環境委員会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和三年四月二十三日(金曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 石原 宏高君
理事 勝俣 孝明君 理事 菅家 一郎君
理事 土屋 品子君 理事 福山 守君
理事 牧原 秀樹君 理事 生方 幸夫君
理事 源馬謙太郎君 理事 江田 康幸君
秋本 真利君 畦元 将吾君
安藤 裕君 加藤 寛治君
金子万寿夫君 神谷 昇君
神山 佐市君 武村 展英君
百武 公親君 古田 圭一君
細野 豪志君 宮澤 博行君
八木 哲也君 近藤 昭一君
関 健一郎君 堀越 啓仁君
横光 克彦君 斉藤 鉄夫君
田村 貴昭君 串田 誠一君
森 夏枝君
…………………………………
環境大臣 小泉進次郎君
環境副大臣 笹川 博義君
環境大臣政務官 宮崎 勝君
環境大臣政務官 神谷 昇君
政府参考人
(環境省地球環境局長) 小野 洋君
政府参考人
(環境省自然環境局長) 鳥居 敏男君
政府参考人
(環境省総合環境政策統括官) 和田 篤也君
参考人
(小田原市長) 守屋 輝彦君
参考人
(Fridays For Future Kagoshima/Japan) 中村 涼夏君
参考人
(東京大学未来ビジョン研究センター教授) 高村ゆかり君
参考人
(北海学園大学経済学部教授) 上園 昌武君
環境委員会専門員 飯野 伸夫君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
辞任 補欠選任
小島 敏文君 宮澤 博行君
務台 俊介君 安藤 裕君
森 夏枝君 串田 誠一君
同日
辞任 補欠選任
安藤 裕君 務台 俊介君
宮澤 博行君 神山 佐市君
串田 誠一君 森 夏枝君
同日
辞任 補欠選任
神山 佐市君 加藤 寛治君
同日
辞任 補欠選任
加藤 寛治君 小島 敏文君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 石原 宏高君
理事 勝俣 孝明君 理事 菅家 一郎君
理事 土屋 品子君 理事 福山 守君
理事 牧原 秀樹君 理事 生方 幸夫君
理事 源馬謙太郎君 理事 江田 康幸君
秋本 真利君 畦元 将吾君
安藤 裕君 加藤 寛治君
金子万寿夫君 神谷 昇君
神山 佐市君 武村 展英君
百武 公親君 古田 圭一君
細野 豪志君 宮澤 博行君
八木 哲也君 近藤 昭一君
関 健一郎君 堀越 啓仁君
横光 克彦君 斉藤 鉄夫君
田村 貴昭君 串田 誠一君
森 夏枝君
…………………………………
環境大臣 小泉進次郎君
環境副大臣 笹川 博義君
環境大臣政務官 宮崎 勝君
環境大臣政務官 神谷 昇君
政府参考人
(環境省地球環境局長) 小野 洋君
政府参考人
(環境省自然環境局長) 鳥居 敏男君
政府参考人
(環境省総合環境政策統括官) 和田 篤也君
参考人
(小田原市長) 守屋 輝彦君
参考人
(Fridays For Future Kagoshima/Japan) 中村 涼夏君
参考人
(東京大学未来ビジョン研究センター教授) 高村ゆかり君
参考人
(北海学園大学経済学部教授) 上園 昌武君
環境委員会専門員 飯野 伸夫君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
辞任 補欠選任
小島 敏文君 宮澤 博行君
務台 俊介君 安藤 裕君
森 夏枝君 串田 誠一君
同日
辞任 補欠選任
安藤 裕君 務台 俊介君
宮澤 博行君 神山 佐市君
串田 誠一君 森 夏枝君
同日
辞任 補欠選任
神山 佐市君 加藤 寛治君
同日
辞任 補欠選任
加藤 寛治君 小島 敏文君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)
――――◇―――――
石
石原宏高#1
○石原委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、小田原市長守屋輝彦君、Fridays For Future Kagoshima/Japan中村涼夏君、東京大学未来ビジョン研究センター教授高村ゆかり君及び北海学園大学経済学部教授上園昌武君、以上四名の方々に御出席いただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、守屋参考人、中村参考人、高村参考人、上園参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず守屋参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、小田原市長守屋輝彦君、Fridays For Future Kagoshima/Japan中村涼夏君、東京大学未来ビジョン研究センター教授高村ゆかり君及び北海学園大学経済学部教授上園昌武君、以上四名の方々に御出席いただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、守屋参考人、中村参考人、高村参考人、上園参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず守屋参考人にお願いいたします。
守
守屋輝彦#2
○守屋参考人 おはようございます。小田原市長の守屋輝彦でございます。
本日は、環境委員会においてこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。小田原市が推進をしております脱炭素社会に向けた取組につきまして御紹介するとともに、地球温暖化対策の推進に関する法律の改正案に対する意見を申し述べさせていただきます。
小田原市の取組につきましては、お手元の資料に基づいて順に御説明いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、一ページ目を御覧ください。
小田原市は、都内からの良好なアクセスの立地にあって、森、里、川、海がコンパクトにまとまっており、この自然特性に裏打ちされた歴史、文化、産業が息づく地方都市です。この地域を持続可能なものにし、よりよい形で次世代に引き継いでいくことが自治体としての究極の目標でございますが、達成に向けて必要不可欠な地域資源である再生可能エネルギーの活用については、市の重要課題として位置づけております。
二ページを御覧ください。
このページは、条例制定や計画策定などの環境整備の段階的な発展をお示ししております。
小田原市の脱炭素社会に向けた政策の特徴は、積極的な公民連携にあります。一貫した目標を示して、民間事業者の自立的な取組を促進、牽引していくことが行政の役割であり、市が時代の潮流を捉えたメッセージやコンセプトを打ち出すことで、様々な形の支援も含めた環境を整備することが前提となると考えております。
二〇一二年、小田原市では、持続可能な地域社会の構築には再エネの活用が必要不可欠との考えの下、組織体制の変更を行いました。環境政策の一分野であったエネルギー政策を中心に据え、これに取り組む専門部署を創設、政策上のプライオリティーを高めて以降の取組を進め、現在に至っております。
二〇一四年には、エネルギー政策の基本的な方向性を定めた小田原市再生可能エネルギーの利用等の促進に関する条例を、そして、翌二〇一五年には、具体的な施策の実施に向けた小田原市エネルギー計画を策定いたしました。
そして、二〇一九年十一月に、全国で七番目、都道府県、政令市を除けば全国で一番最初に、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すことを表明し、長期的な視点で、従前の枠を超えた取組の推進に注力をしているところでございます。
三ページ目を御覧ください。
こちらは、先ほど申し上げました、小田原市の再エネ条例の概要でございます。この中で、再エネを地域固有の資源として捉えるとともに、地域の活性化等に資するように利用すべきとしております。そして、再エネ事業に対する支援、特に市民の参加など一定の条件を満たす再エネ事業者を認定し、奨励金の交付を行っております。
四ページを御覧ください。
このスライドは、地域においてどのような連携が生まれたのかをお示しした資料でございます。
出発点となったのは、二〇一一年に設立された小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会です。この協議会には市内のエネルギー事業者、地域金融機関、有識者などが参加し、地域主導の再エネ事業の創出に向けた検討が行われました。この検討が地域エネルギーの発電事業者設立などにつながっております。小田原市は事務局として、この協議会の運営を担い、論点整理や意見集約などを実施してまいりました。
また、二〇一六年には、電力の小売自由化を受けて、地産電力を地域に届けるモデル、小田原箱根エネルギーコンソーシアムが民間主導で構築され、地域新電力、小売事業が開始することにつながりました。
その後も、二〇一九年に、後に御説明いたしますEV事業をきっかけに、市内外の関係事業者を広く集めたオープンイノベーションを目指す連絡会議を開催し、新たな企業連携などの創出につながっております。
また、二〇二〇年には、小田原市と箱根町において、行政のみならず、議会、自治会、商工会議所を巻き込む形で、まさに地域一丸となった、いわゆる気候危機宣言である気候変動に対するワンチーム宣言を行っております。
次に、五ページを御覧ください。
小田原市のこれまでの取組を、大きく五つのステップに分けてお示しをしております。
特徴といたしましては、先ほどの地域が主体となった推進体制に、市外の企業、技術との連携が組み合わさること、エネルギーマネジメントを前提とした再エネ促進になります。
まずは、二〇一四年、地域エネルギー事業者により、市民出資の手法を組み入れたメガソーラー事業を創出いたしました。二〇一六年には、地域新電力が小田原市にできることにより、この地産電力を地域に届けるとともに、その売上げの一部を地域貢献活動に充てる仕組みを構築しております。
以降のステップでは、再エネを導入しやすくするエネルギーマネジメントに取り組んでいるものでございます。
現状、市内の再エネの主力は太陽光発電になりますが、これは時間帯や気象条件で変動しやすい特性があり、大量に導入していくためには、蓄電池等で変動を吸収することが重要となってまいります。この課題に対処するためには、ステップ三で、小学校に設置した複数の蓄電池を同時制御すること、そして、ステップ四ではシェアリングサービスに活用する電気自動車を動く蓄電池として制御することで、面的なエネルギーバランスの調整を行う事業に着手をしております。
さらに、直近では、市の公園施設などが集まる限られた限定的なエリアにおいて、非常時に太陽光発電設備と大型の蓄電池によって配電網を独立運用する、地域マイクログリッド事業を進めているところでございます。
次に、六ページを御覧ください。
脱炭素社会に向けて、まず直近の二〇三〇年の目指すべき方向性についてお示ししたものでございます。
二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現から逆算すると、二〇三〇年の断面においても現状の再エネ導入量からの大幅な拡大が必要になってまいります。とりわけ直近の数年間で自立的な導入拡大基調に乗せていくことが後年の爆発的な再エネ導入拡大に不可欠であります。
小田原市としては、二〇三〇年までに太陽光発電の設置可能な屋根の三分の一程度への導入を目指すこととし、この三月には、二〇三〇年の目指す姿とその実現に向けた工程表から成るロードマップの中で、環境・エネルギー分野を先導領域として位置づけており、まさに地域一丸となって取組を進めている状況でございます。
七ページを御覧ください。
今後の取組におきまして重要となる点をお示ししたものでございます。
まず、再エネ大量導入を進めていくためには、個別施設等で電力需要に見合った量で導入するのではなく、ポテンシャルの最大限の導入を促すこと、駐車場や耕作放棄地等の活用など、再エネ導入の適地自体を拡大していくことが発電側において重要な視点であると考えております。
これにより出てくる余剰電力や再エネの変動を、系統線やEV、デジタル技術を活用して、地域全体で余すことなく活用するエネルギーマネジメントの仕組みの構築が必要となります。
そして、束ねた地域の再エネをEVシェアリング事業など象徴的な電力需要に充当し、地産地消かつ脱炭素型のサービスを創出することで、域内での好循環をつくり出していくことが重要であります。
以上申し上げました小田原市の取組を踏まえまして、今般の改正法案に対して三点、意見を述べさせていただきます。
まず一点目は、地方公共団体実行計画における目標設定についてでございます。
法案では、再エネ利用促進の施策と実施目標の設定が新たに規定されるものとなっております。
小田原市におきましては、二〇一五年に、条例に基づき、小田原市エネルギー計画を策定し、これを基盤として再エネ導入促進施策の推進を図っており、本日御説明させていただいた小田原市の取組におきましても、事業者への政策の予見性を高めるという点で有効に機能しているものと考えております。したがいまして、この流れを後押ししていただくことは全国の自治体にとっても有用なものであり、目標設定を設ける改正案に賛同をいたします。
一方で、小田原市エネルギー計画のような既存の計画への整合、一定整備を終えているところへの配慮も必要であると考えます。策定済みの計画に対しても法の定める目標等として準用するなど、法の適用に当たって配慮いただければと考えます。
二点目は、地域脱炭素化促進区域の指定についてでございます。
小田原市では、協議会などを活用して、再エネ導入促進の必要性を共有するプロセスを経験し、その重要性を認識しているところでございます。促進区域の指定につきましても、自治体からの明確なメッセージを発信するものとして有用なものであり、区域指定を設ける改正案に基本的に賛同をいたします。
一方で、御説明申し上げたとおり、小田原市は、太陽光発電、地域内での効果的利用に適した小規模分散型電源を主力の再エネとして導入拡大を促進していくことを打ち出しているところでございます。こうした小規模分散型の電源を主力としていく小田原市にあっては、あらゆる導入可能場所でポテンシャルの最大導入とエネルギーマネジメントを両立させていくことが重要となります。
大規模な再エネ導入を円滑に進めていくための促進区域の指定だけでなく、例えば、市街地全域といった小規模分散の再エネ導入可能なエリアにおいてポテンシャルを最大限引き出すこともまた必要なアプローチであると考えております。こうした地域の実情に応じ、例えばポテンシャルを有する地域全体を促進区域に指定するなど、柔軟な運用ができるよう配慮いただけますと、地域での脱炭素化に向けた取組の一層の促進に資するものと考えております。
三点目は、地域脱炭素化認定事業についてでございます。
地域に裨益する事業を誘導していくことは大変重要な施策であると認識しておりまして、事業認定を設ける改正案に賛同いたします。
小田原市も、条例において、地域貢献性の高い再生可能エネルギー事業を認定する制度を運用し、認定事業の公表、奨励金の交付を行っております。ただ、実情といたしましては、市が付与できるインセンティブには限界があり、認定事業を増やしていく上で課題を感じているのが率直なところでございます。
エネルギー関連の制度や市場動向を踏まえ、自家消費型事業を対象とするなど、条例改正等の対応も図ってきたところではございますが、改正案の認定制度との相乗効果によって、より地域に裨益する事業への誘導が図られる点は歓迎するところでございます。とりわけ、地域の手が行き届かない部分、市独自の支援に加え、新たに、認定事業に対する財政的なインセンティブの付与を併せて行うことで、既存の取組との相乗効果にもつながるものと考えておりまして、是非御検討いただければと存じます。
以上でございます。
二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現、これは大変高い目標でございますけれども、一方で、真に持続可能な地域社会、そのありようをデザインする大きなチャンスであるとも受け止めております。市民、事業者と連携し、市はこれを牽引しながら、地域一丸となって取組を推進してまいりたいと考えております。
衆議院環境委員会の皆様の一層のお力添えを申し上げまして、御説明を終わらせていただきます。
本日は、どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、環境委員会においてこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。小田原市が推進をしております脱炭素社会に向けた取組につきまして御紹介するとともに、地球温暖化対策の推進に関する法律の改正案に対する意見を申し述べさせていただきます。
小田原市の取組につきましては、お手元の資料に基づいて順に御説明いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、一ページ目を御覧ください。
小田原市は、都内からの良好なアクセスの立地にあって、森、里、川、海がコンパクトにまとまっており、この自然特性に裏打ちされた歴史、文化、産業が息づく地方都市です。この地域を持続可能なものにし、よりよい形で次世代に引き継いでいくことが自治体としての究極の目標でございますが、達成に向けて必要不可欠な地域資源である再生可能エネルギーの活用については、市の重要課題として位置づけております。
