稲葉剛の発言 (厚生労働委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(稲葉剛君) ありがとうございます。
 先ほどは緊急の対策についてお話をさせていただきましたが、中長期的な格差の拡大についても大変懸念をしております。これは日本に限らずですけれども、世界各国においてコロナ禍でそれぞれの国によって二極化が進んできていると。本当にもう今月の家賃をどうしようか、今日食べるものどうしようかというふうに苦しんでいる方々がいる一方で、金融資産がどんどん増えていっている人たちもいるという状況があります。
 御承知のように、アメリカのバイデン政権においては、コロナの影響で広がってしまった貧富の格差を縮小していくという対策を打ち出しておりまして、富裕層への課税強化、所得税の最高税率を上げたりとか、キャピタルゲインの課税をしていくというような方針を打ち出しています。是非や日本もこうした姿勢というのを見習ってほしいというふうに願っています。
 といいますのは、既に二〇一四年の段階でOECDが所得格差は経済成長を損なうというレポートをまとめています。また、例えば健康の社会的な決定要因に関する研究では、格差、所得格差の広がった国や地域においては、格差の下にいる人たちの健康状態が当然悪化するわけですけれども、格差の上にいる人たちの主観的な健康状態も悪化するというような研究結果も出ているわけでして、このまま、元々コロナ以前から日本は格差が拡大していたわけですけれども、貧富の差というのがこれ以上コロナの影響で広がっていくと、恐らくこれ誰にとっても不幸な事態になってしまうのではないか、これ社会としての一体感というのが失われてしまう、社会がもう分裂してしまったような状況になってしまうのじゃないかということを大変懸念しております。
 ですので、今後、少なくとも十年間はコロナの影響によって拡大してしまった貧富の差を縮小していくという政策を、これはそれぞれの政治的な立場を超えてコンセンサスとしてそういう方向へ向かっていくという政治をお願いしたいというふうに思っております。

発言情報

speech_id: 120414260X01320210506_051

発言者: 稲葉剛

speaker_id: 27915

日付: 2021-05-06

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会