山川百合子の発言 (厚生労働委員会)
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○山川委員 立憲民主党・無所属の山川百合子です。よろしくお願いいたします。
今日は、尾身先生にいらしていただいて、ありがとうございます。
先生にいらしていただいているので、順番を変えて、最初に尾身先生に、今後の新興感染症に向けた感染症研究、ワクチン開発研究体制等、まずはお伺いをしたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
また、コロナ禍における多大な御貢献をいただいていることに、心から敬意と感謝をまず申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
さて、私は、厚労委員会と外務委員会に所属をしていることから、国産ワクチンの開発と我が国が推進をしている人間の安全保障が、新興感染症の発生という事態においては一体の施策であるというふうに思っており、そのコンテクストで、国産ワクチンの開発とその基礎研究、さらには、感染症学をもっと重要視すべきだという提言をこれまでも政府に行ってまいりました。そういう質問もしてまいりました。
尾身先生におかれましては、感染症学の御専門で、現下のコロナ禍での政府対応で日々多大な御苦労をいただいているわけですが、本日私が先生にお伺いしたいのは、緊急事態宣言がいつ解除あるいはどうだといったような現状に対する内容ではなくて、日本国として、今回のコロナ禍の経験からもう一年半たちました、まだ現状は戦っているところではありますが、それでもいろいろな課題が浮き彫りになってきていると思います。このコロナ禍の経験からどのような希望と将来を切り開いていくことができるのかというビジョン、現時点での先生のビジョンをお伺いしたいと思います。
大変失礼ながら、今の日本の医学界においては、「白い巨塔」とか「ドクターX」等に象徴されるように、外科が花形。それから、製薬業界においては、その受益を多くの方がすぐ受ける、あるいは利益にもつながるということで、がんの治療薬といったものなどに最も光が当たりやすい一方で、予防薬やワクチン、そこに関わる感染症学に余り注目が集まってこなかったと私は今回痛感しているんですね。
ところが、我が国は、天然痘の根絶に至る歴史の中において、法律によるワクチン接種義務化や、今まさに尾身先生に担っていただいている社会的介入、また、日本人向けの改良ワクチンの開発と製造など、かつてはワクチン大国と言えるような時代を経験してきたと私は思うわけであります。
そのような中で、野口英世博士、細菌学だったでしょうか、黄熱病の研究成果が世界を動かすという、地道で地味ではあるけれども、しっかりと人々の命と健康を守るための予防医学というのでしょうか、基礎研究分野に光が当たった時代もあったというふうに思います。
ところが、今回、日本が新型コロナワクチンの開発に大きな後れを取っているのは、日本が得意としてきた伝統的な不活化ワクチンの開発ではなくて、世界の大きな流れがいわゆる遺伝子レベルの研究に基づくワクチンに大きく移行しつつあり、この分野の日頃の研究の差が今回のメッセンジャーRNAワクチンであったり、DNAワクチン、また組み換えたんぱくワクチンの開発であり、それが今回の成果に結実していると理解をしています。
尾身先生にお伺いしたいのは、今回の新型コロナ感染症を根絶させるような究極のワクチンがまだあるわけではなく、改良の余地を残す現状において、そして、さらには新しく新興感染症が発生した場合にも備えて、我が国はどのような対策、そしてどのような備えをしていくべきかという一点に尽きるわけであります。
述べました野口英世博士について、私たち日本人は日本の研究者として誇りに思っているけれども、実は、ロックフェラーなどの支援で米国で研究を続けたわけでありまして、頭脳の流出というばかりではなくて、研究成果は実際は日本のものではなく、アメリカのものだとさえ私は思っているわけであります。
今回のコロナ禍を受けて、日本の感染症学の研究者たちにもっと光を当てて、日本の感染症学の地位向上のために、例えば、日本型のBARDAというんでしょうか、米国生物学先端研究開発局の創設や、基礎研究分野の国家プロジェクトとしての日常的な研究助成制度を作るべきだ。
少し長くなりましたが、これは私の考えです。
是非、この機会に尾身先生の御所見をお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。