていきますよというふうにやった方が、当然、戦争が起こって米が入ってこなくなるよというリスクはありますけれども、やはりリスクを分散させて、広げていくという方が、やはり安定的に供給できる。
当然、一つの国に食料基地を持つと、やはりそれはリスクがありますから、いろいろやっていく。それも、戦略的にやっていくというだけではなく、やはり市場のメカニズムを通じてやっていくというのが非常に重要なわけで、そういう意味でいうと、広い意味でいうと、やはりFTAみたいなものは、うまく使っていけば、食料の安全確保に対して資するものだというふうに私は思っております。
以上であります。
この発言だけを見る →食料の問題、非常に重要な問題だと思います。
私はその分野の専門家ではないんですけれども、一般的に考えまして、やはり地理的に狭い範囲で見ていけば見ていくほど、リスクというのは高くなっていく。例えば、山形県が何か洪水が起こって、山形県で米が取れなくなるということはあり得る。でも、その場合、ほかの東北の地方がまだ米を作ってくれる。だから、東北が冷夏で米が作れなくなれば、まだほかの地域で作っていける。ただ、日本全体が冷夏になったら、日本で米が取れなくなるということがあるわけで、範囲を狭めていって、そこで食料を確保しようとすればするほど、やはりひずみが出てくるし、リスクが高くなる。
だから、逆に言うと、日本は世界中から米を買います、日本のものも世界中に出ていきますよというふうにやった方が、当然、戦争が起こって米が入ってこなくなるよというリスクはありますけれども、やはりリスクを分散させて、広げていくという方が、やはり安定的に供給できる。
当然、一つの国に食料基地を持つと、やはりそれはリスクがありますから、いろいろやっていく。それも、戦略的にやっていくというだけではなく、やはり市場のメカニズムを通じてやっていくというのが非常に重要なわけで、そういう意味でいうと、広い意味でいうと、やはりFTAみたいなものは、うまく使っていけば、食料の安全確保に対して資するものだというふうに私は思っております。
以上であります。
鈴
鈴木宣弘#14
○鈴木参考人 輸出は非常に大事でございますが、日本の農業の場合に、輸出を考える前に、まず、国内農業がどうなっているかということを考える必要があると思います。
農家の平均所得は、時給にすると九百六十一円です。後継者がなかなかいないということで、今、現場の農業がどんどん縮小し、限界集落が増えております。そういう状況の中で、例えば、日本の人口は将来五千万人になるんだから、国内に市場はないんだから、輸出を五兆円に伸ばせばバラ色で農家が潤うという議論は飛躍しているというふうに私は考えております。
人口が五千万人になることを前提にする前に、人口が五千万人にならないようにするにはどうしたらいいかをまず考える必要がある。そのためには、地域の農林水産業がしっかりと頑張ってくれる状況をつくることがまず大事で、その足下を固めて、それで初めて輸出ということが可能になってくる、こういう順序ではないかと考えております。
それから、RCEPにおける輸出の問題点は、各国の関税が下がっても、非関税措置、要は、植物防疫とかの分野で、日本の農産物には虫がいる、病気になっているということで、たくさんの農産物が実質的には止められているんです。だから、この点を改善しないと輸出は実質的には伸ばせないという側面も念頭に置いておかなきゃいけないということでございます。
以上です。
この発言だけを見る →農家の平均所得は、時給にすると九百六十一円です。後継者がなかなかいないということで、今、現場の農業がどんどん縮小し、限界集落が増えております。そういう状況の中で、例えば、日本の人口は将来五千万人になるんだから、国内に市場はないんだから、輸出を五兆円に伸ばせばバラ色で農家が潤うという議論は飛躍しているというふうに私は考えております。
人口が五千万人になることを前提にする前に、人口が五千万人にならないようにするにはどうしたらいいかをまず考える必要がある。そのためには、地域の農林水産業がしっかりと頑張ってくれる状況をつくることがまず大事で、その足下を固めて、それで初めて輸出ということが可能になってくる、こういう順序ではないかと考えております。
それから、RCEPにおける輸出の問題点は、各国の関税が下がっても、非関税措置、要は、植物防疫とかの分野で、日本の農産物には虫がいる、病気になっているということで、たくさんの農産物が実質的には止められているんです。だから、この点を改善しないと輸出は実質的には伸ばせないという側面も念頭に置いておかなきゃいけないということでございます。
以上です。
鈴
鈴木憲和#15
○鈴木(憲)委員 それぞれの皆さん、本当に貴重な御意見をありがとうございました。
まさに、今、鈴木先生もおっしゃっていただいたことなんだと思いますが、要するに、輸出の前に、国内農業のまさに実態をしっかりとよく把握をして政策を進めていくべきだというのは、私もそのとおりだろうというふうに思いますが、ただ一方で、私たちの国が、今後人口が減る中で、どういうふうに稼いで、そしてどこで稼いでいくのかという観点も私は大切だというふうに思いますので、その意味では、このRCEP協定がしっかりと私たちの国内に役に立つように、いかに活用していくかということなんだろうというふうに思います。
今後、先生方の意見、しっかり参考にして進めていきたいというふうに思いますので、今後とも御指導をよろしくお願いします。
今日はどうもありがとうございました。
この発言だけを見る →まさに、今、鈴木先生もおっしゃっていただいたことなんだと思いますが、要するに、輸出の前に、国内農業のまさに実態をしっかりとよく把握をして政策を進めていくべきだというのは、私もそのとおりだろうというふうに思いますが、ただ一方で、私たちの国が、今後人口が減る中で、どういうふうに稼いで、そしてどこで稼いでいくのかという観点も私は大切だというふうに思いますので、その意味では、このRCEP協定がしっかりと私たちの国内に役に立つように、いかに活用していくかということなんだろうというふうに思います。
今後、先生方の意見、しっかり参考にして進めていきたいというふうに思いますので、今後とも御指導をよろしくお願いします。
今日はどうもありがとうございました。
あ
小
小熊慎司#17
○小熊委員 立憲民主党の小熊慎司です。
