熊野英生の発言 (予算委員会公聴会)
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○熊野公述人 ありがとうございます。
経済予測は私の本業なので、一番いつも日常的にお話をしている話なんですが、今回は、いろいろな国際機関の予測で見ても、五%ぐらい大きく落ちた後、大体二%ぐらいのリバウンドが起こり、恐らく二〇二二年、二一年の次の二二年も同じぐらいのペースではないかというふうに見られているというのが現状です。
ただ、問題は、成長率だけではなくて、今回のコロナ前の水準まで、どこまで、いつ戻るのか。
これはどういうことを意味しているかというと、過去の操業度というのが供給のキャパシティーだとするならば、そのキャパシティーに達しないということなので、それだけ余剰生産能力があり、これがデフレ作用をもたらす。そういう意味では、恐らく二〇二三年ぐらいまでは今回のコロナ前に戻れないので、やはり、二%成長、二%というか二%弱ぐらいの成長で二〇二二、二三ぐらい行ってようやく戻すので、そういう意味では、デフレ圧力が非常に強まる。
ここで非常に重要なのは、内閣府が四半期ごとに大体出している潜在成長率というのがありますが、内閣府の直近の潜在成長率は〇・七%で、つまり、実際の日本の素の成長率が非常に低下しているので、これを引き上げていかないといけない。
そこで、御質問で、どういった政策が必要なのかということなんですが、私は、痛み止めをするような財政出動というのもある意味必要だと思うんですけれども、やはり、成長していくようなデジタル化とか、企業が地元にいろいろ設備投資をするような、国内回帰を促すような、そういう政策誘導。つまり、短期ではなくて長期の政策を促すような政策。具体的に言うと、金融のところでの支援をもう少し手厚くするということが民の力においては非常にいいのではないのかなと思います。
どういったところがよくて、どういったところが悪いかという意味では、いいところは、製造業が今世界的な物の動きを反映して大分リカバリーを果たしているので、製造業に対してのアシストはほとんど要らないんじゃないかと思います。しかし、小売は、まずまず回復しているんですが、衣料品などは非常に悪いので、そういうところについては金融的な支援は手厚くしないといけないでしょうし、最大のネックは、やはり観光産業をどうしたらいいか。外食、観光のところについては、これはやはり、国がインバウンド、観光政策を長期にやっていくということで、ここは、金融だけでなくて補助金とか規制緩和とかそういうものをいろいろ誘導しながら長期の政策を講じていくことが、潜在成長率〇・七%を一%に、一%に上げていくには必要なんではないのかなというふうに思います。
ですから、潜在成長率を押し上げていくような金融、財政、規制緩和、そういうのを組み合わすということが政策対応としては望ましいのではないのかなというふうに考えております。