小此木八郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(小此木八郎君) 篠原議員より、十四問御質問いただきました。順次お答え申し上げます。
 まず、二〇一〇年以降における、安全保障上のリスクとなるような土地取引の有無について御質問いただきました。
 御指摘のような事例が過去にあったか否かについては、安全保障上のリスクを回避する観点から、お答えすることは適当でないと考えます。
 その上で、例えば、二〇一四年頃に、北海道千歳市の航空自衛隊千歳基地の周辺における外国資本による土地の取得について、地域住民の不安が広がり、国会や地方議会で議論が行われてきたと承知しています。
 また、二〇一〇年以降においても、全国各地の地方公共団体からは、安全保障の観点から土地の管理を求める意見書も提出されています。
 本法案については、このような国民の不安に対応するために、昨年開催した有識者会議の提言を踏まえ、取りまとめたものであります。
 次に、調査に関する地元自治体からの要請について御質問いただきました。
 本法案は、安全保障の確保等の観点から、重要施設や国境離島等の機能を阻害する行為を防止することを目的とするものであり、国の責任において判断し、執行すべきものと考えています。
 このため、地元自治体からの要請を調査開始の要件とはしていません。
 他方、地域社会の実情を把握している地方公共団体の協力を得つつ本法案を執行していくことが重要であることから、区域指定を行う前に、指定区域の所在する地方公共団体との意見交換を行ってまいります。
 次に、有識者会議の提言で記載されている事例について御質問いただきました。
 まず、政府として、民間の個別の経済活動について、経済合理性があるか否かをお答えするのは必ずしも適切でないと考えます。
 その上で、一般論として、目的が明らかでないと考えられる土地取得が安全保障上のリスクとなるかどうかは、直ちに評価できません。
 他方で、我が国の防衛関係施設の周辺や国境離島等は安全保障上重要な地域であり、経済合理性が見出し難い外国資本による土地取得について、その意図が不透明であるとして、地域住民の不安が広がっている事例もあると承知しています。
 今般の法案は、こうした多くの国民の不安に対し、安全保障上、取り返しがつかない事態となることのないよう、取りまとめたものであります。
 次に、有識者会議の提言で記載されている事例を取り上げた趣旨について御質問いただきました。
 繰り返しとなりますが、政府として、民間の個別の経済活動について、経済合理性があるか否か、お答えをするのは適切でないと考えます。
 その上で、北海道千歳市の航空自衛隊千歳基地の事例や長崎県対馬市の海上自衛隊対馬防備隊の事例については、当該施設の周辺で外国資本による土地取得があり、両市議会で懸念が示されたことから、有識者会議の提言において、地域住民に不安が広がっている事例として取り上げられたものと承知しております。
 次に、機能阻害行為に対する措置について御質問いただきました。
 機能阻害行為については、予見可能性の確保の観点から、閣議決定する基本方針において、想定される行為をできるだけ具体的に例示したいと考えております。
 その上で、注視区域内の土地等の利用者に対する勧告を行うに当たっては、土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、その行為の安全保障上のリスクを評価し、措置の必要性及び妥当性について慎重に判断してまいります。
 また、勧告等の対象となった土地等の利用者に対しては、勧告等の理由、措置の必要性について十分に説明を行い、理解を得るよう努めてまいります。
 その上で、本法案に基づく当該土地等の利用の中止等の命令に不服がある場合は、行政不服審査法に基づく不服申立てや行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟を行うことが可能であり、これらの枠組みによって対応することとなります。
 次に、法的予見性の重要性について御質問いただきました。
 法律による規制については、国民に対し予見可能性を確保することが必要であることから、本法案においても、規制の対象について、「重要施設の施設機能又は国境離島等の離島機能を阻害する行為」と明記しております。
 一方、機能阻害行為については、安全保障をめぐる内外情勢や施設の特性等に応じて様々な態様が想定されることから、全ての類型を個別具体的に規定することは困難であると考えております。
 このため、国民の予見可能性の一層の確保に資する観点から、機能阻害行為については、条文上の規定に加えて、閣議決定する基本方針において、想定された行為をできるだけ具体的に例示したいと考えております。
 次に、機能阻害行為として想定される行為を法律等に規定することについて御質問いただきました。
 議員の御指摘は、機能阻害行為を法律及び政令において限定列挙すべきであるという趣旨と認識いたしますけれども、先ほども申し上げたとおり、機能阻害行為については、安全保障をめぐる内外情勢や施設の特性等に応じて様々な態様が想定されることから、全ての類型を個別具体的にお示しすることは困難です。
 仮に、法律や政令において機能阻害行為の類型を限定列挙することとした場合、その類型を潜脱する行為や明示された類型以外の機能阻害行為を助長するおそれがあると考えております。
 このため、法律等の規定において機能阻害行為の類型を限定列挙することは適当ではないと考えています。
 次に、注視区域や特別注視区域の指定手続について御質問いただきました。