他県ではありますが、鈴木憲和委員に続いて、選挙区が隣り合わせで、米沢藩と会津藩のえにしもありますが、隣には桑名藩の岡田元外相もいて、秋田の緑川さんもいて、奥羽越列藩同盟の精神にのっとって、ちょっと頑張っていきたいなと思います。
それぞれ、伊藤参考人、浜中参考人、鈴木参考人、ありがとうございました。それぞれの視点でこのRCEPについて御意見をいただき、大変参考になりました。
私的には、これは単純に言えば、自由貿易というのは、鈴木参考人の指摘もありましたけれども、本来であれば、それぞれの国のGDPを拡大していくんだというのが自由貿易の利点だ、過去のデータをもってしてもそうだということが言われてきました。近年ちょっと違う部分も出てきていますけれども。
なおかつ、私、個人的には、今、鈴木委員が指摘した農業の問題もありますけれども、自由貿易そのものは、参加する各国によって、やはり比較優位の産業もあれば比較劣位の産業もあり、その強い弱いのところの調整は、交渉の中でなるべく打撃が少ないようにしながらも、実は国内問題で解決をしていく、その利益をしっかり比較劣位の方に手当てをして保護していくというのが、国際課題でもあり、実は国内問題でもあるというのがこの自由貿易の取り組み方だというふうに思っています。
そういう意味では、RCEP、これはマルチの条約でありますけれども、バイの自由貿易協定もメリットがあります、デメリットみたいなものもありますけれども、昨今は、やはりマルチの条約というものの役割というのは非常に大きくなってきたというふうに思います。世界的な企業も増えている中、また、サプライチェーンの御指摘もありましたとおり、二国間だけでは語り切れないものもありますから、そういう意味では、このマルチの条約というのはある意味重要なことであり、これからもっと進化をさせていかなければならないというふうに思っています。
ただ、そういう中で、浜中先生にお伺いしますけれども、今回のRCEPは、実は経済政策ではなくて政治的な問題だということも指摘をされています。確かに、ほかの各委員の事務所にも来ていると思いますが、TPPのときの抗議について、反対意見については、様々な産業界から賛成、反対の意見をもらいました。
しかし、今回のRCEPは、産業政策としてどうだ、自由貿易政策としてどうだということではなくて、中国の人権はけしからぬからやめておけとか、ミャンマーはどうするんだ、やめておけ、そういう感じの抗議が多いんですけれども、ファクスやメールが毎日のように届いていますが。
実は、浜中先生も政治的な問題ということの御指摘がありますけれども、その政治的な問題、課題というのは具体的にどういうことを指しているのか、お伺いします。
この発言だけを見る →他県ではありますが、鈴木憲和委員に続いて、選挙区が隣り合わせで、米沢藩と会津藩のえにしもありますが、隣には桑名藩の岡田元外相もいて、秋田の緑川さんもいて、奥羽越列藩同盟の精神にのっとって、ちょっと頑張っていきたいなと思います。
それぞれ、伊藤参考人、浜中参考人、鈴木参考人、ありがとうございました。それぞれの視点でこのRCEPについて御意見をいただき、大変参考になりました。
私的には、これは単純に言えば、自由貿易というのは、鈴木参考人の指摘もありましたけれども、本来であれば、それぞれの国のGDPを拡大していくんだというのが自由貿易の利点だ、過去のデータをもってしてもそうだということが言われてきました。近年ちょっと違う部分も出てきていますけれども。
なおかつ、私、個人的には、今、鈴木委員が指摘した農業の問題もありますけれども、自由貿易そのものは、参加する各国によって、やはり比較優位の産業もあれば比較劣位の産業もあり、その強い弱いのところの調整は、交渉の中でなるべく打撃が少ないようにしながらも、実は国内問題で解決をしていく、その利益をしっかり比較劣位の方に手当てをして保護していくというのが、国際課題でもあり、実は国内問題でもあるというのがこの自由貿易の取り組み方だというふうに思っています。
そういう意味では、RCEP、これはマルチの条約でありますけれども、バイの自由貿易協定もメリットがあります、デメリットみたいなものもありますけれども、昨今は、やはりマルチの条約というものの役割というのは非常に大きくなってきたというふうに思います。世界的な企業も増えている中、また、サプライチェーンの御指摘もありましたとおり、二国間だけでは語り切れないものもありますから、そういう意味では、このマルチの条約というのはある意味重要なことであり、これからもっと進化をさせていかなければならないというふうに思っています。
ただ、そういう中で、浜中先生にお伺いしますけれども、今回のRCEPは、実は経済政策ではなくて政治的な問題だということも指摘をされています。確かに、ほかの各委員の事務所にも来ていると思いますが、TPPのときの抗議について、反対意見については、様々な産業界から賛成、反対の意見をもらいました。
しかし、今回のRCEPは、産業政策としてどうだ、自由貿易政策としてどうだということではなくて、中国の人権はけしからぬからやめておけとか、ミャンマーはどうするんだ、やめておけ、そういう感じの抗議が多いんですけれども、ファクスやメールが毎日のように届いていますが。
実は、浜中先生も政治的な問題ということの御指摘がありますけれども、その政治的な問題、課題というのは具体的にどういうことを指しているのか、お伺いします。
浜
浜中慎太郎#18
○浜中参考人 御質問ありがとうございます。
私が政治的な問題と言った場合は、やはり国際政治的な問題ということであります。
RCEPみたいな協定を見れば、やはり多面的な、いろいろな側面があると思います。当然、経済の問題でもあります。安全保障の面もあります。ただ、それ以外に国際政治的な面があるということが私の言いたいことであります。
二つ重要なことがありまして、それは、誰がどのように国際的なルールを作っていくのかという視点、それから、関連するんですけれども、いわゆる威信政策で、誰が、どの国がパワーを持っているのか、どこが地域で、どの国が地域の盟主なんだという国際政治的な面があります。
この二つが密接に関連している上に、おっしゃられましたように、まさにマルチというのがキーワードで、国際的なルールをバイで作ってもしようがないので、やはりマルチなので、俺のルールはこれだ、おまえ、のみ込めということをやるわけです。バイだとやはり威信政策というのはできない。やはり地域でマルチでやることによって、ここが地域で、俺がこの地域の盟主だというような、こういう国際政治的な側面というのがあって、これが私は実はかなり重要なんじゃないかということであります。
