川原隆司の発言 (法務委員会)
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○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
刑事訴訟法上、弁護士などにつきましては、依頼者の秘密を委託されるという社会生活上不可欠な職業に対する社会的な信頼の保護を図るため、押収拒絶権や証言拒絶権が認められております。
その上で、お尋ねの弁護士・依頼者間秘匿特権の制度が、刑事手続において、弁護士のみならずその依頼者である被疑者なども証拠物の押収等を拒絶することができるものとするものであるとすると、その制度を導入することには次のような問題点があると考えられます。
一つ目は、捜査機関が収集することのできる証拠や裁判所の事実認定に用いることのできる証拠の範囲が制約され、適正な事実認定に支障を生じること。二つ目は、被疑者などが弁護士との間のやり取りに関するものである旨を申し立てた場合に、直ちに捜査機関が当該証拠物を押収することができない、あるいは押収済みの証拠物を見ることができなくなるとすると捜査が遅延することになり、とりわけ厳格な時間制限のあるいわゆる身柄事件ではその支障が顕著であること。三つ目は、刑事事件の被疑者には暴力団等の反社会的勢力に属する被疑者もいるところ、そのような者も秘匿特権を行使できることとなるため、捜査の妨害や遅延等を目的とした濫用的な権利行使が懸念されることであります。
したがいまして、弁護士などに認められている押収拒絶権等を超えて依頼者にも秘匿特権を認める制度を導入することにつきましては、事案の真相解明という刑事訴訟法の目的を阻害することとならないかとの点を含め慎重な検討を要するものと考えております。