清水忠史の発言 (本会議)
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○清水忠史君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の討論を行います。(拍手)
初めに、所得税法等改正案についてです。
反対理由の第一は、コロナで苦しむ国民に対する税制支援が不十分だからです。
今回の税制改正は、ポストコロナに向けた経済構造の転換を掲げ、売上げの減少が見込まれる中でも減税額を増やしたいという財界の要望に応える形で、企業のデジタル化やカーボンニュートラルに向けた投資への減税を措置しています。
しかし、コロナ禍で優先して行うべきは、一昨年の消費税増税で苦しんでいる国民の暮らしを支え、その負担を軽減することであります。
消費税は、食料品、生活必需品や光熱費など、暮らしに不可欠な支出にも課税され、コロナ禍で苦境にあえぐ国民にも容赦がありません。納税猶予の特例により、最も滞納を余儀なくされている税目が消費税であることを見ても明らかです。
消費税減税は、新型コロナの影響を最も深刻な形で受けている所得の少ない人と中小零細企業への効果的支援にもなるものです。既に世界五十か国以上で消費税減税が実施されています。政府は、消費税五%への緊急減税を決断するべきです。
第二の理由は、不公平税制にメスが入っていないことです。
安倍政権以降、富の集中が進み、資産格差が拡大しています。野村総研の資料によると、純金融資産五億円以上を保有する超富裕層の総資産は倍になり、二〇一九年には、僅か八万七千世帯で百兆円近い資産を保有しています。
にもかかわらず、本法案は、金融所得課税の見直しに全く触れていません。麻生財務大臣は、来年度以降に検討すると言いましたが、株価がバブル期に迫る高値となっている今こそ、証券優遇措置を抜本的に見直し、所得が一億円を超える高額所得者ほど税負担が軽くなるといういびつな税制にメスを入れるべきであります。
大企業優遇税制も問題です。
法案には、財界の要望に応えて、デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の創設で百十億円の減税が、研究開発減税の見直しで二百四十億円の減税などが盛り込まれましたが、中小の赤字企業は、税額控除や特別償却の枠を幾ら広げても使えません。体力のある大企業向けの優遇を拡大すれば、更に法人税収が空洞化するだけです。大企業の法人所得が毎年過去最高を更新しながらも、法人税収が増えない不公平税制の是正こそ求められています。
次に、公債発行特例法案についてです。
この法案は、二〇二一年度から二〇二五年度までの五年間、特例公債の発行を自動的に認めようというものであります。
財政法第四条は、原則、公債や借入金を認めていません。これは、過去の戦争で、戦費調達のために大量の国債を発行し、国家財政と国民生活を破綻させた痛苦の教訓によるものです。辛うじて認められるのは、財政規律を保つための最低限の措置として、その都度国会の承認を得たものに限られます。
五年にわたって特例公債の発行を認めればどうなるのか。参考人として陳述された山田博文群馬大学名誉教授は、国債が雪だるま式に膨張すると、国債費が増大し、生活関連予算が圧縮されると指摘しました。
麻生財務大臣は、無尽蔵な国債発行は行わないと強弁しましたが、予算編成の内容は時の政権の判断に委ねられており、歯止めがかかる保証は全くありません。
財政規律を保つための最低限の措置を逸脱し、国会のチェック機能を今後五年にわたって奪うことは、議会制民主主義の重大なじゅうりんであり、到底認めることはできません。
コロナ禍の下、国民生活を守り、日本経済を立て直すために、今こそ不公平税制を正し、負担能力に応じた税制へと見直すことを強く求めて、反対の討論といたします。(拍手)