二ページを御覧ください。
このページは、条例制定や計画策定などの環境整備の段階的な発展をお示ししております。
小田原市の脱炭素社会に向けた政策の特徴は、積極的な公民連携にあります。一貫した目標を示して、民間事業者の自立的な取組を促進、牽引していくことが行政の役割であり、市が時代の潮流を捉えたメッセージやコンセプトを打ち出すことで、様々な形の支援も含めた環境を整備することが前提となると考えております。
二〇一二年、小田原市では、持続可能な地域社会の構築には再エネの活用が必要不可欠との考えの下、組織体制の変更を行いました。環境政策の一分野であったエネルギー政策を中心に据え、これに取り組む専門部署を創設、政策上のプライオリティーを高めて以降の取組を進め、現在に至っております。
二〇一四年には、エネルギー政策の基本的な方向性を定めた小田原市再生可能エネルギーの利用等の促進に関する条例を、そして、翌二〇一五年には、具体的な施策の実施に向けた小田原市エネルギー計画を策定いたしました。
そして、二〇一九年十一月に、全国で七番目、都道府県、政令市を除けば全国で一番最初に、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すことを表明し、長期的な視点で、従前の枠を超えた取組の推進に注力をしているところでございます。
三ページ目を御覧ください。
こちらは、先ほど申し上げました、小田原市の再エネ条例の概要でございます。この中で、再エネを地域固有の資源として捉えるとともに、地域の活性化等に資するように利用すべきとしております。そして、再エネ事業に対する支援、特に市民の参加など一定の条件を満たす再エネ事業者を認定し、奨励金の交付を行っております。
四ページを御覧ください。
このスライドは、地域においてどのような連携が生まれたのかをお示しした資料でございます。
出発点となったのは、二〇一一年に設立された小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会です。この協議会には市内のエネルギー事業者、地域金融機関、有識者などが参加し、地域主導の再エネ事業の創出に向けた検討が行われました。この検討が地域エネルギーの発電事業者設立などにつながっております。小田原市は事務局として、この協議会の運営を担い、論点整理や意見集約などを実施してまいりました。
また、二〇一六年には、電力の小売自由化を受けて、地産電力を地域に届けるモデル、小田原箱根エネルギーコンソーシアムが民間主導で構築され、地域新電力、小売事業が開始することにつながりました。
その後も、二〇一九年に、後に御説明いたしますEV事業をきっかけに、市内外の関係事業者を広く集めたオープンイノベーションを目指す連絡会議を開催し、新たな企業連携などの創出につながっております。
また、二〇二〇年には、小田原市と箱根町において、行政のみならず、議会、自治会、商工会議所を巻き込む形で、まさに地域一丸となった、いわゆる気候危機宣言である気候変動に対するワンチーム宣言を行っております。
次に、五ページを御覧ください。
小田原市のこれまでの取組を、大きく五つのステップに分けてお示しをしております。
特徴といたしましては、先ほどの地域が主体となった推進体制に、市外の企業、技術との連携が組み合わさること、エネルギーマネジメントを前提とした再エネ促進になります。
まずは、二〇一四年、地域エネルギー事業者により、市民出資の手法を組み入れたメガソーラー事業を創出いたしました。二〇一六年には、地域新電力が小田原市にできることにより、この地産電力を地域に届けるとともに、その売上げの一部を地域貢献活動に充てる仕組みを構築しております。
以降のステップでは、再エネを導入しやすくするエネルギーマネジメントに取り組んでいるものでございます。
現状、市内の再エネの主力は太陽光発電になりますが、これは時間帯や気象条件で変動しやすい特性があり、大量に導入していくためには、蓄電池等で変動を吸収することが重要となってまいります。この課題に対処するためには、ステップ三で、小学校に設置した複数の蓄電池を同時制御すること、そして、ステップ四ではシェアリングサービスに活用する電気自動車を動く蓄電池として制御することで、面的なエネルギーバランスの調整を行う事業に着手をしております。
さらに、直近では、市の公園施設などが集まる限られた限定的なエリアにおいて、非常時に太陽光発電設備と大型の蓄電池によって配電網を独立運用する、地域マイクログリッド事業を進めているところでございます。
次に、六ページを御覧ください。
脱炭素社会に向けて、まず直近の二〇三〇年の目指すべき方向性についてお示ししたものでございます。
二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現から逆算すると、二〇三〇年の断面においても現状の再エネ導入量からの大幅な拡大が必要になってまいります。とりわけ直近の数年間で自立的な導入拡大基調に乗せていくことが後年の爆発的な再エネ導入拡大に不可欠であります。
小田原市としては、二〇三〇年までに太陽光発電の設置可能な屋根の三分の一程度への導入を目指すこととし、この三月には、二〇三〇年の目指す姿とその実現に向けた工程表から成るロードマップの中で、環境・エネルギー分野を先導領域として位置づけており、まさに地域一丸となって取組を進めている状況でございます。
七ページを御覧ください。
今後の取組におきまして重要となる点をお示ししたものでございます。
まず、再エネ大量導入を進めていくためには、個別施設等で電力需要に見合った量で導入するのではなく、ポテンシャルの最大限の導入を促すこと、駐車場や耕作放棄地等の活用など、再エネ導入の適地自体を拡大していくことが発電側において重要な視点であると考えております。
これにより出てくる余剰電力や再エネの変動を、系統線やEV、デジタル技術を活用して、地域全体で余すことなく活用するエネルギーマネジメントの仕組みの構築が必要となります。
そして、束ねた地域の再エネをEVシェアリング事業など象徴的な電力需要に充当し、地産地消かつ脱炭素型のサービスを創出することで、域内での好循環をつくり出していくことが重要であります。
以上申し上げました小田原市の取組を踏まえまして、今般の改正法案に対して三点、意見を述べさせていただきます。
まず一点目は、地方公共団体実行計画における目標設定についてでございます。
法案では、再エネ利用促進の施策と実施目標の設定が新たに規定されるものとなっております。
小田原市におきましては、二〇一五年に、条例に基づき、小田原市エネルギー計画を策定し、これを基盤として再エネ導入促進施策の推進を図っており、本日御説明させていただいた小田原市の取組におきましても、事業者への政策の予見性を高めるという点で有効に機能しているものと考えております。したがいまして、この流れを後押ししていただくことは全国の自治体にとっても有用なものであり、目標設定を設ける改正案に賛同をいたします。
一方で、小田原市エネルギー計画のような既存の計画への整合、一定整備を終えているところへの配慮も必要であると考えます。策定済みの計画に対しても法の定める目標等として準用するなど、法の適用に当たって配慮いただければと考えます。
二点目は、地域脱炭素化促進区域の指定についてでございます。
小田原市では、協議会などを活用して、再エネ導入促進の必要性を共有するプロセスを経験し、その重要性を認識しているところでございます。促進区域の指定につきましても、自治体からの明確なメッセージを発信するものとして有用なものであり、区域指定を設ける改正案に基本的に賛同をいたします。
一方で、御説明申し上げたとおり、小田原市は、太陽光発電、地域内での効果的利用に適した小規模分散型電源を主力の再エネとして導入拡大を促進していくことを打ち出しているところでございます。こうした小規模分散型の電源を主力としていく小田原市にあっては、あらゆる導入可能場所でポテンシャルの最大導入とエネルギーマネジメントを両立させていくことが重要となります。
大規模な再エネ導入を円滑に進めていくための促進区域の指定だけでなく、例えば、市街地全域といった小規模分散の再エネ導入可能なエリアにおいてポテンシャルを最大限引き出すこともまた必要なアプローチであると考えております。こうした地域の実情に応じ、例えばポテンシャルを有する地域全体を促進区域に指定するなど、柔軟な運用ができるよう配慮いただけますと、地域での脱炭素化に向けた取組の一層の促進に資するものと考えております。
三点目は、地域脱炭素化認定事業についてでございます。
地域に裨益する事業を誘導していくことは大変重要な施策であると認識しておりまして、事業認定を設ける改正案に賛同いたします。
小田原市も、条例において、地域貢献性の高い再生可能エネルギー事業を認定する制度を運用し、認定事業の公表、奨励金の交付を行っております。ただ、実情といたしましては、市が付与できるインセンティブには限界があり、認定事業を増やしていく上で課題を感じているのが率直なところでございます。
エネルギー関連の制度や市場動向を踏まえ、自家消費型事業を対象とするなど、条例改正等の対応も図ってきたところではございますが、改正案の認定制度との相乗効果によって、より地域に裨益する事業への誘導が図られる点は歓迎するところでございます。とりわけ、地域の手が行き届かない部分、市独自の支援に加え、新たに、認定事業に対する財政的なインセンティブの付与を併せて行うことで、既存の取組との相乗効果にもつながるものと考えておりまして、是非御検討いただければと存じます。
以上でございます。
二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現、これは大変高い目標でございますけれども、一方で、真に持続可能な地域社会、そのありようをデザインする大きなチャンスであるとも受け止めております。市民、事業者と連携し、市はこれを牽引しながら、地域一丸となって取組を推進してまいりたいと考えております。
衆議院環境委員会の皆様の一層のお力添えを申し上げまして、御説明を終わらせていただきます。
本日は、どうもありがとうございました。拍手
石
中
中村涼夏#4
○中村参考人 皆さん、おはようございます。早急な気候変動対策を求める若者の運動、Fridays For Future KagoshimaとJapanでオーガナイザーをしています鹿児島大学二年の中村涼夏です。
今回は、参考人として、二〇三〇年NDC発表の翌日というタイミングに機会をいただけたこと、感謝いたします。
私が環境問題を感じるときはいつでも、当たり前を失うことに気づくときです。鹿児島県の指宿市で生まれ、一時期種子島にも住んでいた私は、保育園帰りに母とエメラルドグリーン色の海に通うことが日課でした。しかし、親の転勤で名古屋に引っ越し、海を見たとき、信じられませんでした。そこには、鼻をつくような臭いと、黒く海底の見えない、工場が建ち並ぶ下に広がる海があったのです。私が知っている当たり前の海ではありませんでした。人の手でここまで自然環境を変えてしまうことができるんだ、身をもって実感したのです。そのような体験もあり、高校二年生から生物多様性保全に関わりましたが、当時は、気候変動に対し、生物多様性の一つの問題にすぎないと過小評価をしていました。
しかし、二〇一九年、高校三年生の夏、スウェーデンの少女、グレタの言葉、あなたたち大人は、子供たちを愛していると言いながら、その目の前で子供たちの未来を奪っているのですや、私たちの家が燃えているを聞き、私たちの当たり前に存在するはずの未来は気候変動によって脅かされていることを知りました。
そして、この気候変動という恐怖は、決して私たちの意見ではなく、科学者の声であり、現在実際に起こっている事実なのです。
NASAは、世界平均気温が十九世紀後半から既に一・二度以上上昇したと報告しています。地球温暖化が現在の速度で進行すると、早ければ二〇三〇年に気温が一・五度に達する可能性が高いとIPCCは警鐘を鳴らしています。気候危機から国民を守るためには一・五度目標に整合する対策を実行することが政府の責務です。
これを果たすためには国内の温室効果ガス排出を二〇三〇年までに二〇一三年比で六二%を削減する必要があるとクライメート・アクション・トラッカーは報告しています。これまで二酸化炭素を排出してきた歴史的経緯を考慮すると、それ以上の削減が求められます。地球温暖化や気候変動は、その被害の大きさから気候危機として認識され、取り組まなければいけない問題です。国連は、地球温暖化が生きる権利や食料、水、住宅、市民権や参政権など、あらゆる人権に影響を及ぼす可能性があると発表しています。
昨日、菅首相から、二〇三〇年NDCを二〇一三年比四六%にするとの発表がありました。私は、この数値を聞いたとき、皆さん方大人に、あなたたちの未来と命はないと宣告されたように感じました。絶望しました。このNDC四六%という目標は、気候危機から国民の命を守るという責任を放棄したように思えます。結局は、海外からの圧力と内部の既得権益のみによって決められてしまったのです。若者の声を積極的に聞き入れたい、そんな表面だけの口約束はもう十分です。
このような状況を踏まえて、私たちは皆、気候正義という考えを大切にしなければなりません。この正義とは、悪に対する正義ではなく、英語のジャスティスや公正、フェアな状態を表す概念です。正義の対義語は不正義です。世界の温室効果ガス排出量は、日本を含む裕福な一〇%の国々が四九%を排出し、最も貧しい五〇%の国々はたったの一〇%しか排出していません。世界は今、不正義にあふれ返っています。
日本のCO2を一人当たり十八分の一しか排出していないバングラデシュでは、千九百万人以上の子供が気候変動によって命の危機にさらされています。そうした海面上昇や洪水、干ばつなどが深刻化する地域に住み続けることができなくなってしまった気候変動難民も、今後数百万人単位で増え続けます。国連によると、その中でも、世界全体で気候変動により移動を余儀なくされた人々の八〇%が女性だったと報告されています。また、アメリカなどでは、人種的なマイノリティーが特に大気汚染の深刻な地域に追いやられるという構造が起きています。これは、日本が環境基準の低い国々に低効率の石炭火力発電を設置し、現地の大気汚染、住民の健康被害を悪化させていることと通底しています。
世界で五番目に多くCO2を排出している日本が、さきに述べたような気候変動難民の増加に寄与していることは自明です。日本は、こうした理由で住みかを放逐された人々を保護する責任があるにもかかわらず、彼らを送還するような仕組みづくりがされています。気候危機は、最近改正された入管法など、関連がないように思える問題にも大きく関わっているのです。
気候危機は、既に日本を襲っています。二〇一八年のグローバル気候リスク指標で、台風や熱波などの災害から最も影響を受けた国として日本が挙げられました。これは、日本が既に気候危機の渦中にあることを表しています。
それを裏づけるかのごとく、二〇一九年の台風十九号は、死者九十名、住居の全半壊や浸水を合わせて七万四千件を超える甚大な被害をもたらしました。また、この被害の数字の奥には、その人に関わる家族や友人、大切な人々が存在するのです。私たちが気候変動対策を早急に行うのは、全ての人の平等な人権を保障し、全ての生き物の平等な命を犠牲にしないためだということを決して忘れてはいけません。
そして、気候危機は、日本国内においても至る所の不正義を顕在化させてきました。
皆さんは、二〇一九年の台風十九号の際、三名のホームレスの方々が避難所への受入れを拒否されたことを御存じでしょうか。これは、災害時に社会的に排除されてきた人々が差別を受ける構造を浮き彫りにしたと言えます。また、防災の観点も、災害に強い住居、災害保険や防災グッズの用意ができるのも経済力があることが大前提です。また、気候危機は、既に、ジェンダー格差を更に広げてしまいます。例えば、女性は災害時、家事などで他人の世話を強いられることが少なくありません。これは世界においても共通です。
そして、気候危機の時代を生き抜くのは、紛れもなく私たち将来世代です。私たちは、既にコロナ対策で発行された国債がのしかかっているにもかかわらず、今後増え続ける気候災害の経済損失も被ります。少子化対策など必要だと言われていますが、そんな経済や気候変動の状況の中で子供を産みたいと思う人はどれほどいるでしょうか。皆さんの年金を払う将来世代が生きられないかもしれないという世界をつくり出しているのです。
しかし、こうした格差は国政の場にもはびこっています。
中でも、エネルギー政策に関する審議会では、偏った人選の委員により一面的な判断が行われていることに不信感を抱かざるを得ません。中でも、委員会は高齢の方が多く、将来世代である私たち若者の視点を持つには非合理的です。
私たちが求めているのは、格差構造にはびこる不正義を認識し、それを正すような政策です。そのために、若者だけでなく、気候変動の被害を受けやすい人々など、多様な層からの意見を受けることが必要です。世界でも日本でも気候市民会議が行われ、公的でなくてもそういった事例は幾つもあります。意見箱の設置やパブリックコメントなど形式的な制度ではなく、ステークホルダーに知識を与え、その上で公正な形で意見を反映させる制度が必要です。気候変動政策という複雑で多くの側面を持つ問題は、一部の人の意見ではなく、対話を重視した議論によってつくられるべきです。
これは、国や地方における議員の皆さんの真剣な議論と対策を広く国民に伝え、新たな視点を得ることだけでなく、政策を正しく評価し、更に国民の意識を高めるための鍵となります。
