守屋輝彦の発言 (環境委員会)

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○守屋参考人 おはようございます。小田原市長の守屋輝彦でございます。
 本日は、環境委員会においてこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。小田原市が推進をしております脱炭素社会に向けた取組につきまして御紹介するとともに、地球温暖化対策の推進に関する法律の改正案に対する意見を申し述べさせていただきます。
 小田原市の取組につきましては、お手元の資料に基づいて順に御説明いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、一ページ目を御覧ください。
 小田原市は、都内からの良好なアクセスの立地にあって、森、里、川、海がコンパクトにまとまっており、この自然特性に裏打ちされた歴史、文化、産業が息づく地方都市です。この地域を持続可能なものにし、よりよい形で次世代に引き継いでいくことが自治体としての究極の目標でございますが、達成に向けて必要不可欠な地域資源である再生可能エネルギーの活用については、市の重要課題として位置づけております。
 二ページを御覧ください。
 このページは、条例制定や計画策定などの環境整備の段階的な発展をお示ししております。
 小田原市の脱炭素社会に向けた政策の特徴は、積極的な公民連携にあります。一貫した目標を示して、民間事業者の自立的な取組を促進、牽引していくことが行政の役割であり、市が時代の潮流を捉えたメッセージやコンセプトを打ち出すことで、様々な形の支援も含めた環境を整備することが前提となると考えております。
 二〇一二年、小田原市では、持続可能な地域社会の構築には再エネの活用が必要不可欠との考えの下、組織体制の変更を行いました。環境政策の一分野であったエネルギー政策を中心に据え、これに取り組む専門部署を創設、政策上のプライオリティーを高めて以降の取組を進め、現在に至っております。
 二〇一四年には、エネルギー政策の基本的な方向性を定めた小田原市再生可能エネルギーの利用等の促進に関する条例を、そして、翌二〇一五年には、具体的な施策の実施に向けた小田原市エネルギー計画を策定いたしました。
 そして、二〇一九年十一月に、全国で七番目、都道府県、政令市を除けば全国で一番最初に、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すことを表明し、長期的な視点で、従前の枠を超えた取組の推進に注力をしているところでございます。
 三ページ目を御覧ください。
 こちらは、先ほど申し上げました、小田原市の再エネ条例の概要でございます。この中で、再エネを地域固有の資源として捉えるとともに、地域の活性化等に資するように利用すべきとしております。そして、再エネ事業に対する支援、特に市民の参加など一定の条件を満たす再エネ事業者を認定し、奨励金の交付を行っております。
 四ページを御覧ください。
 このスライドは、地域においてどのような連携が生まれたのかをお示しした資料でございます。
 出発点となったのは、二〇一一年に設立された小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会です。この協議会には市内のエネルギー事業者、地域金融機関、有識者などが参加し、地域主導の再エネ事業の創出に向けた検討が行われました。この検討が地域エネルギーの発電事業者設立などにつながっております。小田原市は事務局として、この協議会の運営を担い、論点整理や意見集約などを実施してまいりました。
 また、二〇一六年には、電力の小売自由化を受けて、地産電力を地域に届けるモデル、小田原箱根エネルギーコンソーシアムが民間主導で構築され、地域新電力、小売事業が開始することにつながりました。
 その後も、二〇一九年に、後に御説明いたしますEV事業をきっかけに、市内外の関係事業者を広く集めたオープンイノベーションを目指す連絡会議を開催し、新たな企業連携などの創出につながっております。
 また、二〇二〇年には、小田原市と箱根町において、行政のみならず、議会、自治会、商工会議所を巻き込む形で、まさに地域一丸となった、いわゆる気候危機宣言である気候変動に対するワンチーム宣言を行っております。
 次に、五ページを御覧ください。
 小田原市のこれまでの取組を、大きく五つのステップに分けてお示しをしております。
 特徴といたしましては、先ほどの地域が主体となった推進体制に、市外の企業、技術との連携が組み合わさること、エネルギーマネジメントを前提とした再エネ促進になります。
 まずは、二〇一四年、地域エネルギー事業者により、市民出資の手法を組み入れたメガソーラー事業を創出いたしました。二〇一六年には、地域新電力が小田原市にできることにより、この地産電力を地域に届けるとともに、その売上げの一部を地域貢献活動に充てる仕組みを構築しております。
 以降のステップでは、再エネを導入しやすくするエネルギーマネジメントに取り組んでいるものでございます。
 現状、市内の再エネの主力は太陽光発電になりますが、これは時間帯や気象条件で変動しやすい特性があり、大量に導入していくためには、蓄電池等で変動を吸収することが重要となってまいります。この課題に対処するためには、ステップ三で、小学校に設置した複数の蓄電池を同時制御すること、そして、ステップ四ではシェアリングサービスに活用する電気自動車を動く蓄電池として制御することで、面的なエネルギーバランスの調整を行う事業に着手をしております。
 さらに、直近では、市の公園施設などが集まる限られた限定的なエリアにおいて、非常時に太陽光発電設備と大型の蓄電池によって配電網を独立運用する、地域マイクログリッド事業を進めているところでございます。
 次に、六ページを御覧ください。