 区域の指定については、有識者会議から、予見可能性の確保や過度な負担防止の観点から、施設からの一定の距離で範囲を設定しておくことが適当である、ただし、距離の基準を一律に設定することは必ずしも適当ではない、安全保障の観点から、施設の性格やその区域の地理的な特性等を総合的に勘案して、ケース・バイ・ケースで柔軟に設定し得る仕組みとしておくことが適当との提言をいただきました。
 これを踏まえ、本法案では、一律の距離基準を設けず、重要施設の機能を阻害する行為が相当に懸念される範囲の目安として、その敷地からおおむね一千メートルを区域の範囲を上限として設定したところであり、国会の関与を排除する趣旨ではありません。
 なお、制度運用の適正さを確保する観点から、土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、指定の要否や範囲等の判断を行うこととしております。
 また、区域指定された場合には、法定の手続に沿ってその区域等を官報で公示するほか、本法案に基づく措置の実施状況については、毎年、国会を含め、広く国民に対して公表してまいります。
 次に、特別注視区域の指定について御質問いただきました。
 特別注視区域として、いかなる区域を指定するかについては、法施行後に、法定する手続に沿って決定することとしております。
 したがって、現時点において、御指摘のあった市谷の防衛省や海上保安庁の施設、原発などの重要インフラの周辺について、特別注視区域の対象から除外することを決定した事実はありません。
 本法案に基づく注視区域又は特別注視区域の指定に当たっては、指定に伴う社会経済活動への影響も勘案しつつ、個々の区域ごとに指定の要否、区分等を慎重に判断してまいります。
 次に、個人情報の取扱いについてですが、本法案に基づく調査により収集された個人情報は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づき、個人情報の漏えい防止のため必要な措置を講じるなど、適切な管理が求められます。
 このため、本法案においては、個人情報の取扱方法に関する規定を設けていないところであります。
 なお、本法案の第三条において、個人情報の保護に十分配慮することとしており、個人情報の保護、管理には万全を期してまいります。
 次に、個人情報の目的外利用について御質問いただきました。
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律や地方公共団体における個人情報保護条例では、個別の法令に根拠がある場合に、個人情報の外部提供や目的外利用を行うことができることとされております。
 本法案においては、関係行政機関、関係地方公共団体等が保有する情報を土地等利用状況調査に活用するため、第七条で、内閣総理大臣は、関係行政機関、関係地方公共団体等に対し、指定区域内にある土地等の利用者等に関する情報の提供を求めることができ、当該求めがあったときは、関係行政機関、関係地方公共団体等は、その情報を提供することを規定しております。
 次に、本法律案に基づく調査の内容について御質問いただきました。
 本法案に基づく調査は、注視区域内にある土地等の利用状況を把握するために行うものであります。
 第七条において、内閣総理大臣が、調査の一環として、関係行政機関の長等に提供を求めることができる情報は、氏名、住所など、土地等の利用者やその利用目的等を特定するために必要な情報に限られています。
 また、第八条において、内閣総理大臣は、対象区域内にある土地等の利用者等に対し、報告徴収等を行うことができますが、報告等を求めることができる事項は、条文上、土地等の利用に関するものに限定されます。
 このため、本法案に基づく調査では、注視区域内にある土地等の利用者等について、その土地等の利用に関連しない、例えば、御指摘のあった思想、信条等に係る情報を収集することは想定しておりません。
 次に、本法案に基づく調査の体制について御質問いただきました。
 本法案に基づく調査としては、不動産登記簿等の公簿の収集、土地等の利用者等からの報告徴収、現地・現況調査があります。
 このうち、公簿の収集及び報告徴収については、内閣府に新設する部局が一元的に実施し、情報管理を行います。
 現地・現況調査については、必要に応じて重要施設等の所管省庁及びその地方支分部局に協力を依頼することも想定しております。具体的な協力の在り方については現在検討中ですが、現地・現況調査は、対象区域の土地等の利用実態の把握のために行うものであり、御指摘のような運動を調査するものではなく、御懸念のような事態が生じることはありません。
 最後に、農地、水源地等の取扱いについて御質問いただきました。
 農地や水源涵養機能を有する森林については、現行の農地法や森林法において、食料の安定供給や国土の保全等を目的として、土地取得の際の許可や届出等といった措置が講じられています。
 有識者会議の提言においても、既存の措置があることを踏まえ、これらの土地を対象とすることについては慎重に検討していくべきとされ、また、防衛関係施設の周辺や国境離島の土地は、まず最優先で制度的枠組みの対象とすべきとされたところであります。
 このため、本法案に基づく調査等の対象には、重要施設の周辺や国境離島等に所在するもの以外の森林や農地は含めないこととしております。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣岸信夫君登壇〕

発言情報

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発言者: 小此木八郎

speaker_id: 23042

日付: 2021-05-11

院: 衆議院

会議名: 本会議