杉尾秀哉の発言 (憲法審査会)

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○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾秀哉です。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず冒頭に、国民投票法の改正案について、私どもの修正案を自民党が全面的に受け入れ、衆院段階で合意が成立したことは一定の評価ができます。しかし、その一方で、国民投票法成立時から指摘されている問題点が積み残されたままで、依然、欠陥法案であることに変わりありません。
 修正案の附則第四条には、公平公正を確保するために必要な事項が書かれており、これは、テレビCM規制などの必要な法改正が行われなければ国民投票の公平公正が確保されないことを自民党も認めた証左だと、このように理解できます。
 そもそも、テレビCMをめぐっては、国民投票法制定時に民放連が自主規制を表明し、それを前提に法規制が見送られた経緯があります。ところが、その後、民放連が量的規制は困難と手のひら返しをしたことから、立法当時の前提が崩れました。この間、大阪都構想の住民投票で、資金力のある団体がCMを大量に流す問題が提起されたのは皆さん御承知のとおりです。さらに、テレビとネットの広告費の逆転に見られるネット媒体の影響力の増大、また、イギリスのEU離脱国民投票や、昨年のアメリカ大統領選挙などで提起されたネットによるフェイクニュースや流言飛語とターゲティング広告など、法制定時には考えられなかった問題が山積しております。
 外国資本を含めて、投票を金で買うと言われるような運動の資金量に国民投票の動向が左右されるようなことがあってはならず、七項目の改正案の不備や、憲法が保障する言論、表現の自由との兼ね合いも含めて、これらの諸課題を慎重かつ十分に時間を掛けて検討しなければならないことは言うまでもありません。
 与党の中からは、このコロナ禍に乗じて、ピンチをチャンスにとか、コロナは憲法改正の実験台などという発言が相次いでおりまして、こうした火事場泥棒的で不謹慎極まりない発言に対しては、満腔の怒りを込めて抗議いたします。
 また、それと同時に、今回の法改正で憲法論議を加速させる条件が整ったかのごとき議論は、余りに早計かつ筋違いで、憲法軽視も甚だしいことを付言させていただきます。
 こうした論点をクリアすることなく改憲論議を前に進めることは不可能で、何より国民投票の公平公正さが疑われれば、投票結果そのものの正当性が疑われます。静ひつな環境でまずは立憲修正案の附則等を徹底的に審議し、公平公正な投票、国民投票の土台づくりに専念するように訴えて、私の意見といたします。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 杉尾秀哉

speaker_id: 27581

日付: 2021-05-19

院: 参議院

会議名: 憲法審査会