その威信政策あるいは国際ルールの設定ということにおいて、やはり重要なのはリーダーシップという観点になってくると思います。
リーダーシップとは何かということで、これは非常に議論は尽きないと思うんですけれども、やはりある程度国内が豊かな国が、自分が大きく譲ることによって、ほかの国にも若干譲歩をしてもらって、みんなの利害につじつまを合わせる。だから、やはりある程度大きな国がリーダーシップを取るというのはナチュラルだし、非常に自然なことだと思います。
もう一つ重要なことは、革新的なアイデアを持っている。アメリカがこれだけFTAの場でスターであるというのは、やはりアイデアがすごいんですよ。電子商取引というのはFTAの章に入れて解決しよう、これはアメリカのアイデアなんです。ほかの国はそんなことを考えてもいなかったわけです。アイデアを持っているので、やはりアメリカは、それなりに影響力、リーダーシップを世界的に発揮できるということなんだと思います。
だから、経済合理性だけじゃない、それから安全保障的な国際政治じゃない、それ以外のところで、いわゆる国際政治経済学における国際政治の役割というようなことが、もう現在既に重要ですし、今後更に重要になっていくんじゃないかという意味で、私は政治的な側面があるということを申し上げております。
以上です。
この発言だけを見る →私が政治的な問題と言った場合は、やはり国際政治的な問題ということであります。
RCEPみたいな協定を見れば、やはり多面的な、いろいろな側面があると思います。当然、経済の問題でもあります。安全保障の面もあります。ただ、それ以外に国際政治的な面があるということが私の言いたいことであります。
二つ重要なことがありまして、それは、誰がどのように国際的なルールを作っていくのかという視点、それから、関連するんですけれども、いわゆる威信政策で、誰が、どの国がパワーを持っているのか、どこが地域で、どの国が地域の盟主なんだという国際政治的な面があります。
この二つが密接に関連している上に、おっしゃられましたように、まさにマルチというのがキーワードで、国際的なルールをバイで作ってもしようがないので、やはりマルチなので、俺のルールはこれだ、おまえ、のみ込めということをやるわけです。バイだとやはり威信政策というのはできない。やはり地域でマルチでやることによって、ここが地域で、俺がこの地域の盟主だというような、こういう国際政治的な側面というのがあって、これが私は実はかなり重要なんじゃないかということであります。
その威信政策あるいは国際ルールの設定ということにおいて、やはり重要なのはリーダーシップという観点になってくると思います。
リーダーシップとは何かということで、これは非常に議論は尽きないと思うんですけれども、やはりある程度国内が豊かな国が、自分が大きく譲ることによって、ほかの国にも若干譲歩をしてもらって、みんなの利害につじつまを合わせる。だから、やはりある程度大きな国がリーダーシップを取るというのはナチュラルだし、非常に自然なことだと思います。
もう一つ重要なことは、革新的なアイデアを持っている。アメリカがこれだけFTAの場でスターであるというのは、やはりアイデアがすごいんですよ。電子商取引というのはFTAの章に入れて解決しよう、これはアメリカのアイデアなんです。ほかの国はそんなことを考えてもいなかったわけです。アイデアを持っているので、やはりアメリカは、それなりに影響力、リーダーシップを世界的に発揮できるということなんだと思います。
だから、経済合理性だけじゃない、それから安全保障的な国際政治じゃない、それ以外のところで、いわゆる国際政治経済学における国際政治の役割というようなことが、もう現在既に重要ですし、今後更に重要になっていくんじゃないかという意味で、私は政治的な側面があるということを申し上げております。
以上です。
小
小熊慎司#19
○小熊委員 先ほども浜中先生おっしゃったとおり、主導権がどうだとか存在感の話、和歌山の話は多分、世耕大臣の話か、まあ、政治家は、自分がこうしましたとか、やりましたとか、パフォーマンスをしたがるので、そこは割り引いていただきたいなというふうには思いますけれども。
いずれにしても、リーダーシップを発揮するといっても、日本の国益だけではなくて、やはり地域の発展まで考えた形でやっていくということで国際的な理解を得られる、また参加国の理解を得られるということですから、鈴木参考人が言ったとおり、日本が加害者にならないようにという意味では、ほかの国も、それは優秀な人材も多いですから、冷静に判断をして参加国になり、今後締結をしていくんでしょうから、だます、だまさないという世界は私は存在はしないというふうに思いますけれども、日本がリーダーシップを正しい意味で発揮するという点において、今、浜中先生から御指摘がありました。
また、浜中先生は、これまでの交渉のプロセスの中で様々な課題があり、また、これはISDSも含め、今後また進化をさせていかなければならない仕組みになっているということも御承知だと思いますけれども、今後、これまでのプロセスでまずかった点、これはこれからのいろいろな交渉事にも反映させなければいけませんから、これまでの交渉の過程の検証と、また、これから進化させていく上での検証をどのように行っていったらいいのか、お伺いします。
この発言だけを見る →いずれにしても、リーダーシップを発揮するといっても、日本の国益だけではなくて、やはり地域の発展まで考えた形でやっていくということで国際的な理解を得られる、また参加国の理解を得られるということですから、鈴木参考人が言ったとおり、日本が加害者にならないようにという意味では、ほかの国も、それは優秀な人材も多いですから、冷静に判断をして参加国になり、今後締結をしていくんでしょうから、だます、だまさないという世界は私は存在はしないというふうに思いますけれども、日本がリーダーシップを正しい意味で発揮するという点において、今、浜中先生から御指摘がありました。
また、浜中先生は、これまでの交渉のプロセスの中で様々な課題があり、また、これはISDSも含め、今後また進化をさせていかなければならない仕組みになっているということも御承知だと思いますけれども、今後、これまでのプロセスでまずかった点、これはこれからのいろいろな交渉事にも反映させなければいけませんから、これまでの交渉の過程の検証と、また、これから進化させていく上での検証をどのように行っていったらいいのか、お伺いします。
