階猛の発言 (法務委員会)

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○階委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の要旨は、侮辱罪の法定刑を引き上げる内容を三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料のみとし、一年以下の懲役若しくは禁錮の部分を削るものであります。
 政府原案の規定は、近時、インターネット上の誹謗中傷が社会問題化していることを契機として、誹謗中傷に対する非難が高まるとともに、これを抑止すべきとの国民意識の高まりに鑑み、侮辱罪を厳罰化しようとするものと聞いております。
 ところが、厳罰化のためになぜ一年以下の懲役若しくは禁錮が必要なのかという点については、名誉毀損罪の法定刑とのバランスを取るといった形式的かつ抽象的な説明しかなされていません。
 政府・与党は、厳罰化によって公訴時効の期間が一年から三年に延びるというメリットを主張しています。しかし、従来の刑に三十万円以下の罰金を加えるだけでも時効期間は同様に延長されるため、一年以下の懲役若しくは禁錮が必要である根拠とはなり得ません。
 むしろ、侮辱罪の法定刑に一年以下の懲役若しくは禁錮を加えることとなれば、逮捕を制約する規定が適用されなくなり、公権力や私人による現行犯逮捕が容易にできるようになります。しかも、名誉毀損罪における刑法二百三十条の二のような表現の自由を保護するための規定は侮辱罪には設けられていません。このままでは現行犯逮捕が頻発し、表現の自由の萎縮と刑事司法の混乱が生じることは火を見るより明らかです。
 この点、私も法案審議の中で、政治家の街頭演説や一般市民のデモ行進において安倍総理はうそつきだと言い放ったら現行犯逮捕されるのかと国家公安委員長に尋ねました。ところが、答弁は最後まで二転三転、かつ曖昧模糊として、懸念は払拭されませんでした。その後、政府統一見解が策定される運びとなりましたが、昨日までの段階では納得できる文書はでき上がっていません。
 仮にこのような事例で現行犯逮捕が可能となれば、時の最高権力者が国会で百十八回の虚偽答弁を行ってもおとがめなしなのに、一般市民は町中でたった一回本当のことを言っただけで現行犯逮捕されるという理不尽極まりない結果となります。このような事態を避けるために、一年以下の懲役若しくは禁錮、これは削除されるべきものと考えます。
 以上が、修正案の趣旨及び内容の概要であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 階猛

speaker_id: 32961

日付: 2022-05-13

院: 衆議院

会議名: 法務委員会