消費者問題に関する特別委員会
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会
会議録情報#0
令和四年四月十二日(火曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 松島みどり君
理事 井原 巧君 理事 稲田 朋美君
理事 勝俣 孝明君 理事 宮崎 政久君
理事 湯原 俊二君 理事 吉田 統彦君
理事 漆間 譲司君 理事 伊佐 進一君
石川 昭政君 柿沢 未途君
勝目 康君 国定 勇人君
佐々木 紀君 鈴木 英敬君
高見 康裕君 武村 展英君
土田 慎君 中川 貴元君
永岡 桂子君 長谷川淳二君
堀内 詔子君 松本 尚君
三谷 英弘君 保岡 宏武君
青山 大人君 井坂 信彦君
大河原まさこ君 中谷 一馬君
山田 勝彦君 浅川 義治君
掘井 健智君 河西 宏一君
福重 隆浩君 吉田久美子君
田中 健君 本村 伸子君
…………………………………
参考人
(東京大学名誉教授)
(東北大学名誉教授)
(青山学院大学客員教授) 河上 正二君
参考人
(弁護士)
(日本弁護士連合会消費者問題対策委員会幹事) 野々山 宏君
参考人
(一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局次長) 三谷 和央君
衆議院調査局第一特別調査室長 菅野 亨君
―――――――――――――
委員の異動
四月十二日
辞任 補欠選任
平沼正二郎君 国定 勇人君
船田 元君 石川 昭政君
大西 健介君 中谷 一馬君
吉田久美子君 河西 宏一君
同日
辞任 補欠選任
石川 昭政君 船田 元君
国定 勇人君 松本 尚君
中谷 一馬君 大西 健介君
河西 宏一君 吉田久美子君
同日
辞任 補欠選任
松本 尚君 平沼正二郎君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
消費者契約法及び消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案(柚木道義君外七名提出、衆法第七号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前十時開議
出席委員
委員長 松島みどり君
理事 井原 巧君 理事 稲田 朋美君
理事 勝俣 孝明君 理事 宮崎 政久君
理事 湯原 俊二君 理事 吉田 統彦君
理事 漆間 譲司君 理事 伊佐 進一君
石川 昭政君 柿沢 未途君
勝目 康君 国定 勇人君
佐々木 紀君 鈴木 英敬君
高見 康裕君 武村 展英君
土田 慎君 中川 貴元君
永岡 桂子君 長谷川淳二君
堀内 詔子君 松本 尚君
三谷 英弘君 保岡 宏武君
青山 大人君 井坂 信彦君
大河原まさこ君 中谷 一馬君
山田 勝彦君 浅川 義治君
掘井 健智君 河西 宏一君
福重 隆浩君 吉田久美子君
田中 健君 本村 伸子君
…………………………………
参考人
(東京大学名誉教授)
(東北大学名誉教授)
(青山学院大学客員教授) 河上 正二君
参考人
(弁護士)
(日本弁護士連合会消費者問題対策委員会幹事) 野々山 宏君
参考人
(一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局次長) 三谷 和央君
衆議院調査局第一特別調査室長 菅野 亨君
―――――――――――――
委員の異動
四月十二日
辞任 補欠選任
平沼正二郎君 国定 勇人君
船田 元君 石川 昭政君
大西 健介君 中谷 一馬君
吉田久美子君 河西 宏一君
同日
辞任 補欠選任
石川 昭政君 船田 元君
国定 勇人君 松本 尚君
中谷 一馬君 大西 健介君
河西 宏一君 吉田久美子君
同日
辞任 補欠選任
松本 尚君 平沼正二郎君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
消費者契約法及び消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案(柚木道義君外七名提出、衆法第七号)
――――◇―――――
松
松島みどり#1
○松島委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、消費者契約法及び消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び柚木道義君外七名提出、消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案審査のため、参考人として、東京大学名誉教授、東北大学名誉教授、青山学院大学客員教授河上正二さん、弁護士、日本弁護士連合会消費者問題対策委員会幹事野々山宏さん、一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局次長三谷和央さん、以上三名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。参考人の皆様におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
次に、議事の順序につきまして申し上げます。
まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず河上参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、消費者契約法及び消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び柚木道義君外七名提出、消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案審査のため、参考人として、東京大学名誉教授、東北大学名誉教授、青山学院大学客員教授河上正二さん、弁護士、日本弁護士連合会消費者問題対策委員会幹事野々山宏さん、一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局次長三谷和央さん、以上三名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。参考人の皆様におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
次に、議事の順序につきまして申し上げます。
まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず河上参考人にお願いいたします。
河
河上正二#2
○河上参考人 河上でございます。
本日は、貴重な発言の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
早速ですが、消費者契約法等の第三次の改正に向けた法案について、日頃考えているところを述べさせていただきたいと思います。
ここにおいでの先生方にはもう今更言わずもがなということなんですけれども、消費者契約法の制定時に、林立する特別法の間隙を縫って発生する不当な取引行為というものと消費者被害の発生に対して、後追い的に制定される特別法の補充ではなくて、包括的な民事ルールを目指した議論が始まったんだということを思い出していただきたいと思います。
その際、要件を厳格化して、射程をできるだけ具体的な場面での勧誘行為とか不当条項に限定しようとする力と、一般的、包括的民事ルールとして、民法よりやや具体性のある規定群として用意しようとする力の綱引き、これはこの消費者契約法の立法当初から存在しておりました。
立法事実を出せというふうに言われましてトラブル事例が具体的に説明されればされるほど、それならば特定の業態での特定の取引方法や条項に対する規制で事足りるだろう、そういう反論、あるいは、なぜ、民法の規定でもできるんだったら民法でいいじゃないかという反論、これが現れまして、一般的ルールの要件策定にはほど遠い状態だったということであります。現在の消費者契約法の第十条の制定さえ危ぶまれたというのが当時の状況でありました。
結局、必要最小限の内容で出発して、立法担当者の人が小さく産んで大きく育てるんだというふうなことを言いながら、結局小さいまま捨て子になっているというふうに学者にやゆされたというような状況だった、このことは、二度の改正を経た今も、残念ながら現在に至るまで尾を引いております。
最初に、一般的な話で恐縮ですけれども、法体系の中での消費者契約法の位置づけ、このことから申し上げます。
取引の適正化というものに限らず、法的責任を論ずるという場合には、当事者の属性、取引の状況、取引形態、商品内容などに応じて様々な特別法が存在しておりまして、それらの規範が一定の階層構造を成しておりまして、その適用の在り方が定まっているわけであります。
御承知のように、ある問題に対して特別法と一般法がある、要件上はいずれも適用可能だというような場面では、特別法が一般法に優先するというのが原則とされております。しかしながら、問題によっては、重畳適用、つまり両方のルールがそれぞれに動くという重畳適用、これも考えられるわけでして、例えば消費者契約法の第四条、取消し事由に関する規定群ですけれども、これは、民法で言う詐欺、強迫といったようなもの、あるいは錯誤についての規定群というものの適用を排除しているわけではなくて、消費者契約法上の取消権の行使期間を仮に経過しても、なお民法上の取消権が問題となり得る、そういう構造になっております。
また、消費者契約法上の八条、九条の無効条項、これに該当しなくても、例えば受皿としての第十条があり、その十条によって更に柔軟に規制される。十条が駄目だとしても、民法の公序良俗に関する九十条がやはり動くという構造になっているというわけであります。
しかし、同時に、できるだけ明確なルールによって市場の透明度を上げるということを考えますと、その理念とするところ、あるいは果たすべき役割をより明確化して、必要な受皿規定を用意すべきであります。民法規定の適用で対応できそうだから、消費者契約法に規定は要らないというようなことには決してならないということであります。それは、民法には七百九条という不法行為に関する一般ルールがあるんだからということで、製造物責任に関するPL法は要らないと言っているのと同じであります。
その上で、昨今の消費者契約法の在り方についての反省でありますけれども、消費者問題の展開は、事業者と消費者の間の情報、交渉力の構造的格差を超えて、事物連関的に、つまり物事に関連する形で拡大しておりまして、人々の生活における安全、安心に対する関心の広がりとともに、次々と進展してきたわけであります。その過程で、人間本来の脆弱さというものを突きつけられる。これはもう消費者に限らない、人間であります、人間本来の脆弱さというものを考えて、消費者立法もまたその対応に追われつつあるというふうに思われるわけであります。その結果でありますが、断片的規制が次々と拡大しているというのが現状ではないかと認識しております。
しかし、本来その受皿となるべき規定の整備というのは遅れに遅れておりまして、世界水準から見ても取り残された状態にあります。
近年、大変問題になったつけ込み型勧誘に関する規定についても、高齢者、若年成人等に関して、その判断力不足に、あるいは経験不足につけ込んで不当な利益を上げるというような事業者から消費者を保護するために消費者に取消権を与えるというような提案が、なぜこうも難渋しているのかということ、私には理解できません。
確かに、要件の明確化というのはある程度必要でありますけれども、余りに細かくなり過ぎますと、これは取りこぼしを大きくするだけではなくて、逆に、健全な市場育成あるいは被害者の保護にも役立たないということが起きます。悪質な事業者が市場を荒らし回っているときに、その者どもを排除するための公正なルール、これを市場にもたらしておくということは、これは適正な事業活動を遂行している事業者にとっても必要なことであります。消費者にとっても事業者にとってもウィン・ウィンになる、それが消費者志向経営の核心的目標でなければなりません。
一日も早く、相手方の弱みにつけ込んで不当な利益を追求するような不当勧誘行為は許されないという基本的ルールを確立する必要があるわけであります。この春、成年年齢が十八歳にまで引き下げられたというときに、青少年に対して、何とかして未成年者取消権に代わるようなセーフティーネットを張るということは、我々大人の義務であるとさえ考えるわけであります。
以上の話を基に、今回の報告書並びに法案についての考えを申し上げます。
実は、報告書は、いずれもよく練られたものでありまして、バランスの取れたもので、基本的には積極的に評価したいというふうに考えたいのですけれども、よくよく読みますと、目配りがよ過ぎて、あれも考えなさい、これも考えなさい、こういう意見もありますよというようなことを書いてあるというわけでありまして、法案にするのは、これは大変な作業だったんじゃないかと推測いたしました。
改正法として、個人的にこの際求めておきたい措置は相当あるんですけれども、できるところから一歩ずつ法案の策定を行うほかないだろうというふうに思います。
消費者契約法関係では、少なくとも、今回、次の点で改正が必要であると考えます。
一つは、事業者の情報提供等の努力義務、これを拡充するということ。それから、消費者の判断力の低下に着目した規定を導入すること。さらに、困惑類型で、退去妨害以外のものを拾うことのできるような規定を用意すること。さらに、他人に相談することを妨害する行為を禁じて、これを取消し事由とすること。さらに、不当条項の第九条について、平均的損害についての推定規定、これを入れること。十条前段のグレー条項に対して、消費者の解除権を奪う条項に関する規定を追加すること。これは今回の改正でもできることであります。
それからもう一つ、消費者裁判手続法との関係では、損害賠償の内容として、財産損害に起因する一定の慰謝料に関する規定を設けるということ。慰謝料に関しては、これはなじまないという意見もありますけれども、定型化された慰謝料を作るということは、解釈上も問題はないというふうに考えております。さらに、悪質な事業者における代表者あるいは実質的支配者を被告にすることができるようにすること。そして、その規制の対象とする事業者の不法行為は、故意、重過失だけではなくて、もう故意、過失という形にすべきことなどであります。
もう少し長期的に見た場合、消費者法のこれからについて更にお話をさせていただきます。
