田渕雪子の発言 (行政監視委員会)

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○参考人(田渕雪子君) 本日は、こうした発言の場をいただき、ありがとうございます。行政経営コンサルタント田渕でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初にお話いただいたときに、オンラインですかというふうにお尋ねしたんですけれども、対面でということで、久しぶりに地下鉄に乗って永田町まで参りました。
 私、自治体の皆さんと行政評価システムをずっと一緒につくってまいりました。現在も国や地方自治体の外部評価委員として行政の評価に関わらせていただいております。また、総務省の政策評価審議会の委員として国の政策評価の制度設計にも関与させていただいているところです。
 私からは、国と地方自治体の役割について、評価の観点から所見を述べさせていただきます。
 資料の最初にお示ししている問題意識については、後ほどコメントさせていただきます。
 まず、国と地方自治体における評価の動向を簡単に御説明させていただきます。
 国では、二〇〇二年、平成十四年ですね、に行政機関が行う政策の評価に関する法律が施行されて、この法律に基づいて評価が実施されているところです。その後、約二十年が経過した昨年度ですね、政策審議会において、今後の行政の評価の向かうべき方向について審議がなされ、提言が取りまとめられたところです。その中の提言では、行政のあるべき姿として、役に立つ評価、しなやかな評価、納得できる評価が挙げられています。詳細については最後にあります資料を御覧ください。
 次に、地方自治体の動向です。
 地方自治体では、国に先駆けて一九九〇年代後半から行政評価の動きが始まっております。私が自治体の皆様と行政評価システムをつくり始めたのもこの頃でございます。その後の十年で下の図のとおり大きく前進しております。この間、平成の大合併もありました。自治体数、多分十年で全体で四割ぐらい減っているかと思います。ここ十年の動きは比較的穏やかで、それぞれの自治体で状況に応じて行政評価の仕組みを改善しているということで、評価が定着してきたというふうには認識しております。
 国の関与は要請レベルで、地方自治体が評価の必要性を認識して自主的に取り組んだということ、これがここまで取組が定着した要因だろうというふうに思います。また、地方自治体の行政評価は、国と地方自治体の役割分担が機能した事例ではないかとも思っております。国の関与というのは要請レベルであったということも大きいかというふうに思います。
 資料三ページです。ここでは、国と地方の行政の役割分担について、評価の観点から所見を述べさせていただきます。
 今、国民、住民にとって何が、どういう役割分担が最適かを基本のスタンスとして、国民、住民にとっての最適を考える上でのポイントとして三点挙げております。国民、住民の立場に立つ、全体最適、○○ありきからの脱却です。
 役割分担の考え方として、シェアード・アウトカムをお示ししております。これは、達成すべきアウトカムを実現するための役割を分担すると、そういった考え方で、役割を分担するだけではなくて、連携して対応するということ、その上で取組を共有するということがポイントになります。
 具体的に少しお話をしたいと思います。全体最適ということなんですが、例えば災害対策の役割分担を見たときに、被災された方々にとっての最適を被災された方々の立場に立って考える、みんなでどう支援していけばいいかを考えるということで、もうみんなでというのが全体最適。部分最適になっていないかということは、官だけの役割分担になっていないかということです。みんなでというのは、民と官一緒になってということになりますので、全体で最適に役割を分担するというのが全体最適ということで、民と官のうちの官は行政、で、行政の中だけで役割を分担するのを部分最適として整理をさせていただいているところです。
 ○○ありきからの脱却は、例えば自治会ありき。事務事業評価の中では、ほとんどの自治体で自治会加入率を指標として設定していると思います。事務事業評価で評価する際に、加入率を上げる、そのためにはどうすればいいか、そこを考えるのではなくて、ほかに目的を達成する手段はないか、そうした観点で考えてみるということです。この事業の目的は自治会への加入率を上げることではないので、目的が達成されるのであればほかの方法でもよいのではということです。それが○○ありきからの脱却ということで、役割は既に決まっている役割だけではなくて、常に時代に応じて変化していくことが必要なのではないかということです。評価でいえば、政策レベルの評価が全体最適に当たって、部分最適には事務事業評価であったり業務分析などに当たるかと思います。
 最後に、国、地方自治体における情報の在り方について三点挙げさせていただいております。
 一点目が、正確、公平、適時適切、そうした情報の提供となっているかということ。公平というのは、情報格差がないということであります。
 二点目、税金が効果・効率的に使われたか、税金の使途とその効果について説明責任が果たせているかということです。行政評価の評価結果は、その説明責任を果たすための材料であるということです。ということで、行政の評価の確実な実施が必要というところです。
 三点目、国民、住民にとって有効な行動変容をもたらす判断材料となっているかということで、コロナ禍でいえば、ワクチン接種の判断ですね、ステイホーム、自粛の判断、あるいは災害時であれば、避難をしようかどうしようか、その時期の判断といった形になります。
 こうした情報提供は、国、地方自治体の重要な役割だと、そうした認識の下に課題として挙げさせていただきました。また、これら三点、特に一点目なんですけれども、様々な自治体の方々あるいは東日本大震災で被災された方々、そうした方々とお話をさせていただいている中で、問題意識として持っておりましたので、今回課題として挙げさせていただきました。
 その内容については、御質問いただいた中でお答えをさせていただければというふうに思います。
 私からは以上です。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 田渕雪子

speaker_id: 21382

日付: 2021-04-19

院: 参議院

会議名: 行政監視委員会