現在、エネルギー政策は、火力や原子力、実用的でない技術に依存しています。それらは、大気や海洋、環境の汚染など様々な問題をはらみ、地域や世代などの格差構造に深く依存しています。
しかし、審議会では、倫理的観点を単なる感情論として拒絶し議論をする余り、現地の環境汚染や将来世代に果てしのないツケを残してしまっています。
アメリカの環境正義を専門とした部署の設置や化石燃料産業からの公正な移行への積極的投資など、各国のグリーンニューディール政策からも見て取れるように、気候変動対策において倫理観の重みは増しています。こうした倫理的観点を受け止め重んじることは、日本が気候リーダーシップを取り、世界を牽引する上でも欠かせないものとなります。
世界の気候変動対策に大きな後れを取る今の日本において、大きな変化をもたらすために果たすべき重要な役割があります。それは、民主的な政策決定プロセスを再構築し、カーボンニュートラル達成に向けたビジョンを市民とともに描くことで、国民の求める未来像をつくり出すことです。倫理的、経済的、科学的にも整合性のあるNDCや再エネ導入目標をバックキャストで策定することによって、エネルギー政策及び気候変動対策の議論をより前進させることができます。これは、私たちの目指す、格差からの逃避という静かな暴力も気候危機もない社会への大きな一歩です。
こうした未来のために温暖化対策推進法の果たす役割は非常に大きいと考えています。その上で、温暖化対策推進法改正案に対する私たちの問題意識を主に四点、述べさせていただきます。
一点目は、二〇五〇年までの脱炭素社会実現を目標ではなく基本理念に位置づけたにもかかわらず、NDCが四六%と、明らかにこの改正案に整合性のある数字ではないことです。首相官邸主導だからといって、省庁横断的な取組がなされていないことは、これからの脱炭素化に暗雲が差します。
二点目は、計画の再評価と見直しの必要性が述べられていないことです。改正案では計画の制定や事業の推進を進めていますが、これが再評価、見直しされていなければ、目まぐるしく変わる社会情景や科学の進歩、気候危機に対応した計画になり得ません。現に、計画の見直しをする予定がないと言っている自治体は少なくありません。こうした計画的手法にも再評価し、見直すシステムを温暖化対策推進法の中で位置づけるべきです。
三点目は、現在の改正案では、自治体の協議会にて市町村が必要とする者のみが参加できるとしていることです。しかし、私たちに影響する問題だからこそ、私たちができる限り政策決定に関わるべきだと思います。その点から、先ほど述べた国の審議会の問題解決案と同様に、ステークホルダーに知識を与え、その上で公正な形で意見を反映させることがこの法案では必要です。基本理念に、地球温暖化対策の推進の主体として国民が先頭に掲げられるとしているならなおさらでしょう。
四点目は、事業計画の認定と円滑化と題した関係法案のワンストップサービス化によって、適切な科学的な評価がなくなり、気候変動の解決以前に、人や生物、環境に悪影響を及ぼす可能性が十分に高まっている点です。保全区域の設定だけでなく、現在ある国立公園やその他地域の生物多様性の観点から、適正な評価、また、設置する地域の市民の理解と安全の確保、将来世代を見据えた再生可能エネルギーの設置が必要です。果たして、これを法として自治体に任せておくべきでしょうか。気候変動を解決する手段で、見えない誰か、生物に対し、格差構造から成る静かな暴力を振るうことは決して許されません。
気候危機は、見えづらい格差に立ち向かう問題です。頭では分かっていても、緊急性を実感することはなかなか難しいかもしれません。だからこそ、私たちの想像力が必要です。今までの社会システムを疑い、想像力を働かせるために、当事者の声が不可欠です。社会的弱者や静かな暴力の被害になっている人々の声を聞き、市民を巻き込んだ政治を行うことで、解決の第一歩となります。
一・五度目標の実現は、皆さんを含む私たち全員にとって、大切な人と自分自身、その命が懸かっている問題、安定した年金が懸かっている問題、人生設計を大きく揺るがす問題です。今だからこそ、まだ間に合うのです。
気候危機も静かな暴力もない社会へ、一緒に変化になりましょう。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →今回は、参考人として、二〇三〇年NDC発表の翌日というタイミングに機会をいただけたこと、感謝いたします。
私が環境問題を感じるときはいつでも、当たり前を失うことに気づくときです。鹿児島県の指宿市で生まれ、一時期種子島にも住んでいた私は、保育園帰りに母とエメラルドグリーン色の海に通うことが日課でした。しかし、親の転勤で名古屋に引っ越し、海を見たとき、信じられませんでした。そこには、鼻をつくような臭いと、黒く海底の見えない、工場が建ち並ぶ下に広がる海があったのです。私が知っている当たり前の海ではありませんでした。人の手でここまで自然環境を変えてしまうことができるんだ、身をもって実感したのです。そのような体験もあり、高校二年生から生物多様性保全に関わりましたが、当時は、気候変動に対し、生物多様性の一つの問題にすぎないと過小評価をしていました。
しかし、二〇一九年、高校三年生の夏、スウェーデンの少女、グレタの言葉、あなたたち大人は、子供たちを愛していると言いながら、その目の前で子供たちの未来を奪っているのですや、私たちの家が燃えているを聞き、私たちの当たり前に存在するはずの未来は気候変動によって脅かされていることを知りました。
そして、この気候変動という恐怖は、決して私たちの意見ではなく、科学者の声であり、現在実際に起こっている事実なのです。
NASAは、世界平均気温が十九世紀後半から既に一・二度以上上昇したと報告しています。地球温暖化が現在の速度で進行すると、早ければ二〇三〇年に気温が一・五度に達する可能性が高いとIPCCは警鐘を鳴らしています。気候危機から国民を守るためには一・五度目標に整合する対策を実行することが政府の責務です。
これを果たすためには国内の温室効果ガス排出を二〇三〇年までに二〇一三年比で六二%を削減する必要があるとクライメート・アクション・トラッカーは報告しています。これまで二酸化炭素を排出してきた歴史的経緯を考慮すると、それ以上の削減が求められます。地球温暖化や気候変動は、その被害の大きさから気候危機として認識され、取り組まなければいけない問題です。国連は、地球温暖化が生きる権利や食料、水、住宅、市民権や参政権など、あらゆる人権に影響を及ぼす可能性があると発表しています。
昨日、菅首相から、二〇三〇年NDCを二〇一三年比四六%にするとの発表がありました。私は、この数値を聞いたとき、皆さん方大人に、あなたたちの未来と命はないと宣告されたように感じました。絶望しました。このNDC四六%という目標は、気候危機から国民の命を守るという責任を放棄したように思えます。結局は、海外からの圧力と内部の既得権益のみによって決められてしまったのです。若者の声を積極的に聞き入れたい、そんな表面だけの口約束はもう十分です。
このような状況を踏まえて、私たちは皆、気候正義という考えを大切にしなければなりません。この正義とは、悪に対する正義ではなく、英語のジャスティスや公正、フェアな状態を表す概念です。正義の対義語は不正義です。世界の温室効果ガス排出量は、日本を含む裕福な一〇%の国々が四九%を排出し、最も貧しい五〇%の国々はたったの一〇%しか排出していません。世界は今、不正義にあふれ返っています。
日本のCO2を一人当たり十八分の一しか排出していないバングラデシュでは、千九百万人以上の子供が気候変動によって命の危機にさらされています。そうした海面上昇や洪水、干ばつなどが深刻化する地域に住み続けることができなくなってしまった気候変動難民も、今後数百万人単位で増え続けます。国連によると、その中でも、世界全体で気候変動により移動を余儀なくされた人々の八〇%が女性だったと報告されています。また、アメリカなどでは、人種的なマイノリティーが特に大気汚染の深刻な地域に追いやられるという構造が起きています。これは、日本が環境基準の低い国々に低効率の石炭火力発電を設置し、現地の大気汚染、住民の健康被害を悪化させていることと通底しています。
世界で五番目に多くCO2を排出している日本が、さきに述べたような気候変動難民の増加に寄与していることは自明です。日本は、こうした理由で住みかを放逐された人々を保護する責任があるにもかかわらず、彼らを送還するような仕組みづくりがされています。気候危機は、最近改正された入管法など、関連がないように思える問題にも大きく関わっているのです。
気候危機は、既に日本を襲っています。二〇一八年のグローバル気候リスク指標で、台風や熱波などの災害から最も影響を受けた国として日本が挙げられました。これは、日本が既に気候危機の渦中にあることを表しています。
それを裏づけるかのごとく、二〇一九年の台風十九号は、死者九十名、住居の全半壊や浸水を合わせて七万四千件を超える甚大な被害をもたらしました。また、この被害の数字の奥には、その人に関わる家族や友人、大切な人々が存在するのです。私たちが気候変動対策を早急に行うのは、全ての人の平等な人権を保障し、全ての生き物の平等な命を犠牲にしないためだということを決して忘れてはいけません。
そして、気候危機は、日本国内においても至る所の不正義を顕在化させてきました。
皆さんは、二〇一九年の台風十九号の際、三名のホームレスの方々が避難所への受入れを拒否されたことを御存じでしょうか。これは、災害時に社会的に排除されてきた人々が差別を受ける構造を浮き彫りにしたと言えます。また、防災の観点も、災害に強い住居、災害保険や防災グッズの用意ができるのも経済力があることが大前提です。また、気候危機は、既に、ジェンダー格差を更に広げてしまいます。例えば、女性は災害時、家事などで他人の世話を強いられることが少なくありません。これは世界においても共通です。
そして、気候危機の時代を生き抜くのは、紛れもなく私たち将来世代です。私たちは、既にコロナ対策で発行された国債がのしかかっているにもかかわらず、今後増え続ける気候災害の経済損失も被ります。少子化対策など必要だと言われていますが、そんな経済や気候変動の状況の中で子供を産みたいと思う人はどれほどいるでしょうか。皆さんの年金を払う将来世代が生きられないかもしれないという世界をつくり出しているのです。
しかし、こうした格差は国政の場にもはびこっています。
中でも、エネルギー政策に関する審議会では、偏った人選の委員により一面的な判断が行われていることに不信感を抱かざるを得ません。中でも、委員会は高齢の方が多く、将来世代である私たち若者の視点を持つには非合理的です。
私たちが求めているのは、格差構造にはびこる不正義を認識し、それを正すような政策です。そのために、若者だけでなく、気候変動の被害を受けやすい人々など、多様な層からの意見を受けることが必要です。世界でも日本でも気候市民会議が行われ、公的でなくてもそういった事例は幾つもあります。意見箱の設置やパブリックコメントなど形式的な制度ではなく、ステークホルダーに知識を与え、その上で公正な形で意見を反映させる制度が必要です。気候変動政策という複雑で多くの側面を持つ問題は、一部の人の意見ではなく、対話を重視した議論によってつくられるべきです。
これは、国や地方における議員の皆さんの真剣な議論と対策を広く国民に伝え、新たな視点を得ることだけでなく、政策を正しく評価し、更に国民の意識を高めるための鍵となります。
現在、エネルギー政策は、火力や原子力、実用的でない技術に依存しています。それらは、大気や海洋、環境の汚染など様々な問題をはらみ、地域や世代などの格差構造に深く依存しています。
しかし、審議会では、倫理的観点を単なる感情論として拒絶し議論をする余り、現地の環境汚染や将来世代に果てしのないツケを残してしまっています。
アメリカの環境正義を専門とした部署の設置や化石燃料産業からの公正な移行への積極的投資など、各国のグリーンニューディール政策からも見て取れるように、気候変動対策において倫理観の重みは増しています。こうした倫理的観点を受け止め重んじることは、日本が気候リーダーシップを取り、世界を牽引する上でも欠かせないものとなります。
世界の気候変動対策に大きな後れを取る今の日本において、大きな変化をもたらすために果たすべき重要な役割があります。それは、民主的な政策決定プロセスを再構築し、カーボンニュートラル達成に向けたビジョンを市民とともに描くことで、国民の求める未来像をつくり出すことです。倫理的、経済的、科学的にも整合性のあるNDCや再エネ導入目標をバックキャストで策定することによって、エネルギー政策及び気候変動対策の議論をより前進させることができます。これは、私たちの目指す、格差からの逃避という静かな暴力も気候危機もない社会への大きな一歩です。
こうした未来のために温暖化対策推進法の果たす役割は非常に大きいと考えています。その上で、温暖化対策推進法改正案に対する私たちの問題意識を主に四点、述べさせていただきます。
一点目は、二〇五〇年までの脱炭素社会実現を目標ではなく基本理念に位置づけたにもかかわらず、NDCが四六%と、明らかにこの改正案に整合性のある数字ではないことです。首相官邸主導だからといって、省庁横断的な取組がなされていないことは、これからの脱炭素化に暗雲が差します。
二点目は、計画の再評価と見直しの必要性が述べられていないことです。改正案では計画の制定や事業の推進を進めていますが、これが再評価、見直しされていなければ、目まぐるしく変わる社会情景や科学の進歩、気候危機に対応した計画になり得ません。現に、計画の見直しをする予定がないと言っている自治体は少なくありません。こうした計画的手法にも再評価し、見直すシステムを温暖化対策推進法の中で位置づけるべきです。
三点目は、現在の改正案では、自治体の協議会にて市町村が必要とする者のみが参加できるとしていることです。しかし、私たちに影響する問題だからこそ、私たちができる限り政策決定に関わるべきだと思います。その点から、先ほど述べた国の審議会の問題解決案と同様に、ステークホルダーに知識を与え、その上で公正な形で意見を反映させることがこの法案では必要です。基本理念に、地球温暖化対策の推進の主体として国民が先頭に掲げられるとしているならなおさらでしょう。
四点目は、事業計画の認定と円滑化と題した関係法案のワンストップサービス化によって、適切な科学的な評価がなくなり、気候変動の解決以前に、人や生物、環境に悪影響を及ぼす可能性が十分に高まっている点です。保全区域の設定だけでなく、現在ある国立公園やその他地域の生物多様性の観点から、適正な評価、また、設置する地域の市民の理解と安全の確保、将来世代を見据えた再生可能エネルギーの設置が必要です。果たして、これを法として自治体に任せておくべきでしょうか。気候変動を解決する手段で、見えない誰か、生物に対し、格差構造から成る静かな暴力を振るうことは決して許されません。
気候危機は、見えづらい格差に立ち向かう問題です。頭では分かっていても、緊急性を実感することはなかなか難しいかもしれません。だからこそ、私たちの想像力が必要です。今までの社会システムを疑い、想像力を働かせるために、当事者の声が不可欠です。社会的弱者や静かな暴力の被害になっている人々の声を聞き、市民を巻き込んだ政治を行うことで、解決の第一歩となります。
一・五度目標の実現は、皆さんを含む私たち全員にとって、大切な人と自分自身、その命が懸かっている問題、安定した年金が懸かっている問題、人生設計を大きく揺るがす問題です。今だからこそ、まだ間に合うのです。
気候危機も静かな暴力もない社会へ、一緒に変化になりましょう。
御清聴ありがとうございました。拍手
石
高
高村ゆかり#6
○高村参考人 東京大学の高村でございます。
本日は、環境委員会で意見を述べる機会をいただきましたことをお礼申し上げます。
私の方、資料を事務局がお配りいただいておりますけれども、昨日、菅総理から、二〇三〇年の目標について表明がありました。五〇年カーボンニュートラルと整合的な三〇年の目標ということで、一三年度四六%削減、そして、更に五〇%の高みに向けて挑戦をするというものであります。
その中でも、再生可能エネルギーなど脱炭素電源の最大限の活用、地域の脱炭素化への支援といった点についても触れられております。
次の三枚目のスライドでございますけれども、先生方よく御存じのとおり、温暖化対策推進法の改正については大きく三つのポイントがございます。一つは、パリ協定、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言等を踏まえた基本理念の規定、そして、地域の脱炭素化に貢献する事業を促進する計画・認定制度の創設、脱炭素経営の促進に向けた企業の排出量情報のデジタル化、オープンデータ化の推進でございます。
私は、こうした温暖化対策推進法改正の背景についてお話を申し上げた後に、改正の内容について意見を述べさせていただきます。
次のスライドにございますように、カーボンニュートラルに向けて、現在、世界が大きく動き出しております。これは、二〇一五年に合意をされ、一六年に日本も締結をいたしましたパリ協定の長期の目標の一・五度に気温上昇を抑えるという目標に整合をする、二〇五〇年カーボンニュートラルに向かう大きな動きでございます。
御存じのとおり、昨年の十月、二〇五〇年カーボンニュートラル、菅総理の演説は、国会でも大きな与野党超えた支持を得て、受け入れられたものと理解をしております。
次のスライド、五枚目でございますけれども、先ほど小田原市、守屋市長からもありましたように、現在、実に多くの自治体、人口でいきますと一億一千万を超える規模の自治体が、二〇五〇年二酸化炭素排出ゼロを宣言をするに至っております。