浜
浜中慎太郎#20
○浜中参考人 御質問ありがとうございます。
二点あると思います。
日本がどうやってリーダーシップを発揮していくのかという今後の話と、あと、やはり今までどうだったんだという検証の下に今後を考えていくという二段階なんだと思うので。
まず最初に、日本がどうやってリーダーシップを発揮していくか。これは先ほども若干触れましたけれども、日本は何がやりたいのかというのがやはりほかの国に見えない。個別のところで、これは日本はどうだというだけじゃなくて、日本が、ではどういう世界観を持っているのか、そこのところがやはり見えない。
やはりアメリカ、ヨーロッパ、中国は、それぞれにちゃんとした哲学的な考え方を私は持っていると思います。
アメリカは、やはり市場中心にやっていくんだ、個人のデータも自由に市場のメカニズムに移動させるべきだ、投資の資金も自由にやっていくべきだ、これがアメリカの考え方だと私は思います。
ヨーロッパは、やはり個人、権利という考え方が強くて、電子商取引の分野でいうと、例えばデータは個人のものだ、企業が相手国に投資した場合でも、その投資に関しては権利は守られるべきだというのがヨーロッパの考え方で、必ずしも、データだとか国際的な資金フローを完全に自由にした方がいいというふうにヨーロッパは恐らく考えていないと思います。
では、中国はどうなんだと。やはり公的機関の役割は大きいぞ、最終的に、究極的に言うと、データは国のものだ、アメリカの民間企業のものではない。最終的に、外国が中国に投資した、その場合に、中国の規制権限はそれによって縛られない、とんでもない賠償金を払わされる、そんなものはけしからぬ、やはり国家の規制権限というのは尊重されるべきだ、これが中国の考え方だと思うんです。
そういう意味でいうと、三つの巨大な主体がそれぞれ非常に明確な哲学的な基礎を持っている。日本はどこなんて分からないわけですよ。だから、日本が交渉をやるとすると、二つ足して二で割る、三つ足して三で割る、そういう交渉になりがちで、それではやはりリーダーシップというのは私は全く発揮できないと思います。だから、日本は何をやりたいのかということを非常に根本的に考えてやらなくちゃいけない。
だから、日本を振り返ってみると、今から三十年前、東アジアの奇跡という世銀のレポートがありましたけれども、このときに日本はやっていたんですよね。新古典派的な、アメリカ的な考え方では駄目だ、やはり日本はパブリックセクターが重要で、そういう経済発展モデルがあるんだということを明確に言って、世銀にそういうレポートを書かせたわけです。やはり、そういうことを日本ももう一回できるような国にならなくちゃいけないなというふうに思います。
それから、二点目なんですけれども、やはり将来を考えるに当たっては、今回どうだったんだというのは率直に検証しなくちゃいけないと思います。
やはり、RCEPを見てみると、今回、守秘義務がある、それはどの交渉もそうだと思うんですけれども、守秘義務ということでなかなか情報が出てこなかった。TPPも同じようなことなんですけれども、いろいろなところでリークされたりして、結果的にはかなり国民的な議論ができたというふうに、ISDSも含めて、本当にいいのかと、かなりの議論ができたと思います。今回非常に残念だったのは、そういう議論を何となく避けようとしているのかなというふうに私は第三者として見ておりました。
もう締結される以上は、今回どうだったんだというのをやはり第三者的な機関が見直す。守秘義務があるのは事実なんですけれども、それだけではなくて、やはり官がある程度情報提供して、それに対して産業界、市民グループがちゃんと評価をしていく、それで学者が取りまとめるというようなことをやった方が私はいいと思います。
これは、いつもどおりのお決まりのレポートが出てきてもしようがないので、外国人を入れるとか、物すごく若い、四十歳以下の人たちだけでやってみるだとか、そういうようなことをやって、既存の考え方にとらわれない、将来を見られる、それから非常に日本を客観的に見られる、そういう人たちを民間のプロジェクトに入れるような形にして検証していくというようなことをやっていかないと、やはり日本はなかなか一歩前に進むことができないんじゃないのかというふうに懸念を持っております。
以上です。
この発言だけを見る →二点あると思います。
日本がどうやってリーダーシップを発揮していくのかという今後の話と、あと、やはり今までどうだったんだという検証の下に今後を考えていくという二段階なんだと思うので。
まず最初に、日本がどうやってリーダーシップを発揮していくか。これは先ほども若干触れましたけれども、日本は何がやりたいのかというのがやはりほかの国に見えない。個別のところで、これは日本はどうだというだけじゃなくて、日本が、ではどういう世界観を持っているのか、そこのところがやはり見えない。
やはりアメリカ、ヨーロッパ、中国は、それぞれにちゃんとした哲学的な考え方を私は持っていると思います。
アメリカは、やはり市場中心にやっていくんだ、個人のデータも自由に市場のメカニズムに移動させるべきだ、投資の資金も自由にやっていくべきだ、これがアメリカの考え方だと私は思います。
ヨーロッパは、やはり個人、権利という考え方が強くて、電子商取引の分野でいうと、例えばデータは個人のものだ、企業が相手国に投資した場合でも、その投資に関しては権利は守られるべきだというのがヨーロッパの考え方で、必ずしも、データだとか国際的な資金フローを完全に自由にした方がいいというふうにヨーロッパは恐らく考えていないと思います。
では、中国はどうなんだと。やはり公的機関の役割は大きいぞ、最終的に、究極的に言うと、データは国のものだ、アメリカの民間企業のものではない。最終的に、外国が中国に投資した、その場合に、中国の規制権限はそれによって縛られない、とんでもない賠償金を払わされる、そんなものはけしからぬ、やはり国家の規制権限というのは尊重されるべきだ、これが中国の考え方だと思うんです。
そういう意味でいうと、三つの巨大な主体がそれぞれ非常に明確な哲学的な基礎を持っている。日本はどこなんて分からないわけですよ。だから、日本が交渉をやるとすると、二つ足して二で割る、三つ足して三で割る、そういう交渉になりがちで、それではやはりリーダーシップというのは私は全く発揮できないと思います。だから、日本は何をやりたいのかということを非常に根本的に考えてやらなくちゃいけない。