今日の消費者法は、高度化、複雑化、情報化した現代社会に生きる生身の人間を対象とした消費者の保護と支援に関する法律とか判例、行政実務、自主規制等の複合体と呼べるわけでありますけれども、そこには、民事、行政、刑事並びに自主規制のモザイクが観察できるように思います。
消費者といえば、これまでは集団、つまりマスとしての、集団としての平均的、合理的消費者像、これが念頭に置かれてきたのに対して、今後は、むしろ個人の多様なニーズを前提に、それぞれの人にカスタマイズされた消費者の在り方、消費財の開発のものが進んでおるわけでして、ビッグデータ等の利用、活用、この傾向をますます推し進めていることに配慮して、事業者からの攻撃的勧誘に対して、個人の属性に合わせた適合性原則の持つ意味合い、これがますます重要になっていると考えられます。
特に、脆弱な消費者、高齢者、若年者、障害者というものに着目したヨーロッパの政策動向からは学ぶべきものがたくさんございます。無論、通常人であっても、商品の希少性とか話題性、微妙な損得感とか曖昧な記述、時間に追われての判断、相手方への過度の依存心などによって、冷静な判断や選択がゆがめられることは少なくございません。その意味では、開示規制とか不意打ち規制といった従来型の規制態様に限界があるということを認識して、セーフティーネットを張っていくことが必要であります。
消費者契約法は、当初、契約締結過程において不当な勧誘行為が行われた場合の契約の取消しによる消費者の意思表示の効力を否定し、契約からの解放を可能にする規定群と、契約内容となった不当条項を無効にすることによって契約内容を規制するという点から出発した、いわば過渡的な形態のものであります。その後、実効性確保のための消費者裁判手続に関する規定群が追加されて現在の姿になっていますけれども、法規定としては、まだまだ不完全で未完成な状態であります。
将来的には、筋太の方向性を明らかにする作業が是非とも必要であります。だから、不当な契約に対しては、取消しだけじゃなくて、無効あるいは損害賠償といった効果もあり得るわけであります。また、債務内容確定に関する解釈ルール、あるいは契約全体を無効にするような消費者版の公序良俗もあってしかるべきではないかと思います。
差し当たって、有償契約、つまり対価を得ての契約、有償契約を前提とした消費者契約の望ましい規律の全体像というのは、資料の中に、枠組みに掲げておきましたので、後で参考にしていただければというふうに思います。
申し上げたいことはたくさんございますけれども、最後に、この法案についての感想を簡単に述べて意見を終えたいと思います。
検討報告書のまとめ方については、これは先ほども申しましたけれども、目配りがよ過ぎて、幅があり過ぎます。逆に、法の構造に縛られ過ぎているという点もございます。これは、法案化にとって大変厳しい報告書であったということになります。
努力義務に書き込まれた、これは努力義務じゃなくて取消し事由ですか、書き込まれた府令ですけれども、この可能性については、この府令を使って今後の改定への突破口になるということを期待しているところであります。
さらに、取消し事由に限定された条文構造の限界をやはり意識し過ぎたんじゃないかということであります。これが損害賠償とか過失相殺なんかになっていくのであれば、もっともっと柔軟に適用ができたはずであります。
それから、動機形成への働きかけ、これは、働きかけがないと駄目だというような言い方をされることがあるんですけれども、そんなことはない。ある状況に置かれた人間がどういう状態で判断をせざるを得なかったかということを考えていけば、それに対応する可能なルールは出していくことができます。法案の中にも部分的にそれは入っているということでありまして、これは評価してよいかと思います。
事業者に起因しない取引環境、あるいは本人の状況を要件に取り込む必要がありますけれども、そのことが余りにも難しいんじゃないかというような懸念が立法担当者の間でもあったようでありますけれども、しかし、なおなお不十分であります。その辺をもう一度見直していただきたいというところでありましょう。
あとは、お手元の資料の中に、ある程度最近考えたことを書き込んだものがございますので、それを御参照いただければ幸いでございます。
以上でございます。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、貴重な発言の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
早速ですが、消費者契約法等の第三次の改正に向けた法案について、日頃考えているところを述べさせていただきたいと思います。
ここにおいでの先生方にはもう今更言わずもがなということなんですけれども、消費者契約法の制定時に、林立する特別法の間隙を縫って発生する不当な取引行為というものと消費者被害の発生に対して、後追い的に制定される特別法の補充ではなくて、包括的な民事ルールを目指した議論が始まったんだということを思い出していただきたいと思います。
その際、要件を厳格化して、射程をできるだけ具体的な場面での勧誘行為とか不当条項に限定しようとする力と、一般的、包括的民事ルールとして、民法よりやや具体性のある規定群として用意しようとする力の綱引き、これはこの消費者契約法の立法当初から存在しておりました。
立法事実を出せというふうに言われましてトラブル事例が具体的に説明されればされるほど、それならば特定の業態での特定の取引方法や条項に対する規制で事足りるだろう、そういう反論、あるいは、なぜ、民法の規定でもできるんだったら民法でいいじゃないかという反論、これが現れまして、一般的ルールの要件策定にはほど遠い状態だったということであります。現在の消費者契約法の第十条の制定さえ危ぶまれたというのが当時の状況でありました。
結局、必要最小限の内容で出発して、立法担当者の人が小さく産んで大きく育てるんだというふうなことを言いながら、結局小さいまま捨て子になっているというふうに学者にやゆされたというような状況だった、このことは、二度の改正を経た今も、残念ながら現在に至るまで尾を引いております。
最初に、一般的な話で恐縮ですけれども、法体系の中での消費者契約法の位置づけ、このことから申し上げます。
取引の適正化というものに限らず、法的責任を論ずるという場合には、当事者の属性、取引の状況、取引形態、商品内容などに応じて様々な特別法が存在しておりまして、それらの規範が一定の階層構造を成しておりまして、その適用の在り方が定まっているわけであります。
御承知のように、ある問題に対して特別法と一般法がある、要件上はいずれも適用可能だというような場面では、特別法が一般法に優先するというのが原則とされております。しかしながら、問題によっては、重畳適用、つまり両方のルールがそれぞれに動くという重畳適用、これも考えられるわけでして、例えば消費者契約法の第四条、取消し事由に関する規定群ですけれども、これは、民法で言う詐欺、強迫といったようなもの、あるいは錯誤についての規定群というものの適用を排除しているわけではなくて、消費者契約法上の取消権の行使期間を仮に経過しても、なお民法上の取消権が問題となり得る、そういう構造になっております。
また、消費者契約法上の八条、九条の無効条項、これに該当しなくても、例えば受皿としての第十条があり、その十条によって更に柔軟に規制される。十条が駄目だとしても、民法の公序良俗に関する九十条がやはり動くという構造になっているというわけであります。
しかし、同時に、できるだけ明確なルールによって市場の透明度を上げるということを考えますと、その理念とするところ、あるいは果たすべき役割をより明確化して、必要な受皿規定を用意すべきであります。民法規定の適用で対応できそうだから、消費者契約法に規定は要らないというようなことには決してならないということであります。それは、民法には七百九条という不法行為に関する一般ルールがあるんだからということで、製造物責任に関するPL法は要らないと言っているのと同じであります。
その上で、昨今の消費者契約法の在り方についての反省でありますけれども、消費者問題の展開は、事業者と消費者の間の情報、交渉力の構造的格差を超えて、事物連関的に、つまり物事に関連する形で拡大しておりまして、人々の生活における安全、安心に対する関心の広がりとともに、次々と進展してきたわけであります。その過程で、人間本来の脆弱さというものを突きつけられる。これはもう消費者に限らない、人間であります、人間本来の脆弱さというものを考えて、消費者立法もまたその対応に追われつつあるというふうに思われるわけであります。その結果でありますが、断片的規制が次々と拡大しているというのが現状ではないかと認識しております。
しかし、本来その受皿となるべき規定の整備というのは遅れに遅れておりまして、世界水準から見ても取り残された状態にあります。
近年、大変問題になったつけ込み型勧誘に関する規定についても、高齢者、若年成人等に関して、その判断力不足に、あるいは経験不足につけ込んで不当な利益を上げるというような事業者から消費者を保護するために消費者に取消権を与えるというような提案が、なぜこうも難渋しているのかということ、私には理解できません。
確かに、要件の明確化というのはある程度必要でありますけれども、余りに細かくなり過ぎますと、これは取りこぼしを大きくするだけではなくて、逆に、健全な市場育成あるいは被害者の保護にも役立たないということが起きます。悪質な事業者が市場を荒らし回っているときに、その者どもを排除するための公正なルール、これを市場にもたらしておくということは、これは適正な事業活動を遂行している事業者にとっても必要なことであります。消費者にとっても事業者にとってもウィン・ウィンになる、それが消費者志向経営の核心的目標でなければなりません。
一日も早く、相手方の弱みにつけ込んで不当な利益を追求するような不当勧誘行為は許されないという基本的ルールを確立する必要があるわけであります。この春、成年年齢が十八歳にまで引き下げられたというときに、青少年に対して、何とかして未成年者取消権に代わるようなセーフティーネットを張るということは、我々大人の義務であるとさえ考えるわけであります。
以上の話を基に、今回の報告書並びに法案についての考えを申し上げます。
実は、報告書は、いずれもよく練られたものでありまして、バランスの取れたもので、基本的には積極的に評価したいというふうに考えたいのですけれども、よくよく読みますと、目配りがよ過ぎて、あれも考えなさい、これも考えなさい、こういう意見もありますよというようなことを書いてあるというわけでありまして、法案にするのは、これは大変な作業だったんじゃないかと推測いたしました。
改正法として、個人的にこの際求めておきたい措置は相当あるんですけれども、できるところから一歩ずつ法案の策定を行うほかないだろうというふうに思います。
消費者契約法関係では、少なくとも、今回、次の点で改正が必要であると考えます。
一つは、事業者の情報提供等の努力義務、これを拡充するということ。それから、消費者の判断力の低下に着目した規定を導入すること。さらに、困惑類型で、退去妨害以外のものを拾うことのできるような規定を用意すること。さらに、他人に相談することを妨害する行為を禁じて、これを取消し事由とすること。さらに、不当条項の第九条について、平均的損害についての推定規定、これを入れること。十条前段のグレー条項に対して、消費者の解除権を奪う条項に関する規定を追加すること。これは今回の改正でもできることであります。
それからもう一つ、消費者裁判手続法との関係では、損害賠償の内容として、財産損害に起因する一定の慰謝料に関する規定を設けるということ。慰謝料に関しては、これはなじまないという意見もありますけれども、定型化された慰謝料を作るということは、解釈上も問題はないというふうに考えております。さらに、悪質な事業者における代表者あるいは実質的支配者を被告にすることができるようにすること。そして、その規制の対象とする事業者の不法行為は、故意、重過失だけではなくて、もう故意、過失という形にすべきことなどであります。
もう少し長期的に見た場合、消費者法のこれからについて更にお話をさせていただきます。
今日の消費者法は、高度化、複雑化、情報化した現代社会に生きる生身の人間を対象とした消費者の保護と支援に関する法律とか判例、行政実務、自主規制等の複合体と呼べるわけでありますけれども、そこには、民事、行政、刑事並びに自主規制のモザイクが観察できるように思います。
消費者といえば、これまでは集団、つまりマスとしての、集団としての平均的、合理的消費者像、これが念頭に置かれてきたのに対して、今後は、むしろ個人の多様なニーズを前提に、それぞれの人にカスタマイズされた消費者の在り方、消費財の開発のものが進んでおるわけでして、ビッグデータ等の利用、活用、この傾向をますます推し進めていることに配慮して、事業者からの攻撃的勧誘に対して、個人の属性に合わせた適合性原則の持つ意味合い、これがますます重要になっていると考えられます。
特に、脆弱な消費者、高齢者、若年者、障害者というものに着目したヨーロッパの政策動向からは学ぶべきものがたくさんございます。無論、通常人であっても、商品の希少性とか話題性、微妙な損得感とか曖昧な記述、時間に追われての判断、相手方への過度の依存心などによって、冷静な判断や選択がゆがめられることは少なくございません。その意味では、開示規制とか不意打ち規制といった従来型の規制態様に限界があるということを認識して、セーフティーネットを張っていくことが必要であります。
消費者契約法は、当初、契約締結過程において不当な勧誘行為が行われた場合の契約の取消しによる消費者の意思表示の効力を否定し、契約からの解放を可能にする規定群と、契約内容となった不当条項を無効にすることによって契約内容を規制するという点から出発した、いわば過渡的な形態のものであります。その後、実効性確保のための消費者裁判手続に関する規定群が追加されて現在の姿になっていますけれども、法規定としては、まだまだ不完全で未完成な状態であります。
将来的には、筋太の方向性を明らかにする作業が是非とも必要であります。だから、不当な契約に対しては、取消しだけじゃなくて、無効あるいは損害賠償といった効果もあり得るわけであります。また、債務内容確定に関する解釈ルール、あるいは契約全体を無効にするような消費者版の公序良俗もあってしかるべきではないかと思います。
差し当たって、有償契約、つまり対価を得ての契約、有償契約を前提とした消費者契約の望ましい規律の全体像というのは、資料の中に、枠組みに掲げておきましたので、後で参考にしていただければというふうに思います。
