野々山宏の発言 (消費者問題に関する特別委員会)
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○野々山参考人 御質問ありがとうございます。
抜本的改正というのは、一つは現在の消費者契約法の抜本的な改正が要るということであります。
まず一つは、適用場面が今は勧誘と条項の無効だけなんです。契約というのは、勧誘から履行、それから解約まで至るわけであります。そういうところまで含んだ中で様々な諸問題が生じておりますので、そこを含んだ全体像を検討するということがまず一つ大事であります。
それから、今行われている改正、それから、その以前の二十八年改正、三十年改正は、私から見ると後追い的なものになってきているということで、どんどん細かい要件となり、それが限られた場面に適用できるということになってきます。使いやすさということからしたら逆行しているわけであります。むしろ、使いやすいということであれば、ある程度汎用性のある要件にして、しかもそれをきっちりと救済できるという規定にすべきだというふうに思っております。そういう意味では、より抽象化した規定を検討していくというのが二つ目の、抜本的な改正の一つの検討の方向性であります。
それから、効果の点では、今は取消しと無効ということがあります。これ自体はサンクションとしては非常に重要なことでありますけれども、もう一つ、損害賠償というものがあります。お金で解決をする。この損害賠償のよいところは、ある程度柔軟性があるということです。先ほど、過失相殺という言葉が出ましたけれども、取消しはやはりオール・オア・ナッシングです。これは、やはり契約を維持することが問題だという事例に対して、それを契約から解放するということが必要になってくるわけですけれども、そういうものがあります。それを、そういう形でない、過失相殺も含めた損害賠償の方向性があるということ。
それからもう一つ、とても大事なのは、消費者像をもう一回見直すということであります。
消費者像は、事業者と消費者の間に格差があります。これはもちろん格差があるわけですけれども、今まで考えられていたのは、いわゆる自立ができる消費者だったわけであります。そこの中での格差の中でどういうものを検討するかということであったんですが、やはり高齢化社会の中では、消費者の中でも脆弱な消費者が出てきているわけです、非常に脆弱な消費者が。それから、様々な困難な状況の中で一時的に脆弱な状況になる、これは報告書にも指摘がありますけれども、そういう消費者像を改めて見直す。
脆弱な消費者というものが存在するんだというところ、格差がある中で、更に脆弱な存在があるということを見直す、こういうことを検討していくということが必要かというふうに思っております。