だから、日本を振り返ってみると、今から三十年前、東アジアの奇跡という世銀のレポートがありましたけれども、このときに日本はやっていたんですよね。新古典派的な、アメリカ的な考え方では駄目だ、やはり日本はパブリックセクターが重要で、そういう経済発展モデルがあるんだということを明確に言って、世銀にそういうレポートを書かせたわけです。やはり、そういうことを日本ももう一回できるような国にならなくちゃいけないなというふうに思います。
それから、二点目なんですけれども、やはり将来を考えるに当たっては、今回どうだったんだというのは率直に検証しなくちゃいけないと思います。
やはり、RCEPを見てみると、今回、守秘義務がある、それはどの交渉もそうだと思うんですけれども、守秘義務ということでなかなか情報が出てこなかった。TPPも同じようなことなんですけれども、いろいろなところでリークされたりして、結果的にはかなり国民的な議論ができたというふうに、ISDSも含めて、本当にいいのかと、かなりの議論ができたと思います。今回非常に残念だったのは、そういう議論を何となく避けようとしているのかなというふうに私は第三者として見ておりました。
もう締結される以上は、今回どうだったんだというのをやはり第三者的な機関が見直す。守秘義務があるのは事実なんですけれども、それだけではなくて、やはり官がある程度情報提供して、それに対して産業界、市民グループがちゃんと評価をしていく、それで学者が取りまとめるというようなことをやった方が私はいいと思います。
これは、いつもどおりのお決まりのレポートが出てきてもしようがないので、外国人を入れるとか、物すごく若い、四十歳以下の人たちだけでやってみるだとか、そういうようなことをやって、既存の考え方にとらわれない、将来を見られる、それから非常に日本を客観的に見られる、そういう人たちを民間のプロジェクトに入れるような形にして検証していくというようなことをやっていかないと、やはり日本はなかなか一歩前に進むことができないんじゃないのかというふうに懸念を持っております。
以上です。
小
小熊慎司#21
○小熊委員 残り一問にしたいと思いますけれども、伊藤参考人に聞きます。鈴木参考人にも聞きたかったんですけれども。
今回の条約、やはり影の部分と光の部分があって、鈴木参考人においては、影の部分をしっかり御指摘をいただきましたし、種苗法に関しては、私ももろ手を挙げて賛成という立場ではないので、いい視点だったというふうに思います。
伊藤参考人にお聞きしたいのは、マルチの条約の利点を、意見をいただきました。大変参考になりました。今、政治的な問題の話にも触れましたけれども、これは経済連携協定なんですけれども、一方では、やはり政治的ないろいろな指摘も今されているところで、マルチの重要性を訴えられた伊藤先生に、ミャンマーを、中国の人権問題もあるんですけれども、これはまたちょっとおいておきますが、ミャンマーに特化して言いますけれども、今、軍事政権、クーデターの国軍が実権を握っているところであります、まだ将来は見通せませんけれども。
ミャンマーが参加国であること、時間がありませんのでちょっと端的に、これは経済政策ではないんですけれども、こういう、経済政策であり、なおその国の政治を考えなければいけません。ミャンマーに関しては、先生、どのような対応を取っていったらいいか。これは、国軍と正式に契約を交わすと、我々が国軍を認めたということになるんですね。その点についてもし御所見があれば、最後にお聞きいたします。
この発言だけを見る →今回の条約、やはり影の部分と光の部分があって、鈴木参考人においては、影の部分をしっかり御指摘をいただきましたし、種苗法に関しては、私ももろ手を挙げて賛成という立場ではないので、いい視点だったというふうに思います。
伊藤参考人にお聞きしたいのは、マルチの条約の利点を、意見をいただきました。大変参考になりました。今、政治的な問題の話にも触れましたけれども、これは経済連携協定なんですけれども、一方では、やはり政治的ないろいろな指摘も今されているところで、マルチの重要性を訴えられた伊藤先生に、ミャンマーを、中国の人権問題もあるんですけれども、これはまたちょっとおいておきますが、ミャンマーに特化して言いますけれども、今、軍事政権、クーデターの国軍が実権を握っているところであります、まだ将来は見通せませんけれども。
ミャンマーが参加国であること、時間がありませんのでちょっと端的に、これは経済政策ではないんですけれども、こういう、経済政策であり、なおその国の政治を考えなければいけません。ミャンマーに関しては、先生、どのような対応を取っていったらいいか。これは、国軍と正式に契約を交わすと、我々が国軍を認めたということになるんですね。その点についてもし御所見があれば、最後にお聞きいたします。
伊
伊藤元重#22
○伊藤参考人 非常に難しい問題だろうと思います。
一般論で申し上げれば、経済連携協定と、今言った人権の問題とか、人権以外にも恐らく安全保障とかいろいろな非経済的要因というのが国家間の関係の中で利いてきますから、分けて議論ができるのであれば、その範囲では分けて議論すべきだ。
ただ、現実がそういくかどうかということを、例えば今、まさに問題が、非常に大きな問題になっているわけで、そのための日本の姿勢も問われるわけですから、そこはしっかり議論はしなきゃいけないと思うんですけれども、現段階では、ミャンマーの問題にどう対応するかということはもちろん重要なんですけれども、私の立場から見れば、これをもってRCEPを先に進めないということはちょっと考えにくいということだと思います。
この発言だけを見る →一般論で申し上げれば、経済連携協定と、今言った人権の問題とか、人権以外にも恐らく安全保障とかいろいろな非経済的要因というのが国家間の関係の中で利いてきますから、分けて議論ができるのであれば、その範囲では分けて議論すべきだ。
ただ、現実がそういくかどうかということを、例えば今、まさに問題が、非常に大きな問題になっているわけで、そのための日本の姿勢も問われるわけですから、そこはしっかり議論はしなきゃいけないと思うんですけれども、現段階では、ミャンマーの問題にどう対応するかということはもちろん重要なんですけれども、私の立場から見れば、これをもってRCEPを先に進めないということはちょっと考えにくいということだと思います。
小
あ
佐
佐藤茂樹#25