申し上げたいことはたくさんございますけれども、最後に、この法案についての感想を簡単に述べて意見を終えたいと思います。
検討報告書のまとめ方については、これは先ほども申しましたけれども、目配りがよ過ぎて、幅があり過ぎます。逆に、法の構造に縛られ過ぎているという点もございます。これは、法案化にとって大変厳しい報告書であったということになります。
努力義務に書き込まれた、これは努力義務じゃなくて取消し事由ですか、書き込まれた府令ですけれども、この可能性については、この府令を使って今後の改定への突破口になるということを期待しているところであります。
さらに、取消し事由に限定された条文構造の限界をやはり意識し過ぎたんじゃないかということであります。これが損害賠償とか過失相殺なんかになっていくのであれば、もっともっと柔軟に適用ができたはずであります。
それから、動機形成への働きかけ、これは、働きかけがないと駄目だというような言い方をされることがあるんですけれども、そんなことはない。ある状況に置かれた人間がどういう状態で判断をせざるを得なかったかということを考えていけば、それに対応する可能なルールは出していくことができます。法案の中にも部分的にそれは入っているということでありまして、これは評価してよいかと思います。
事業者に起因しない取引環境、あるいは本人の状況を要件に取り込む必要がありますけれども、そのことが余りにも難しいんじゃないかというような懸念が立法担当者の間でもあったようでありますけれども、しかし、なおなお不十分であります。その辺をもう一度見直していただきたいというところでありましょう。
あとは、お手元の資料の中に、ある程度最近考えたことを書き込んだものがございますので、それを御参照いただければ幸いでございます。
以上でございます。どうもありがとうございました。拍手
松
野
野々山宏#4
○野々山参考人 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会で幹事を務めております野々山でございます。
今日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
日本弁護士連合会では、この消費者契約法につきまして、これまで様々な提言等、あるいは立法に対して取組をしてまいりました。この法案につきましては、お手元の資料にありますが、令和四年二月二十八日に、消費者契約法の改正骨子案に関する会長声明というところで大枠の意見を述べさせていただいております。
本日、私の意見は、この意見に沿っておりますけれども、これを超えるものがありまして、これは個人的な見解ということで御容赦願いたいというふうに思っております。
今回示された法案についての率直な感想を述べさせていただきますと、非常に残念であるというふうに思っております。期待されたものから比べると非常に不十分だというふうに考えております。
まず、何が不十分かと申しますと、第一には、やはり今回の改正の法案に求められてきた社会の要請に十分応えていないという点が挙げられます。
一つの要請は、超高齢社会における被害の存在であります。
これまでも度々挙げられておりますけれども、高齢者の自宅売却トラブルというものがあります。資料をつけさせていただいております。
それから二つ目には、保険金を使った自宅修理トラブルというのがあります。これは、保険金を使って自宅が修理できるということで高額な自宅修理工事を契約するわけですが、結局保険が下りなかったり、あるいは保険が下りても多額の手数料を取る、半額ぐらいを取っていくという事例もあります。そういう中で、結局自己資金を相当数出さなくちゃいけないということになる。これは、よく分からない中で高齢者の方が被害に遭っております。
それから三つ目には、令和元年に発覚しました生命保険の高齢者に対する不適切販売、経済的な合理性が全く欠けるような契約、あるいは再契約をさせるというものであります。この中では、販売員の人たちは、内輪では顧客をゆるキャラ、半ぼけと呼んでこれを販売していたということであります。
こういう状況がある中で、超高齢社会における被害の存在をどうカバーしていくかというのが今回の一つのミッションであったわけでありますけれども、これに十分応えていないということがあります。
それから、二つ目の社会的な要請は、四月一日から施行されております成年年齢引下げに伴う若年者被害の増加であります。
これは予想されるということで、AVの契約強要の問題がありますけれども、これに限らないわけであります。未熟な中で、影響されやすい年齢の中で、しかも、いろいろな圧力に弱い立場の若年者が望まない契約をするということは十分あるわけであります。そういうものをどうやってカバーし、また、もし契約をしてしまったら、これをどう救済していくかということについてのミッションもあったわけでありますが、これにも十分応えておりません。
改正法案は、極めて限定した場合にしか対処していないと評価せざるを得ません。高齢者の判断力不足、若年者の未熟な心理状態につけ込んだ勧誘に対する対応としては非常に不十分であるというふうに考えております。
それから、二つ目の私の残念に思うところでありますが、これは今、河上先生の方からもるるお話をいただきましたけれども、民法の特別法である消費者契約法の隙間を埋めるという包括的な民事ルールとしての役割から離れた法律になりつつあるということであります。
消費者契約法というのは、民法の特別法と位置づけられております。消費者取引市場の適正化の民事ルールを定めているわけであります。これは、特別法には規定できていないものの隙間を埋めていくルールを定めていくということになっております。行政規制とは異なる、消費者市場の行動指針となるような包括的な民事ルールとして役割を果たすべきであるということであります。
様々な事業者、様々な消費者があります。様々な取引があるわけでありますが、こういう取引に対する公正なガイドとしての役割、そして、もしこれに対して不当な契約に巻き込まれてしまった場合には、これから救済できる、こういう規定でなくてはならないというふうに考えております。
ところが、今回の改正案は、極めて限定した要件で限定した場面を断片的に対応しているというふうに感じられます。後追い立法ということになっている。また、この被害自体がどこから出てきているのか、どういう被害事例が実際にあるのかもよく分からないところで法案が出てきているように私は感じられます。
消費者契約に関する検討会でも、法第四条第三項各号は、事業者の行為態様を個別的、具体的かつ詳細に定めており、文言の拡張的解釈等の柔軟な解釈により救済を図ることに限界があるということで、隙間を埋めるには限界があると。これの脱法的なものがあるということを言って、その限界があると指摘しているわけですが、この指摘した課題についても解決はしているわけではありません。むしろ課題を増幅させる、すなわち、個別の場面を限定したものを増やしていくことによって、課題を増幅させている結果になっております。
消費者契約法の本来の役割である業法等の空白や間隙を埋め、取引当事者の行動指針となる包括的な民事ルールに向けた検討を直ちにしていくべきであります。柔軟な要件による受皿規定、損害賠償請求制度の導入、勧誘時に限定されない適用場面の検討など、考えるべきことはたくさんあるというふうに考えております。
それから、三つ目の私の残念に思うところは、消費者契約に関する検討会報告書が求めた提案内容の多くが実現していないということであります。
不当勧誘の規定として提案されておりました、困惑類型の脱法防止規定、消費者の心理状態に着目した規定、消費者の判断力に着目した規定という、三つの取消権が全て抜け落ちております。また、提案された不当条項規定や消費者の立証責任軽減措置の多くが抜け落ちております。私は幾つかの法改正に関与してきましたけれども、ここまで検討会、調査会の報告書の内容が抜け落ちているということは経験がありません。今回初めてであります。
報告書があたかも両論併記であったことが抜け落ちた原因かのように言われておりますけれども、報告書の各論点の記載を見ていただきますと、「考えられる対応」という形で方向性が記載されております。そこを読めば、まず合意された結論が記載されているわけであります。なお書きとして結論がまとまるまでの出された意見が記載されており、両論併記でありません。これは検討の場ですから、様々な意見が出るのは当たり前であります。その当たり前の意見があるのに対して両論併記だと、それを記載したら両論併記だと評価するのは誤りであるというふうに私は思っております。
多くの有識者の皆さんによる多大な労力と時間が費やされております。この検討会の内容がないがしろにされることは、その存在意義が問われるというふうに思っております。
今後の法改正につきましても禍根を残すことになるというふうに思っております。検討会、調査会の結論を尊重した改正がされるべきでありますし、そうでないと、検討会、調査会の存在意義というものがないというふうに感じるほどであります。
今回の検討会の結論で抜け落ちた論点、また、平成三十年の改正の専門委員会の方で積み残しの論点がありますけれども、そういう論点について速やかに検討して実現を図るべきだというふうに思っております。
今回の国会の消費者契約法改正の審議に私として求めたいことが三点あります。
一つは、改正案で実現されていない検討会の提言の中で、「消費者の判断力に着目した規定」というものがあります。これは、先ほど言った社会要請の中で極めて重要な内容であります。今からでも、今回の改正で是非実現をしていただきたいというふうに思っております。
判断力不足につけ込む深刻な被害は日々生じております。検討会でもかなり詰めた議論をして、具体的な内容の方向性としてまとめております。是非この内容で実現をしていただきたいというふうに思っております。
二つ目は、消費者契約法の、民法の特別法としての民事ルールにふさわしい内容を含んだ消費者契約法の抜本的改正の検討を直ちに始めるようにしていただきたい、そのことを附則に定めてもらいたいということであります。
三つ目は、消費者契約に関する検討会及び平成三十年改正の際の専門調査会で示された論点の検討と実現をしかるべきときに図るように促していただきたいということであります。
以上が、消費者契約法の改正のものであります。
最後に、消費者裁判手続特例法の改正に関する私の意見を述べさせていただきます。
消費者裁判手続特例法に関する検討会がありまして、その報告書が出されておりますが、今回の改正案は、その内容をほぼ踏まえております。より活用できる改正になるということで、これは早期に実現をしていただきたいというふうに思っております。
ただ、個人的には、この消費者裁判手続特例法についても、日弁連としても様々な取組をしていますが、その中でも特に二点、今後の課題として是非考えていただきたいことがあります。
一つは、第一段階で敗訴した、責任があると認められた事業者に広告、広告というのは消費者の方に知らせる内容ですね、それからあと通知費用とか、あるいは送金費用等の諸費用を負担していただきたい、そういう内容にしていただきたい。本来自分がやらなくてはいけない返済作業を消費者団体がやるわけですから、費用は負担していただきたいということであります。
二つ目は、少額事件に対するオプトアウト制度、すなわち、包括的に消費者団体が代表して訴訟をして、嫌な人が抜けるという制度、これは、少額事件においてはそういう制度の検討を速やかに行うことを是非お願いをしたいと思います。
以上が私の意見であります。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →今日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
日本弁護士連合会では、この消費者契約法につきまして、これまで様々な提言等、あるいは立法に対して取組をしてまいりました。この法案につきましては、お手元の資料にありますが、令和四年二月二十八日に、消費者契約法の改正骨子案に関する会長声明というところで大枠の意見を述べさせていただいております。
本日、私の意見は、この意見に沿っておりますけれども、これを超えるものがありまして、これは個人的な見解ということで御容赦願いたいというふうに思っております。
今回示された法案についての率直な感想を述べさせていただきますと、非常に残念であるというふうに思っております。期待されたものから比べると非常に不十分だというふうに考えております。
まず、何が不十分かと申しますと、第一には、やはり今回の改正の法案に求められてきた社会の要請に十分応えていないという点が挙げられます。
一つの要請は、超高齢社会における被害の存在であります。
これまでも度々挙げられておりますけれども、高齢者の自宅売却トラブルというものがあります。資料をつけさせていただいております。
それから二つ目には、保険金を使った自宅修理トラブルというのがあります。これは、保険金を使って自宅が修理できるということで高額な自宅修理工事を契約するわけですが、結局保険が下りなかったり、あるいは保険が下りても多額の手数料を取る、半額ぐらいを取っていくという事例もあります。そういう中で、結局自己資金を相当数出さなくちゃいけないということになる。これは、よく分からない中で高齢者の方が被害に遭っております。
それから三つ目には、令和元年に発覚しました生命保険の高齢者に対する不適切販売、経済的な合理性が全く欠けるような契約、あるいは再契約をさせるというものであります。この中では、販売員の人たちは、内輪では顧客をゆるキャラ、半ぼけと呼んでこれを販売していたということであります。
こういう状況がある中で、超高齢社会における被害の存在をどうカバーしていくかというのが今回の一つのミッションであったわけでありますけれども、これに十分応えていないということがあります。
それから、二つ目の社会的な要請は、四月一日から施行されております成年年齢引下げに伴う若年者被害の増加であります。
これは予想されるということで、AVの契約強要の問題がありますけれども、これに限らないわけであります。未熟な中で、影響されやすい年齢の中で、しかも、いろいろな圧力に弱い立場の若年者が望まない契約をするということは十分あるわけであります。そういうものをどうやってカバーし、また、もし契約をしてしまったら、これをどう救済していくかということについてのミッションもあったわけでありますが、これにも十分応えておりません。
