河上正二の発言 (消費者問題に関する特別委員会)

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○河上参考人 どうもありがとうございます。
 CツーC取引について、プラットフォーマーが果たすべき役割というものをどう考えていくべきかという御質問だと承りました。
 実は、現段階では、消費者保護の政策がどこまで及ぶべきかという点については、学会においても余り整理されていない状況にあります。
 ただ、例えば消費者契約法の適用に関しても、最近では、いろんな消費者法の研究者の間で、今までは、消費者、事業者という壁を作っておいてその壁を守るという形で議論をしていたけれども、これからはやはり、壁を越えて、にじみ出しが必要になるだろうと。つまり、相手がBに似たCとか、そういう曖昧なものがどんどん出てきているということになりますので、今後そのBとCの切り分けも課題となるということは明らかであります。
 ただ、プラットフォーマーの介在する取引の形態、それから利用形態の中身も多様でありますし、その三者の関係についてもなかなかいろいろなものがあるので、今後、シェアリングエコノミーなんかも対象になりますけれども、果たしてどこまでの義務をどの主体に対してかけていけるかということをやはり考えていく必要があろうかと思います。
 ただ、消費者にとってみると、相手が一体何者か分からないという状態で置かれてしまうというのは大変まずいわけでありまして、消費者の選択に当たって、やはり、相手方との間で一定の橋渡しをするということは必要になるんだと思うんですね。
 ちょっと気にしないといけないのは、Cが販売業者であったときに、そのCを明らかにすることで、逆にそのCを狙い撃ちにしたマイナスの誹謗中傷が起きるというような逆の効果もありますから、そこら辺の切り分け、これをしっかりとやっていかないといけないということであります。
 将来的には、一対一の関係を超えた、一体としてのシステム責任を考えて、プラットフォーマーについても一定の役割というか責務を分担していただくというのが好ましいというのが私の考えでございます。
 他方、EUとの関係をどうかという御質問がございましたけれども、実は、EUなど、加盟国のレベルで法整備は進められておりますが、二〇〇〇年代の半ば頃から、ここの平準化ということが進められています。日本も最終的にはイコールフッティングに立って、いろいろな平準化に合わせていかないといけないということなのでありますけれども。
 ただ、ちょっとこれは私の認識が正しいかどうか分かりませんけれども、EUでは、そもそも、見ず知らずの人間を相手にネットで物を購入するということについては物すごく慎重であります、お客さん自身がですね。ですから、CツーCの場に規制を強化しているとしても、各国は域内市場の確立の方に関心がありますから、必ずしも消費者保護の問題とはされていないという現実がございます。ですから、EU内でのルールの統一というのは、今、形成途上にあるということになります。モデル準則というのがありますけれども、これは、今、指令のための討議草案という段階でございます。
 私の方で編集しました「消費者法研究」という雑誌がございますが、この中で比較的なことについても資料を出しておりますので、御参照いただければと思います。
 EUによって正式に採択された立法ではないので、その段階ではまだ加盟各国を拘束するものではないということになっておりますが、今後大いに参考にされてよいものであります。
 BツーCについては、EUは電子商取引法の下で悪質な事業者を排除するということになっているんですが、これもまた、あくまでノーティスはあった、つまり、その認識があった、あるいは通知を受けたというときを前提として行動を取る、そういう前提のものでございますので、今、通信販売業者とそれからプラットフォーマーとを同じレベルで義務づけをするというところまでは進みにくいというのはよく理解できます。
 今回の法案というのはそこまで踏み込めなかったということなんでしょうけれども、ただ、やはりそこの切り分けを何とかやりながら、にじみ出しを認めていって、そして、消費者が相手が誰か分からないという状況でどうしても責任を取ってくれる人がいないというときに、プラットフォーマーにその義務の一部を負担していただくという方向を考えていかないと、民事ルールとしては不完全だろうというふうに思います。

発言情報

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発言者: 河上正二

speaker_id: 17376

日付: 2021-04-09

院: 衆議院

会議名: 消費者問題に関する特別委員会