○佐藤(茂)委員 今日は、参考人の三人の先生方、貴重な御意見を陳述していただきまして、大変にありがとうございます。
時間の限りお聞きをさせていただきたいと思うんですけれども、まず伊藤参考人にお聞きをしたいのは、伊藤参考人は、二〇〇三年からだったと思うんですけれども、日中韓のFTAについての民間の議論、日本側の代表として議論されてきました。今回、実はRCEPについては、やはり日本の自由貿易協定でミッシングリンクとなっておりました中国、韓国と初めてこういう経済連携協定を結んだということについては、非常に意義があるんじゃないかなというふうに思っているんです。
伊藤参考人は、やはりそういう形で長年日中韓のFTAを何とかということで議論をされてきた立場から、今回のこの中国、韓国も入ったRCEPについてどのように評価されているのかということと、そして、RCEP協定が結ばれたから、そうしたら日中韓FTAというのはもういいのかどうか、そのことについても、伊藤参考人としてはどのように御判断をされているのか、評価をされているのか、お聞かせいただければありがたいと思います。
この発言だけを見る →時間の限りお聞きをさせていただきたいと思うんですけれども、まず伊藤参考人にお聞きをしたいのは、伊藤参考人は、二〇〇三年からだったと思うんですけれども、日中韓のFTAについての民間の議論、日本側の代表として議論されてきました。今回、実はRCEPについては、やはり日本の自由貿易協定でミッシングリンクとなっておりました中国、韓国と初めてこういう経済連携協定を結んだということについては、非常に意義があるんじゃないかなというふうに思っているんです。
伊藤参考人は、やはりそういう形で長年日中韓のFTAを何とかということで議論をされてきた立場から、今回のこの中国、韓国も入ったRCEPについてどのように評価されているのかということと、そして、RCEP協定が結ばれたから、そうしたら日中韓FTAというのはもういいのかどうか、そのことについても、伊藤参考人としてはどのように御判断をされているのか、評価をされているのか、お聞かせいただければありがたいと思います。
伊
伊藤元重#26
○伊藤参考人 お答えいたします。
私の記憶が正しければ、小渕内閣のときに、金大中氏とそれから朱鎔基氏との間で、日中韓は、将来、経済連携協定も想定して、そのためのプロジェクトをすべきだと。そのために、日本側の機関として総合研究開発機構、NIRAというところが選ばれまして、私はそれよりも少し後に、今おっしゃったような形で、二〇〇三年か四年か、もうちょっと後だった気がしますけれども、NIRAの理事長にたまたまなったということで、それから数年間、毎年三回、日本と韓国と中国で経済連携協定の議論、民間の議論に参加いたしました。
こういう言い方は当事者としてはちょっと不謹慎な言い方かもしれませんけれども、正直、やってみて、これは大変だなと。つまり、毎年同じ議論を繰り返していて、日中韓三国だけでまとめるというのは、余りにもそれぞれのベクトルが違うということで。
今回、RCEPに関しては私は全く横で見ていただけなんですけれども、思ったのは、やはりASEANが入ること、あるいはオーストラリアとかニュージーランドが参加する、本当は私はインドにも参加してほしかったんですけれども、これはできなかったんですけれども、という形で、枠組みが変わる形によって、結果的には日中韓の間でもある種の関税の撤廃あるいは低減ができたということでは、やり方の、アプローチとして非常によかったのかなというふうに思います。
それに加えて、日中韓だけでやるよりも、やはりASEANが入ることによって、いろいろな意味で全体のバランスもよくなってきたというふうに思っていますので、今後、では日中韓を更にやるべきかというと、今の段階で、ここまでできた中で更に踏み込んで日中韓をやるということは、私にとってみると余りその意義は思いつきませんけれども、ただ、先ほど冒頭にも申しましたように、経済社会というのが非常に変化する形で、まさに小渕、金、それから朱鎔基さんの時代に議論した日中韓の関係と今の時代は違うわけですから、また五年後、十年後、どうなっているか分かりませんので、そこら辺は柔軟に考えていくべきだというふうに思います。
この発言だけを見る →私の記憶が正しければ、小渕内閣のときに、金大中氏とそれから朱鎔基氏との間で、日中韓は、将来、経済連携協定も想定して、そのためのプロジェクトをすべきだと。そのために、日本側の機関として総合研究開発機構、NIRAというところが選ばれまして、私はそれよりも少し後に、今おっしゃったような形で、二〇〇三年か四年か、もうちょっと後だった気がしますけれども、NIRAの理事長にたまたまなったということで、それから数年間、毎年三回、日本と韓国と中国で経済連携協定の議論、民間の議論に参加いたしました。
こういう言い方は当事者としてはちょっと不謹慎な言い方かもしれませんけれども、正直、やってみて、これは大変だなと。つまり、毎年同じ議論を繰り返していて、日中韓三国だけでまとめるというのは、余りにもそれぞれのベクトルが違うということで。
今回、RCEPに関しては私は全く横で見ていただけなんですけれども、思ったのは、やはりASEANが入ること、あるいはオーストラリアとかニュージーランドが参加する、本当は私はインドにも参加してほしかったんですけれども、これはできなかったんですけれども、という形で、枠組みが変わる形によって、結果的には日中韓の間でもある種の関税の撤廃あるいは低減ができたということでは、やり方の、アプローチとして非常によかったのかなというふうに思います。
それに加えて、日中韓だけでやるよりも、やはりASEANが入ることによって、いろいろな意味で全体のバランスもよくなってきたというふうに思っていますので、今後、では日中韓を更にやるべきかというと、今の段階で、ここまでできた中で更に踏み込んで日中韓をやるということは、私にとってみると余りその意義は思いつきませんけれども、ただ、先ほど冒頭にも申しましたように、経済社会というのが非常に変化する形で、まさに小渕、金、それから朱鎔基さんの時代に議論した日中韓の関係と今の時代は違うわけですから、また五年後、十年後、どうなっているか分かりませんので、そこら辺は柔軟に考えていくべきだというふうに思います。
佐
佐藤茂樹#27