改正法案は、極めて限定した場合にしか対処していないと評価せざるを得ません。高齢者の判断力不足、若年者の未熟な心理状態につけ込んだ勧誘に対する対応としては非常に不十分であるというふうに考えております。
それから、二つ目の私の残念に思うところでありますが、これは今、河上先生の方からもるるお話をいただきましたけれども、民法の特別法である消費者契約法の隙間を埋めるという包括的な民事ルールとしての役割から離れた法律になりつつあるということであります。
消費者契約法というのは、民法の特別法と位置づけられております。消費者取引市場の適正化の民事ルールを定めているわけであります。これは、特別法には規定できていないものの隙間を埋めていくルールを定めていくということになっております。行政規制とは異なる、消費者市場の行動指針となるような包括的な民事ルールとして役割を果たすべきであるということであります。
様々な事業者、様々な消費者があります。様々な取引があるわけでありますが、こういう取引に対する公正なガイドとしての役割、そして、もしこれに対して不当な契約に巻き込まれてしまった場合には、これから救済できる、こういう規定でなくてはならないというふうに考えております。
ところが、今回の改正案は、極めて限定した要件で限定した場面を断片的に対応しているというふうに感じられます。後追い立法ということになっている。また、この被害自体がどこから出てきているのか、どういう被害事例が実際にあるのかもよく分からないところで法案が出てきているように私は感じられます。
消費者契約に関する検討会でも、法第四条第三項各号は、事業者の行為態様を個別的、具体的かつ詳細に定めており、文言の拡張的解釈等の柔軟な解釈により救済を図ることに限界があるということで、隙間を埋めるには限界があると。これの脱法的なものがあるということを言って、その限界があると指摘しているわけですが、この指摘した課題についても解決はしているわけではありません。むしろ課題を増幅させる、すなわち、個別の場面を限定したものを増やしていくことによって、課題を増幅させている結果になっております。
消費者契約法の本来の役割である業法等の空白や間隙を埋め、取引当事者の行動指針となる包括的な民事ルールに向けた検討を直ちにしていくべきであります。柔軟な要件による受皿規定、損害賠償請求制度の導入、勧誘時に限定されない適用場面の検討など、考えるべきことはたくさんあるというふうに考えております。
それから、三つ目の私の残念に思うところは、消費者契約に関する検討会報告書が求めた提案内容の多くが実現していないということであります。
不当勧誘の規定として提案されておりました、困惑類型の脱法防止規定、消費者の心理状態に着目した規定、消費者の判断力に着目した規定という、三つの取消権が全て抜け落ちております。また、提案された不当条項規定や消費者の立証責任軽減措置の多くが抜け落ちております。私は幾つかの法改正に関与してきましたけれども、ここまで検討会、調査会の報告書の内容が抜け落ちているということは経験がありません。今回初めてであります。
報告書があたかも両論併記であったことが抜け落ちた原因かのように言われておりますけれども、報告書の各論点の記載を見ていただきますと、「考えられる対応」という形で方向性が記載されております。そこを読めば、まず合意された結論が記載されているわけであります。なお書きとして結論がまとまるまでの出された意見が記載されており、両論併記でありません。これは検討の場ですから、様々な意見が出るのは当たり前であります。その当たり前の意見があるのに対して両論併記だと、それを記載したら両論併記だと評価するのは誤りであるというふうに私は思っております。
多くの有識者の皆さんによる多大な労力と時間が費やされております。この検討会の内容がないがしろにされることは、その存在意義が問われるというふうに思っております。
今後の法改正につきましても禍根を残すことになるというふうに思っております。検討会、調査会の結論を尊重した改正がされるべきでありますし、そうでないと、検討会、調査会の存在意義というものがないというふうに感じるほどであります。
今回の検討会の結論で抜け落ちた論点、また、平成三十年の改正の専門委員会の方で積み残しの論点がありますけれども、そういう論点について速やかに検討して実現を図るべきだというふうに思っております。
今回の国会の消費者契約法改正の審議に私として求めたいことが三点あります。
一つは、改正案で実現されていない検討会の提言の中で、「消費者の判断力に着目した規定」というものがあります。これは、先ほど言った社会要請の中で極めて重要な内容であります。今からでも、今回の改正で是非実現をしていただきたいというふうに思っております。
判断力不足につけ込む深刻な被害は日々生じております。検討会でもかなり詰めた議論をして、具体的な内容の方向性としてまとめております。是非この内容で実現をしていただきたいというふうに思っております。
二つ目は、消費者契約法の、民法の特別法としての民事ルールにふさわしい内容を含んだ消費者契約法の抜本的改正の検討を直ちに始めるようにしていただきたい、そのことを附則に定めてもらいたいということであります。
三つ目は、消費者契約に関する検討会及び平成三十年改正の際の専門調査会で示された論点の検討と実現をしかるべきときに図るように促していただきたいということであります。
以上が、消費者契約法の改正のものであります。
最後に、消費者裁判手続特例法の改正に関する私の意見を述べさせていただきます。
消費者裁判手続特例法に関する検討会がありまして、その報告書が出されておりますが、今回の改正案は、その内容をほぼ踏まえております。より活用できる改正になるということで、これは早期に実現をしていただきたいというふうに思っております。
ただ、個人的には、この消費者裁判手続特例法についても、日弁連としても様々な取組をしていますが、その中でも特に二点、今後の課題として是非考えていただきたいことがあります。
一つは、第一段階で敗訴した、責任があると認められた事業者に広告、広告というのは消費者の方に知らせる内容ですね、それからあと通知費用とか、あるいは送金費用等の諸費用を負担していただきたい、そういう内容にしていただきたい。本来自分がやらなくてはいけない返済作業を消費者団体がやるわけですから、費用は負担していただきたいということであります。
二つ目は、少額事件に対するオプトアウト制度、すなわち、包括的に消費者団体が代表して訴訟をして、嫌な人が抜けるという制度、これは、少額事件においてはそういう制度の検討を速やかに行うことを是非お願いをしたいと思います。
以上が私の意見であります。ありがとうございました。拍手
松
三
三谷和央#6
○三谷参考人 一般社団法人全国消費者団体連絡会の事務局次長の三谷と申します。
本日は、消費者契約法及び消費者裁判手続特例法の改正の審議に関し、意見を述べさせていただく機会をいただき、ありがとうございます。本来でしたら、事務局長の浦郷が発言させていただく予定でしたが、所用のやむを得ない事情により、私どもより意見を述べさせていただきます。
全国消団連は、消費者団体の全国的な連絡組織で、全国四十八の団体が緩やかにつながりながら、暮らしに関わる様々なテーマについて、消費者の立場から意見発信を進めております。
今回の法案、特に消費者裁判手続特例法の部分につきましては、おおむね消費者庁の検討会の報告書に沿った改正となっておりまして、高く評価しております。その一方で、消費者契約法の部分につきましては、既に御審議の中で御指摘いただいておりますように、検討会の報告書において示された内容とは大きく異なっている部分がありまして、特に取消権の規定については大きく後退してしまったと受け止めております。
ただ、そうは申し上げましても、消費者契約法においても僅かですが前進がありますので、今国会におきまして、必要な審議を経て可決、成立いただきますようお願い申し上げます。
その上で、それぞれの改正について述べさせていただきます。
初めに、消費者契約法について申し上げます。
法案の基となりました消費者庁の検討会の報告書の策定に当たりましては、まず、学識経験者を委員とされる研究会が七か月、その後、この検討会が一年と九か月、実に合わせて二年と四か月の時間をかけて検討されてきました。
検討会では、平成三十年の附帯決議の事項を中心に論議が行われてきました。
この報告書について、消費者庁は、検討会にて理論的にも実務的にも難しい論点は多く取り上げられ、意見の隔たりもあり、ある程度幅のある形で取りまとめたというふうにおっしゃっております。
しかし、先ほども野々山先生からもありましたが、報告書では、「考えられる対応」としてその方法について記載の後に、「具体的には、」として要件などの規定があり、さらに、対応し得る事例の詳細も書かれた上で、「なお、」として、なお書きとして補足する形で懸念点が記載されております。検討会の論議の過程におきましては、意見の違いというのは確かに論議中にはあったものの、この報告書の段階では「考えられる対応」を軸に取りまとめられたという認識でおります。
さらに、検討過程で意見の対立があった点については、別途、将来課題として、今回の改正項目に盛り込まれていないことが明確に示されており、この対比からも、提案された内容は改正案に盛り込まれることが前提となっていたことは明らかではないかと思っております。
これまでの、検討会の報告書が、全国消団連も委員として参加しておりましたが、このまとめが、先ほどもありましたが、両論併記、あるいは、まるであたかもまとまっていないかのような御発言につきましては、検討会の座長を始め長期にわたって検討してきた各委員がどのような思いでそれを聞いているか、よく考えていただきたいと思っております。
また、今後につきまして、こうした幅のあるまとめとされるようなことが前例となりまして、今後の消費者関連におけるほかの検討において報告書と大きな内容の違いのある法案というのが出される事態は、前例としてこれ限りにしていただきたいと思っております。このようなことにならないことを強く求めたいと思います。
その上で、抜本的見直しを求めたいと思います。別紙一になります。
消費者契約法については、この間の御審議で、様々、原因などが明確化されているところですが、それを踏まえますと、やはり直ちに抜本的見直しを開始することが必要であると感じています。
特に、取消権については、その強い規定のために要件を明確化する必要があり、そのため、現在の法案の規定となったという答弁が繰り返されております。このままでは、今後の改正論議においても、この取消権をめぐって、後追いの形で個別細やかな場面を規定し、取消権の追加といったこと、またその改正論議に大変な時間と労力、注力が行われ、それが繰り返されてしまうということに危惧を感じております。やはり取消権は、どういう要件かという明確化もありますが、救うべき人を救う、そういう規定であるべきであると思います。
消費者契約法は、消費者と事業者間のあらゆる契約を対象とした包括的な民事ルールであるということは、お二人の先生もおっしゃっておりました。現在の社会における商道徳の規範となる消費者契約法としていく必要があると私どもも思います。
近年、消費者志向経営ということに取り組む事業者が広がりを見せていることについては、強く期待することであり、うれしいことでありますが、悪質な事業者ではなく、真っ当な事業者が評価、支持され、そうした事業者を通じて経済が循環することが大事であり、その規範となるような法律にしていただきたいと思っております。
また、現在の高齢化や、社会のデジタル化の中で取引もデジタル化が加速しております。成年年齢引下げも施行されました。このように、消費者を取り巻く情勢というのは大きく変化しておりますので、これらに対しても、広く規範として対応できる法律としていただきたいと思います。
そうしていくためには、既存の枠にとらわれない抜本的な論議を早急に始めることが必要な時期に来ていると思っております。
契約法の改正による対応が被害の後追いとならないためには、なるべく汎用性のある一般的な規定を置くことによって、悪質な事案に柔軟に対処できることが必要であります。そのために、現在の、困惑、誤認などの類型の具体性のある場面における取消権の規定だけでなく、より柔軟な規定や、契約締結の場面だけに限らない、解約や契約途中なども含めて、広範な規定の在り方というのを求めたいと思います。こうしたことを考える抜本的論議を直ちに開始することを求めたいと思います。
今後の消費者契約法の見直しに当たりましては、検討会の報告書で提案された論点から落ちた経緯、あるいはその原因、理由というものを明らかにすることにより、次の抜本的な見直しの論議につながると思っておりますが、この点につきましては、今国会の御審議におかれまして、既に、与野党の議員の皆様の建設的で熱心な御審議の中で、その原因が順次明確化されているところであり、大変深く感謝しております。ありがとうございます。
改めて、弊会からも、少しだけ各規定について述べさせていただきます。
まず、取消権の判断力不足に着目した規定ですが、やはり今後の高齢社会に向けて、この規定は大変重要であると思っております。
取消権については、要件を明確化する必要があるということは分かるのですけれども、別紙二にありますとおり、この報告書には、要件というものがきちんと明確化されておりますし、かつ、その事例についても具体的に書かれておりましたが、今回の契約法の枠組みには入らないということが答弁の中で明らかになってきました。
既に審議の中でも御審議いただいているとおり、現に被害がある中で、その対応の検討ということになっておりますので、直ちに抜本的な見直しということが必要です。認知症の高齢者が家を失う、路頭に迷うというような事案は、問題なく救えるような枠組みにしていただきたいと考えております。
次に、平均的な損害額についてです。
検討会の論議では、平均的な損害の額の立証の負担軽減を目指した論議がされてきました。今回、消費者に解約料の算定根拠の概要を示す努力義務が設けられました。これは、大変前進ではあると思っております。
ただ、そもそも、解約料を提示するのは事業者なんですけれども、それについて消費者が平均的な損害額を立証するという、その立証責任は消費者側にあるということで、消費者にとってはこの平均的な損害額を立証するのは困難です。
