山田正の発言 (国土交通委員会)

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○山田参考人 利水ダムも含めて事前放流ができなかった、今度やろうという方向に向かっているが、昔できなかった理由は何かと。
 それは、私が学者、研究者として外から見ている判断ですけれども、まず一つは、戦後、電力がないときに、ともかく水力発電で電気をつくろうと。そのときには治水という概念は余り入っていないんですよね、利水ダムそのものに。まず電気をつくることだと。
 ところが、それからだんだんだんだん、電力の発生源も火力の方に持っていったり、原発の方に行ったわけですけれども、そうなってきて、なぜ事前放流ができないかというと、そのためには、これから十二時間後に三百ミリ降るよとか、四百ミリ降るよという予測ができないと、事前に放流しちゃうわけですから、空振りしちゃう可能性があるわけですね。そうすると、貴重な水資源をただ流してしまう、それに対する補填は誰がするのかという問題ですね。これが一つ。空振りを恐れる。
 もう一つは、雨も降っていないときに放流するわけですから、その川の下流末端に至るまで、キャンプファイアしている人はいないかとか、魚釣りしている人はいないかとか全部調べてからじゃないとできない。ところが、それは一民間電力会社ではとてもそこまで、何十キロ下流まで全部調べることは無理だということで、民間企業としての利水ダムはなかなか事前放流ができなかったと思います。
 ところが、ここに来て、この十年来、国土交通省及び気象庁のレーダー雨量計というものが発達してきました。だから、極端なことを言えば、素人でも雨雲がこっちに来ているよというのが分かるようになってきたわけですよね。つまり、降雨予測というのがかなり、専門家じゃなくてもできる時代がやってきた。
 さらにもう一つは、放流した後、どこか支川に御迷惑をかけないかなという下流見合いの放流というのは、これは結構難しいです。水理学的に計算しなきゃいかぬ。その計算は、パソコンの発達が非常に身近になった、どこの事務所でもパソコンレベルでやれるようになった。それまでは、大型コンピューターを使ってやっと下流に御迷惑をかけない放流の仕方というのは理論上できるけれども、そんな大きなコンピューターをどこでも使うわけにいかぬと。エンジニアリング的には、レーダー雨量計の発達とコンピューターの発達が大きいと思います。

発言情報

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発言者: 山田正

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日付: 2021-03-31

院: 衆議院

会議名: 国土交通委員会