次のスライド以降は、日本企業の動きでございます。
サイエンス・ベースド・ターゲットという国際的なイニシアチブを御紹介をしておりますけれども、スライドの七枚目、こちらは、日本に本社を置く企業で、パリ協定の長期目標と整合的な目標、二〇五〇年カーボンニュートラルも含む、こうした長期的なパリ協定と同じ整合的な目標を掲げる企業が国際的に認められたものとしても既に九十七社、準備をしている企業も三十社に及んでいます。
スライドの八枚目では、こうした目標を達成するために、再生可能エネルギー電気一〇〇%で事業を行うことを明確に約束をする企業でございます。
スライドの九枚目と十枚目は、こうした国際的イニシアチブの外でも、既に、ガス会社、電力会社、JRあるいはJAL、こうしたエネルギーを供給する事業者や、エネルギーを多く使いながら自分たちでも発電、エネルギーの供給をしている事業者が、五〇年カーボンニュートラルに向けて大きく動いているということでございます。
冒頭に、五〇年の目標に整合的な三〇年目標ということをお話をいたしました。スライドの十一枚目は、既に、国に先駆けて、野心的な三〇年目標を掲げる企業が多数出てきているということでございます。
それでは、なぜ企業がこうしたカーボンニュートラルに動いているのかということでございますけれども、気候変動の影響、とりわけ昨今の気象災害などに感じられる気候変動の悪影響の現実化への懸念というのがまずございます。しかしながら、もう一つ非常に重要な点は、企業にとって気候変動問題にいかに取り組んでいるか、排出をしないで事業ができるかどうかということが、取引先からの企業の評価や株式市場における企業の評価を左右するに至っているという点でございます。
一つの例として、スライドの十三に、アサヒグループホールディングス、飲料食品メーカーのアサヒグループホールディングスの目標を御紹介をしております。
スコープ1、2と書いておりますが、こちらは、アサヒグループホールディングスが、自らの事業から直接排出をする排出量について、一九年比五〇%の削減を三〇年目標として掲げております。さらに、その下にスコープ3の排出量というのがございますけれども、これは、アサヒグループホールディングスが取引をしている企業の排出量についても削減目標を持っているということでございます。このことは、排出をしないで事業ができるということが取引先から選ばれる、そういう状況が現在生じているということであります。
この動きは世界的にも広まっておりまして、スライド十五、十六でマイクロソフトとアップルの取組を御紹介をしておりますけれども、マイクロソフト社は、今年の七月までに、取引先選定のプロセスにおいて、取引先候補の排出量がどうなっているかを見ながら取引先を選定する、そういうプロセスを開始をいたします。
アメリカ・アップル社は、アップル製品の製造について、排出をしないで、再生可能エネルギーを利用した製造をサプライヤーに対して求めております。日本企業でも、こちらに御紹介をしていますように、既に昨年の段階で八社が再生可能エネルギー一〇〇%でのアップル製品の製造ということを約束をしております。
スライドの十七枚目は、トヨタ自動車のケースでございます。
今、モビリティーの分野で電動化が大きく進んでおりますけれども、電動車への対応は、車製造全体のプロセスにおけるCO2の排出量を増やす可能性がある。それを減らすためにも、再生可能エネルギーの入手可能性やコストの低減ということが必要であり、これが自動車分野、モビリティーの分野における産業競争力に関わる問題であるという指摘をしています。
スライドの十八、十九枚目のところでは、日本に本社を置く企業が、こうした環境を重視をする、とりわけ再生可能エネルギーでの事業をする企業を選択をして、そのサプライチェーンをつくろうとしている、そういう動きを御紹介をしております。
日本の企業は、こうした再生可能エネルギーを調達をして事業してほしいというふうに要請する大きなグローバル企業の下で、取引先として選ばれているケースが多くございます。もしそれができないということになりますと、実に八兆円を超えるような規模の事業機会の損失につながる可能性があるということでございます。
それはスライドの二十に御紹介をしておりますが、残念ながら、日本は、電力一単位当たりのCO2排出量が先進国の中でも最も高い国の一つでございます。
もう一つ、企業が二〇五〇年カーボンニュートラルに先駆けて動いている理由の一つが金融投資家の動きでございます。
スライドの二十一に御紹介をしておりますけれども、ESG投資、環境や社会、企業の統治を考慮をした投資の動きが強まっておりますが、とりわけその中でも、気候変動に対して大きな関心が寄せられております。
企業は、投資家から、経営において気候変動をどれだけ考慮をしているかということが問われ、情報を公開、開示をすることが求められるようになっております。その情報に基づいて、投資家、金融機関が投融資を行うという動きでございます。
こうした動きを踏まえて、スライドの二十三でございますけれども、需要家、エネルギーの需要家でございます事業会社や、あるいは、その立地となっております地域から、再生可能エネルギーの二〇三〇年目標の引上げ、温暖化目標の引上げについて強い意見が出てきております。
スライドの二十四枚目から、今回の温暖化対策推進法改正について意見を申し上げたいと思います。
まず一点目の、パリ協定、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言等を踏まえた基本理念の規定の追加というのは極めて重要だというふうに考えております。
それは、国、国民、地方公共団体、事業者、あらゆる主体がその実現を共通のものとして目指すビジョンを明確にし、そこに向けて取組を進めるというためであります。それが各主体の行動を促すとともに、非常に重要な点だと思いますが、脱炭素社会に必要なインフラ、社会の在り方を支えるお金の流れ、投資の予見可能性をとりわけ事業者に対してつけていくという点であります。
日本の場合、エネルギー起源の、エネルギーの利用に伴うCO2の排出量が、温室効果ガス排出量の八五%ございます。エネルギーインフラ、発電の設備も含めたエネルギーインフラといった、立地をし、それを建て、運用していく時間の長いものについて、長期的な政策の見通しをつけていくということが、こうしたインフラの転換を進めていく大きな動機になってまいります。法にこれを定めるということが、国の政策の安定性と予見可能性を高めるものと考えます。
スライドの二十五枚目に、地域の脱炭素化に貢献する事業を促進する計画・認定制度についてでございますが、こちらは、再生可能エネルギー導入の現在の課題の一つが土地の制約の問題であり、社会において再生可能エネルギー事業が受け入れられるかという社会的受容性の問題、課題があるという観点から、非常に重要な制度の創設だというふうに考えます。
本来、再生可能エネルギーの導入は、先ほどの小田原市からの意見陳述にもありましたように、導入の仕方によって、地域にとって大きなメリットをもたらします。
スライドの二十七の例を御覧いただきたいと思います。千葉県の匝瑳市、これは地域の住民が主導したものでありますけれども、再生可能エネルギーの買取り制度を利用して、荒廃農地に発電事業を行い、そこで得られた収益を、若い農業従事者が有機農法で農業をしていくための支援をする、そして、荒廃農地に放棄されたごみの撤去などの地域の環境改善に使われている例でございます。
スライドの二十八枚目は千葉県の睦沢の例でございますけれども、こちらは、環境省、経産省の支援を得て、地域の天然ガスを使いながら太陽光などを組み合わせた再生可能エネルギー、地域での再生可能エネルギー事業でございます。二〇一九年の台風十五号時に停電をしたときに、電力インフラの地域の重要な防災拠点として、ここで提供される電力、エネルギーというのが住民の停電期間中の生活を支えたという例でございます。
そして、スライドの二十九が、環境省の支援事業だと理解をしておりますが、京セラのゼロエミッションデータセンターを北海道と石狩市が誘致をしている例であります。これは、再生可能エネルギーが豊かな地域において、電力多消費型のデータセンターを誘致をすることで地域に雇用を生み出す、そうした取組でもございます。
こうした制度が、こうした区域の指定を通じて促進事業が認定をされ優遇される仕組みというのが、地域主導で地域の再生可能エネルギーを導入をしていく上で大きな役割を果たすことを期待をしております。
スライドの三十枚目でございますけれども、企業の排出量データのデジタル化、オープンデータ化についてはもちろん、先ほど御紹介しましたように、企業のこうしたデータが開示をされることが、企業の評価を投資家、金融機関、取引先に対して明らかにしていく上でも役に立っていくというふうに考えます。
最後、スライドの三十一枚目でございます。
今回の法改正に当たって、是非先生方に、この法改正の後に、その実施に当たって御検討いただきたいという要望を込めております。
改正案そのものは非常に重要だと思いますけれども、やはり、基本理念と整合的な施策の導入が引き続きなされるかどうかについて、是非その点について確保をいただきたいという点でございます。これは、対策全体としての効果とともに、それぞれの対策がこうした二〇五〇年カーボンニュートラルに整合しているかどうかという点です。
もう一つは、地方自治体の支援でございます。とりわけ市町村に対して、情報と人材と資金の支援というのをお願いしたいと思います。
最後は、促進事業を促すインセンティブとして、温対法上も様々なインセンティブを用意をされておりますけれども、再生可能エネルギー事業に関して言いますと、送配電網へのアクセスですとか再エネの買取り制度での優遇なども省庁を超えて御検討いただきたいというふうに思います。
以上でございます。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、環境委員会で意見を述べる機会をいただきましたことをお礼申し上げます。
私の方、資料を事務局がお配りいただいておりますけれども、昨日、菅総理から、二〇三〇年の目標について表明がありました。五〇年カーボンニュートラルと整合的な三〇年の目標ということで、一三年度四六%削減、そして、更に五〇%の高みに向けて挑戦をするというものであります。
その中でも、再生可能エネルギーなど脱炭素電源の最大限の活用、地域の脱炭素化への支援といった点についても触れられております。
次の三枚目のスライドでございますけれども、先生方よく御存じのとおり、温暖化対策推進法の改正については大きく三つのポイントがございます。一つは、パリ協定、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言等を踏まえた基本理念の規定、そして、地域の脱炭素化に貢献する事業を促進する計画・認定制度の創設、脱炭素経営の促進に向けた企業の排出量情報のデジタル化、オープンデータ化の推進でございます。
私は、こうした温暖化対策推進法改正の背景についてお話を申し上げた後に、改正の内容について意見を述べさせていただきます。
次のスライドにございますように、カーボンニュートラルに向けて、現在、世界が大きく動き出しております。これは、二〇一五年に合意をされ、一六年に日本も締結をいたしましたパリ協定の長期の目標の一・五度に気温上昇を抑えるという目標に整合をする、二〇五〇年カーボンニュートラルに向かう大きな動きでございます。
御存じのとおり、昨年の十月、二〇五〇年カーボンニュートラル、菅総理の演説は、国会でも大きな与野党超えた支持を得て、受け入れられたものと理解をしております。
次のスライド、五枚目でございますけれども、先ほど小田原市、守屋市長からもありましたように、現在、実に多くの自治体、人口でいきますと一億一千万を超える規模の自治体が、二〇五〇年二酸化炭素排出ゼロを宣言をするに至っております。
次のスライド以降は、日本企業の動きでございます。
サイエンス・ベースド・ターゲットという国際的なイニシアチブを御紹介をしておりますけれども、スライドの七枚目、こちらは、日本に本社を置く企業で、パリ協定の長期目標と整合的な目標、二〇五〇年カーボンニュートラルも含む、こうした長期的なパリ協定と同じ整合的な目標を掲げる企業が国際的に認められたものとしても既に九十七社、準備をしている企業も三十社に及んでいます。
スライドの八枚目では、こうした目標を達成するために、再生可能エネルギー電気一〇〇%で事業を行うことを明確に約束をする企業でございます。
スライドの九枚目と十枚目は、こうした国際的イニシアチブの外でも、既に、ガス会社、電力会社、JRあるいはJAL、こうしたエネルギーを供給する事業者や、エネルギーを多く使いながら自分たちでも発電、エネルギーの供給をしている事業者が、五〇年カーボンニュートラルに向けて大きく動いているということでございます。
冒頭に、五〇年の目標に整合的な三〇年目標ということをお話をいたしました。スライドの十一枚目は、既に、国に先駆けて、野心的な三〇年目標を掲げる企業が多数出てきているということでございます。
それでは、なぜ企業がこうしたカーボンニュートラルに動いているのかということでございますけれども、気候変動の影響、とりわけ昨今の気象災害などに感じられる気候変動の悪影響の現実化への懸念というのがまずございます。しかしながら、もう一つ非常に重要な点は、企業にとって気候変動問題にいかに取り組んでいるか、排出をしないで事業ができるかどうかということが、取引先からの企業の評価や株式市場における企業の評価を左右するに至っているという点でございます。
一つの例として、スライドの十三に、アサヒグループホールディングス、飲料食品メーカーのアサヒグループホールディングスの目標を御紹介をしております。
スコープ1、2と書いておりますが、こちらは、アサヒグループホールディングスが、自らの事業から直接排出をする排出量について、一九年比五〇%の削減を三〇年目標として掲げております。さらに、その下にスコープ3の排出量というのがございますけれども、これは、アサヒグループホールディングスが取引をしている企業の排出量についても削減目標を持っているということでございます。このことは、排出をしないで事業ができるということが取引先から選ばれる、そういう状況が現在生じているということであります。
この動きは世界的にも広まっておりまして、スライド十五、十六でマイクロソフトとアップルの取組を御紹介をしておりますけれども、マイクロソフト社は、今年の七月までに、取引先選定のプロセスにおいて、取引先候補の排出量がどうなっているかを見ながら取引先を選定する、そういうプロセスを開始をいたします。
アメリカ・アップル社は、アップル製品の製造について、排出をしないで、再生可能エネルギーを利用した製造をサプライヤーに対して求めております。日本企業でも、こちらに御紹介をしていますように、既に昨年の段階で八社が再生可能エネルギー一〇〇%でのアップル製品の製造ということを約束をしております。
スライドの十七枚目は、トヨタ自動車のケースでございます。
今、モビリティーの分野で電動化が大きく進んでおりますけれども、電動車への対応は、車製造全体のプロセスにおけるCO2の排出量を増やす可能性がある。それを減らすためにも、再生可能エネルギーの入手可能性やコストの低減ということが必要であり、これが自動車分野、モビリティーの分野における産業競争力に関わる問題であるという指摘をしています。
スライドの十八、十九枚目のところでは、日本に本社を置く企業が、こうした環境を重視をする、とりわけ再生可能エネルギーでの事業をする企業を選択をして、そのサプライチェーンをつくろうとしている、そういう動きを御紹介をしております。
日本の企業は、こうした再生可能エネルギーを調達をして事業してほしいというふうに要請する大きなグローバル企業の下で、取引先として選ばれているケースが多くございます。もしそれができないということになりますと、実に八兆円を超えるような規模の事業機会の損失につながる可能性があるということでございます。
それはスライドの二十に御紹介をしておりますが、残念ながら、日本は、電力一単位当たりのCO2排出量が先進国の中でも最も高い国の一つでございます。
もう一つ、企業が二〇五〇年カーボンニュートラルに先駆けて動いている理由の一つが金融投資家の動きでございます。
スライドの二十一に御紹介をしておりますけれども、ESG投資、環境や社会、企業の統治を考慮をした投資の動きが強まっておりますが、とりわけその中でも、気候変動に対して大きな関心が寄せられております。
企業は、投資家から、経営において気候変動をどれだけ考慮をしているかということが問われ、情報を公開、開示をすることが求められるようになっております。その情報に基づいて、投資家、金融機関が投融資を行うという動きでございます。
こうした動きを踏まえて、スライドの二十三でございますけれども、需要家、エネルギーの需要家でございます事業会社や、あるいは、その立地となっております地域から、再生可能エネルギーの二〇三〇年目標の引上げ、温暖化目標の引上げについて強い意見が出てきております。
スライドの二十四枚目から、今回の温暖化対策推進法改正について意見を申し上げたいと思います。
まず一点目の、パリ協定、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言等を踏まえた基本理念の規定の追加というのは極めて重要だというふうに考えております。
