磯崎仁彦の発言 (法務委員会)

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○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 まさに裁判所の裁量で担保を立てる立てない、これが決められるということでございます。
 私は、その是非そのものについてどうのこうのということではありません。ただ、事案により、先ほど、個別の事案ですので、この原発の事案についてどうかということについては言及はされなかったわけでございますが、いろいろ聞く中においては、事案によって異なるとは思われますが、原発訴訟においては主張の内容及び事案の性格に鑑み担保を付さないこととするというふうにされることが多いというふうに聞いております。
 仮処分が認められて原発の稼働が停止となった場合、電力会社は、代替の発電の燃料、このコストが大きくのしかかるわけでございます。先ほどの伊方原発、まさに今止まっているわけでございますが、これが令和二年一月十七日の差止めから今日までということになると、一か月約二十五億円、十二か月で三百億円の追加のコストが掛かるということでございます。
 そうなると、このコストというのは誰が負担するものなのかということが問題になるわけでございます。後日、最終的に本案の中で停止となってしまうということもある、あるいはそこまで行かなくて仮処分が取り消される、あるいはその本案で逆転になってくる、こういういろんなケースがあるわけでございますけれども、更に言えば、電力会社はいろんな訴訟が提起をされるわけでございますけれども、全てに勝訴をしなければ止まってしまうという、こういう状況になるわけでございます。
 現実、伊方原発の場合、仮処分の申立ては広島地裁で二度、松山地裁、大分地裁で各一度、四度仮処分の申立てがなされているということでございます。また、現在進行中の裁判としては、松山地裁に本案が、広島地裁に本案と仮処分が、大分地裁に本案が、山口地裁に本案と仮処分、これが係争しているという状況でございます。まさに訴訟が乱立をしているといった状況ではないかなというふうに思っております。
 私は、民事の固有の機能として、情報あるいはその経済力で優越する大企業である原子力発電所に対して弱い立場にある個人を守る、こういう役割が民事のそもそもの機能としてあるということについては決して否定をするものではありません。ただ、先ほど申し上げましたように、一度止まった場合には、例えば一か月で何十億円、一年間で何百億円という、こういうコストが発生をするわけでございます。こういうことを考えた場合に、余りにもバランスを失しているのではないか、これはまさに司法の判断でございますのでそこの内容については申し上げませんけれども、そういう感覚を私としては持つということでございます。
 原発をめぐる民事訴訟や仮処分申立て、これについては、より専門科学的な次元で審理、判断される行政訴訟に一本化すべきと言う専門家もいらっしゃるわけでございます。ここでは、非常に難しい問題でございますので、問題提起ということにとどめさせていただきたいと思いますけれども、何らかの検討が必要なのではないかという感覚を持っているということをお話をさせていただきたいと思います。
 最後に、時間が限られておりますので、法務・検察行政刷新会議の報告書について質問をさせていただきたいと思います。
 昨年十二月、法務・検察行政刷新会議の報告書が取りまとめられ、鎌田座長から上川大臣に提出をされました。本会議は、数々の事案により損なわれた法務・検察に対する国内外の信頼を回復するとともに、被告人の海外逃亡を契機として我が国の刑事司法行政の問題点と課題、これを洗い出した上で、幅広い観点から新たな法務行政の在り方を検討されたいという、こちらにいらっしゃいますが、前法務大臣の森まさこ先生の委嘱を受けたものというふうに認識しております。検察官の倫理、未来志向での法務行政の透明化、そして我が国の刑事行政について国際的な理解が得られるようにするための方策、この三つの柱が掲げられたわけでございます。
 そして、資料に御用意させていただいておりますとおり、最後の部分で、結び、法務・検察に望むこととして三点が挙げられているわけでございます。上川大臣は、この報告書を受けられて、この三点について今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをしたいというふうに思います。

発言情報

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発言者: 磯崎仁彦

speaker_id: 31384

日付: 2021-03-16

院: 参議院

会議名: 法務委員会