山下芳生の発言 (憲法審査会)

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○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 まず、憲法審査会の運営について意見を述べます。
 そもそも憲法審査会は、改憲原案を発議し、審査する機関です。しかし、世論調査で政権に期待するテーマは何かと問われて、改憲と答える人は数%にすぎません。日本共産党は、国民世論が改憲を求めていない中、憲法審査会を動かす必要はないし、動かすべきでないと考えます。
 次に、憲法改正国民投票法について幾つか意見を述べます。
 現行の国民投票法は、第一次安倍政権時代の二〇〇七年、改憲に執念を燃やす安倍首相の思惑に沿って作られたものであり、CM規制や最低投票率など根本的な問題が残されたままの欠陥法となっています。そのため、参議院では、同法の採決に当たり十八項目に上る附帯決議を付しました。二〇一四年、同法改定の際もこの欠陥を残したままだったため、二十項目の附帯決議が付されています。
 しかし、こうした国民投票法の根本問題はこれまで十分に議論されてきませんでした。本院附帯決議が指摘した欠陥を放置したまま、公職選挙法との横並びとして七項目だけ議論しようというのは、最高法規である憲法の改正手続を軽んじるものであり、認められません。
 今回の国民投票法改定案も、安倍氏の改憲への執念から提出されたものにほかなりません。第二次安倍政権時代の二〇一七年五月三日、安倍首相は改憲派の集会に送ったビデオメッセージで、九条改憲を含む改憲項目を提示し、二〇二〇年を憲法改正の年にすると宣言しました。安倍氏の号令の下、自民党は、二〇一八年三月、改憲四項目をまとめます。この改憲四項目を憲法審査会で議論するための呼び水として提出されたのが、公選法横並びの国民投票法改定案でした。
 一方で、自民党は、国民の改憲機運を盛り上げるとして、党を挙げて世論をあおりました。しかし、安倍政権が改憲を叫べば叫ぶほど、安倍改憲に反対する国民世論は拡大します。二〇一九年の参議院選挙では、安倍首相自ら改憲を正面に掲げた選挙戦にしたにもかかわらず、与党など改憲勢力の議席が参議院の三分の二を割る結果となり、安倍氏が掲げた二〇二〇年改憲は阻止されました。安倍氏自身が首相辞任表明の記者会見で、国民的世論が盛り上がらなかったのは事実だと述べたように、安倍改憲が破綻したことは明らかであります。
 にもかかわらず、菅首相は、五月三日、改憲派の集会に送ったメッセージで、自民党改憲四項目を示しながら、憲法改正に関する議論を進める最初の一歩として、まずは国民投票法改正案の成立を目指すと発言しました。安倍氏と全く同じやり方で、安倍改憲に固執しています。
 同じ集会で自民党の下村博文政調会長は、コロナを、ピンチをチャンスにと発言し、コロナ危機に乗じて安倍改憲を推進する姿勢をあらわにしました。余りにも国民世論と懸け離れた態度であり、不謹慎な姿勢と言わざるを得ません。
 今、国民は改憲議論など求めていません。各地方紙の社説には、政治が最優先で取り組まなくてはならないのは国民投票法改正ではなく、感染防止対策ではないか、中国新聞、コロナ対応の失策を隠すために改憲議論を利用している、神奈川新聞、まず全力を挙げてコロナ対策に取り組むべき、憲法改正議論は、優先して取り組むべき課題ではない、沖縄タイムスなどの声が広がっています。
 不要不急の改憲議論にかまけることなく、目の前の命を守り、暮らしを支えるために日々議論し、必要な対策を打つことこそ国権の最高機関たる国会の使命であることを強調し、意見表明とします。

発言情報

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発言者: 山下芳生

speaker_id: 9284

日付: 2021-05-19

院: 参議院

会議名: 憲法審査会