伊佐進一の発言 (本会議)

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○伊佐進一君 公明党の伊佐進一です。
 ただいま議題となりました薬機法改正法案について、公明党を代表し、質問いたします。(拍手)
 医療や科学技術が進んでいるはずの日本で、国産ワクチンや治療薬の実用化になぜこれほどまで時間がかかるのか。コロナ禍の二年間、こうしたお声を幾度となくいただいてまいりました。その原因の一つは、薬価制度上の創薬イノベーションに対する評価が十分でなく、研究開発基盤そのものが傷んでしまっていることと認識しています。
 日本以外のG7の国々は、新薬の価格は特許期間中維持され、期間が過ぎたら、安いジェネリックに市場を譲るために、一気に薬価が下げられます。我が国では、二〇一八年の制度改定から、特許期間中でも薬価が下がることとなり、しかも、薬価改定は毎年行われ、診療報酬改定の財源の調整弁となっているのが実情です。
 こうした状況から、日本市場で最先端の新薬を出せば値段が下がり、国際市場にも影響を与えてしまうので、海外企業も日本での販売は消極的となります。すると、日本の患者さんは、最先端の薬が使えず、何百万円もかけて個人輸入せざるを得ない場合もあります。
 そして、最新の薬が使えないところでは臨床試験ができず、病院も、医者や学生まで、治験や創薬の力が更に失われていくという負のスパイラルが懸念されています。
 本年四月からの薬価改定においては、イノベーションを評価しようという工夫が少し加えられましたが、海外と比較して、ほど遠い状況です。日本の創薬イノベーションの基盤強化のため、引き続き、適切な評価と支援をお願いいたします。
 国産の治療薬、ワクチンの開発は経済安全保障の観点からも重要であり、また、多額の購入費が国内へと回れば、新たなイノベーションへの投資にもなります。
 国産に対する政府の支援について、これまで、総理への申入れを含め、公明党から累次にわたりお願いをしてまいりました。具体的には、薬事承認に当たり、条件付早期承認制度の活用も検討すること、また、一定の安全性、有効性が示された段階で必要量の購入、確保に関する基本合意を締結すること、さらには、治験への強力な支援などでした。
 現在、我が国初の国産治療薬の申請について、条件付早期承認制度での審査が始まり、また、先週には百万回分の購入についての基本合意が締結され、さらには、予備費の活用により治験への支援を倍増するなど、我々の要望を一つ一つ実現していただきました。総理のこの御決断に感謝申し上げます。
 引き続き、国産ワクチンや治療薬の開発に政府を挙げて力強く御支援いただきたく、総理の御決意を伺います。
 今回の法案においては、緊急に使用する必要があり、また他の医薬品での代替が困難な医薬品に対して緊急承認を認める新たな制度が定められています。
 そこで伺います。
 緊急に使用する必要があるとは具体的にどのような場合なのか。また、代替が困難とは、現在のようにメルク社やファイザー社製のコロナの経口薬始め中和抗体薬や抗炎症薬、抗ウイルス薬などが既に承認されている状況においても、更に認められる場合があるのか。
 あわせて、具体的な適用についてはどのような手続で進められることになるのかについて伺います。
 世の中の治療薬やワクチンにおいて、副作用や副反応が全くないものはありません。全ての治療薬やワクチンにはリスクがあります。この副作用や副反応というリスクと使用したときのメリット、つまり安全性と有効性を十分に比較しながら承認がなされることになります。
 創設される承認制度での審査においては、有効性は推定でも可能としています。しかし、安全性については、治療薬やワクチンに対する国民の信頼性が重要であることを考慮すれば、緊急といえども、推定ではなく、通常の審査と同様に、確認されることが必要と考えますが、いかがですか。
 その上で、緊急承認された医薬品の副作用や副反応によって健康被害が出た場合、医薬品副作用被害救済制度によって、通常承認された医薬品と同様に救済されるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、市販後においても、事業者に安全性監視計画を設定させ、徹底したリスク管理を行わせるとともに、安全性についての情報収集、評価を実施し、政府としてもより手厚い評価体制で安全対策に万全を期すべきと考えますが、政府の見解を求めます。
 我が国におけるコロナワクチンの接種は、米国や欧州と比較して大きく後れを取りました。その後、医療現場や自治体の皆さんの御努力により、世界に追いつき追い越すペースで接種を進めてまいりました。
 接種が遅れた主な原因は、諸外国と比べて承認が遅れたことにあります。ファイザー製では二か月、モデルナ製では五か月遅れての承認となりましたが、これは、海外での第三相試験に加えて、我が国独自に日本人を対象に治験、第一、二相試験を実施したことによります。こうした追加的な試験によって安全性や有効性をより確かなものとしましたが、これは、政府・与党のみならず、野党の皆さんからより強い主張がなされて行われたものでした。一部野党には、我が国において第三相試験を行わない限り接種を認めるべきではないと訴えていた方々もいらっしゃいました。
 そこで伺います。
 今回の緊急承認制度において、海外で第三相の大規模治験が実施されたワクチンは、顕著な有効性が認められるのであれば、日本人に対する国内治験が未実施であっても承認可能となります。その場合、日本人にとっての安全性、有効性はどのように評価されることになるのか、人種差、地域差をどのように考慮するのかについて伺います。
 現在、我が国初のコロナの国産治療薬の申請で活用されている条件付早期承認制度と、今回新設される緊急承認制度との関係について伺います。
 安全性については、両制度とも確認することが条件となっています。しかし、有効性については、早期承認制度では確認が求められる一方、新たな緊急承認制度は推定が認められることとなっています。この考え方の違いについて伺います。
 また、既に早期承認制度で申請され審査中である医薬品に対して、本法案施行後にそのまま緊急承認制度を適用していくことが可能なのか、伺います。
 本法案では、現在、紙で行われている処方箋の運用をデジタル化対応していく仕組みも盛り込まれています。
 現在、個人の医療や介護の情報をデジタル化してマイナポータルとリンクさせ、食事や睡眠といったライフログデータとも連携させていく、パーソナル・ヘルス・レコードの取組が進められています。アプリを提供する民間企業とも連携しながら、国民の皆さんの健康増進を目指していこうという重要な取組であり、本法案の処方箋の電子化もその一環と認識しています。
 この取組を進めていく上で、幾つかの課題が出てきています。例えば、民間が提供するサービスの標準化をどうするか、健康状態に即して自動的に提供される助言、リコメンデーションの基準をどう設定するかなどです。
 こうした課題への取組を含め、新しいデジタル社会の重要なツールとしてパーソナル・ヘルス・レコードを強力に推進していただきたいと思いますが、総理の御決意をお願いします。
 以上、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

発言情報

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発言者: 伊佐進一

speaker_id: 13641

日付: 2022-03-31

院: 衆議院

会議名: 本会議