浜中慎太郎の発言 (外務委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○浜中参考人 御質問ありがとうございます。
 二点あると思います。
 日本がどうやってリーダーシップを発揮していくのかという今後の話と、あと、やはり今までどうだったんだという検証の下に今後を考えていくという二段階なんだと思うので。
 まず最初に、日本がどうやってリーダーシップを発揮していくか。これは先ほども若干触れましたけれども、日本は何がやりたいのかというのがやはりほかの国に見えない。個別のところで、これは日本はどうだというだけじゃなくて、日本が、ではどういう世界観を持っているのか、そこのところがやはり見えない。
 やはりアメリカ、ヨーロッパ、中国は、それぞれにちゃんとした哲学的な考え方を私は持っていると思います。
 アメリカは、やはり市場中心にやっていくんだ、個人のデータも自由に市場のメカニズムに移動させるべきだ、投資の資金も自由にやっていくべきだ、これがアメリカの考え方だと私は思います。
 ヨーロッパは、やはり個人、権利という考え方が強くて、電子商取引の分野でいうと、例えばデータは個人のものだ、企業が相手国に投資した場合でも、その投資に関しては権利は守られるべきだというのがヨーロッパの考え方で、必ずしも、データだとか国際的な資金フローを完全に自由にした方がいいというふうにヨーロッパは恐らく考えていないと思います。
 では、中国はどうなんだと。やはり公的機関の役割は大きいぞ、最終的に、究極的に言うと、データは国のものだ、アメリカの民間企業のものではない。最終的に、外国が中国に投資した、その場合に、中国の規制権限はそれによって縛られない、とんでもない賠償金を払わされる、そんなものはけしからぬ、やはり国家の規制権限というのは尊重されるべきだ、これが中国の考え方だと思うんです。
 そういう意味でいうと、三つの巨大な主体がそれぞれ非常に明確な哲学的な基礎を持っている。日本はどこなんて分からないわけですよ。だから、日本が交渉をやるとすると、二つ足して二で割る、三つ足して三で割る、そういう交渉になりがちで、それではやはりリーダーシップというのは私は全く発揮できないと思います。だから、日本は何をやりたいのかということを非常に根本的に考えてやらなくちゃいけない。
 だから、日本を振り返ってみると、今から三十年前、東アジアの奇跡という世銀のレポートがありましたけれども、このときに日本はやっていたんですよね。新古典派的な、アメリカ的な考え方では駄目だ、やはり日本はパブリックセクターが重要で、そういう経済発展モデルがあるんだということを明確に言って、世銀にそういうレポートを書かせたわけです。やはり、そういうことを日本ももう一回できるような国にならなくちゃいけないなというふうに思います。
 それから、二点目なんですけれども、やはり将来を考えるに当たっては、今回どうだったんだというのは率直に検証しなくちゃいけないと思います。
 やはり、RCEPを見てみると、今回、守秘義務がある、それはどの交渉もそうだと思うんですけれども、守秘義務ということでなかなか情報が出てこなかった。TPPも同じようなことなんですけれども、いろいろなところでリークされたりして、結果的にはかなり国民的な議論ができたというふうに、ISDSも含めて、本当にいいのかと、かなりの議論ができたと思います。今回非常に残念だったのは、そういう議論を何となく避けようとしているのかなというふうに私は第三者として見ておりました。
 もう締結される以上は、今回どうだったんだというのをやはり第三者的な機関が見直す。守秘義務があるのは事実なんですけれども、それだけではなくて、やはり官がある程度情報提供して、それに対して産業界、市民グループがちゃんと評価をしていく、それで学者が取りまとめるというようなことをやった方が私はいいと思います。
 これは、いつもどおりのお決まりのレポートが出てきてもしようがないので、外国人を入れるとか、物すごく若い、四十歳以下の人たちだけでやってみるだとか、そういうようなことをやって、既存の考え方にとらわれない、将来を見られる、それから非常に日本を客観的に見られる、そういう人たちを民間のプロジェクトに入れるような形にして検証していくというようなことをやっていかないと、やはり日本はなかなか一歩前に進むことができないんじゃないのかというふうに懸念を持っております。
 以上です。

発言情報

speech_id: 120403968X00820210414_020

発言者: 浜中慎太郎

speaker_id: 29927

日付: 2021-04-14

院: 衆議院

会議名: 外務委員会