○佐藤(茂)委員 それで、更に伊藤参考人と浜中参考人にお聞きをしたいんですけれども、先ほど伊藤参考人の陳述の中で、コロンビア大学のバグワティ教授の言葉、ビルディングブロック、こういう言葉を使って表現されておりましたが、経済関係拡大のためのビルディングブロックということで言われていたので、その先の方向性を考える重要性というのが言われておりました。
このアジア太平洋地域には元々TPPが、レベルの高いものですけれどもありまして、そして今回RCEP、これは発効されればですけれども、二つの経済連携があるわけですね。それを土台にして、やはり次は、APECで構想が発表されましたFTAAP、アジア太平洋自由貿易圏というものに対して、積み上げていって結びつければいいんじゃないのか、そういう期待をする声もあります。
さらに、政治家も、例えば昨年の十一月に、APECのときに、中国の習近平国家主席は、TPPへの参加も前向きに検討と言った上で、FTAAPについても完成させなければいけないというようなことを言われました。菅総理もFTAAPについて前向きな発言をされていたわけでございます。
このRCEPやTPPを踏まえて、FTAAPというものに結びつけていくべきだと考えておられるのか、いや、様々にやはり考慮すべきことはしっかりと考慮して進めていかなければいけない、そのように考えておられるのか、伊藤参考人と浜中参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →このアジア太平洋地域には元々TPPが、レベルの高いものですけれどもありまして、そして今回RCEP、これは発効されればですけれども、二つの経済連携があるわけですね。それを土台にして、やはり次は、APECで構想が発表されましたFTAAP、アジア太平洋自由貿易圏というものに対して、積み上げていって結びつければいいんじゃないのか、そういう期待をする声もあります。
さらに、政治家も、例えば昨年の十一月に、APECのときに、中国の習近平国家主席は、TPPへの参加も前向きに検討と言った上で、FTAAPについても完成させなければいけないというようなことを言われました。菅総理もFTAAPについて前向きな発言をされていたわけでございます。
このRCEPやTPPを踏まえて、FTAAPというものに結びつけていくべきだと考えておられるのか、いや、様々にやはり考慮すべきことはしっかりと考慮して進めていかなければいけない、そのように考えておられるのか、伊藤参考人と浜中参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
伊
伊藤元重#28
○伊藤参考人 お答えします。
バグワティ教授がビルディングブロックという言葉を出したのは、実は、スタンブリングブロック、つまり、つまずき石ですね、スタンブリングブロックとのペアで出したんですね。
それの議論は、要するに、FTAとかEPAとか言うけれども、そんなことをやって何か既成事実をつくって、結局、WTOみたいなマルチの機能が低下してしまうんじゃないだろうかという批判があったわけで、これに対して彼らの反論は、そうじゃなくて、しっかりビルディングブロックという形で、次のステージを考えながら、経済を広げていくプロセスとして考えるべきであると。
そういう意味では、RCEPもTPPも、今あるもの、あるいはこれからできるものに限定するわけじゃなくて、その先どう広げていくかという視点は常に大事だと思います。
議員がおっしゃるように、そのずっと先の方には、APECワイドの、FTAAPというんですか、自由貿易協定みたいなものがあるんだろうと思うんですけれども、ただ、恐らくそれは余り現実的ではないんだと思うんですね。
それの方向に将来行くのであれば、それは決してやらない理由はないんでしょうけれども、多分、TPPに関して見ると、今やはり重要なことは、TPPをどうやって広げていくか。イギリスが今これから入るという議論をしているわけですけれども、あの高い基準の中にどこまで入ってくるか。恐らく、東南アジアの国なんかでも入ってきてほしい国はあるわけですけれども、ということと、もっと大きな問題は、これは今日の話を超えるかもしれませんけれども、アメリカの参加を将来どうやって促すことができるかどうかということが多分ポイントだろうと思います。
RCEPに関しては、取りあえず、今、RCEPをまとめようとしているわけですけれども、正直、TPPに比べるといろいろなところの基準が弱いわけで、まとめるためにいろいろな妥協をしたわけですけれども、そこをどうやって更に強化できるかという、交渉の再交渉みたいなことを、やはり、これはすぐという話じゃありませんけれども、将来は考えていくべきだろうと思います。
以上です。
この発言だけを見る →バグワティ教授がビルディングブロックという言葉を出したのは、実は、スタンブリングブロック、つまり、つまずき石ですね、スタンブリングブロックとのペアで出したんですね。
それの議論は、要するに、FTAとかEPAとか言うけれども、そんなことをやって何か既成事実をつくって、結局、WTOみたいなマルチの機能が低下してしまうんじゃないだろうかという批判があったわけで、これに対して彼らの反論は、そうじゃなくて、しっかりビルディングブロックという形で、次のステージを考えながら、経済を広げていくプロセスとして考えるべきであると。
そういう意味では、RCEPもTPPも、今あるもの、あるいはこれからできるものに限定するわけじゃなくて、その先どう広げていくかという視点は常に大事だと思います。
議員がおっしゃるように、そのずっと先の方には、APECワイドの、FTAAPというんですか、自由貿易協定みたいなものがあるんだろうと思うんですけれども、ただ、恐らくそれは余り現実的ではないんだと思うんですね。
それの方向に将来行くのであれば、それは決してやらない理由はないんでしょうけれども、多分、TPPに関して見ると、今やはり重要なことは、TPPをどうやって広げていくか。イギリスが今これから入るという議論をしているわけですけれども、あの高い基準の中にどこまで入ってくるか。恐らく、東南アジアの国なんかでも入ってきてほしい国はあるわけですけれども、ということと、もっと大きな問題は、これは今日の話を超えるかもしれませんけれども、アメリカの参加を将来どうやって促すことができるかどうかということが多分ポイントだろうと思います。
RCEPに関しては、取りあえず、今、RCEPをまとめようとしているわけですけれども、正直、TPPに比べるといろいろなところの基準が弱いわけで、まとめるためにいろいろな妥協をしたわけですけれども、そこをどうやって更に強化できるかという、交渉の再交渉みたいなことを、やはり、これはすぐという話じゃありませんけれども、将来は考えていくべきだろうと思います。