それは、国、国民、地方公共団体、事業者、あらゆる主体がその実現を共通のものとして目指すビジョンを明確にし、そこに向けて取組を進めるというためであります。それが各主体の行動を促すとともに、非常に重要な点だと思いますが、脱炭素社会に必要なインフラ、社会の在り方を支えるお金の流れ、投資の予見可能性をとりわけ事業者に対してつけていくという点であります。
日本の場合、エネルギー起源の、エネルギーの利用に伴うCO2の排出量が、温室効果ガス排出量の八五%ございます。エネルギーインフラ、発電の設備も含めたエネルギーインフラといった、立地をし、それを建て、運用していく時間の長いものについて、長期的な政策の見通しをつけていくということが、こうしたインフラの転換を進めていく大きな動機になってまいります。法にこれを定めるということが、国の政策の安定性と予見可能性を高めるものと考えます。
スライドの二十五枚目に、地域の脱炭素化に貢献する事業を促進する計画・認定制度についてでございますが、こちらは、再生可能エネルギー導入の現在の課題の一つが土地の制約の問題であり、社会において再生可能エネルギー事業が受け入れられるかという社会的受容性の問題、課題があるという観点から、非常に重要な制度の創設だというふうに考えます。
本来、再生可能エネルギーの導入は、先ほどの小田原市からの意見陳述にもありましたように、導入の仕方によって、地域にとって大きなメリットをもたらします。
スライドの二十七の例を御覧いただきたいと思います。千葉県の匝瑳市、これは地域の住民が主導したものでありますけれども、再生可能エネルギーの買取り制度を利用して、荒廃農地に発電事業を行い、そこで得られた収益を、若い農業従事者が有機農法で農業をしていくための支援をする、そして、荒廃農地に放棄されたごみの撤去などの地域の環境改善に使われている例でございます。
スライドの二十八枚目は千葉県の睦沢の例でございますけれども、こちらは、環境省、経産省の支援を得て、地域の天然ガスを使いながら太陽光などを組み合わせた再生可能エネルギー、地域での再生可能エネルギー事業でございます。二〇一九年の台風十五号時に停電をしたときに、電力インフラの地域の重要な防災拠点として、ここで提供される電力、エネルギーというのが住民の停電期間中の生活を支えたという例でございます。
そして、スライドの二十九が、環境省の支援事業だと理解をしておりますが、京セラのゼロエミッションデータセンターを北海道と石狩市が誘致をしている例であります。これは、再生可能エネルギーが豊かな地域において、電力多消費型のデータセンターを誘致をすることで地域に雇用を生み出す、そうした取組でもございます。
こうした制度が、こうした区域の指定を通じて促進事業が認定をされ優遇される仕組みというのが、地域主導で地域の再生可能エネルギーを導入をしていく上で大きな役割を果たすことを期待をしております。
スライドの三十枚目でございますけれども、企業の排出量データのデジタル化、オープンデータ化についてはもちろん、先ほど御紹介しましたように、企業のこうしたデータが開示をされることが、企業の評価を投資家、金融機関、取引先に対して明らかにしていく上でも役に立っていくというふうに考えます。
最後、スライドの三十一枚目でございます。
今回の法改正に当たって、是非先生方に、この法改正の後に、その実施に当たって御検討いただきたいという要望を込めております。
改正案そのものは非常に重要だと思いますけれども、やはり、基本理念と整合的な施策の導入が引き続きなされるかどうかについて、是非その点について確保をいただきたいという点でございます。これは、対策全体としての効果とともに、それぞれの対策がこうした二〇五〇年カーボンニュートラルに整合しているかどうかという点です。
もう一つは、地方自治体の支援でございます。とりわけ市町村に対して、情報と人材と資金の支援というのをお願いしたいと思います。
最後は、促進事業を促すインセンティブとして、温対法上も様々なインセンティブを用意をされておりますけれども、再生可能エネルギー事業に関して言いますと、送配電網へのアクセスですとか再エネの買取り制度での優遇なども省庁を超えて御検討いただきたいというふうに思います。
以上でございます。御清聴ありがとうございました。拍手
石
上
上園昌武#8
○上園参考人 おはようございます。北海学園大学の上園でございます。
お手元の資料を見ていただきたいと思います。
三枚目のスライドになります。
昨日、菅首相は、二〇三〇年の排出目標を二〇一三年比で四六%削減に引き上げるということを発表しました。非常に重要な政策決定をされたというふうに評価いたします。
しかしながら、三枚目のスライドにありますとおり、パリ協定の目標、すなわち脱炭素社会を達成するためのカーボンバジェット、これを推計しますと、一・五度あるいは二度の気温上昇にとどめるためには、日本は残り八年から十二年程度でこのバジェットを使い切ることになります。使い切ると気温上昇が進んでいき、気候危機に陥ります。
カーボンバジェットを過剰消費しないためには、二〇三〇年までに急速な排出削減を達成し、脱炭素社会の道筋をつけることが不可欠です。日本でも、政府が温対法など政策を強化し、排出量取引制度の導入や炭素税等で脱石炭、電力の脱化石、再エネ化を進めていくこと、さらには省エネ規制を進めていくことで全体の排出削減を確実に達成し、それを生かして自治体がカーボンニュートラルと地域経済の発展につなげる必要があります。
地域によって排出が大きく異なります。四枚目のスライドを見ていただきますと、大分県や山口県は、産業部門からの排出量が県全体の七割以上を占める工業県になります。一方、農業県や、東京等の大都市などの特徴があります。このように、地域の排出特性や再生可能エネルギーの普及可能性、省エネ対策の可能性を踏まえた脱炭素化の取組を進めていく必要があります。
脱炭素化社会を進めていくために再エネの大幅な普及が不可欠になりますが、スライドの五枚目を見ていただきますと、様々な課題があります。
日本では、再エネ普及は、地域での専門知識やノウハウの不足、資金調達の困難さ、さらには、スライドにありますように、表の課題などが要因で頓挫することが多く見られます。
一方、本日御紹介したいヨーロッパのオーストリアのエネルギー自立地域づくり、これは、省エネでエネルギー消費量を大幅に削減した上で、再生可能エネルギーを一〇〇%自給していく取組になります。このエネルギー自立地域づくりでは、中間支援組織が大きな役割を果たしています。特に小規模自治体では、どのような理念や目的を掲げて、誰がどのようにサポートし、誰がどのように事業を実施していくのかという点を見ていきたいと思います。
小規模自治体で不足している点は、スライドの六枚目にありますように、大きく三点書いております。第一が知恵や知見、ノウハウに関わるもの。第二が人材です。人に関しては、専門家や担い手、さらにはコーディネーターというところがあります。特に、地域内で事業を進めていく上で、住民や事業者、役所などと意見調整していくコーディネーターがいません。第三に資金調達となります。
それでは、オーストリアの事例を見ていきたいと思いますけれども、八枚目のスライドを見てください。
まず、日本の自治体支援の特徴が左のピラミッドの図に示しておりますけれども、日本の場合、トップランナー支援という特徴があると考えております。内閣府の環境モデル都市などの事業は、優れた計画や実績を持つ自治体に対して事業予算が配分されます。そして、事業運営や計画作りは外部の力に依存して、住民参加が弱い傾向にあると考えております。
このやり方の限界は、自治体に高い意欲と能力がなければ取組のレベルアップが困難であるということです。また、左のピラミッドの真ん中の空白部分がありますけれども、これらに位置する自治体がこの脱炭素の取組を始めようとしても、頼る先がないというところです。スタート地点に立つことさえ難しいということです。
それに対して、右側のオーストリアでは、レベル別の支援プログラムが用意されています。どの自治体でも、目的や能力などに応じてこの支援プログラムを選択できます。ニーダーエスターライヒ州を例にすると、ピラミッドの底に基盤となる州の政策があります。これは全ての自治体が取り組まなければいけない政策になります。そこから更にレベルアップしていくためには、外部の力をかりることになるんですけれども、地域主導で取り組むということが前提になっています。そのため、住民参加が強い取組の自治体が多くなり、地域協働が進んでいます。
時間の制約で詳細は割愛しますけれども、九枚目のスライド、これは支援プログラムの中で最もレベルの高いe5といいますけれども、このプログラムがあります。e5は、空間計画戦略や公共の建築物、施設等、六つの領域で自治体の取組を審査し、質保証をしています。
そして、次の十枚目のスライドになりますけれども、オーストリアの国の別のプログラムとして、スライドの十枚から十一、十二枚目に、小規模自治体向けの気候エネルギーモデル地域、以下KEMというふうに略しますけれども、このKEMというプログラムがあります。
この取組は、奇抜で斬新なものというのは余り見当たらなくて、日本でも工夫すれば実施できるものばかりがあります。十枚目にその例が書いておりますけれども、ポイントとしては、自治体や住民、事業者などと対話して、地域に合う形で事業が行われています。住民からの要望が多かった電気自動車のカーシェアリングとか市民参加型の太陽光発電などを、地域協働で事業を計画して運営しています。
十一枚目のスライドを見ていただきますと、KEMは、地域での気候エネルギー戦略、コンセプトづくりというものを進めていくボトムアップ型のプログラムになっています。オーストリアは、人口が数百人から二千人程度の非常に小さな村が多くあります。そこで、KEMでは、平均して九つの小さな町や村が連合体をつくって、モデル地域というものを形成しています。
各自治体は、気候エネルギーコンセプトというエネルギー計画を策定する必要があり、住民や地域主導で計画を決めていかなければなりません。このコンセプトの中にCO2排出削減目標を設定して、それに必要な対策も決めていくということになります。
しかし、人口が千人程度の小さな村には、こういった専門能力を持つ人がいませんし、どのように計画や事業を立てていけばよいか、そういったことが分かる人がいないということになります。そこで、このプログラムでは、KEMマネジャーという人が三年間雇用されて、計画や事業づくりを進めるということになっています。このKEMマネジャーという人は、地域に入って橋渡し役を務めます。日本の地域おこし協力隊などの制度がありますけれども、自ら現地で事業をつくっていくということはオーストリアの場合はしない、あくまでも黒子役のコーディネーターに徹して、自らは計画を主導して立てるということはしない、そういう仕組みになっています。
このKEMマネジャーは、コミュニケーション能力にたけているということが条件となっています。また、国や州、EUなどの補助金や助成システムを熟知しているということで、各当該の自治体の取組にふさわしい助成金のプログラムを申請し、獲得して資金を調達していくということをしております。
しかし、このKEMマネジャーという人は、必ずしもエネルギーや都市計画等の専門家ではありませんので、州の公的な第三者機関、エネルギーエージェンシーと呼びますけれども、ここから専門的な情報やノウハウなどを提供してもらう、それを政策立案として生かしていく、そういう支援があります。
このときに重要なのは情報の透明性や情報公開の原則ということになりますし、エネルギー自立ということを進めていくためにはあらゆる政策情報が必要となりますので、市民がその情報にアクセスできる、市民参加が可能となるような、オーフス条約の三つの権利ということが確立していることが大きいというふうに見ております。
このイメージとして、スライドの十二枚目にイラストがありますけれども、一番上の、自治体と住民や事業者が協働していくために、先ほど言いましたKEMマネジャーという人がコミュニケーションの橋渡し役を務めて、エネルギーエージェンシーが知恵や知見を提供していくという構図になっております。それと、国や州、EUが脱炭素の基本的な政策の枠組みを提示して資金を提供していくということになっていて、オーストリアでは、小さな自治体であっても、脱炭素の取組をどんどん進めていく、こういう中間支援組織が充実しているということを特徴として見ております。
続きまして、脱炭素の社会構造改革ということで話をしていきます。
十四枚目のスライドを見ていただきたいと思います。
このグラフには、二〇一五年に実施されました、世界の市民一万人を対象にした意識調査が行われました。その中の一つに、あなたにとって気候変動対策はどのようなものかという設問があります。これに対して、世界の六六%の人は、気候変動対策は生活の質を高めるというふうに回答しています。しかし、日本の市民の一七%が生活の質を高めるというふうに答えているんですが、六〇%が生活の質を脅かすというふうに回答しております。
なぜ世界と日本の意識が真逆の結果になったのかということを考えないといけないわけですが、最大の理由は、我慢の省エネに原因があるんじゃないかというふうに考えられます。最近まで暖房を使っていたわけですけれども、我慢の冷暖房の設定温度というのは非常につらくて、生活の質を下げてしまいます。こういった不快で生活の質を引き下げる取組というのは、長く続かないのは当たり前ではないかということです。
国や地域によって家庭のエネルギー消費に違いがあって、それは十五枚目のスライドにグラフがあります。冬が寒いドイツや北米諸国あるいはヨーロッパ諸国では、家庭でのエネルギー消費量の七割が暖房という特徴があります。これは私が今住んでいます北海道も同じ傾向にあります。
ゼロエネルギー住宅というのは生活の質を向上させるわけですけれども、ドイツなどでは標準装備となっているトリプルガラス、三重窓、それと保温性の非常に高い壁や断熱材によって熱を逃がさないので、暖房消費を大きく減らしても室内が暖かくて快適になっています。
それと、欧州では、低所得者や社会的弱者のエネルギー貧困、燃料貧困とも呼ばれますけれども、これが大きな政治課題になっています。
十七枚目のスライドを見ていただきますと、欧州では、ドイツでは、低所得者層の世帯収入に占めるエネルギーコストの割合が五%から七%を占めて、家計を圧迫しているという調査結果が出ています。
EUは、二〇〇九年にこのエネルギー貧困の緩和に向けて様々な政策等を出してきています。十八枚目のスライドを見ていただきますと、二〇一二年のエネルギー効率指令、これは省エネの政策になりますけれども、エネルギー貧困世帯を優先して省エネ対策を実施していくということが盛り込まれています。これはSDGsの第一目標の貧困の解消にもつながるものであり、誰も取り残さないという理念とも一致するというふうに考えております。イギリスでは、冬の推奨室温というのは、居間だと二十一度とか寝室が十八度というふうにされていますけれども、日本の我慢の省エネでは、イギリスに行けば基本的人権を侵害するというふうにも見られるわけです。
こういった、断熱性能を向上させる、そういった省エネ取組というのは非常に重要になってきているわけです。
最後に、まとめさせていただきますけれども、十九枚目と二十枚目のスライドを御覧ください。
三点、簡潔に述べますけれども、一つは、都市や地域再生の手段として気候変動対策に取り組んでいくということがまさに必要になっています。多くの地域では、少子高齢化や人口減少など、大きな社会課題に直面しているわけですけれども、脱炭素社会への移行は、社会構造変革という理念、そこには持続可能性や生活の質の向上、それと公平性、気候正義に基づいた取組として行う必要があると思います。
第二に、脱炭素社会への取組というのは生活の質を向上させるという点で、この脱炭素社会というのは安全で豊かな暮らしを実現するということ、このことを念頭に置いて取り組む必要があります。
とりわけ、エネルギー貧困の解消のためには、社会的弱者の省エネ対策の推進が基本的人権の観点からも必要不可欠ではないかと思います。ですから、日本ではエネルギー貧困の実態ということをまず明らかにしなければいけないんですが、実はほとんど分かっておりませんので、まずは実態調査から始まっていく必要があります。
最後、第三点ですが、中間支援組織を生かして、住民参加で地域の脱炭素社会を構築するということが必要になっていると思います。先ほど述べましたように、オーストリアの事例というのは、そういう点では日本でも非常に参考になるんではないかと思いますので、この後の温対法の改正をめぐって、是非御検討をお願いしたいと思います。
どうも御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →お手元の資料を見ていただきたいと思います。
三枚目のスライドになります。
昨日、菅首相は、二〇三〇年の排出目標を二〇一三年比で四六%削減に引き上げるということを発表しました。非常に重要な政策決定をされたというふうに評価いたします。
しかしながら、三枚目のスライドにありますとおり、パリ協定の目標、すなわち脱炭素社会を達成するためのカーボンバジェット、これを推計しますと、一・五度あるいは二度の気温上昇にとどめるためには、日本は残り八年から十二年程度でこのバジェットを使い切ることになります。使い切ると気温上昇が進んでいき、気候危機に陥ります。
カーボンバジェットを過剰消費しないためには、二〇三〇年までに急速な排出削減を達成し、脱炭素社会の道筋をつけることが不可欠です。日本でも、政府が温対法など政策を強化し、排出量取引制度の導入や炭素税等で脱石炭、電力の脱化石、再エネ化を進めていくこと、さらには省エネ規制を進めていくことで全体の排出削減を確実に達成し、それを生かして自治体がカーボンニュートラルと地域経済の発展につなげる必要があります。
