武内則男の発言 (本会議)

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○武内則男君 立憲民主党・無所属の武内則男です。
 私は、会派を代表し、令和三年度予算案に反対の立場で討論を行います。(拍手)
 我が国に新型コロナウイルスの感染者が出始めてから、既に一年余りがたってしまいました。
 亡くなられた多くの方々に、心より哀悼の誠をささげます。
 我が党の参議院議員であった羽田雄一郎さんも、昨年末に急逝されました。痛恨の極みであり、もっと早くに検査を受けておられればと思わずにはいられません。
 国会議員にも感染された方が出ており、私たちは、引き続き、最大限の緊張感を持って国政に臨まなければなりません。
 そんな中で、国民には緊急事態宣言を出して厳しい自粛を求めておきながら、政府・与党の幹部がこそこそと深夜まで会食を繰り返していたことは、まさに言語道断であり、同じ国会議員として恥ずかしい限りです。自らの行動を一層戒めるとともに、政府・与党の諸君には改めて猛省を求めます。
 この件に限らず、安倍前政権から菅政権に至るも、おごりや緩み、たるみは看過し難いものがあります。
 思い起こせば、コロナ禍の昨年末、桜を見る会の問題に関して、ついにうそがばれ、国会で百十八回も虚偽の答弁をし続けたと謝罪に来た前総理がおられました。あれだけいけしゃあしゃあと答弁し、議事録のどこをどう訂正するかも結局明言できず、全ては秘書のせいでは、あんまりではありませんか。
 森友、加計学園もしかりです。事実を隠し続け、隠蔽、捏造、改ざんのオンパレード。国会でも、聞かれたことには全く答えようとしない。不誠実、不正直の極みです。そして、人事を握られた役所の皆さんは要らぬ忖度を繰り返し、官邸官僚だけが我が物顔にばっこする。こんな政治に誰がしたんですか。
 顧みれば、与党議員の振る舞いにも許し難いものがありました。
 一昨年の参議院選で、自民党本部から一億五千万という桁違いの資金を受け取った河井夫妻は、前代未聞の選挙買収事件を引き起こしました。さらには、国会において何らの説明責任も果たそうとせず、議員の立場にしがみつき続けました。その振る舞いは、醜悪そのものです。担ぎ上げた自民党も、これまで何の自助努力、説明責任も果たそうとせず、まさに言語道断と言わざるを得ません。
 また、安倍、菅政権の看板政策であるカジノ導入に絡んで、内閣府副大臣も務めた、当時の自民党のあきもと議員をめぐる収賄事件も起こりました。前代未聞の証人買収事件にまで発展した、このカジノ利権をめぐる元自民党議員の振る舞いは、立法府の尊厳を損なう許し難いものであり、言語道断であるとしか言いようがありません。
 また、国民の皆さんが日々の生活にも苦しむ中、コロナ対策に全力で当たらなければならないところ、今国会でも、ルールを破り、利害関係者と平然と会食を繰り返す総務省の官僚が次々に現れました。驚くほかありません。ましてや、その場には、菅総理大臣が総務大臣だったときに総務大臣秘書官に起用した菅総理の御長男が同席したというのですから、これを問題だと思わない方がどうかしています。
 思えば、大臣室で平気で業者からお金を受け取ったという農林水産大臣もおられたようですが、大臣も大臣なら、その業者と会食を繰り返していた官僚もいたとのことです。この醜態には、もはやあきれ返るほかありません。どこまで安倍、菅自公政権は腐り切っているのでしょうか。
 安倍、菅政権のコロナ対策も、褒められたものではありません。
 もちろん、野党は野党の立場として、協力すべきは協力し、正していくべきものは正していきます。我々が先に提案したなどと、手柄の争いのようなことをするつもりは毛頭ありません。政府・与党の皆さんには、もっと柔軟に、謙虚になっていただき、要らぬこだわりは脇に置いて対応すべきです。
 そうでないと、入るべき情報が官邸に上がらず、独りよがりで、思いつきのような政策が乱発され、国民を不安に陥れるのです。突然、使われもしない布マスクを配ってみたり、思いつきのように一斉休校をしてみたり、給付金の対応がぶれにぶれたり、事業者への補償が足りなくなったり、生活困窮者への支援が遅れたりするのです。