 脱炭素社会に向けて、まず直近の二〇三〇年の目指すべき方向性についてお示ししたものでございます。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現から逆算すると、二〇三〇年の断面においても現状の再エネ導入量からの大幅な拡大が必要になってまいります。とりわけ直近の数年間で自立的な導入拡大基調に乗せていくことが後年の爆発的な再エネ導入拡大に不可欠であります。
 小田原市としては、二〇三〇年までに太陽光発電の設置可能な屋根の三分の一程度への導入を目指すこととし、この三月には、二〇三〇年の目指す姿とその実現に向けた工程表から成るロードマップの中で、環境・エネルギー分野を先導領域として位置づけており、まさに地域一丸となって取組を進めている状況でございます。
 七ページを御覧ください。
 今後の取組におきまして重要となる点をお示ししたものでございます。
 まず、再エネ大量導入を進めていくためには、個別施設等で電力需要に見合った量で導入するのではなく、ポテンシャルの最大限の導入を促すこと、駐車場や耕作放棄地等の活用など、再エネ導入の適地自体を拡大していくことが発電側において重要な視点であると考えております。
 これにより出てくる余剰電力や再エネの変動を、系統線やEV、デジタル技術を活用して、地域全体で余すことなく活用するエネルギーマネジメントの仕組みの構築が必要となります。
 そして、束ねた地域の再エネをEVシェアリング事業など象徴的な電力需要に充当し、地産地消かつ脱炭素型のサービスを創出することで、域内での好循環をつくり出していくことが重要であります。
 以上申し上げました小田原市の取組を踏まえまして、今般の改正法案に対して三点、意見を述べさせていただきます。
 まず一点目は、地方公共団体実行計画における目標設定についてでございます。
 法案では、再エネ利用促進の施策と実施目標の設定が新たに規定されるものとなっております。
 小田原市におきましては、二〇一五年に、条例に基づき、小田原市エネルギー計画を策定し、これを基盤として再エネ導入促進施策の推進を図っており、本日御説明させていただいた小田原市の取組におきましても、事業者への政策の予見性を高めるという点で有効に機能しているものと考えております。したがいまして、この流れを後押ししていただくことは全国の自治体にとっても有用なものであり、目標設定を設ける改正案に賛同をいたします。
 一方で、小田原市エネルギー計画のような既存の計画への整合、一定整備を終えているところへの配慮も必要であると考えます。策定済みの計画に対しても法の定める目標等として準用するなど、法の適用に当たって配慮いただければと考えます。
 二点目は、地域脱炭素化促進区域の指定についてでございます。
 小田原市では、協議会などを活用して、再エネ導入促進の必要性を共有するプロセスを経験し、その重要性を認識しているところでございます。促進区域の指定につきましても、自治体からの明確なメッセージを発信するものとして有用なものであり、区域指定を設ける改正案に基本的に賛同をいたします。
 一方で、御説明申し上げたとおり、小田原市は、太陽光発電、地域内での効果的利用に適した小規模分散型電源を主力の再エネとして導入拡大を促進していくことを打ち出しているところでございます。こうした小規模分散型の電源を主力としていく小田原市にあっては、あらゆる導入可能場所でポテンシャルの最大導入とエネルギーマネジメントを両立させていくことが重要となります。
 大規模な再エネ導入を円滑に進めていくための促進区域の指定だけでなく、例えば、市街地全域といった小規模分散の再エネ導入可能なエリアにおいてポテンシャルを最大限引き出すこともまた必要なアプローチであると考えております。こうした地域の実情に応じ、例えばポテンシャルを有する地域全体を促進区域に指定するなど、柔軟な運用ができるよう配慮いただけますと、地域での脱炭素化に向けた取組の一層の促進に資するものと考えております。
 三点目は、地域脱炭素化認定事業についてでございます。
 地域に裨益する事業を誘導していくことは大変重要な施策であると認識しておりまして、事業認定を設ける改正案に賛同いたします。
 小田原市も、条例において、地域貢献性の高い再生可能エネルギー事業を認定する制度を運用し、認定事業の公表、奨励金の交付を行っております。ただ、実情といたしましては、市が付与できるインセンティブには限界があり、認定事業を増やしていく上で課題を感じているのが率直なところでございます。
 エネルギー関連の制度や市場動向を踏まえ、自家消費型事業を対象とするなど、条例改正等の対応も図ってきたところではございますが、改正案の認定制度との相乗効果によって、より地域に裨益する事業への誘導が図られる点は歓迎するところでございます。とりわけ、地域の手が行き届かない部分、市独自の支援に加え、新たに、認定事業に対する財政的なインセンティブの付与を併せて行うことで、既存の取組との相乗効果にもつながるものと考えておりまして、是非御検討いただければと存じます。
 以上でございます。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現、これは大変高い目標でございますけれども、一方で、真に持続可能な地域社会、そのありようをデザインする大きなチャンスであるとも受け止めております。市民、事業者と連携し、市はこれを牽引しながら、地域一丸となって取組を推進してまいりたいと考えております。
 衆議院環境委員会の皆様の一層のお力添えを申し上げまして、御説明を終わらせていただきます。
 本日は、どうもありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 守屋輝彦

speaker_id: 18560

日付: 2021-04-23

院: 衆議院

会議名: 環境委員会