地域によって排出が大きく異なります。四枚目のスライドを見ていただきますと、大分県や山口県は、産業部門からの排出量が県全体の七割以上を占める工業県になります。一方、農業県や、東京等の大都市などの特徴があります。このように、地域の排出特性や再生可能エネルギーの普及可能性、省エネ対策の可能性を踏まえた脱炭素化の取組を進めていく必要があります。
脱炭素化社会を進めていくために再エネの大幅な普及が不可欠になりますが、スライドの五枚目を見ていただきますと、様々な課題があります。
日本では、再エネ普及は、地域での専門知識やノウハウの不足、資金調達の困難さ、さらには、スライドにありますように、表の課題などが要因で頓挫することが多く見られます。
一方、本日御紹介したいヨーロッパのオーストリアのエネルギー自立地域づくり、これは、省エネでエネルギー消費量を大幅に削減した上で、再生可能エネルギーを一〇〇%自給していく取組になります。このエネルギー自立地域づくりでは、中間支援組織が大きな役割を果たしています。特に小規模自治体では、どのような理念や目的を掲げて、誰がどのようにサポートし、誰がどのように事業を実施していくのかという点を見ていきたいと思います。
小規模自治体で不足している点は、スライドの六枚目にありますように、大きく三点書いております。第一が知恵や知見、ノウハウに関わるもの。第二が人材です。人に関しては、専門家や担い手、さらにはコーディネーターというところがあります。特に、地域内で事業を進めていく上で、住民や事業者、役所などと意見調整していくコーディネーターがいません。第三に資金調達となります。
それでは、オーストリアの事例を見ていきたいと思いますけれども、八枚目のスライドを見てください。
まず、日本の自治体支援の特徴が左のピラミッドの図に示しておりますけれども、日本の場合、トップランナー支援という特徴があると考えております。内閣府の環境モデル都市などの事業は、優れた計画や実績を持つ自治体に対して事業予算が配分されます。そして、事業運営や計画作りは外部の力に依存して、住民参加が弱い傾向にあると考えております。
このやり方の限界は、自治体に高い意欲と能力がなければ取組のレベルアップが困難であるということです。また、左のピラミッドの真ん中の空白部分がありますけれども、これらに位置する自治体がこの脱炭素の取組を始めようとしても、頼る先がないというところです。スタート地点に立つことさえ難しいということです。
それに対して、右側のオーストリアでは、レベル別の支援プログラムが用意されています。どの自治体でも、目的や能力などに応じてこの支援プログラムを選択できます。ニーダーエスターライヒ州を例にすると、ピラミッドの底に基盤となる州の政策があります。これは全ての自治体が取り組まなければいけない政策になります。そこから更にレベルアップしていくためには、外部の力をかりることになるんですけれども、地域主導で取り組むということが前提になっています。そのため、住民参加が強い取組の自治体が多くなり、地域協働が進んでいます。
時間の制約で詳細は割愛しますけれども、九枚目のスライド、これは支援プログラムの中で最もレベルの高いe5といいますけれども、このプログラムがあります。e5は、空間計画戦略や公共の建築物、施設等、六つの領域で自治体の取組を審査し、質保証をしています。
そして、次の十枚目のスライドになりますけれども、オーストリアの国の別のプログラムとして、スライドの十枚から十一、十二枚目に、小規模自治体向けの気候エネルギーモデル地域、以下KEMというふうに略しますけれども、このKEMというプログラムがあります。
この取組は、奇抜で斬新なものというのは余り見当たらなくて、日本でも工夫すれば実施できるものばかりがあります。十枚目にその例が書いておりますけれども、ポイントとしては、自治体や住民、事業者などと対話して、地域に合う形で事業が行われています。住民からの要望が多かった電気自動車のカーシェアリングとか市民参加型の太陽光発電などを、地域協働で事業を計画して運営しています。
十一枚目のスライドを見ていただきますと、KEMは、地域での気候エネルギー戦略、コンセプトづくりというものを進めていくボトムアップ型のプログラムになっています。オーストリアは、人口が数百人から二千人程度の非常に小さな村が多くあります。そこで、KEMでは、平均して九つの小さな町や村が連合体をつくって、モデル地域というものを形成しています。
各自治体は、気候エネルギーコンセプトというエネルギー計画を策定する必要があり、住民や地域主導で計画を決めていかなければなりません。このコンセプトの中にCO2排出削減目標を設定して、それに必要な対策も決めていくということになります。
しかし、人口が千人程度の小さな村には、こういった専門能力を持つ人がいませんし、どのように計画や事業を立てていけばよいか、そういったことが分かる人がいないということになります。そこで、このプログラムでは、KEMマネジャーという人が三年間雇用されて、計画や事業づくりを進めるということになっています。このKEMマネジャーという人は、地域に入って橋渡し役を務めます。日本の地域おこし協力隊などの制度がありますけれども、自ら現地で事業をつくっていくということはオーストリアの場合はしない、あくまでも黒子役のコーディネーターに徹して、自らは計画を主導して立てるということはしない、そういう仕組みになっています。
このKEMマネジャーは、コミュニケーション能力にたけているということが条件となっています。また、国や州、EUなどの補助金や助成システムを熟知しているということで、各当該の自治体の取組にふさわしい助成金のプログラムを申請し、獲得して資金を調達していくということをしております。
しかし、このKEMマネジャーという人は、必ずしもエネルギーや都市計画等の専門家ではありませんので、州の公的な第三者機関、エネルギーエージェンシーと呼びますけれども、ここから専門的な情報やノウハウなどを提供してもらう、それを政策立案として生かしていく、そういう支援があります。
このときに重要なのは情報の透明性や情報公開の原則ということになりますし、エネルギー自立ということを進めていくためにはあらゆる政策情報が必要となりますので、市民がその情報にアクセスできる、市民参加が可能となるような、オーフス条約の三つの権利ということが確立していることが大きいというふうに見ております。
このイメージとして、スライドの十二枚目にイラストがありますけれども、一番上の、自治体と住民や事業者が協働していくために、先ほど言いましたKEMマネジャーという人がコミュニケーションの橋渡し役を務めて、エネルギーエージェンシーが知恵や知見を提供していくという構図になっております。それと、国や州、EUが脱炭素の基本的な政策の枠組みを提示して資金を提供していくということになっていて、オーストリアでは、小さな自治体であっても、脱炭素の取組をどんどん進めていく、こういう中間支援組織が充実しているということを特徴として見ております。
続きまして、脱炭素の社会構造改革ということで話をしていきます。
十四枚目のスライドを見ていただきたいと思います。
このグラフには、二〇一五年に実施されました、世界の市民一万人を対象にした意識調査が行われました。その中の一つに、あなたにとって気候変動対策はどのようなものかという設問があります。これに対して、世界の六六%の人は、気候変動対策は生活の質を高めるというふうに回答しています。しかし、日本の市民の一七%が生活の質を高めるというふうに答えているんですが、六〇%が生活の質を脅かすというふうに回答しております。
なぜ世界と日本の意識が真逆の結果になったのかということを考えないといけないわけですが、最大の理由は、我慢の省エネに原因があるんじゃないかというふうに考えられます。最近まで暖房を使っていたわけですけれども、我慢の冷暖房の設定温度というのは非常につらくて、生活の質を下げてしまいます。こういった不快で生活の質を引き下げる取組というのは、長く続かないのは当たり前ではないかということです。
国や地域によって家庭のエネルギー消費に違いがあって、それは十五枚目のスライドにグラフがあります。冬が寒いドイツや北米諸国あるいはヨーロッパ諸国では、家庭でのエネルギー消費量の七割が暖房という特徴があります。これは私が今住んでいます北海道も同じ傾向にあります。
ゼロエネルギー住宅というのは生活の質を向上させるわけですけれども、ドイツなどでは標準装備となっているトリプルガラス、三重窓、それと保温性の非常に高い壁や断熱材によって熱を逃がさないので、暖房消費を大きく減らしても室内が暖かくて快適になっています。
それと、欧州では、低所得者や社会的弱者のエネルギー貧困、燃料貧困とも呼ばれますけれども、これが大きな政治課題になっています。
十七枚目のスライドを見ていただきますと、欧州では、ドイツでは、低所得者層の世帯収入に占めるエネルギーコストの割合が五%から七%を占めて、家計を圧迫しているという調査結果が出ています。
EUは、二〇〇九年にこのエネルギー貧困の緩和に向けて様々な政策等を出してきています。十八枚目のスライドを見ていただきますと、二〇一二年のエネルギー効率指令、これは省エネの政策になりますけれども、エネルギー貧困世帯を優先して省エネ対策を実施していくということが盛り込まれています。これはSDGsの第一目標の貧困の解消にもつながるものであり、誰も取り残さないという理念とも一致するというふうに考えております。イギリスでは、冬の推奨室温というのは、居間だと二十一度とか寝室が十八度というふうにされていますけれども、日本の我慢の省エネでは、イギリスに行けば基本的人権を侵害するというふうにも見られるわけです。
こういった、断熱性能を向上させる、そういった省エネ取組というのは非常に重要になってきているわけです。
最後に、まとめさせていただきますけれども、十九枚目と二十枚目のスライドを御覧ください。
三点、簡潔に述べますけれども、一つは、都市や地域再生の手段として気候変動対策に取り組んでいくということがまさに必要になっています。多くの地域では、少子高齢化や人口減少など、大きな社会課題に直面しているわけですけれども、脱炭素社会への移行は、社会構造変革という理念、そこには持続可能性や生活の質の向上、それと公平性、気候正義に基づいた取組として行う必要があると思います。
第二に、脱炭素社会への取組というのは生活の質を向上させるという点で、この脱炭素社会というのは安全で豊かな暮らしを実現するということ、このことを念頭に置いて取り組む必要があります。
とりわけ、エネルギー貧困の解消のためには、社会的弱者の省エネ対策の推進が基本的人権の観点からも必要不可欠ではないかと思います。ですから、日本ではエネルギー貧困の実態ということをまず明らかにしなければいけないんですが、実はほとんど分かっておりませんので、まずは実態調査から始まっていく必要があります。
最後、第三点ですが、中間支援組織を生かして、住民参加で地域の脱炭素社会を構築するということが必要になっていると思います。先ほど述べましたように、オーストリアの事例というのは、そういう点では日本でも非常に参考になるんではないかと思いますので、この後の温対法の改正をめぐって、是非御検討をお願いしたいと思います。
どうも御清聴ありがとうございました。拍手
石
石
古
古田圭一#11
○古田委員 自由民主党の古田圭一でございます。
中国ブロックの比例の選出でございます。
四人の参考人の皆様、先ほどは大変貴重な、またいろいろな角度からの御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
これから幾つか質問させていただきますけれども、先ほど述べられたことと重複する部分があるかと思いますけれども、補足説明等を加えていただければというふうに思います。
まず最初ですけれども、皆さんにお聞きしたいと思います。二〇五〇年カーボンニュートラルの基本理念についてお伺いをしたいと思います。
菅総理が、昨年秋の臨時国会で、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現、すなわち二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を行って以来、我が国の取組は加速しているというふうに思います。昨日も、先ほど高村先生からありましたように、菅総理が、二〇一三年に比べて、二〇三〇年、温室効果ガスを四六%削減するという野心的な目標を表明しました。
今回の改正案では、基本理念として、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現が明記されておりますけれども、これは脱炭素化への取組を強く後押しするものというふうに考えております。
脱炭素社会実現を目指す強い意思が法律の条文として明確化されたことに対して、改めて各参考人の評価を伺いたいというふうに思います。守屋参考人から順番にお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →中国ブロックの比例の選出でございます。
四人の参考人の皆様、先ほどは大変貴重な、またいろいろな角度からの御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
これから幾つか質問させていただきますけれども、先ほど述べられたことと重複する部分があるかと思いますけれども、補足説明等を加えていただければというふうに思います。
まず最初ですけれども、皆さんにお聞きしたいと思います。二〇五〇年カーボンニュートラルの基本理念についてお伺いをしたいと思います。
菅総理が、昨年秋の臨時国会で、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現、すなわち二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を行って以来、我が国の取組は加速しているというふうに思います。昨日も、先ほど高村先生からありましたように、菅総理が、二〇一三年に比べて、二〇三〇年、温室効果ガスを四六%削減するという野心的な目標を表明しました。
今回の改正案では、基本理念として、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現が明記されておりますけれども、これは脱炭素化への取組を強く後押しするものというふうに考えております。
脱炭素社会実現を目指す強い意思が法律の条文として明確化されたことに対して、改めて各参考人の評価を伺いたいというふうに思います。守屋参考人から順番にお願いしたいと思います。
守
守屋輝彦#12
○守屋参考人 ありがとうございます。
二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すという非常に高い目標でありますけれども、やはり目標が明確になるということは、私たち自治体が様々な政策を推し進めていく上で大変強い後押しになるというふうに考えております。
と申しますのも、先ほど御説明させていただきましたように、本市においても、再エネ条例を作って、条例に基づく計画を作って、そして計画に基づく様々な奨励の施策をつくってきたからこそ、様々な民間事業者が一緒になってやっていこうという一連のこの仕組みができたということは、やはり高い目標があったからだというふうに思いまして、本市においても、二〇一九年に全国で七番目にカーボンニュートラルの宣言をさせていただいたということ、これがまさに国と県と自治体が更に強力に同じ方向を向いて進めていくという上では、その広がりというものを非常にこれから期待するところでございますので、非常に今回の取組を高く評価しているところでございます。また是非御支援をいただければと思います。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すという非常に高い目標でありますけれども、やはり目標が明確になるということは、私たち自治体が様々な政策を推し進めていく上で大変強い後押しになるというふうに考えております。
と申しますのも、先ほど御説明させていただきましたように、本市においても、再エネ条例を作って、条例に基づく計画を作って、そして計画に基づく様々な奨励の施策をつくってきたからこそ、様々な民間事業者が一緒になってやっていこうという一連のこの仕組みができたということは、やはり高い目標があったからだというふうに思いまして、本市においても、二〇一九年に全国で七番目にカーボンニュートラルの宣言をさせていただいたということ、これがまさに国と県と自治体が更に強力に同じ方向を向いて進めていくという上では、その広がりというものを非常にこれから期待するところでございますので、非常に今回の取組を高く評価しているところでございます。また是非御支援をいただければと思います。
ありがとうございます。
中
中村涼夏#13
○中村参考人 カーボンニュートラル宣言を基本理念としたことに対しては、一定評価はしているものの、二〇三〇年四六%というNDCの数値の発表は、私たちでは野心的だとは思っておらず、未来を、カーボンニュートラルを実現できる科学的な根拠が全く示されていないなというのが実際のところです。
私は、二年前からこの気候変動に対して声を上げてきたのですが、その中でNDCが二年間ずっと変化してきませんでした。その中で、四六%、科学的根拠もなく、気候正義に基づくわけでもない数値に、また、四五%から一%上がった、その一%は何だったのかというのも私たちにとっては疑問に思っています。是非、四六%ではなく、もっと野心的に取り組んでいただければと思います。
