西岡力の発言 (北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会)

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○西岡参考人 ありがとうございました。
 まず、感染者がゼロだったということは信じられないというふうに思っています。内部の情報もいろいろありまして、感染者はあったと思います。ただ、今回大騒ぎしている理由の一つは、平壌でかなりはやったということがあると思います。
 ただし、今、地方では、コロナで死ぬのも飢え死にするのも同じだ、まず食料を何とかしてくれという声が高まっているんですね。
 去年の秋の収穫は悪かったです。協同農場の農民の人たちが配られたものでほぼ食べ尽くしていて、四月ぐらいになって、今、ないわけですね。今、田植をしなくちゃいけないんですが、田植をするときには都市から農村支援をやるんですけれども、今、それは郡や市を越える移動は禁止ですから、できない。協同農場だけでやれといって、コロナが蔓延しているけれども、毎日熱を測って、発熱していない人は仕事をしろと言っているんですが、うちに行ってみると、いなかったりするんです。食べ物がないので探しに行っている、あるいは、山に入って斜面を自分で耕して、そこでトウモロコシを作って何とか食べている。そういう中で、今、肥料もないので、今年の田植が余りうまくいかないと、今年の秋の収穫はどうなんだろうかという心配もあって、一体、生活をどうしてくれるのかという声が出ています。
 そして、もう一つ注目すべきは、軍隊にも食料がないんです。今、何とかトウモロコシの御飯と塩のスープは食べられているようですが、たんぱく質や脂のものはほとんど供給できない。理由は、コロナを理由にして中朝貿易を閉じたんです。
 実は、九〇年代の半ばから、各軍団は自分たちで食べろと言われているんです。中央からお金が来ないんですよ。物資も来ない。自分たちで貿易をして食料を確保し、あるいは兵器、弾薬なども確保しなくちゃいけないという体制なんですが、だから、それぞれの軍団が貿易会社を持っているんですけれども、それができなくなっているということもあって、兵士の中の栄養失調者もたくさん出ているし、夜になると兵士たちが強盗化するというようなことも起きていまして、もちろん、だからこそ強い権力で統制しているんですけれども。
 もちろん、今どういうことが起きているかというのは断片的な情報で分かるんですが、今後どうなるかというのを予想するのは大変難しいことでありますけれども、北朝鮮の治安担当者の人たちも何が起きるか分からないと言っているという話を聞きました。先ほど申し上げたように、治安担当者の人たちが殺されたりするんですから、だから、末端では本当にわさわさしている。
 だからこそ、人道支援といっても、私は、ワクチンなど、彼らは欲しがらないと思います。今、国内向けに大騒ぎしているのは、金正恩委員長のおかげで結局コロナに勝ちましたという宣伝をしているので、国際社会のはもらわないです。中国から薬はもらいましたけれども、ワクチンはもらわないと思います。
 ただ、問題は、そうじゃなくて、食べるものですね。あるいは肥料ですよ。あるいは薬品もないんですね。そういうものが欲しいのは間違いないですね。でも、名分がないと受け取らない。韓国に頭を下げてということはできないでしょう。日本から九〇年代に食料支援をしたときは、日本が植民地支配を謝って持ってきたと言ったんですね。私は、そういうことを言ってもらってもいいと思っています、ただし、被害者を全員帰すという決断をするなら。
 大混乱が起きる。安定できない、その中で核に頼っているということで、何かいろいろ大きなことが起きると思います。その中で、政府が機動的に、一体彼らが何を欲しいのか、そして、どこに金正恩氏とつながるパイプがあるのか。最大限、まずは被害者を助けるということですから、メンツもちゃんと維持してあげますという交渉をして、ただし、全員帰さなくちゃ駄目ですよ、認定、無認定にかかわらず全員ですよということは譲らないで、ぎりぎりのところで交渉してほしい、その後ろに国会があり、国民があるという今の体制を維持してほしい、そういうふうに思っています。

発言情報

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発言者: 西岡力

speaker_id: 5754

日付: 2022-05-20

院: 衆議院

会議名: 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会