 この間の政府の対応は、まさに後手後手の繰り返し、何もかも小出し、結局は中途半端の極みであり、是非こうした対応を改めていただきたいと重ねて主張します。
 こうした観点を踏まえた上で、本予算案に反対せざるを得ない理由について、るる申し上げます。
 コロナ禍の我が国において、最優先すべきは、感染症のこれ以上の拡大防止と、感染拡大により窮地に立たされた国民や事業者の救済です。しかしながら、今回の令和三年度予算案のうち、新型コロナウイルス感染拡大防止のための予算は、予備費の五兆円を除いて、決して多くはありません。
 政府は、新型コロナウイルス対策の予算については、令和二年度第三次補正予算で措置済みであるという考え方で、三年度予算では、ほとんど盛り込むことはしませんでした。しかし、三次補正予算にしても、この三年度予算にしても、編成されたのは状況が全く異なる昨年十二月のことであり、その後の第三波のピークや緊急事態の発令とその対応策については全く織り込まれていません。いずれの予算も、今回の第三波の事態に対応するためには全くもって不十分な内容だと言わざるを得ません。
 なお、私ども立憲民主党は、他の野党とも協力し、この令和三年度予算案においても新型コロナウイルス対策のための予算をしっかりつけるべきだとの考えから、委員会段階において、組替え動議を提出いたしました。内容は以下のとおりです。
 病床や療養施設の確保のため、国がより積極的に関与するとともに、収入の減った全ての医療機関への経済的支援を行うこと、医療従事者等への再度の慰労金を支給することなど、病床の確保や医療機関支援のために三兆円。
 ワクチン接種体制の整備充実や、エッセンシャルワーカーへの定期的公費検査の実施、コロナ検査機器やゲノム解析の普及促進、保健所の体制強化や出入国管理など、再燃防止策、封じ込め策のために二兆円。
 生活困窮者や低所得の子育て世帯に対する給付金の支給や、緊急小口貸付け、休業支援金の延長、雇用保険の特例や学生支援など、暮らしを守るために七兆円。
 事業規模に応じた持続化給付金や休業支援金の給付、無利子無担保融資の拡大、延長、雇用調整助成金特例の延長、地域公共交通機関への支援など、事業を守るために二十二兆円といった充実した内容となっています。
 また、コロナ対策以外の予算としては、保育士、幼稚園教諭、介護、障害福祉従事者等の処遇改善や、小中学校における給食費無償化、児童手当特例給付の所得制限の撤回、廃止、消費者行政の強化、DV被害者支援、農業者戸別所得補償制度の復活、充実など、持続可能な社会の実現や将来に向けた先行投資等に必要な予算の確保のために二兆円を計上すべきとしています。
 しかし、この組替え動議については、自らの無為無策を横に置き、与党側はこれを一顧だにせず、否決をいたしました。与党の議員諸君に、今回の感染拡大の実態とそれに伴う国民の窮状が果たして本当に見えているのでしょうか。仮にそれが見えていないなら論外であり、見えていてなお無為無策を貫き通すなら、無責任の極みであります。
 コロナ禍において、私ども野党は、対策に与党も野党もなしとして、数々の異例の国会対応も容認をして対応してきました。同じ立法府に身を置く者として、今回の与党の議員諸君の行動は極めて残念であると言わざるを得ません。
 以上、この令和三年度予算の政府案は、新型コロナウイルス対策という、私たちにとって今最も必要とされている内容が極めて手薄になっている一方で、本来なら厳しく精査をして不要不急の部分をカットするべき従来型の既存予算が相も変わらず膨張し続けているという、全くもって理解に苦しむ内容となっているのが事実です。このような予算案を私たちは決して容認することはできません。
 腐敗した政治を終わらせ、真っ当な政治に大転換することを申し上げ、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 120405254X01020210302_008

発言者: 武内則男

speaker_id: 19318

日付: 2021-03-02

院: 衆議院

会議名: 本会議