そのため、長年、弊会も、立証責任というものは事業者の方に転換するべきではないかということは求めてきましたが、こうした関係性ということも抜本的見直しの中で考えていただきたいと思っておりますし、検討会の中で事業者の委員の方もおっしゃっておりました、社会が多様化する中で、平均的な損害の額という物差しの在り方自体も見直す必要があるのではないかということについては、どんどん個別化する取引の中で、消費者団体としても同意するところはあります。
なので、今後、抜本的な見直しでは、この立証責任の転換、あるいは、解約料という物差しの在り方についても改めて検討いただきたいと思います。
ほかにもありますが、今後の骨太の論議というところ、どういった論議になるかというところを大変心配あるいは期待しておるところですけれども、是非とも直ちに検討を始めていただきたいと思います。
次に、特例法の方につきまして述べさせていただきます。
消費者裁判手続特例法の方ですけれども、二〇一六年十二月に施行されまして五年余りになりますが、これまで特定適格消費者団体の認定を受けた団体は四団体、そして被害回復訴訟件数も四件にとどまっております。裁判外で解決した事例というものは一定数あるんですけれども、非常に控えめなスタートとなっていると受け止めております。
このような状況を踏まえまして、消費者庁にて検討会が設置され、今回の法案改正に至る検討会がありましたが、こちらは半年にわたって、かなり短い期間で精力的に論議が行われました。そのため、非常に今回の改正案は被害回復のための消費者団体訴訟制度をより使いやすくする内容であり、本改正案の成立を強く希望いたします。
ただ、短期の検討で、半年しかありませんでしたので、まだ論議し足りない部分というものもありました。十分な検討時間が確保できず、積み残された課題につきましては、別紙三に掲載させていただいております。その中から少しだけ抜粋をさせて要望を申し上げます。
一つ目は、こちら、別紙三の1(3)2の記載にあります「相手方の財産に関する情報の開示手続」です。
被告事業者の財産状況がどうであるかということはなるべく早期に把握して、そして多数の被害者の回復を実現できるだけ資力が事業者側にあるかどうか判断するということが早期に求められるところであります。
この点について、現行制度では特例が設けられておらず、簡易確定手続、二段階目ですが、こちらが終了して債権者と債権額が確定しなければ、財産状況の開示を求めることができません。その時点で事業者に十分な財産がない場合は、手続に参加した消費者は正当な分配が受けられず、費用倒れになるおそれさえあります。また、団体にとっても、債権届出から後の費用の回収ということもままならない結果となると危惧しております。
本制度では、共通義務確認訴訟で団体の請求が容認された時点で、被告事業者の金銭支払いの義務というものは確認されているはずですので、遅くともその段階で財産情報の開示を求めることができるように特例を定めるべきではないかと考えております。そうすれば、確認できた財産の額に応じて、対象消費者に通知、公告をするときに、被害の回復の見通しをより正確に伝えることができますから、対象消費者が手続に参加するか否かの判断の手助けになると考えております。
もう一つは、パワーポイント下段の真ん中にあります「行政的手法の検討」です。
悪質な事業者ということにつきましては、所在が把握できなかったり、財産が隠匿され把握できないなど、本制度を始めとした民事訴訟手続だけでは被害回復には限界があります。悪質な事業者による多数消費者被害を回復するためには、早期かつ広範に被害情報を探知できる行政が、悪質な事業者の財産を保全するなど、被害回復に積極的に関与することが必要です。
この点を踏まえ、既に消費者庁では、消費者の財産被害に関わる、これは平成二十五年ですね、行政による経済的不利益賦課制度及び財産の隠匿・散逸防止策についてと題する報告書がまとまっております。この報告書では、賦課金制度のほか、供託命令制度や消費者庁による破産手続申立て、及び行政が直接消費者の被害救済を図るための手法、制度が提案され、検討に当たっての課題も整理されております。このうち実現したのは、賦課金制度のうち景品表示法の賦課金制度だけにとどまっております。これらの行政手法についても、今後検討を進められることを心より強く要望いたすところです。
最後に、この間の議員の皆様の前向きで建設的な、次につながる御議論を尽くしていただいていることに、改めて深くお礼申し上げます。そして、消費者契約法におきましては直ちに抜本的な見直しの検討を開始していただきますよう、いま一度申し上げ、私からの発言を終えさせていただきます。
ありがとうございます。拍手
この発言だけを見る →本日は、消費者契約法及び消費者裁判手続特例法の改正の審議に関し、意見を述べさせていただく機会をいただき、ありがとうございます。本来でしたら、事務局長の浦郷が発言させていただく予定でしたが、所用のやむを得ない事情により、私どもより意見を述べさせていただきます。
全国消団連は、消費者団体の全国的な連絡組織で、全国四十八の団体が緩やかにつながりながら、暮らしに関わる様々なテーマについて、消費者の立場から意見発信を進めております。
今回の法案、特に消費者裁判手続特例法の部分につきましては、おおむね消費者庁の検討会の報告書に沿った改正となっておりまして、高く評価しております。その一方で、消費者契約法の部分につきましては、既に御審議の中で御指摘いただいておりますように、検討会の報告書において示された内容とは大きく異なっている部分がありまして、特に取消権の規定については大きく後退してしまったと受け止めております。
ただ、そうは申し上げましても、消費者契約法においても僅かですが前進がありますので、今国会におきまして、必要な審議を経て可決、成立いただきますようお願い申し上げます。
その上で、それぞれの改正について述べさせていただきます。
初めに、消費者契約法について申し上げます。
法案の基となりました消費者庁の検討会の報告書の策定に当たりましては、まず、学識経験者を委員とされる研究会が七か月、その後、この検討会が一年と九か月、実に合わせて二年と四か月の時間をかけて検討されてきました。
検討会では、平成三十年の附帯決議の事項を中心に論議が行われてきました。
この報告書について、消費者庁は、検討会にて理論的にも実務的にも難しい論点は多く取り上げられ、意見の隔たりもあり、ある程度幅のある形で取りまとめたというふうにおっしゃっております。
しかし、先ほども野々山先生からもありましたが、報告書では、「考えられる対応」としてその方法について記載の後に、「具体的には、」として要件などの規定があり、さらに、対応し得る事例の詳細も書かれた上で、「なお、」として、なお書きとして補足する形で懸念点が記載されております。検討会の論議の過程におきましては、意見の違いというのは確かに論議中にはあったものの、この報告書の段階では「考えられる対応」を軸に取りまとめられたという認識でおります。
さらに、検討過程で意見の対立があった点については、別途、将来課題として、今回の改正項目に盛り込まれていないことが明確に示されており、この対比からも、提案された内容は改正案に盛り込まれることが前提となっていたことは明らかではないかと思っております。
これまでの、検討会の報告書が、全国消団連も委員として参加しておりましたが、このまとめが、先ほどもありましたが、両論併記、あるいは、まるであたかもまとまっていないかのような御発言につきましては、検討会の座長を始め長期にわたって検討してきた各委員がどのような思いでそれを聞いているか、よく考えていただきたいと思っております。
また、今後につきまして、こうした幅のあるまとめとされるようなことが前例となりまして、今後の消費者関連におけるほかの検討において報告書と大きな内容の違いのある法案というのが出される事態は、前例としてこれ限りにしていただきたいと思っております。このようなことにならないことを強く求めたいと思います。
その上で、抜本的見直しを求めたいと思います。別紙一になります。
消費者契約法については、この間の御審議で、様々、原因などが明確化されているところですが、それを踏まえますと、やはり直ちに抜本的見直しを開始することが必要であると感じています。
特に、取消権については、その強い規定のために要件を明確化する必要があり、そのため、現在の法案の規定となったという答弁が繰り返されております。このままでは、今後の改正論議においても、この取消権をめぐって、後追いの形で個別細やかな場面を規定し、取消権の追加といったこと、またその改正論議に大変な時間と労力、注力が行われ、それが繰り返されてしまうということに危惧を感じております。やはり取消権は、どういう要件かという明確化もありますが、救うべき人を救う、そういう規定であるべきであると思います。
消費者契約法は、消費者と事業者間のあらゆる契約を対象とした包括的な民事ルールであるということは、お二人の先生もおっしゃっておりました。現在の社会における商道徳の規範となる消費者契約法としていく必要があると私どもも思います。
近年、消費者志向経営ということに取り組む事業者が広がりを見せていることについては、強く期待することであり、うれしいことでありますが、悪質な事業者ではなく、真っ当な事業者が評価、支持され、そうした事業者を通じて経済が循環することが大事であり、その規範となるような法律にしていただきたいと思っております。
また、現在の高齢化や、社会のデジタル化の中で取引もデジタル化が加速しております。成年年齢引下げも施行されました。このように、消費者を取り巻く情勢というのは大きく変化しておりますので、これらに対しても、広く規範として対応できる法律としていただきたいと思います。
そうしていくためには、既存の枠にとらわれない抜本的な論議を早急に始めることが必要な時期に来ていると思っております。
契約法の改正による対応が被害の後追いとならないためには、なるべく汎用性のある一般的な規定を置くことによって、悪質な事案に柔軟に対処できることが必要であります。そのために、現在の、困惑、誤認などの類型の具体性のある場面における取消権の規定だけでなく、より柔軟な規定や、契約締結の場面だけに限らない、解約や契約途中なども含めて、広範な規定の在り方というのを求めたいと思います。こうしたことを考える抜本的論議を直ちに開始することを求めたいと思います。
今後の消費者契約法の見直しに当たりましては、検討会の報告書で提案された論点から落ちた経緯、あるいはその原因、理由というものを明らかにすることにより、次の抜本的な見直しの論議につながると思っておりますが、この点につきましては、今国会の御審議におかれまして、既に、与野党の議員の皆様の建設的で熱心な御審議の中で、その原因が順次明確化されているところであり、大変深く感謝しております。ありがとうございます。
改めて、弊会からも、少しだけ各規定について述べさせていただきます。
まず、取消権の判断力不足に着目した規定ですが、やはり今後の高齢社会に向けて、この規定は大変重要であると思っております。
取消権については、要件を明確化する必要があるということは分かるのですけれども、別紙二にありますとおり、この報告書には、要件というものがきちんと明確化されておりますし、かつ、その事例についても具体的に書かれておりましたが、今回の契約法の枠組みには入らないということが答弁の中で明らかになってきました。
既に審議の中でも御審議いただいているとおり、現に被害がある中で、その対応の検討ということになっておりますので、直ちに抜本的な見直しということが必要です。認知症の高齢者が家を失う、路頭に迷うというような事案は、問題なく救えるような枠組みにしていただきたいと考えております。
次に、平均的な損害額についてです。
検討会の論議では、平均的な損害の額の立証の負担軽減を目指した論議がされてきました。今回、消費者に解約料の算定根拠の概要を示す努力義務が設けられました。これは、大変前進ではあると思っております。
ただ、そもそも、解約料を提示するのは事業者なんですけれども、それについて消費者が平均的な損害額を立証するという、その立証責任は消費者側にあるということで、消費者にとってはこの平均的な損害額を立証するのは困難です。
そのため、長年、弊会も、立証責任というものは事業者の方に転換するべきではないかということは求めてきましたが、こうした関係性ということも抜本的見直しの中で考えていただきたいと思っておりますし、検討会の中で事業者の委員の方もおっしゃっておりました、社会が多様化する中で、平均的な損害の額という物差しの在り方自体も見直す必要があるのではないかということについては、どんどん個別化する取引の中で、消費者団体としても同意するところはあります。
なので、今後、抜本的な見直しでは、この立証責任の転換、あるいは、解約料という物差しの在り方についても改めて検討いただきたいと思います。
ほかにもありますが、今後の骨太の論議というところ、どういった論議になるかというところを大変心配あるいは期待しておるところですけれども、是非とも直ちに検討を始めていただきたいと思います。
次に、特例法の方につきまして述べさせていただきます。
消費者裁判手続特例法の方ですけれども、二〇一六年十二月に施行されまして五年余りになりますが、これまで特定適格消費者団体の認定を受けた団体は四団体、そして被害回復訴訟件数も四件にとどまっております。裁判外で解決した事例というものは一定数あるんですけれども、非常に控えめなスタートとなっていると受け止めております。
このような状況を踏まえまして、消費者庁にて検討会が設置され、今回の法案改正に至る検討会がありましたが、こちらは半年にわたって、かなり短い期間で精力的に論議が行われました。そのため、非常に今回の改正案は被害回復のための消費者団体訴訟制度をより使いやすくする内容であり、本改正案の成立を強く希望いたします。
ただ、短期の検討で、半年しかありませんでしたので、まだ論議し足りない部分というものもありました。十分な検討時間が確保できず、積み残された課題につきましては、別紙三に掲載させていただいております。その中から少しだけ抜粋をさせて要望を申し上げます。
一つ目は、こちら、別紙三の1(3)2の記載にあります「相手方の財産に関する情報の開示手続」です。
被告事業者の財産状況がどうであるかということはなるべく早期に把握して、そして多数の被害者の回復を実現できるだけ資力が事業者側にあるかどうか判断するということが早期に求められるところであります。
