山中伸介の発言 (議院運営委員会)
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○山中参考人 山中伸介でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
二〇一七年九月に原子力規制委員会委員を拝命する前は、大阪大学におきまして、三十年余り、核燃料の安全性についての教育研究に携わってまいりました。十一年前の東京電力福島第一原子力発電所の事故は、長年原子力に携わってきた者として、痛恨の極みでございます。なぜあのような事故を防ぐことができなかったのか、現在も大いなる後悔と反省の気持ちを持ち続けております。
委員に就任後は、原子力災害を二度と起こさないという決意の下、原子力発電所の新規制基準適合性審査や、令和二年四月に施行されました新しい検査制度の運用などに当たってまいりました。
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓に基づき、独立した規制機関として設立され、独立性、透明性に十分配慮し、規制活動を行ってきました。初代の田中委員長も、現在の更田委員長も、事故への深い反省と福島への強い思いを片時も忘れることなく、委員会運営を遂行してこられました。私も、このような原子力規制委員会としての基本姿勢を堅持し、継承してまいりたいと思っております。
続いて、原子力規制委員会の目下の重要課題についてお話をさせていただきたいと思います。
まず、東京電力福島第一原子力発電所では、現在も厳しい廃炉作業が続いております。汚染水の処理や使用済み燃料の取り出しなど、現場の努力もありまして、作業は徐々に進んではおりますが、ALPS処理水の海洋放出を含む液状の放射性物質の処理、廃炉の進捗に伴い発生量が増加しております固形状の放射性物質の管理など、リスクの低減に向けた課題が山積しております。原子力規制委員会として、様々な廃炉作業が安全に進められるよう監視を行うとともに、廃炉プロセスの現状とリスクについて、できるだけ正確に分かりやすく国内外へ情報発信する努力を続けます。
また、原子力発電所や核燃料施設の新規制基準適合性審査については、そのプロセスの透明性を保ちつつ、科学的、技術的な根拠に基づき、厳正に進めてまいります。原子力施設の継続的な安全性向上は、規制当局はもとより、事業者においても主体的に追求すべきことです。新たな知見をいかに速やかに原子力施設の安全性向上につなげることができるのか、原子力規制委員会は、透明性を保ちつつ、公開の場で事業者との対話を進めてまいります。
そして、これらの事業全体を通じ、現場重視の姿勢を貫いてまいります。新型コロナウイルス感染症流行以前には、私も、ほぼ一か月に一度、関係する原子力施設の現地に赴き、発電所の現場の視察、検査官との対話を行ってきました。また、その際には地元の皆様との対話にも努め、原子力施設の現場を見ること、地元の皆様とお話をすること、私にとってこれらは貴重な機会であり、引き続き大切にしてまいります。
原子力規制委員会が発足して十年を迎えようとしております。
東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を風化させてはいけません。原子力規制委員会、規制庁職員の士気を高く維持し、皆が使命感、責任感を持って規制業務を遂行できるよう、組織運営にも十分留意してまいります。そのための人的基盤として、原子力規制に携わる職員の能力向上や日本全体の規制人材育成にも注力いたします。
私が原子力規制委員会委員長を拝命した場合には、他の委員、原子力規制庁職員と協力し、原子力規制委員会設置法にのっとり、独立性と透明性の確保を基本とし、原子力に対する確かな規制を通じて人と環境を守るという規制委員会の使命を果たすために全力を尽くしてまいる所存でございます。また、原子力規制委員会が国内外から信頼される規制機関となれるよう、委員長としてリーダーシップを発揮してまいります。
どうもありがとうございました。