二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて、皆さんと一緒に歩んでいけたらなと思います。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →私は、二年前からこの気候変動に対して声を上げてきたのですが、その中でNDCが二年間ずっと変化してきませんでした。その中で、四六%、科学的根拠もなく、気候正義に基づくわけでもない数値に、また、四五%から一%上がった、その一%は何だったのかというのも私たちにとっては疑問に思っています。是非、四六%ではなく、もっと野心的に取り組んでいただければと思います。
二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて、皆さんと一緒に歩んでいけたらなと思います。よろしくお願いします。
高
高村ゆかり#14
○高村参考人 古田先生、御質問ありがとうございます。
二〇五〇年カーボンニュートラルという基本理念、この長期の目標を明確にするということは、二〇五〇年カーボンニュートラルというのは決して簡単な目標ではございません。私たちの今の社会の延長線上では到底達成できない目標でございます。言い換えれば、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて、大きくこの社会と経済の在り方を変えていくための目標でございます。
その意味で、明確に法にそれを規定をするということは、社会の各主体、これは国、国民、そして民間主体、地方自治体も含め、何がその変化のための課題なのかということを明確にし、共有をする意味がまずあると思います。課題の共有なくして、その解決策というものは見つけることができないというふうに思うからです。
二つ目は、先ほど意見陳述の中で申し上げましたけれども、OECDを始めこれまでの研究の中でも、とりわけ脱炭素に向けたインフラの整備、インフラの転換をしていく、まさにこれはエネルギー、交通、都市、様々なインフラを変えていくためには、明確な長期の目標を示すという役割を国が果たすということが非常に重要であるという指摘であります。これは、先ほど申し上げました、事業者が持っているインフラであれば、あるいは自治体が持っているインフラも、どういうタイミングで、どういうものを造っていくかということを明確に示すということが必要だからです。
法律に定めるということは、先生方御存じのとおり、最もこの政策の長期的な安定性を確保する政策上の手段だというふうに思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →二〇五〇年カーボンニュートラルという基本理念、この長期の目標を明確にするということは、二〇五〇年カーボンニュートラルというのは決して簡単な目標ではございません。私たちの今の社会の延長線上では到底達成できない目標でございます。言い換えれば、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて、大きくこの社会と経済の在り方を変えていくための目標でございます。
その意味で、明確に法にそれを規定をするということは、社会の各主体、これは国、国民、そして民間主体、地方自治体も含め、何がその変化のための課題なのかということを明確にし、共有をする意味がまずあると思います。課題の共有なくして、その解決策というものは見つけることができないというふうに思うからです。
二つ目は、先ほど意見陳述の中で申し上げましたけれども、OECDを始めこれまでの研究の中でも、とりわけ脱炭素に向けたインフラの整備、インフラの転換をしていく、まさにこれはエネルギー、交通、都市、様々なインフラを変えていくためには、明確な長期の目標を示すという役割を国が果たすということが非常に重要であるという指摘であります。これは、先ほど申し上げました、事業者が持っているインフラであれば、あるいは自治体が持っているインフラも、どういうタイミングで、どういうものを造っていくかということを明確に示すということが必要だからです。
法律に定めるということは、先生方御存じのとおり、最もこの政策の長期的な安定性を確保する政策上の手段だというふうに思っております。
以上でございます。
上
上園昌武#15
○上園参考人 御質問ありがとうございます。
先ほど私の説明でも行いましたけれども、この二〇三〇年の目標は非常に野心的な目標に設定したということなんですが、あくまでも通過点であるということと、急速に排出削減をしなければいけないということで、この後、まさに真価が問われていくということになっております。
脱炭素社会の基本理念というお話でしたので、ちょっと一つ違う観点から申し上げたいと思うんですが、二十五年ほど前に書かれていた「サステイナブルシティ」という本があるんですけれども、これはヨーロッパ、EUの都市計画、持続可能な地域づくりのことを書かれた本なんですが、その中で日本の都市計画、地域計画ということに対して人がいないというふうにその書かれた先生が御指摘されました。
この脱炭素社会というのは、CO2削減ということが非常に大きな課題になるわけですが、単にCO2を減らせばいいということではなく、先ほど高村先生もお話になりましたけれども、社会構造改革をしていくという、インフラを変えていくという中で、私たちが生活をどういうふうによりよくできるか、それがないとこれだけ劇的な社会構造変革というのはできないだろうと思います。多くの国民の人も、前よりもよくなるという実感を持たせるということがまさに必要だというふうに考えております。
それと、中村さんの説明の中でもありましたように、気候正義という公平な社会、これはSDGsそのものになると思いますので、その観点がまさに基本理念に必要じゃないかということを重ねて申し上げたいと思います。
以上です。
この発言だけを見る →先ほど私の説明でも行いましたけれども、この二〇三〇年の目標は非常に野心的な目標に設定したということなんですが、あくまでも通過点であるということと、急速に排出削減をしなければいけないということで、この後、まさに真価が問われていくということになっております。
脱炭素社会の基本理念というお話でしたので、ちょっと一つ違う観点から申し上げたいと思うんですが、二十五年ほど前に書かれていた「サステイナブルシティ」という本があるんですけれども、これはヨーロッパ、EUの都市計画、持続可能な地域づくりのことを書かれた本なんですが、その中で日本の都市計画、地域計画ということに対して人がいないというふうにその書かれた先生が御指摘されました。
この脱炭素社会というのは、CO2削減ということが非常に大きな課題になるわけですが、単にCO2を減らせばいいということではなく、先ほど高村先生もお話になりましたけれども、社会構造改革をしていくという、インフラを変えていくという中で、私たちが生活をどういうふうによりよくできるか、それがないとこれだけ劇的な社会構造変革というのはできないだろうと思います。多くの国民の人も、前よりもよくなるという実感を持たせるということがまさに必要だというふうに考えております。
それと、中村さんの説明の中でもありましたように、気候正義という公平な社会、これはSDGsそのものになると思いますので、その観点がまさに基本理念に必要じゃないかということを重ねて申し上げたいと思います。
以上です。
古
古田圭一#16
○古田委員 ありがとうございました。
次に、地域脱炭素化促進事業の実効性の向上について各参考人にお伺いしたいと思います。
今回の法改正では、新たに地域の再生可能エネルギーを活用した地域脱炭素化促進事業の推進のための計画・認定制度が創設されることとなっております。こうした仕組みを構築し、脱炭素化促進事業を進めていくことは、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に当たり、非常に重要なことというふうに思われます。
新たに導入される地域脱炭素化促進事業の推進のための計画・認定制度の実効性を高めていくために必要なことというのはどういうふうなことがあるか、お伺いしたいというふうに思います。今回もまた守屋参考人から順番にお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →次に、地域脱炭素化促進事業の実効性の向上について各参考人にお伺いしたいと思います。
今回の法改正では、新たに地域の再生可能エネルギーを活用した地域脱炭素化促進事業の推進のための計画・認定制度が創設されることとなっております。こうした仕組みを構築し、脱炭素化促進事業を進めていくことは、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に当たり、非常に重要なことというふうに思われます。
新たに導入される地域脱炭素化促進事業の推進のための計画・認定制度の実効性を高めていくために必要なことというのはどういうふうなことがあるか、お伺いしたいというふうに思います。今回もまた守屋参考人から順番にお願いしたいと思います。
守
守屋輝彦#17
○守屋参考人 ありがとうございます。
事業をいかに進めていくか、これも先ほどの一部と重複するわけなんですが、本市も、条例に基づいて計画、そして計画に基づいて施策、そしてその施策をより進めるために様々なインセンティブを整えさせていただきました。
例えば、再生可能エネルギーの事業の奨励金というものがあるんですが、これは、固定資産税相当額をいわゆる交付金として事業者にお支払いするということでこの事業の推進を後押しするということでございますけれども、こういったものを更に市民参加型にすることによってそのインセンティブの幅を広くするというような取組がございまして、やはりこういうものがこの事業を推進していくという上で大切でございます。
でも、それはやはり、事業を認定する、その事業の効果が、そもそもこの自治体の中でどういう政策の中に位置づけられていて、どういう効果が認められるからだということ、これは認定事業者にとって、その事業を実施する方にとってだけではなくて、その事業を見ている他の事業者や市民に対しても非常にいい影響を与えていて、それならばということで今度次の事業者がまた出てくるということですので、是非この事業を認定して、認証して、それで事業を進めていくというサイクルを、それを自治体が一緒になって進めていくという取組が大切だと思っておりますので、そのような観点で是非御期待を申し上げるところでございます。
以上です。
この発言だけを見る →事業をいかに進めていくか、これも先ほどの一部と重複するわけなんですが、本市も、条例に基づいて計画、そして計画に基づいて施策、そしてその施策をより進めるために様々なインセンティブを整えさせていただきました。
例えば、再生可能エネルギーの事業の奨励金というものがあるんですが、これは、固定資産税相当額をいわゆる交付金として事業者にお支払いするということでこの事業の推進を後押しするということでございますけれども、こういったものを更に市民参加型にすることによってそのインセンティブの幅を広くするというような取組がございまして、やはりこういうものがこの事業を推進していくという上で大切でございます。
でも、それはやはり、事業を認定する、その事業の効果が、そもそもこの自治体の中でどういう政策の中に位置づけられていて、どういう効果が認められるからだということ、これは認定事業者にとって、その事業を実施する方にとってだけではなくて、その事業を見ている他の事業者や市民に対しても非常にいい影響を与えていて、それならばということで今度次の事業者がまた出てくるということですので、是非この事業を認定して、認証して、それで事業を進めていくというサイクルを、それを自治体が一緒になって進めていくという取組が大切だと思っておりますので、そのような観点で是非御期待を申し上げるところでございます。
以上です。
中
中村涼夏#18
○中村参考人 事業推進に当たって、先ほどと同様になってしまうのですが、市民の理解は本当に必要だと思います。その中でも、特に若者をクローズアップして言うと、気候変動という事実は知っていても、どこが問題で、何をすればいいのか、果たして社会はどう変わるべきなのかというものを授業でも習ってきません。ヨーロッパに関しては、気候変動に対しては義務教育化がなされていて、これは大きな理解だと思っています。私自身、十二歳年下の妹がいますが、社会問題について私より学んでいるなという点が大きいと思います。
今後、理解を市民として深めていくためにも、若者自体に適正な教育と理解ができるステップを踏めるような段階が必要なのかなと。そこで親自身も子供たちから学ぶことは多いということ、大きいと聞いているので、是非、そういうところからも推進していただければと思います。
以上です。
この発言だけを見る →今後、理解を市民として深めていくためにも、若者自体に適正な教育と理解ができるステップを踏めるような段階が必要なのかなと。そこで親自身も子供たちから学ぶことは多いということ、大きいと聞いているので、是非、そういうところからも推進していただければと思います。
以上です。
高
高村ゆかり#19
○高村参考人 古田先生、ありがとうございます。
この地域脱炭素化事業の計画・認定の実効性を上げるという点では、法改正で導入をされた後の制度にしっかり命を吹き込んでいただきたいというふうに思っております。
一つは、自治体への支援でございます。都道府県も含めて、特に、中心になります市町村への支援というものをお考えをいただきたいというふうに思います。
再生可能エネルギーのポテンシャルを理解をする、あるいは目標を設定をする、実際に事業を形成する、その間に住民の合意をどういうふうに形成していくか、環境影響に配慮ができるか、様々な課題が自治体のところにございます。ここに適切な支援、私は情報と人材と資金と申し上げましたけれども、支援をしていただくということが必要かと思います。
もう一つは、こうした地域と協力をして再生可能エネルギー事業を形成する事業者への事業環境整備でございます。
先ほど意見陳述の中で、とりわけ二点申し上げました。やはり一つは、再生可能エネルギー事業を促進をするために、送電網へのアクセスや利用について、再生可能エネルギーと親和的なルールに変えていくこと、そして、土地利用等も含めて、他省庁の様々な手続、今回、ワンストップ化の工夫がされておりますけれども、それを迅速に進めていただきたいというふうに思います。
最後、もう一つは、買取り制度を利用して再エネ事業を行うケースが地域でも多いと思いますけれども、買取り制度におけるこうした温暖化対策推進法の下での認定を受けた事業へのインセンティブづけということもまた経済産業省とともに御検討いただく、そういうことを通じた命の吹き込みをお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →この地域脱炭素化事業の計画・認定の実効性を上げるという点では、法改正で導入をされた後の制度にしっかり命を吹き込んでいただきたいというふうに思っております。
一つは、自治体への支援でございます。都道府県も含めて、特に、中心になります市町村への支援というものをお考えをいただきたいというふうに思います。
再生可能エネルギーのポテンシャルを理解をする、あるいは目標を設定をする、実際に事業を形成する、その間に住民の合意をどういうふうに形成していくか、環境影響に配慮ができるか、様々な課題が自治体のところにございます。ここに適切な支援、私は情報と人材と資金と申し上げましたけれども、支援をしていただくということが必要かと思います。
もう一つは、こうした地域と協力をして再生可能エネルギー事業を形成する事業者への事業環境整備でございます。
先ほど意見陳述の中で、とりわけ二点申し上げました。やはり一つは、再生可能エネルギー事業を促進をするために、送電網へのアクセスや利用について、再生可能エネルギーと親和的なルールに変えていくこと、そして、土地利用等も含めて、他省庁の様々な手続、今回、ワンストップ化の工夫がされておりますけれども、それを迅速に進めていただきたいというふうに思います。
最後、もう一つは、買取り制度を利用して再エネ事業を行うケースが地域でも多いと思いますけれども、買取り制度におけるこうした温暖化対策推進法の下での認定を受けた事業へのインセンティブづけということもまた経済産業省とともに御検討いただく、そういうことを通じた命の吹き込みをお願いしたいと思います。
上
上園昌武#20
○上園参考人 私の方から、先ほどの意見陳述と重なるところがありますけれども、結局、トップレベルの自治体というところは既に優れた取組があるわけですが、その他多くの自治体というのはこれから始めていくわけなので、そこをどうやって下から底上げをしていくかという支援がまさに必要じゃないかということです。
