稲継裕昭の発言 (行政監視委員会)
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○参考人(稲継裕昭君) どうも御質問ありがとうございました。
一点目でございますけれども、エストニアの場合、行政の諸手続がオンラインでできるというだけでありまして、対面を完全に排除しているわけではありません。ですので、窓口に行って手続をすることももちろん可能です。お年寄りが、実はお年寄りの方が実は家に引っ込んでいてオンラインを使っている率が高いという、そういうデータもあるそうなんですけれども、でも、それが使えない人は現場に行って窓口でやるということが可能であります。
ちなみに、日本もお年寄りのインターネット利用率がここ十年ですごく上がっておりまして、八十代以上が一四、五%から四〇ポイントぐらい上がっているんですね。私の母、義理の母、両方とも独り暮らしなんですけれども、ひ孫の顔を見るためにiPadを購入して、そしてLTE回線を契約して、そのこと、「みてね」というアプリなんですけど、それを見るために使い始めた。デジタルデバイドがそういったインセンティブで解消されている例はたくさん出てきております。
二つ目の御質問ですけれども、バルセロナの人権を尊重するような、そういったシンポジウムの話が出ました。
今後デジタル化が進むにつれて、様々なことが容易に、特に個人情報が容易に取得できるようになることをどのように防ぐのかということは、これは世界中で議論が始まっております。
当然、ある国においては全ての行動において様々な、何ですかね、カメラが設置されていて全ての行動を監視されている、そういう国もございますけれども、そういった国ではない、一般的な民主主義国家においては、様々な規制が今後必要になってきます。アメリカの一部の市では、公道で撮影したデータに基づいていろいろ行政をやろうとしたところ、それについては禁止されたと、条例で禁止された、そういう自治体も出ております。
これを国でやるのか、あるいは県、市町村の条例でやるのかというのは今後大きな課題になってくると思いますが、一つの話は、レジュメにもちょっと書きましたけれども、昨年のデジタル関連六法の中で、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律というものができました。これは、従来、各自治体ごとに個人情報保護条例を持っていた、そして独立行政法人、さらには一部事務組合も個人情報保護条例を持っていて、その保護する範囲とか様々な基準がもう非常にばらばらであったということがございます。それが、ある意味、企業からすると、アクセスするのが自治体ごとにばらばらなので何とかしてくれと、こういう声が上がっていたのも事実でありますけれども、他方で、個人の情報を保護するのが自治体ごとにばらばらでいいのか、保護する側の立場もあったと思うんですね。
両方が一致する形で国会の方でこの法律が通り、地方の独自性はなくなりました。ごく僅かの上乗せをすることは可能ですけれども、地方の独自性はなくなりましたので、これは地方分権の議論からすると逆行しているという議論もあるのかもしれませんけれども、私は、これは個人情報というのはどこに住んでいても同じように守られるべきだと思っていますので、これは国家としてこの範囲ということをきちんと定められたということは、この法律を制定されたのは非常に私はすばらしいことだと思っております。
今後、やはり自治体ごとにばらばらに個人情報のレベルを引き上げたり引き下げたりするというのは、私は余り好ましくない、日本人である以上どこに住んでいても同じように守られるべきものは守られるという、そういうシステムに是非つくっていっていただきたいなというふうに思っております。
御質問ありがとうございました。