この点について、現行制度では特例が設けられておらず、簡易確定手続、二段階目ですが、こちらが終了して債権者と債権額が確定しなければ、財産状況の開示を求めることができません。その時点で事業者に十分な財産がない場合は、手続に参加した消費者は正当な分配が受けられず、費用倒れになるおそれさえあります。また、団体にとっても、債権届出から後の費用の回収ということもままならない結果となると危惧しております。
本制度では、共通義務確認訴訟で団体の請求が容認された時点で、被告事業者の金銭支払いの義務というものは確認されているはずですので、遅くともその段階で財産情報の開示を求めることができるように特例を定めるべきではないかと考えております。そうすれば、確認できた財産の額に応じて、対象消費者に通知、公告をするときに、被害の回復の見通しをより正確に伝えることができますから、対象消費者が手続に参加するか否かの判断の手助けになると考えております。
もう一つは、パワーポイント下段の真ん中にあります「行政的手法の検討」です。
悪質な事業者ということにつきましては、所在が把握できなかったり、財産が隠匿され把握できないなど、本制度を始めとした民事訴訟手続だけでは被害回復には限界があります。悪質な事業者による多数消費者被害を回復するためには、早期かつ広範に被害情報を探知できる行政が、悪質な事業者の財産を保全するなど、被害回復に積極的に関与することが必要です。
この点を踏まえ、既に消費者庁では、消費者の財産被害に関わる、これは平成二十五年ですね、行政による経済的不利益賦課制度及び財産の隠匿・散逸防止策についてと題する報告書がまとまっております。この報告書では、賦課金制度のほか、供託命令制度や消費者庁による破産手続申立て、及び行政が直接消費者の被害救済を図るための手法、制度が提案され、検討に当たっての課題も整理されております。このうち実現したのは、賦課金制度のうち景品表示法の賦課金制度だけにとどまっております。これらの行政手法についても、今後検討を進められることを心より強く要望いたすところです。
最後に、この間の議員の皆様の前向きで建設的な、次につながる御議論を尽くしていただいていることに、改めて深くお礼申し上げます。そして、消費者契約法におきましては直ちに抜本的な見直しの検討を開始していただきますよう、いま一度申し上げ、私からの発言を終えさせていただきます。
ありがとうございます。拍手
松
松
宮
宮崎政久#9
○宮崎委員 自由民主党の宮崎政久です。
今日は、三名の参考人の先生方、大変に充実をした御意見を聞かせていただきまして本当にありがとうございました。お立場はそれぞれでありますけれども、大変勉強になる、法案質疑にもとても役に立つ御意見をいただいたものと感謝を申し上げます。
今回の法改正は、既に御指摘もありますけれども、平成三十年、百九十六回国会において法改正があった際の附帯決議に対応して順次検討会などがされてきたということであります。この決議の内容自体は、当たり前ですけれども、平成三十年以前の社会の状況を反映しているものであります。それ以降、社会はどんどんどんどん進展していきますから、その状況というのはもちろん今は違うわけであります。
改めて言うまでもないですけれども、コロナの感染の拡大を受けてステイホームが推奨されたことに象徴されていますが、オンライン取引とか、テレビのCMなんかを見ていてもキャッシュレス決済とか、こういったことがどんどん拡大をしている。消費者相談や、また、悪質な被害に遭ってしまった方からの困った状況の相談というのも増えているわけであります。これはすなわち、世の中が進展をしていって、例えばオンラインの取引やキャッシュレスなどにそれまで慣れていなかった層が十分な知識や経験がないがゆえに被害が発生してしまっている、こういうことが言えるわけであります。
時代が移ると消費者を取り巻く環境は変わる、だから、消費者契約法一つ取ってみても、一旦改正したら終わりということはないわけでありまして、随時、環境の変化に応じて見直すことが必要であります。
今から質問させていただきますが、そういったことも踏まえまして、今回の法改正の評価と、あと、将来に向かってどうするべきかという大きな議論も少し、短い時間ですが、させていただきたいと思います。
まず、河上参考人に二点お伺いしたいと思います。
一つは、まず、従来の消費者法の枠組みなどから今回の改正法を評価していただいて、評価をできる点をお伝えいただきたいと思っています。将来に向けての大きな話はもう一回後から聞きたいと思うんですけれども、従来の消費者法の枠組みから今回の消費者契約法の改正案、評価をしていただいての御知見をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →今日は、三名の参考人の先生方、大変に充実をした御意見を聞かせていただきまして本当にありがとうございました。お立場はそれぞれでありますけれども、大変勉強になる、法案質疑にもとても役に立つ御意見をいただいたものと感謝を申し上げます。
今回の法改正は、既に御指摘もありますけれども、平成三十年、百九十六回国会において法改正があった際の附帯決議に対応して順次検討会などがされてきたということであります。この決議の内容自体は、当たり前ですけれども、平成三十年以前の社会の状況を反映しているものであります。それ以降、社会はどんどんどんどん進展していきますから、その状況というのはもちろん今は違うわけであります。
改めて言うまでもないですけれども、コロナの感染の拡大を受けてステイホームが推奨されたことに象徴されていますが、オンライン取引とか、テレビのCMなんかを見ていてもキャッシュレス決済とか、こういったことがどんどん拡大をしている。消費者相談や、また、悪質な被害に遭ってしまった方からの困った状況の相談というのも増えているわけであります。これはすなわち、世の中が進展をしていって、例えばオンラインの取引やキャッシュレスなどにそれまで慣れていなかった層が十分な知識や経験がないがゆえに被害が発生してしまっている、こういうことが言えるわけであります。
時代が移ると消費者を取り巻く環境は変わる、だから、消費者契約法一つ取ってみても、一旦改正したら終わりということはないわけでありまして、随時、環境の変化に応じて見直すことが必要であります。
今から質問させていただきますが、そういったことも踏まえまして、今回の法改正の評価と、あと、将来に向かってどうするべきかという大きな議論も少し、短い時間ですが、させていただきたいと思います。
まず、河上参考人に二点お伺いしたいと思います。
一つは、まず、従来の消費者法の枠組みなどから今回の改正法を評価していただいて、評価をできる点をお伝えいただきたいと思っています。将来に向けての大きな話はもう一回後から聞きたいと思うんですけれども、従来の消費者法の枠組みから今回の消費者契約法の改正案、評価をしていただいての御知見をいただきたいと思います。
河
河上正二#10
○河上参考人 従来の消費者契約法は、先ほどお話ししましたように、言ってみれば必要最小限のところに手当てをするというところから出発をしたということでありまして、取消し事由として本当に限られた部分だけを二つ、あとは威迫、困惑のタイプとして不退去とか幾つか、二つほどのもの、それだけで出発したということは確かであります。
今回、新しい改正を積み重ねる中で、今回の法案もそうですけれども、そこではつかみ切れない、例えば消費者自身の精神的な判断力、考え方とか思いといったようなものを中心に、心理的要素を捉まえて、その部分を要件の中に書き込むことに一応成功した法案になっているということは確かであります。
ただ、それを余りにも積み重ねていっても、まだ受皿がないとやはりこぼれるんだということは先ほど申し上げたとおりでありますので、評価できる点というのは多々ありますけれども、努力義務のところに本来なかなか入り込めないものを落とし込んでおいて、そこを拡張していく可能性を持ったというような点も含めて、個人的には評価できるかと思っております。
この発言だけを見る →今回、新しい改正を積み重ねる中で、今回の法案もそうですけれども、そこではつかみ切れない、例えば消費者自身の精神的な判断力、考え方とか思いといったようなものを中心に、心理的要素を捉まえて、その部分を要件の中に書き込むことに一応成功した法案になっているということは確かであります。
ただ、それを余りにも積み重ねていっても、まだ受皿がないとやはりこぼれるんだということは先ほど申し上げたとおりでありますので、評価できる点というのは多々ありますけれども、努力義務のところに本来なかなか入り込めないものを落とし込んでおいて、そこを拡張していく可能性を持ったというような点も含めて、個人的には評価できるかと思っております。
宮
宮崎政久#11
○宮崎委員 ありがとうございます。
さはさりながら、今の受皿のことも冒頭御指摘もいただきました。また、今日伺ってちょっとショックを受けた言葉に、小さく産んで大きく育っていないじゃないか、捨て子みたいになっているじゃないかと。こういうことについては、やはり、立法を担う私たちとしては、先生のこの言葉は真摯に受け止めてきっちり取り組まないといけないなというふうに改めて、何というか、先生に教えをいただいたというような気持ちで、本当に強く受け止めたところでございます。
この消費者法における民事のルールは、御指摘のとおり、消費者が持っている脆弱性、先生のお言葉では人間本来の脆弱性というお言葉もありましたが、この脆弱性ゆえに不利益を被らないように社会のルールを定めていくものだというふうに、ここがスタートであります。
更に言えば、御指摘もあったとおり、不適切な事業を行う者がきちっとこれは駄目だよということになって適正な事業運営ができるような社会のルール、市場の整備というんでしょうかね、こういったものに寄与するルールがしっかりできて運用することによって、例えば、事業者と消費者というだけでなくて、経済社会全体が適正な取引が進んでいく、言ってみれば商道徳の育成というんでしょうかね、こういったことができていく。それを裏打ちしていくためには、そういうことをやっては駄目なんだよというときにきちっと指摘ができるとか、そういったものは、例えば制裁、サンクションまで受けるようなことがあるからそういうことはできないんだということによって、ルールを形成して社会を維持していくことが必要です。
こういう言い方をしていいかどうか分かりませんけれども、悪いやつというのは大体世の中どこにでもいるわけでありまして、ここに対抗していくことによって適正なルールを作っていくことが、我が国の経済社会の発展、国富の増大であったり、また、コストを低減させるというんですかね、社会的コストを低減させることによってその大きな市場の形成に寄与するものだというふうに思っております。先生からも先ほど、消費者にとっても事業者にとってもウィン・ウィンになる消費者志向経営の核心的な目標という御指摘がございました。
そこで、お伺いをしたいと思います。
こういった観点から、将来に向けて消費者契約法がどういう方向であるべきか。先ほど、消費者契約法の構想ということで、骨太の方向性を明らかにしていくべきだということで少し御指摘をいただいたところであります。せっかくの機会ですので、もう少し踏み込んで、将来のいわゆる大きな方向性で考えていった場合にこうあるべきだというような御指摘、改めていただければと思っております。
この発言だけを見る →さはさりながら、今の受皿のことも冒頭御指摘もいただきました。また、今日伺ってちょっとショックを受けた言葉に、小さく産んで大きく育っていないじゃないか、捨て子みたいになっているじゃないかと。こういうことについては、やはり、立法を担う私たちとしては、先生のこの言葉は真摯に受け止めてきっちり取り組まないといけないなというふうに改めて、何というか、先生に教えをいただいたというような気持ちで、本当に強く受け止めたところでございます。
この消費者法における民事のルールは、御指摘のとおり、消費者が持っている脆弱性、先生のお言葉では人間本来の脆弱性というお言葉もありましたが、この脆弱性ゆえに不利益を被らないように社会のルールを定めていくものだというふうに、ここがスタートであります。
更に言えば、御指摘もあったとおり、不適切な事業を行う者がきちっとこれは駄目だよということになって適正な事業運営ができるような社会のルール、市場の整備というんでしょうかね、こういったものに寄与するルールがしっかりできて運用することによって、例えば、事業者と消費者というだけでなくて、経済社会全体が適正な取引が進んでいく、言ってみれば商道徳の育成というんでしょうかね、こういったことができていく。それを裏打ちしていくためには、そういうことをやっては駄目なんだよというときにきちっと指摘ができるとか、そういったものは、例えば制裁、サンクションまで受けるようなことがあるからそういうことはできないんだということによって、ルールを形成して社会を維持していくことが必要です。
こういう言い方をしていいかどうか分かりませんけれども、悪いやつというのは大体世の中どこにでもいるわけでありまして、ここに対抗していくことによって適正なルールを作っていくことが、我が国の経済社会の発展、国富の増大であったり、また、コストを低減させるというんですかね、社会的コストを低減させることによってその大きな市場の形成に寄与するものだというふうに思っております。先生からも先ほど、消費者にとっても事業者にとってもウィン・ウィンになる消費者志向経営の核心的な目標という御指摘がございました。
そこで、お伺いをしたいと思います。
こういった観点から、将来に向けて消費者契約法がどういう方向であるべきか。先ほど、消費者契約法の構想ということで、骨太の方向性を明らかにしていくべきだということで少し御指摘をいただいたところであります。せっかくの機会ですので、もう少し踏み込んで、将来のいわゆる大きな方向性で考えていった場合にこうあるべきだというような御指摘、改めていただければと思っております。
河
河上正二#12
○河上参考人 どうもありがとうございます。
やはり、社会における市場行動規範というものを整備して、きちんとサンクションも加えながらそれを実効性あるものにしていくということは必要なことであるという御指摘は、私もそのとおりだというふうに考えております。
我々が相手にしているのは共通の敵であります。つまり、市場を攪乱している共通の敵に対してそういうことをしてはいかぬということをはっきりと述べることが必要だということがまずあります。
それから、先ほど消費者契約法の今後の望ましい全体像というものについての御質問がございましたけれども、基本的には、目的規定の中にはっきりと、何のためにこの法律があるのか、特に、私は、人間としての脆弱性を前提として、こうした人たちが被害を被らないように守るのがこの法律の本当の使命の一つだということをはっきりと書く、ある種の適合性原則に関わるような規定を目的規定にかける。