そのやり方として、オーストリアの中間支援組織という仕組みを御紹介したんですけれども、日本では、じゃ、どうしたらいいかということをちょっと具体的にお話ししますと、この温対法の関係でいいますと、全国の都道府県に、全ての都道府県に地球温暖化防止活動推進センターがございますけれども、これは非常に大きなネットワークがあります。そこに、先ほどのオーストリアの例えば中間支援組織、この幾つかの機能をつけていく、例えば政策のコミュニケーション、政策提案機能を取り込んだような組織形態にできないか、この辺りも御一考いただければと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →そのやり方として、オーストリアの中間支援組織という仕組みを御紹介したんですけれども、日本では、じゃ、どうしたらいいかということをちょっと具体的にお話ししますと、この温対法の関係でいいますと、全国の都道府県に、全ての都道府県に地球温暖化防止活動推進センターがございますけれども、これは非常に大きなネットワークがあります。そこに、先ほどのオーストリアの例えば中間支援組織、この幾つかの機能をつけていく、例えば政策のコミュニケーション、政策提案機能を取り込んだような組織形態にできないか、この辺りも御一考いただければと思っております。
以上です。
古
古田圭一#21
○古田委員 ありがとうございます。
先ほど中村参考人が言われましたけれども、隣におられます土屋先生が、是非、環境を学校の教科へということを言われておりまして、私たちもしっかり頑張りたいと思います。
今日は、参考人、どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →先ほど中村参考人が言われましたけれども、隣におられます土屋先生が、是非、環境を学校の教科へということを言われておりまして、私たちもしっかり頑張りたいと思います。
今日は、参考人、どうもありがとうございました。
石
堀
堀越啓仁#23
○堀越委員 立憲民主党・無所属の堀越啓仁でございます。
本日は、参考人の皆様には遠いところから時間を割いていただきまして、当委員会に御参加いただきまして、本当にありがとうございます。そして、先ほどの意見陳述におきましても貴重な御意見を賜りましたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。
先ほど来、意見陳述においても皆さんから御発言をいただいたところ、それから、先ほど古田委員の方からもお話があったところ、質問があったところと重複するところがあることを御容赦いただいて、私の方でも念押しの意味でも御発言をいただきたいというふうに思っております。
二〇五〇年カーボンニュートラル、これを実現するためには、相当高い目標がやはり必要なんだというふうに思っておりまして、これは、政府だけではなくて、国民全体で取り組まなければいけない大きな課題であるというふうに思っております。
そんな中で、今回の本改正案につきまして、皆様方から意見をたくさん賜ったところではありますが、やはり、これで十分なのか、あるいは積み残した課題があるのか、その点について、率直な皆さんからの御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →本日は、参考人の皆様には遠いところから時間を割いていただきまして、当委員会に御参加いただきまして、本当にありがとうございます。そして、先ほどの意見陳述におきましても貴重な御意見を賜りましたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。
先ほど来、意見陳述においても皆さんから御発言をいただいたところ、それから、先ほど古田委員の方からもお話があったところ、質問があったところと重複するところがあることを御容赦いただいて、私の方でも念押しの意味でも御発言をいただきたいというふうに思っております。
二〇五〇年カーボンニュートラル、これを実現するためには、相当高い目標がやはり必要なんだというふうに思っておりまして、これは、政府だけではなくて、国民全体で取り組まなければいけない大きな課題であるというふうに思っております。
そんな中で、今回の本改正案につきまして、皆様方から意見をたくさん賜ったところではありますが、やはり、これで十分なのか、あるいは積み残した課題があるのか、その点について、率直な皆さんからの御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
守
守屋輝彦#24
○守屋参考人 ありがとうございます。
二〇五〇年カーボンニュートラルというのは非常に高い目標ですけれども、先ほどもお話しさせていただいたように、高い目標を掲げるということは、やはりこれは大変意義があることでございます。できるからどう、できないからどうじゃなくて、そのためにやるんだという、まさにそこに国民が一丸となって進んでいくということで大変歓迎をするところでございますが、では、目標が高ければそこに到達するかというと、その道のりは大変厳しいものでございまして、いかにこれを実行していくか。
そして、やはり、この二〇五〇年というのは、今から見ると大分先の話ですよね。それよりももっと身近な目標がやはり必要になってくる。ですから、二〇三〇年までにどこまで到達していくか。そして、二〇三〇年といってもやはり十年先ですから、では、あと五年間で私たちは何をやるかというと、これはやはり、自治体にとっても市民にとっても非常に緊張感がありますし、リアリティーが湧いてくるんですよね。
ですから、今回は、法改正、基本的に賛同するところでございますけれども、是非、この短期間で細かい目標をそれぞれの自治体において定める、まあ、計画ということも盛り込まれるというふうに思いますが、でしたら、今度は、その計画を後押しするような政策を是非お願いしたいというふうに思います。
今も様々、自治体への支援、情報であるとか、人材であるとか、資金の支援が必要だということも高村先生の方からの御指摘もあったわけでございますけれども、是非地域の実情に合った支援策を講じていただきたいというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →二〇五〇年カーボンニュートラルというのは非常に高い目標ですけれども、先ほどもお話しさせていただいたように、高い目標を掲げるということは、やはりこれは大変意義があることでございます。できるからどう、できないからどうじゃなくて、そのためにやるんだという、まさにそこに国民が一丸となって進んでいくということで大変歓迎をするところでございますが、では、目標が高ければそこに到達するかというと、その道のりは大変厳しいものでございまして、いかにこれを実行していくか。
そして、やはり、この二〇五〇年というのは、今から見ると大分先の話ですよね。それよりももっと身近な目標がやはり必要になってくる。ですから、二〇三〇年までにどこまで到達していくか。そして、二〇三〇年といってもやはり十年先ですから、では、あと五年間で私たちは何をやるかというと、これはやはり、自治体にとっても市民にとっても非常に緊張感がありますし、リアリティーが湧いてくるんですよね。
ですから、今回は、法改正、基本的に賛同するところでございますけれども、是非、この短期間で細かい目標をそれぞれの自治体において定める、まあ、計画ということも盛り込まれるというふうに思いますが、でしたら、今度は、その計画を後押しするような政策を是非お願いしたいというふうに思います。
今も様々、自治体への支援、情報であるとか、人材であるとか、資金の支援が必要だということも高村先生の方からの御指摘もあったわけでございますけれども、是非地域の実情に合った支援策を講じていただきたいというふうに思います。
以上です。
中
中村涼夏#25
○中村参考人 二〇五〇年カーボンニュートラルは、私たちが生きていく中で最低限の目標だと思っています。
先ほど、二〇三〇年の目標は野心的ではないことを踏まえ、また、野心的な実効政策を行う上で大切なのは、政策が国民を置いていかないことだと思っています。その点では、政策、事業などを推進していく上で、見直しや、それをまたチェックして、また見直して、振り返って、何度もそれを繰り返していく、そして、見えない誰かや生物が本当に苦しめられていないかを、もう一度何度も、短期間ではありますが、繰り返していただいて、取りこぼしのないように、一人も誰も取り残さないような政策実行をお願いしたいと思います。また、そこの中で市民の声を是非反映させていただきたいと思います。
以上です。
この発言だけを見る →先ほど、二〇三〇年の目標は野心的ではないことを踏まえ、また、野心的な実効政策を行う上で大切なのは、政策が国民を置いていかないことだと思っています。その点では、政策、事業などを推進していく上で、見直しや、それをまたチェックして、また見直して、振り返って、何度もそれを繰り返していく、そして、見えない誰かや生物が本当に苦しめられていないかを、もう一度何度も、短期間ではありますが、繰り返していただいて、取りこぼしのないように、一人も誰も取り残さないような政策実行をお願いしたいと思います。また、そこの中で市民の声を是非反映させていただきたいと思います。
以上です。
高
高村ゆかり#26
○高村参考人 堀越先生、ありがとうございます。
積み残した課題があるかという御質問をいただきました。
今回の温対法改正は、地域において、地域が主体的に排出を削減し、とりわけ再生可能エネルギー導入を拡大をしていく、促進をしていく制度環境整備としては、一定の保障をしたものだというふうに思っております。しかし、先ほど申し上げましたように、それに命を吹き込む支援というのをどういうふうに具体化するかというところは、法改正を終えた後でも継続した課題として残る問題だと思います。
もう一つ申し上げますと、先ほど、送電網の問題ですとか買取り制度について申し上げました。つまり、地域のこうした脱炭素あるいは再生可能エネルギーの拡大が進んでいくためには、温対法で所管をしている範囲を超えて、エネルギー政策ですとか住宅、建築物の政策、例えばこうしたものと呼応しながら進めることが、地域の脱炭素化を進めるものだというふうに思います。こうした統合化ができるのは、まさに政策を形成をされる国会であり、ここに私は大きな期待をいたします。
以上でございます。
この発言だけを見る →積み残した課題があるかという御質問をいただきました。
今回の温対法改正は、地域において、地域が主体的に排出を削減し、とりわけ再生可能エネルギー導入を拡大をしていく、促進をしていく制度環境整備としては、一定の保障をしたものだというふうに思っております。しかし、先ほど申し上げましたように、それに命を吹き込む支援というのをどういうふうに具体化するかというところは、法改正を終えた後でも継続した課題として残る問題だと思います。
もう一つ申し上げますと、先ほど、送電網の問題ですとか買取り制度について申し上げました。つまり、地域のこうした脱炭素あるいは再生可能エネルギーの拡大が進んでいくためには、温対法で所管をしている範囲を超えて、エネルギー政策ですとか住宅、建築物の政策、例えばこうしたものと呼応しながら進めることが、地域の脱炭素化を進めるものだというふうに思います。こうした統合化ができるのは、まさに政策を形成をされる国会であり、ここに私は大きな期待をいたします。
以上でございます。
上
上園昌武#27
○上園参考人 御質問ありがとうございます。
積み残した課題というのはたくさんあるのはもちろんだと思うんですけれども、この温対法の改正という観点で、私の意見陳述の中で非常に危惧している点は、やはり小規模自治体の取組をどうやって後押しをしていくかということになります。
その中で、知恵や知見とか、人材、人の問題だったり、資金、この三点をスライドでも挙げさせていただいておりますが、とりわけ人の部分でいうと、担い手とか、それとコーディネーターの役割をどうするか。
議員の先生方は、地域に入って、いろいろな地域づくりに関わっているそういう場面に実際に遭遇されていると思うんですけれども、実際の地域に入っていったときに、たくさんの反論とか、いろいろな問題が出てくるんですが、そこをどういうふうに調整していくかというところが難しいわけです。
このコーディネーターという役割が実は、地域レベルで対策を進めようとしたときに、非常に重要になってくるんじゃないかなというふうに考えております。コーディネーター役の人があちこちにできることによって、地域での対話ということが進むと思います。一方通行の政策というか、それをやるだけじゃなくて、対話をどうやって進めるか、この点が非常に重要じゃないかと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →積み残した課題というのはたくさんあるのはもちろんだと思うんですけれども、この温対法の改正という観点で、私の意見陳述の中で非常に危惧している点は、やはり小規模自治体の取組をどうやって後押しをしていくかということになります。
その中で、知恵や知見とか、人材、人の問題だったり、資金、この三点をスライドでも挙げさせていただいておりますが、とりわけ人の部分でいうと、担い手とか、それとコーディネーターの役割をどうするか。
議員の先生方は、地域に入って、いろいろな地域づくりに関わっているそういう場面に実際に遭遇されていると思うんですけれども、実際の地域に入っていったときに、たくさんの反論とか、いろいろな問題が出てくるんですが、そこをどういうふうに調整していくかというところが難しいわけです。
このコーディネーターという役割が実は、地域レベルで対策を進めようとしたときに、非常に重要になってくるんじゃないかなというふうに考えております。コーディネーター役の人があちこちにできることによって、地域での対話ということが進むと思います。一方通行の政策というか、それをやるだけじゃなくて、対話をどうやって進めるか、この点が非常に重要じゃないかと思っております。
以上です。
堀
堀越啓仁#28
○堀越委員 ありがとうございます。
皆さん、共通して言えることは、やはり、自治体に計画が求められる、そういった制度の整備というのが本改正案で進むというところの一方で、やはりそれは、国の後押しやサポート、その後の継続した関わりというのが重要だというところを、今いただきました。本当に私もそのとおりだというふうに思っています。国の責務をやはりこれからも強くしていかなければいけないんだろうというふうに思います。
その中で、先ほど中村さんの方からありましたように、やはり、私たちの気候変動の、気候危機の問題というのは、世代を超えて、長期的視点で、真剣に向き合っていかなきゃいけない大きな課題だというふうに思っています。
そんな中で、先ほどの諸外国の例もありました。私たちは、温室効果ガスを排出しているトップファイブの国であり、世界に対して責任があるということに立ち返って考えれば、やはり世代を超えて意見を集約する、障害者も当然そうですし、高齢者、そういった方々ももちろんそうですし、若者というところも是非これは確実に聞いていかなければいけない、オープンな会議の場の設置が私も非常に重要だというふうに思っています。
この点について、先ほどからも言及がありますが、それこそ次世代の代表である中村参考人と、そして、現役世代で、今改正案の検討会で座長代理を務めておられます高村参考人から、それぞれ御意見を賜りたいと思います。
この発言だけを見る →皆さん、共通して言えることは、やはり、自治体に計画が求められる、そういった制度の整備というのが本改正案で進むというところの一方で、やはりそれは、国の後押しやサポート、その後の継続した関わりというのが重要だというところを、今いただきました。本当に私もそのとおりだというふうに思っています。国の責務をやはりこれからも強くしていかなければいけないんだろうというふうに思います。
その中で、先ほど中村さんの方からありましたように、やはり、私たちの気候変動の、気候危機の問題というのは、世代を超えて、長期的視点で、真剣に向き合っていかなきゃいけない大きな課題だというふうに思っています。
そんな中で、先ほどの諸外国の例もありました。私たちは、温室効果ガスを排出しているトップファイブの国であり、世界に対して責任があるということに立ち返って考えれば、やはり世代を超えて意見を集約する、障害者も当然そうですし、高齢者、そういった方々ももちろんそうですし、若者というところも是非これは確実に聞いていかなければいけない、オープンな会議の場の設置が私も非常に重要だというふうに思っています。
この点について、先ほどからも言及がありますが、それこそ次世代の代表である中村参考人と、そして、現役世代で、今改正案の検討会で座長代理を務めておられます高村参考人から、それぞれ御意見を賜りたいと思います。
中
中村涼夏#29
○中村参考人 ここで重要になってくるのは、私たちFridays For Futureやほかの若者団体が会議を開くのではなく、できるだけ国や自治体からやることで国民の意識の改革がボトムアップ的にできると考えています。
また、そういう意味では、札幌の気候市民会議の例が一つ大きくありますので、是非そちらを参考にしていただきたいのですが、やはり一つ、低所得者だったりだとか、そういうデータがまだない中で、日本の中でも格差が起こっているという中で、若者だけではなく、本当に今皆さんが生きていく中で必要な政策を、ステークホルダー、一つ一つをちゃんと当てはめて、取りこぼしのない、人たちを選んで、できれば大きな会議を開いていきたい、市町村ぐらいの大きさで開いていただければなと思います。よろしくお願いします。
以上です。
この発言だけを見る →また、そういう意味では、札幌の気候市民会議の例が一つ大きくありますので、是非そちらを参考にしていただきたいのですが、やはり一つ、低所得者だったりだとか、そういうデータがまだない中で、日本の中でも格差が起こっているという中で、若者だけではなく、本当に今皆さんが生きていく中で必要な政策を、ステークホルダー、一つ一つをちゃんと当てはめて、取りこぼしのない、人たちを選んで、できれば大きな会議を開いていきたい、市町村ぐらいの大きさで開いていただければなと思います。よろしくお願いします。
以上です。