杉野剛の発言 (文教科学委員会)
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○政府参考人(杉野剛君) お答えいたします。
御指摘のように、近年、トップ一〇%論文数の国際的なシェアが低下するなど、我が国の研究力が相対的に低下していると認識しております。
その要因といたしましては、まず欧米の主要大学は数兆円規模のファンドの運用益を活用いたしまして研究基盤を充実しており、このような取組が我が国と欧米との研究環境の差につながっていること、さらには、博士課程在学中の経済的な不安やキャリアパスの不透明さなどにより、優秀な若手人材が研究を志さない傾向にあること、こういったことなどを含めまして様々な要因が挙げられるというふうに認識しております。
加えて、御指摘もありましたように、新型コロナウイルス感染症の影響下にありましても、世界各国はイノベーションへの投資強化を計画しております。リーマン・ショック後の反省を踏まえまして、我が国においても科学技術イノベーション活動への力強い下支えを行うため、国の資金を活用して早期に大学ファンドを創設したいと考えているところでございます。
その大学ファンドでございますけれども、運用益を活用することによりまして、世界トップレベルの研究大学に向けた高いポテンシャルと明確なビジョンを有して改革に取り組む大学や、博士後期課程学生など若手人材育成に意欲的に取り組む大学への助成を行うこととしておるところでございます。このうち博士後期課程学生への支援につきましては、研究力強化・若手研究者支援総合パッケージにおいて示されました約一万五千人の博士後期課程学生への経済的支援を目指すことになりますけれども、大学ファンドの創設に先駆ける形で令和二年度第三次補正予算案におきまして二百億円を計上しており、速やかな支援を開始したいと考えております。
運営体制につきましては、JST、科学技術振興機構のことでございますが、JSTは外部の資産運用機関を活用しながら、文部科学大臣の承認の上で経済、金融などの専門家を担当理事に充てるとともに、文部科学大臣が任命する外部有識者による運用・監視委員会を新設することを通じまして、必要な管理運用体制を整備することとしております。
情報公開につきましては、JSTが策定する資金運用の基本方針の公表を本法案にて義務付けるとともに、GPIF、年金積立金管理運用独立行政法人のことでございますが、GPIFなど国内の運用機関を参考に各事業年度の業務概況報告書を公表するなど、広く国民に対しまして丁寧で分かりやすい情報発信を促してまいりたいと考えているところでございます。