さらに、契約の締結過程ですね。今は、広告の部分というのはほとんど規制の対象から外れてしまっています。景表法は若干ありますけれども、消費者契約法の中でも広告部分について契約締結過程をきちんと書き込むということ。それから、電子機器を用いた取引が盛んになってきていますから、こうした電子機器を用いた申込み、承諾のルール、これを書き込むこと。
さらに、契約の条件だけではなくて、契約の本体の効力を否定するような、そういうルールというもの、言ってみれば民法の公序良俗違反の消費者契約版ですね、そういったものも書き込んでいく。場合によっては、消費者自身にも落ち度があった場合の過失相殺も、本当は書き込んで構わないんじゃないかというようなことを考えています。
あとは、履行過程と解消後の問題というようなものを、全体としてまとまった形で、消費者売買法というか、消費者契約法の本来の姿というものについて将来検討していくのが重要ではないかと考えております。
この発言だけを見る →やはり、社会における市場行動規範というものを整備して、きちんとサンクションも加えながらそれを実効性あるものにしていくということは必要なことであるという御指摘は、私もそのとおりだというふうに考えております。
我々が相手にしているのは共通の敵であります。つまり、市場を攪乱している共通の敵に対してそういうことをしてはいかぬということをはっきりと述べることが必要だということがまずあります。
それから、先ほど消費者契約法の今後の望ましい全体像というものについての御質問がございましたけれども、基本的には、目的規定の中にはっきりと、何のためにこの法律があるのか、特に、私は、人間としての脆弱性を前提として、こうした人たちが被害を被らないように守るのがこの法律の本当の使命の一つだということをはっきりと書く、ある種の適合性原則に関わるような規定を目的規定にかける。
さらに、契約の締結過程ですね。今は、広告の部分というのはほとんど規制の対象から外れてしまっています。景表法は若干ありますけれども、消費者契約法の中でも広告部分について契約締結過程をきちんと書き込むということ。それから、電子機器を用いた取引が盛んになってきていますから、こうした電子機器を用いた申込み、承諾のルール、これを書き込むこと。
さらに、契約の条件だけではなくて、契約の本体の効力を否定するような、そういうルールというもの、言ってみれば民法の公序良俗違反の消費者契約版ですね、そういったものも書き込んでいく。場合によっては、消費者自身にも落ち度があった場合の過失相殺も、本当は書き込んで構わないんじゃないかというようなことを考えています。
あとは、履行過程と解消後の問題というようなものを、全体としてまとまった形で、消費者売買法というか、消費者契約法の本来の姿というものについて将来検討していくのが重要ではないかと考えております。
宮
宮崎政久#13
○宮崎委員 先生、ありがとうございました。
次に、野々山参考人にお伺いをさせていただきます。
日弁連の消費者委員会、私も長いこと育てていただきました。先生の御活躍、また先生方の御活躍に本当に敬意を表するところでございます。
今回の法案の、高齢者の自宅売却をめぐるトラブルなどを含めたこと、先立った法案審議でも出ております。今日、ほかの先生方からも御質疑が出ると思うので、私は違うところで一点、先生にお伺いしたいと思っております。
先生、最後の御発言の中で、将来に向けてのお話をいただきました。消費者契約法は、民法の特別法として、民事ルールにふさわしい内容を含んだ抜本改正、これを目指すべきだという御指摘をいただいて、私も実は、さっき言ったとおり、商道徳の形成を含めてこれは重要だと思っております。
野々山参考人がお考えになっているこの将来の抜本的改正の方向性について、また御知見を聞かせていただければと思っております。
この発言だけを見る →次に、野々山参考人にお伺いをさせていただきます。
日弁連の消費者委員会、私も長いこと育てていただきました。先生の御活躍、また先生方の御活躍に本当に敬意を表するところでございます。
今回の法案の、高齢者の自宅売却をめぐるトラブルなどを含めたこと、先立った法案審議でも出ております。今日、ほかの先生方からも御質疑が出ると思うので、私は違うところで一点、先生にお伺いしたいと思っております。
先生、最後の御発言の中で、将来に向けてのお話をいただきました。消費者契約法は、民法の特別法として、民事ルールにふさわしい内容を含んだ抜本改正、これを目指すべきだという御指摘をいただいて、私も実は、さっき言ったとおり、商道徳の形成を含めてこれは重要だと思っております。
野々山参考人がお考えになっているこの将来の抜本的改正の方向性について、また御知見を聞かせていただければと思っております。
野
野々山宏#14
○野々山参考人 御質問ありがとうございます。
抜本的改正というのは、一つは現在の消費者契約法の抜本的な改正が要るということであります。
まず一つは、適用場面が今は勧誘と条項の無効だけなんです。契約というのは、勧誘から履行、それから解約まで至るわけであります。そういうところまで含んだ中で様々な諸問題が生じておりますので、そこを含んだ全体像を検討するということがまず一つ大事であります。
それから、今行われている改正、それから、その以前の二十八年改正、三十年改正は、私から見ると後追い的なものになってきているということで、どんどん細かい要件となり、それが限られた場面に適用できるということになってきます。使いやすさということからしたら逆行しているわけであります。むしろ、使いやすいということであれば、ある程度汎用性のある要件にして、しかもそれをきっちりと救済できるという規定にすべきだというふうに思っております。そういう意味では、より抽象化した規定を検討していくというのが二つ目の、抜本的な改正の一つの検討の方向性であります。
それから、効果の点では、今は取消しと無効ということがあります。これ自体はサンクションとしては非常に重要なことでありますけれども、もう一つ、損害賠償というものがあります。お金で解決をする。この損害賠償のよいところは、ある程度柔軟性があるということです。先ほど、過失相殺という言葉が出ましたけれども、取消しはやはりオール・オア・ナッシングです。これは、やはり契約を維持することが問題だという事例に対して、それを契約から解放するということが必要になってくるわけですけれども、そういうものがあります。それを、そういう形でない、過失相殺も含めた損害賠償の方向性があるということ。
それからもう一つ、とても大事なのは、消費者像をもう一回見直すということであります。
消費者像は、事業者と消費者の間に格差があります。これはもちろん格差があるわけですけれども、今まで考えられていたのは、いわゆる自立ができる消費者だったわけであります。そこの中での格差の中でどういうものを検討するかということであったんですが、やはり高齢化社会の中では、消費者の中でも脆弱な消費者が出てきているわけです、非常に脆弱な消費者が。それから、様々な困難な状況の中で一時的に脆弱な状況になる、これは報告書にも指摘がありますけれども、そういう消費者像を改めて見直す。
脆弱な消費者というものが存在するんだというところ、格差がある中で、更に脆弱な存在があるということを見直す、こういうことを検討していくということが必要かというふうに思っております。
この発言だけを見る →抜本的改正というのは、一つは現在の消費者契約法の抜本的な改正が要るということであります。
まず一つは、適用場面が今は勧誘と条項の無効だけなんです。契約というのは、勧誘から履行、それから解約まで至るわけであります。そういうところまで含んだ中で様々な諸問題が生じておりますので、そこを含んだ全体像を検討するということがまず一つ大事であります。
それから、今行われている改正、それから、その以前の二十八年改正、三十年改正は、私から見ると後追い的なものになってきているということで、どんどん細かい要件となり、それが限られた場面に適用できるということになってきます。使いやすさということからしたら逆行しているわけであります。むしろ、使いやすいということであれば、ある程度汎用性のある要件にして、しかもそれをきっちりと救済できるという規定にすべきだというふうに思っております。そういう意味では、より抽象化した規定を検討していくというのが二つ目の、抜本的な改正の一つの検討の方向性であります。
それから、効果の点では、今は取消しと無効ということがあります。これ自体はサンクションとしては非常に重要なことでありますけれども、もう一つ、損害賠償というものがあります。お金で解決をする。この損害賠償のよいところは、ある程度柔軟性があるということです。先ほど、過失相殺という言葉が出ましたけれども、取消しはやはりオール・オア・ナッシングです。これは、やはり契約を維持することが問題だという事例に対して、それを契約から解放するということが必要になってくるわけですけれども、そういうものがあります。それを、そういう形でない、過失相殺も含めた損害賠償の方向性があるということ。
それからもう一つ、とても大事なのは、消費者像をもう一回見直すということであります。
消費者像は、事業者と消費者の間に格差があります。これはもちろん格差があるわけですけれども、今まで考えられていたのは、いわゆる自立ができる消費者だったわけであります。そこの中での格差の中でどういうものを検討するかということであったんですが、やはり高齢化社会の中では、消費者の中でも脆弱な消費者が出てきているわけです、非常に脆弱な消費者が。それから、様々な困難な状況の中で一時的に脆弱な状況になる、これは報告書にも指摘がありますけれども、そういう消費者像を改めて見直す。
脆弱な消費者というものが存在するんだというところ、格差がある中で、更に脆弱な存在があるということを見直す、こういうことを検討していくということが必要かというふうに思っております。
宮
宮崎政久#15
○宮崎委員 ありがとうございます。
最後に、三谷参考人、一点お聞かせください。
今回の法改正は、消費者裁判手続特例法の改正によって、消費者団体、適格を含めて、期待が非常に大きいということが表れております。
昔は、例えば、うちのおふくろなんかが、近所の八百屋で買物するときに、おっちゃん、昨日買ったミカン、悪かったでみたいなことを言うと、ごめんな、これ、ちゃんとトマトをつけておくからという意味で、交渉情報の非対称性というのは低かった。しかし、現代社会で様々格差が出ていってしまった。これをしっかり担うのが消費者団体だと思うんです。こういった期待が大きい。
法改正に向けての御意見は、ペーパーでも頂戴いたしました。そこで、三谷参考人には、消費者団体がこれから社会の中で果たすべき役割の方向性について、どういったお考えであるか、お聞かせいただきたいと思っています。
この発言だけを見る →最後に、三谷参考人、一点お聞かせください。
今回の法改正は、消費者裁判手続特例法の改正によって、消費者団体、適格を含めて、期待が非常に大きいということが表れております。
昔は、例えば、うちのおふくろなんかが、近所の八百屋で買物するときに、おっちゃん、昨日買ったミカン、悪かったでみたいなことを言うと、ごめんな、これ、ちゃんとトマトをつけておくからという意味で、交渉情報の非対称性というのは低かった。しかし、現代社会で様々格差が出ていってしまった。これをしっかり担うのが消費者団体だと思うんです。こういった期待が大きい。
法改正に向けての御意見は、ペーパーでも頂戴いたしました。そこで、三谷参考人には、消費者団体がこれから社会の中で果たすべき役割の方向性について、どういったお考えであるか、お聞かせいただきたいと思っています。
松
三
三谷和央#17
○三谷参考人 はい。
御質問ありがとうございます。
消費者団体としましては、やはり、ただ守ってもらうだけではよくないというのは承知しております。脆弱性も増してはいる中ではありますが、やはり、自立した消費者市民社会というのを形成していく役割を消費者団体がしっかり担っていかなければならないと思っております。
そのためには、消費者教育などの啓発、それから消費者生活相談等、様々な役割を担っている団体がおりますが、これからも、社会の形成の一翼、自立した消費者、きちんと消費者団体同士でも脆弱な消費者を支えられる、そういった消費者団体を目指していくべきかと思っておりますので、そのように努力いたします。
この発言だけを見る →御質問ありがとうございます。
消費者団体としましては、やはり、ただ守ってもらうだけではよくないというのは承知しております。脆弱性も増してはいる中ではありますが、やはり、自立した消費者市民社会というのを形成していく役割を消費者団体がしっかり担っていかなければならないと思っております。
そのためには、消費者教育などの啓発、それから消費者生活相談等、様々な役割を担っている団体がおりますが、これからも、社会の形成の一翼、自立した消費者、きちんと消費者団体同士でも脆弱な消費者を支えられる、そういった消費者団体を目指していくべきかと思っておりますので、そのように努力いたします。
宮
松
山
山田勝彦#20
○山田(勝)委員 立憲民主党の山田勝彦でございます。
本日は、三人の参考人の先生方、大変貴重なお話、ありがとうございます。
その上で、それぞれのお立場でいろいろなお話をいただいたんですが、かなり、三名の方々のお話、共通するところが多かったと思います。特に、検討会の報告書の内容から大きく乖離している点への不信感、そしてまた判断能力の低下に着目した規定を入れるべきだという点など、様々な点で共通している点も多かったという印象を持っております。
その上で、野々山参考人にお伺いします。
そもそも、消費者契約法というのは、どのような役割を期待された法律なのでしょうか。
この発言だけを見る →本日は、三人の参考人の先生方、大変貴重なお話、ありがとうございます。
その上で、それぞれのお立場でいろいろなお話をいただいたんですが、かなり、三名の方々のお話、共通するところが多かったと思います。特に、検討会の報告書の内容から大きく乖離している点への不信感、そしてまた判断能力の低下に着目した規定を入れるべきだという点など、様々な点で共通している点も多かったという印象を持っております。
その上で、野々山参考人にお伺いします。
そもそも、消費者契約法というのは、どのような役割を期待された法律なのでしょうか。
