小此木八郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(小此木八郎君) 中谷議員から、六問御質問をいただきました。順次お答え申し上げます。
 まず、政府の問題意識に関して、担当大臣としての所見について御質問いただきました。
 我が国の防衛関係施設等の周辺や国境離島等で外国資本が土地を買収していることは、安全保障の観点から、長年問題視されてきた課題です。
 例えば、北海道千歳市の航空自衛隊千歳基地、長崎県対馬市の海上自衛隊対馬防備隊の周辺では、外国資本による土地の取得について、地域住民の不安が広がり、国会や地方議会で議論が行われてきました。
 全国各地の地方公共団体からは、安全保障の観点から土地の管理を求める意見書も提出されています。
 こうした状況を踏まえ、政府は、令和二年七月の骨太方針二〇二〇において、安全保障等の観点から、関係府省による情報収集など土地所有の状況把握に努め、土地利用、管理等の在り方について検討し、所要の措置を講ずる方針を閣議決定しました。
 我が国の安全保障をめぐる内外情勢は、近年、厳しさを増しています。多くの国民の不安に対応し、安全保障を確保するためには、土地の管理を含め、万全の対策を講ずる必要があると考えます。
 一方、国が、安全保障の確保という大義の下、土地に関する私権を過度に制限するのではないかという不安も指摘されていると承知しています。
 こうした中、昨年開催した国土利用の実態把握等に関する有識者会議からは、国民の権利との関係に十分留意しつつ新しい立法措置による実効的な枠組みを整備することについて提言をいただきました。
 政府としては、この提言を踏まえ、先ほど申し述べた二つの不安、この不安と向き合った上で、今般御審議いただく本法案を取りまとめました。
 具体的には、安全保障の観点から重要な防衛関係施設等の周辺や国境離島等の土地等の利用実態を調査し、必要に応じて利用を規制する、一方、私権制限への懸念が指摘される、土地等の取得、所有に対する幅広い規制にまでは踏み込まないという、安全保障と自由な経済活動の両立を図る枠組みとしたところであります。
 政府としては、早期の成立に向け、全力で取り組んでまいります。
 次に、内外無差別の取扱いについて御質問いただきました。
 安全保障の観点からリスクのある、防衛関係施設等の重要施設や国境離島等の機能を阻害する行為については、その主体が外国人、外国法人であるか又は日本人、日本法人であるかにかかわらず、適切に対処することが必要です。
 このため、本法案では、中谷議員御指摘のとおり、内外無差別の枠組みとしております。
 すなわち、安全保障の観点からリスクのある土地建物については、それらの利用者が外国人、外国法人である場合に限定せず、利用の実態を調査し、必要に応じて利用規制を行うこととしています。
 なお、有識者会議の提言においても、我が国の法律に基づいて設立された会社であっても、実質的な所有者や支配者が日本人でないケースもあり、土地の所有者の国籍のみをもって差別的な取扱いをすることは適切でないとされたところであります。
 次に、重要施設等の機能を阻害する行為について御質問いただきました。
 機能阻害行為については、安全保障をめぐる内外情勢や施設の特性等に応じて様々な態様が想定されます。
 このため、想定する行為の類型を網羅的にお示しすることは困難ですが、例えば、重要施設に関しては重要施設の機能に支障を来す構造物の設置など、国境離島等に関しては領海基線の根拠となる低潮線に影響を及ぼすおそれがあるその近傍の土地の形質変更などが、それぞれ、御指摘のあった機能阻害行為に該当し得るものと考えています。
 こうした機能阻害行為については、本法案施行後に閣議決定する基本方針において、想定される行為類型を例示することとしています。
 次に、防衛関係施設の周辺、国境離島の対象区域について御質問いただきました。
 まず、本法案に基づく調査や利用規制等の対象となる区域の指定の手続についてお答えします。
 御指摘のあった防衛関係施設の周辺や国境離島については、法律の要件や基本方針の内容に照らして、個々の区域を評価します。そして、新たに設置する土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、指定の要否、範囲等をそれぞれ判断することとなります。
 したがって、現時点において、本法案の対象区域は決定しておりません。その前提で、本法案の検討に当たり、対象区域として想定した防衛関係施設の周辺、国境離島の考え方についてお答えします。
 防衛関係施設に関しては、機能を阻害される用に供されることを特に防止する必要があるとの要件に該当し得る、部隊等の活動拠点となる施設、部隊等の機能支援を行う施設、装備品の研究開発等を行う施設、我が国の防衛に直接関連する研究を行う施設といった施設の周辺が、注視区域として指定の検討対象になるものと考えています。
 また、機能が特に重要なもの又は阻害することが容易であるものであって、他の重要施設による機能の代替が困難であるものとの要件に該当し得る、指揮中枢機能及び司令部機能を有する施設、警戒監視、情報機能を有する施設、防空機能を有する施設、離島に所在する施設といった施設の周辺が、特別注視区域として指定の検討対象になるものと考えています。
 なお、在日米軍施設・区域については、自衛隊施設の周辺区域の指定の考え方等を踏まえ、管理者である米軍との間で詳細を確認した上で、区域指定を検討する必要があると考えています。
 次に、国境離島における区域指定の考え方についてお答えいたします。
 領海基線を有する離島である国境離島に加え、有人国境離島法に基づく有人国境離島地域を構成する離島である有人国境離島地域離島において、それぞれ区域指定を行うこととしています。
 我が国が現に保全管理をしている国境離島のうち、無人であって、民有地が所在する島については、区域指定する必要性、緊急性が高いものと考えています。
 一方、有人国境離島地域離島のうち、領海基線を有する島では、領海基線近傍の範囲等が区域指定の検討対象になるものと考えています。また、領海基線を有しない島では、領海警備等の活動拠点となる港湾施設及び行政機関の施設等の周辺が区域指定の検討対象になるものと考えています。
 いずれにせよ、具体的な区域の指定については、国会での御審議も踏まえ、法定する手続に沿って適切に進めてまいります。
 次に、土地の所有及び利用状況を明らかにするための調査の実効性について御質問いただきました。
 本法案に基づく調査では、不動産登記簿等の公簿の収集による氏名、住所、国籍など、土地等の利用者等の把握だけでなく、現地・現況調査や報告徴収を通じた土地等の利用実態の把握、特別注視区域における事前届出制度を通じた土地等の買手の利用目的の把握なども行うこととしています。
 加えて、重要施設を所管又は運営する関係省庁、事業者や、地域住民の方々から機能阻害行為に関する情報を提供いただく仕組みも今後検討いたします。
 このように、関係省庁の協力を得ながら、きめ細かい情報収集を行うことによって、できる限り具体的な実態把握に努め、調査の実効性を高めてまいります。
 最後に、取引規制を設けず、調査及び利用規制による対応とした理由について御質問いただきました。
 取引規制とは、一般に、土地等の取引を事前に審査し、安全保障の観点からリスクがあると認められる取引を規制する枠組みであると承知しています。
 こうした取引規制について、有識者会議の提言では、あらかじめ規制の基準や要件を明確に定めることが困難であり、慎重に検討すべきこととされたところであります。
 政府としては、この提言を踏まえ、本法案では取引規制は導入しないことといたしました。
 他方、本法案には、安全保障の観点からリスクのある土地等の利用行為に対する中止の勧告、命令のほか、国が土地の買取りの申出を行う等の措置を盛り込んでおり、全体として、制度の実効性を担保してまいります。
 以上です。(拍手)
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発言情報

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発言者: 小此木八郎

speaker_id: 23042

日付: 2021-05-11

院: 衆議院

会議名: 本会議