黒川清の発言 (原子力問題調査特別委員会)

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○黒川参考人 今日は、このような機会をつくっていただきまして、ありがとうございます。
 ちょうど去年は福島の事故から十年でございまして、この資料にありますように、ちょうど十年ということで、十年して日本はどのぐらい変わったのかという話で、いろいろなところのインタビューとセッションをやりました。主にZoomでありますが。世界の問題としてこれから原子力は非常に大事だということと、日本のあの事故はどういうふうに生かすべきかという話で、どのぐらい変わったのという話がみんな聞きたくて、ここにあるようないろいろなセッションがありました。
 それは、私がその後で一つ本を出しましたけれども、「規制の虜」という。それは、ノーベル経済学賞をもらったジョージ・スティグラーという人が、国会にしろ、議会が、あるいは政府が、国民の優先よりは、ある企業なりなんなりの方を応援してしまうということが起こる、これが規制のとりこということでありますけれども、それでノーベル経済学賞をもらっている人ですが、それと同じ格好ができているというので、私は「規制の虜」という本を書きました。
 これが、なぜそんなことが起こったのかということが日本の社会構造と私たちの常識の問題があるということです。つまり、一つは民主主義になっているのかというのが私の最近の考えでありまして、戦後になってマッカーサーが来たから、これが民主主義だよと言われてなっただけじゃないのかという話を考えております。
 なぜかというと、それまでは、どこでもそうですが、ロイヤルファミリーがいて、土地のあった人たちがフランス、イギリスをそれぞれつくっているわけですが、日本は、マッカーサーが来て、これが民主主義だよといって、実際に権力を引っ剥がしてやったという経験はないんですね。というところがありまして、是非これは、国会の先生たちがいかに行政府をきちんとガバナンスするかというところが一番の問題があるんじゃないだろうかという気がしております。
 そういうわけで、私どもは、こういう機会をいただきまして、独立して日本の行政府をチェックするということをさせていただいたわけですが、これは日本の憲政史上初めてのことだったんですね。先生たちが法律を作ってほかの人たちに自由にさせたということで、これは実は大島衆議院議長がずっと言っておられたことで、議員さんが議運ということで一生懸命いろいろなことをやるのはいいんだけれども、時には専門家のヒアリングをするというのもいいんだけれども、実は全部を外のエキスパートに任せるということをするのが大事で、それが国会事故調の意味なんだということをおっしゃっておりました。
 大島先生はさすがにすごいことをおっしゃるなと思ったので、早速そのときに御挨拶に行きましていろいろ話をお聞きしまして、私どもも、国会事故調がそのいい例で、やはり議会はそういうプロセスをもっともっと利用してつくらなくちゃいけない、使わなくちゃいけないということをおっしゃっていたので、そのお礼もあって、先生のところに御挨拶に行って、一時間ぐらいいろいろな話を伺ってきました。そういう方がトップにおられるというのは私は本当にすばらしいことだと思いまして、ちょっと感動した覚えがあります。
 そんなことで、ちょうど十年ということで、ここの資料にあるように、世界中が日本から何が学べるかという話で、たくさんのセッションが、私は、去年の三月ですね、ちょうど十年を迎える前に、このようないろいろな、Zoomですが、世界中でいろいろなことを聞かれました。どのぐらい日本が変わったかということと、どうしても原子力が、CO2の、グローバルウォーミングの問題と、これは非常に大事な原子力のリソースですけれども、今やウクライナの問題となってくると、これはむしろアセットよりはリスクがすごくでかくなったなということが分かると思います。
 そこで、どのぐらい日本は、日本を始め原子炉をどのようにして守っているのかということは皆さんに周知しておくことが必要なんじゃないだろうかと思います。
 例えば、機動隊が守っていると思いますが、ほかの国はほとんどが軍隊が守っていますよね、今。これはいわゆるニューヨークの9・11以後の、原子力はすごくテロリストのアタックにやばいことになっているので軍が守るようになっていると思いますけれども、日本では多分機動隊だと思います。その辺が、軍でするのかどうかという話なんかはどのぐらい国民に知らせてあるのかという話も一つの問題になりますし、今になってみると、プーチンさんの話を見ていると、やはりこれは意外にリスクがでかいものを抱え込んでいるなということになってきたんじゃないかと思います。
 というわけで、私は余りこの分野での専門家ではないので、本当に、大島先生にそういうことを言われて、御挨拶して一時間ばかりいろいろな話を聞かせていただきましたし、そういう意味では国会の役割というのは非常に大事だと思います。
 国会がこのようなことをやらせていただいたということは、日本では初めてだったんですね。イギリスではしょっちゅうやっています。だから、やはりこういうことを先生方が是非つくって、もっと頻繁に使われるのが私としては希望でありますし、それをまたどういうふうに終わらせるかというのも、どういうふうな立法府としての役割をするかというのが非常に大事な三権分立の基本だろうと思いまして、そういうことを是非先生方にも、この独立した国会事故調ということをどうやっていろいろなイシューについて使うかという話は是非、もっともっと増やすのが大事ではないかなと思います。
 その点は、大島衆議院議長が常に、議運というのを使うのはいいんだけれどもああいうプロセスをもっと使った方がいいということをおっしゃっていましたので、これからも是非先生方に、立法府ですので、どうやって行政府を使いこなすかという話についても、こういうことを幾つも幾つも繰り返していくとやはり行政の在り方も変わってくると思いますので、それが私としては是非、こういうことをやらせていただいたことからいうと、非常に大事な役割を先生方が立法府として、国民の代表としてやっているわけですので、是非、深くまた、一つのエグザンプルとしてまたいろいろ適宜に使っていただくと、こういうプロセスが三権分立として、立法府として非常に大事だなということで、私の御挨拶とさせていただきます。
 どうもありがとうございます。(拍手)

発言情報

speech_id: 120804194X00420220510_002

発言者: 黒川清

speaker_id: 32391

日付: 2022-05-10

院: 衆議院

会議名: 原子力問題調査特別委員会