野
野々山宏#21
○野々山参考人 これは、やはり隙間を埋めるということが重要です。特別法で定めてあったものに対して、その隙間を埋めていくということが非常に重要なポイントであるというふうに思っています。民法の特則として、民法典よりもより具体的な内容にしていくわけですけれども、それが一番のポイントだというふうに思います。
それから、各当事者間の問題について交わすものであるので、行政規制とはやはり異なるということをきちんと認識をすべきではないかなというふうに思っています。
事前規制から事後規制、すなわち、事後に救済をするということも消費者契約法の本来の役割でありますので、きちんとサンクションを定めていく、違反したらどうなるかということを定めていくということが重要な役割であるというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →それから、各当事者間の問題について交わすものであるので、行政規制とはやはり異なるということをきちんと認識をすべきではないかなというふうに思っています。
事前規制から事後規制、すなわち、事後に救済をするということも消費者契約法の本来の役割でありますので、きちんとサンクションを定めていく、違反したらどうなるかということを定めていくということが重要な役割であるというふうに考えております。
以上です。
山
山田勝彦#22
○山田(勝)委員 ありがとうございます。
超高齢化社会がますます進展して、高齢者である消費者の保護がより重要な課題となってきております。また、成年年齢引下げが間近に迫る中で、若年成人の消費者被害の予防や救済が喫緊の課題となっている。
そのような今の時世の中で、消費者契約法に期待されている役割という観点から、今回、議題に上がっている改正法案はどのように評価されるものでしょうか。野々山参考人、お願いします。
この発言だけを見る →超高齢化社会がますます進展して、高齢者である消費者の保護がより重要な課題となってきております。また、成年年齢引下げが間近に迫る中で、若年成人の消費者被害の予防や救済が喫緊の課題となっている。
そのような今の時世の中で、消費者契約法に期待されている役割という観点から、今回、議題に上がっている改正法案はどのように評価されるものでしょうか。野々山参考人、お願いします。
野
野々山宏#23
○野々山参考人 先ほども若干述べましたけれども、先ほど申しましたような隙間を埋める規定であるということからしますと、今回の規定は非常に限定された場面についてのものであるということであります。
それで、今起こっている高齢者あるいは若年成年の方たちに対する被害に、この三つの、新しくできた法案で十分対応できるかといいましたら、それはなかなか難しいという思いがあります。
それから、後追い規制。行政規制は後追い規制になるわけです。民事ルールは後追い規制であってはならないというふうに考えておりますけれども、それが、今のような形では後追い規制になってきている。こういう形での法案の改正が行われると、後追い規制というのが続く懸念があります。
それから、三つ目には努力規定、努力義務。これ自体は悪いことではありません。努力義務は定めて悪いことではありませんけれども、それに対してのサンクションをやはりきちんと定めていくということ、それが欠けているというふうに思っております。
この発言だけを見る →それで、今起こっている高齢者あるいは若年成年の方たちに対する被害に、この三つの、新しくできた法案で十分対応できるかといいましたら、それはなかなか難しいという思いがあります。
それから、後追い規制。行政規制は後追い規制になるわけです。民事ルールは後追い規制であってはならないというふうに考えておりますけれども、それが、今のような形では後追い規制になってきている。こういう形での法案の改正が行われると、後追い規制というのが続く懸念があります。
それから、三つ目には努力規定、努力義務。これ自体は悪いことではありません。努力義務は定めて悪いことではありませんけれども、それに対してのサンクションをやはりきちんと定めていくということ、それが欠けているというふうに思っております。
山
山田勝彦#24
○山田(勝)委員 ありがとうございます。
それでは、三名の参考人の方々にお聞きしたいと思います。
つけ込み型勧誘に対する取消権の必要性というテーマです。
平成三十年の改正の際、消費者委員会による答申の際の付託や衆参の附帯決議において、いわゆるつけ込み型勧誘に対する取消権の検討が求められていました。
しかし、改正案では、平成三十年改正と同様、個別の取消権を追加するにとどまっています。個別の取消権を追加する改正方法では、後追いの対応となるし、同種の不当性があっても、形式的に要件に合致しない場合、救済されません。
やはり、私たち立憲民主党が提案しているように、消費者被害を広く予防、救済するためには、受皿的な規定として、つけ込み型勧誘に対する包括的な取消権が必要と考えております。
三名の参考人のそれぞれの見解を伺いたいと思います。まずは河上参考人からお願いします。
この発言だけを見る →それでは、三名の参考人の方々にお聞きしたいと思います。
つけ込み型勧誘に対する取消権の必要性というテーマです。
平成三十年の改正の際、消費者委員会による答申の際の付託や衆参の附帯決議において、いわゆるつけ込み型勧誘に対する取消権の検討が求められていました。
しかし、改正案では、平成三十年改正と同様、個別の取消権を追加するにとどまっています。個別の取消権を追加する改正方法では、後追いの対応となるし、同種の不当性があっても、形式的に要件に合致しない場合、救済されません。
やはり、私たち立憲民主党が提案しているように、消費者被害を広く予防、救済するためには、受皿的な規定として、つけ込み型勧誘に対する包括的な取消権が必要と考えております。
三名の参考人のそれぞれの見解を伺いたいと思います。まずは河上参考人からお願いします。
河
河上正二#25
○河上参考人 私、消費者委員会に前におりましたときに、いろいろな形で、このつけ込み型勧誘についての包括的な受皿規定が要るということを申し上げ続けてきました。
その意味で、今回、こういう形での規定が欲しいということは前々から考えておりましたけれども、ただ、つけ込むという言葉の中には、既に、相手方の状況を認識して、そこにいわばわなを張ったり、いろいろなものを仕掛けていくという意味合いが入っているわけであります。
ですから、余りごちゃごちゃと、相手の何とかを知ってとか言わないで、本当につけ込んで、そして不当な利益を獲得しようとする、そういう行為というものについてぴたっと取消権を書く。もう既に今七つほど出ていますので、その他、これに類するようなものというレベル感は示すことができますので、そういう形で受皿規定を作っていただきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →その意味で、今回、こういう形での規定が欲しいということは前々から考えておりましたけれども、ただ、つけ込むという言葉の中には、既に、相手方の状況を認識して、そこにいわばわなを張ったり、いろいろなものを仕掛けていくという意味合いが入っているわけであります。
ですから、余りごちゃごちゃと、相手の何とかを知ってとか言わないで、本当につけ込んで、そして不当な利益を獲得しようとする、そういう行為というものについてぴたっと取消権を書く。もう既に今七つほど出ていますので、その他、これに類するようなものというレベル感は示すことができますので、そういう形で受皿規定を作っていただきたいというふうに思います。
野
野々山宏#26
○野々山参考人 私も、先ほどから申し上げている、隙間を埋めるという消費者契約法の役割からしますと、受皿規定は不可欠であるというふうに思っております。
困惑類型の受皿規定、今回、できませんでしたけれども、あれも是非作ってほしかったというふうに思っておりますし、つけ込み型勧誘の受皿規定というのも、是非、今後の検討、まあ、今回の国会でもしできれば、それは一番いいことでありますけれども、是非実現していただきたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →困惑類型の受皿規定、今回、できませんでしたけれども、あれも是非作ってほしかったというふうに思っておりますし、つけ込み型勧誘の受皿規定というのも、是非、今後の検討、まあ、今回の国会でもしできれば、それは一番いいことでありますけれども、是非実現していただきたいというふうに思っております。
三
三谷和央#27
○三谷参考人 御質問ありがとうございます。
つけ込み型に対する包括的な規定ということは、もし規定できるならば、もちろん、消費者の保護には資するので、あった方がよいとは思うところですが、この間の審議を聞いていますと、取消権というのはかなり要件を明確化しなければならないというようなことも聞いていまして、その中で包括的な規定というのを盛り込むことができるのかというところで心配はしております。
あわせて、できることならば、事業者の知っているか知らないかというところというのは、知らなかったと言われてしまうことを非常に消費者は心配しておりますので、そういった要件はなくせば、より包括的な取消しを期待できるというふうに思っております。
この発言だけを見る →つけ込み型に対する包括的な規定ということは、もし規定できるならば、もちろん、消費者の保護には資するので、あった方がよいとは思うところですが、この間の審議を聞いていますと、取消権というのはかなり要件を明確化しなければならないというようなことも聞いていまして、その中で包括的な規定というのを盛り込むことができるのかというところで心配はしております。
あわせて、できることならば、事業者の知っているか知らないかというところというのは、知らなかったと言われてしまうことを非常に消費者は心配しておりますので、そういった要件はなくせば、より包括的な取消しを期待できるというふうに思っております。
山
山田勝彦#28
○山田(勝)委員 ありがとうございます。
三名の参考人の先生方それぞれが、やはり包括的な取消権、必要だという御意見を頂戴しました、あった方がよりよいということも含めて。その中で、要件の明確化というお話も出ました。
野々山参考人にお聞きいたします。消費者庁は、今回のような法律案となった理由について、取消権は強い効果と事業者の行為規範としての機能を持つことから、消費者にとっての使いやすさ、事業者の予見可能性、要件の明確性という要素が全て満たされることにより十全に機能することになると考えられますという答弁を繰り返しております。この点について、どう思われるでしょうか。
この発言だけを見る →三名の参考人の先生方それぞれが、やはり包括的な取消権、必要だという御意見を頂戴しました、あった方がよりよいということも含めて。その中で、要件の明確化というお話も出ました。
野々山参考人にお聞きいたします。消費者庁は、今回のような法律案となった理由について、取消権は強い効果と事業者の行為規範としての機能を持つことから、消費者にとっての使いやすさ、事業者の予見可能性、要件の明確性という要素が全て満たされることにより十全に機能することになると考えられますという答弁を繰り返しております。この点について、どう思われるでしょうか。
野
野々山宏#29
○野々山参考人 予見可能性は必要だというふうに思っております。それは当然、ルールですので、予見ができなければいけないというふうに思っております。これは制定当時からも議論されて検討されてきたわけでありますけれども。ただ、今回の改正は極めて過剰だと私は思っております。極めて限定した中で要件を定めてあるということであって、予見可能性のものをつくるということと、それから場面を限定するということはまた全然別の話でありますので、こういう包括的なものであっても十分予見可能性のあるものはつくれるというふうに思っております。
制定した当時の誤認類型も幾つかあります。不実のことを言っちゃいけないとか、あるいは将来の価格等が、価値が異なるものについてあらかじめ断定的なことを言ってはいけないとか、そういう形で書いてありますけれども、それらは明確であります。それは、そんなに場面を限定しているわけでは全くありません。そういうものをやはりピックアップしながらやっていくということが必要かなというふうに思っております。それらが、新しく出てくる様々な問題のある商法に対して対応できているわけですね。
現在、私もいろいろ裁判してきましたけれども、最近の改正後、裁判はなかなか難しいです。非常に要件が細かくなってしまって、それに当てはまるかどうかを一々、一つ一つ検討していくので、新しく出てくる商法に対して対応ができないということであります。
だから、予見可能性ということと、場面を限定していくということとはまた別であるというふうに考えておりまして、今回のは、繰り返しになりますが、過剰ではないかというふうに思っております。
あともう一つは、消費者契約法の十条というものがあります。あれは、一般の受皿規定で、それとして例示をつくっておりますので、ああいう形にしていけば、受皿規定と例示のバランスの取れた法律になっていくんだろうというふうに思っております。
以上です。
この発言だけを見る →制定した当時の誤認類型も幾つかあります。不実のことを言っちゃいけないとか、あるいは将来の価格等が、価値が異なるものについてあらかじめ断定的なことを言ってはいけないとか、そういう形で書いてありますけれども、それらは明確であります。それは、そんなに場面を限定しているわけでは全くありません。そういうものをやはりピックアップしながらやっていくということが必要かなというふうに思っております。それらが、新しく出てくる様々な問題のある商法に対して対応できているわけですね。
現在、私もいろいろ裁判してきましたけれども、最近の改正後、裁判はなかなか難しいです。非常に要件が細かくなってしまって、それに当てはまるかどうかを一々、一つ一つ検討していくので、新しく出てくる商法に対して対応ができないということであります。
だから、予見可能性ということと、場面を限定していくということとはまた別であるというふうに考えておりまして、今回のは、繰り返しになりますが、過剰ではないかというふうに思っております。
あともう一つは、消費者契約法の十条というものがあります。あれは、一般の受皿規定で、それとして例示をつくっておりますので、ああいう形にしていけば、受皿規定と例示のバランスの取れた法律になっていくんだろうというふうに思っております。
以上です。