以上です。
浜
浜中慎太郎#29
○浜中参考人 御質問ありがとうございます。非常に重要な問題だと思います。
バグワティ教授が一番最初にビルディングブロックということを言ったときというのは、基本的にはまだ、FTAがWTOにどういう影響を及ぼすんだという観点から言ったんだと思うんです、言ったということなんですけれども、今おっしゃられましたように、確かに今は、小さいFTAができて、それを更にどういう大きいFTAにつなげていくんだという視点、これはすごく重要だと思います。
WTOへの影響ということで考えると、例えばRCEP、非常にいい影響が私は個人的に出ていると思うんです。例えば、中国は二〇一九年に一般的な関税を切り下げております。それまで平均で一〇%ぐらいであったものが、もう七%ぐらいまで落ちています。そもそも、中国はWTOに入るときにかなり関税を引き下げるということをしたんですけれども、やはり、いろいろなところでFTA交渉なりをすることによって、特定のメンバーに対してFTAで関税を切った、だったら、もう全員に関税を引き下げちゃうよということをやっているわけで、そういう意味でいうと、FTAで差別的であったものを無差別的にみんなに与えるということをやっているわけで、これは中国以外でもASEANの国もやっていると思うんですけれども、そういう意味でいうと、非常にいい影響というのが出てきていると思います。
これが何で起こるかというと、やはりFTAの数が非常に増えているからで、この国、この国、これにはこれが関税、でも、この国にはこの関税、もうめちゃくちゃなんですよね。だとしたら、全体的に引き下げればいいというのは非常に合理的で、そういうことが実際に起こっているという意味では、やはりWTOにポジティブなインパクトがあるということは言えると思います。
それから、より難しい問題は、RCEPなりTPPがより一歩進んだFTAAPになっていくか、これは非常に難しい問題で、アメリカは、やはり中国をTPPに入れたがっている。中国は入りたいと言っているけれども、これはちょっといろいろ注意して聞いた方がよくて、やはり、中国はアメリカがいないうちに簡単に入ってしまおうだとか、あるいは、入りたいと言うことによってプロセスがぐちゃぐちゃになっていく。TPP11に中国が入って、アメリカはTPP11に参加するのではなくて元々のTPP12を復活させようとしているわけで、プロセスがぐちゃぐちゃになっちゃう。ひっかき回そうとしているということが言えないわけでもないわけで、この点はやはり注意して考えた方がいい。
逆に、中国はアメリカにRCEPに入っていいよということまで私は言うと思います。なので、ここは自分が作ったルール、俺が盟主だ、おまえ、入ってきていいぞということをやっているわけで、これは余りやり過ぎると本当にぐちゃぐちゃになっていくので、やはり冷静に、アジア太平洋、APECの枠組みなりでFTAAPについて議論していく、ちゃんと米中で議論して、そこに日本もちゃんと入って議論していく、ビジョンを共有していくということが必要だと思います。だから、後から誰を入れるというのじゃなくて、やはりFTAAPを本当に正面切って考えていく時期だと私も思います。
以上です。
この発言だけを見る →バグワティ教授が一番最初にビルディングブロックということを言ったときというのは、基本的にはまだ、FTAがWTOにどういう影響を及ぼすんだという観点から言ったんだと思うんです、言ったということなんですけれども、今おっしゃられましたように、確かに今は、小さいFTAができて、それを更にどういう大きいFTAにつなげていくんだという視点、これはすごく重要だと思います。
WTOへの影響ということで考えると、例えばRCEP、非常にいい影響が私は個人的に出ていると思うんです。例えば、中国は二〇一九年に一般的な関税を切り下げております。それまで平均で一〇%ぐらいであったものが、もう七%ぐらいまで落ちています。そもそも、中国はWTOに入るときにかなり関税を引き下げるということをしたんですけれども、やはり、いろいろなところでFTA交渉なりをすることによって、特定のメンバーに対してFTAで関税を切った、だったら、もう全員に関税を引き下げちゃうよということをやっているわけで、そういう意味でいうと、FTAで差別的であったものを無差別的にみんなに与えるということをやっているわけで、これは中国以外でもASEANの国もやっていると思うんですけれども、そういう意味でいうと、非常にいい影響というのが出てきていると思います。
これが何で起こるかというと、やはりFTAの数が非常に増えているからで、この国、この国、これにはこれが関税、でも、この国にはこの関税、もうめちゃくちゃなんですよね。だとしたら、全体的に引き下げればいいというのは非常に合理的で、そういうことが実際に起こっているという意味では、やはりWTOにポジティブなインパクトがあるということは言えると思います。
それから、より難しい問題は、RCEPなりTPPがより一歩進んだFTAAPになっていくか、これは非常に難しい問題で、アメリカは、やはり中国をTPPに入れたがっている。中国は入りたいと言っているけれども、これはちょっといろいろ注意して聞いた方がよくて、やはり、中国はアメリカがいないうちに簡単に入ってしまおうだとか、あるいは、入りたいと言うことによってプロセスがぐちゃぐちゃになっていく。TPP11に中国が入って、アメリカはTPP11に参加するのではなくて元々のTPP12を復活させようとしているわけで、プロセスがぐちゃぐちゃになっちゃう。ひっかき回そうとしているということが言えないわけでもないわけで、この点はやはり注意して考えた方がいい。
逆に、中国はアメリカにRCEPに入っていいよということまで私は言うと思います。なので、ここは自分が作ったルール、俺が盟主だ、おまえ、入ってきていいぞということをやっているわけで、これは余りやり過ぎると本当にぐちゃぐちゃになっていくので、やはり冷静に、アジア太平洋、APECの枠組みなりでFTAAPについて議論していく、ちゃんと米中で議論して、そこに日本もちゃんと入って議論していく、ビジョンを共有していくということが必要だと思います。だから、後から誰を入れるというのじゃなくて、やはりFTAAPを本当に正面切って考えていく時期だと私も思います。
以上です。