横山信一の発言 (東日本大震災復興特別委員会)
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○横山信一君 去る四月十八日、福島イノベーション・コースト構想の取組等の実情を調査し、もって本委員会に付託を予定される福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案の審査に資するため、福島県において視察を実施いたしました。
参加者は、那谷屋正義委員長、羽生田俊理事、進藤金日子理事、小野田紀美理事、江崎孝理事、森まさこ委員、若松謙維委員、田村まみ委員、音喜多駿委員、紙智子委員、岩渕友委員及び私、横山の十二名であります。
以下、調査の概要について御報告いたします。
現地におきましては、まず、バスの車中にて、復興庁から、復興の現状と今後の取組及び福島国際研究教育機構基本構想等について説明を聴取した後、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の研究拠点の一つである楢葉遠隔技術開発センターを視察しました。同センターは、楢葉町に所在し、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に不可欠なロボット等の遠隔操作機器の開発実証施設として整備され、平成二十八年四月から本格運用されております。同センターでは、概況説明を聴取するとともに、原子炉格納容器の実寸大模型による模擬試験場及び福島第一原子力発電所の燃料デブリ取り出しに用いるロボットアームを視察しました。新型コロナウイルス感染症の影響で予定より遅れましたが、本年二月からは実寸大模型を利用してロボットアームの試験が実施されており、年内には福島第一原子力発電所二号機において内部の詳細調査及び燃料デブリの試験的取り出しを実施したいとのことでありました。
視察委員との間では、ロボットアームの試験の実施状況、放射線に対するロボットアームの耐久性、取り出し後の燃料デブリの取扱い等について意見が交わされました。
次いで、浪江町に移動し、次の視察先である福島水素エネルギー研究フィールドで製造された水素を電力や給湯の燃料として使用するいこいの村なみえにおいて、吉田浪江町長に、三月十六日に発生した福島県沖を震源とする地震による被害に対し見舞金をお渡しした後、福島水素エネルギー研究フィールドに赴き、吉田町長とともに同施設を視察しました。同施設は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の技術開発事業の一環で整備された、再生可能エネルギーを活用して二酸化炭素を排出せずに水素を製造する世界有数の拠点であり、令和二年三月に開所し、商用化に向けた技術実証を行っております。同施設では、概況説明を聴取するとともに、水を電気分解して水素を製造している水電解装置、水素貯蔵供給設備等を視察しました。同施設で製造した水素は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会における聖火台や聖火リレートーチの燃料等に活用されたほか、いこいの村なみえ等に設置された燃料電池や福島県内の水素ステーションにも供給されており、県内の水素利活用の推進に貢献しています。
視察委員との間では、施設の安全対策、製造及び貯蔵可能な水素量、水素製造に係るコスト等について意見が交わされました。
次に、南相馬市に移動し、福島ロボットテストフィールドを視察しました。同施設は、福島イノベーション・コースト構想に基づき福島県により整備され、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構により管理運営されており、陸海空のフィールドロボットの一大開発実証拠点として令和二年三月に全面開所しました。同施設は、インフラや災害現場など実際の使用環境を再現し、ロボットの性能評価や操縦訓練等に活用されています。同施設では、概況説明を聴取した後、視察委員との間で、施設の稼働状況、新たな設備等の整備予定等について意見が交わされました。
その後、研究棟からドローンの実証試験や操縦訓練などを行う無人航空機エリアを俯瞰するとともに、ロボットによるインフラ点検と災害対応の実証試験場である試験用プラント及び試験用トンネル、風速二十メートルまでの風を起こすことができる装置によりドローンの飛行性能等を試験できる風洞棟を視察しました。同施設としては、設立が予定されている福島国際研究教育機構とも連携し、今後も、ロボット技術のイノベーションを創出し、福島復興のエンジンとなるよう取組を進めるとのことでありました。なお、視察終了時に、同施設にお越しいただいた門馬南相馬市長に、福島県沖の地震被害に対し見舞金をお渡ししました。
次いで、福島市に移動し、福島県庁において内堀福島県知事等との意見交換を行いました。まず、内堀知事から、東日本大震災だけではなく、その後も度重なる災害に見舞われた福島県は七転び八起きでは済まない状況にあること、原子力災害により福島県の復興は困難で長い戦いになること、汚染土壌の最終処分やALPS処理水の海洋放出の問題は福島県だけでなく日本全体の問題であり、風化があってはならないことという三つの思いを伺いました。続いて、内堀知事に見舞金をお渡しした後、県の担当部局から、福島イノベーション・コースト構想及び福島国際研究教育機構の立地選定等について説明を聴取しました。福島国際研究教育機構の設立により、帰還者、移住者及び研究者が共存し、同機構による研究開発の成果や人材育成の仕組み等を地元に根付かせることを県としてもしっかりコミットし実現していかなければならないと考えている、また、同機構の候補地については、県としては、避難十二市町村への調査等を踏まえ、同構想の効果を最大化できる場所を選定したいとのことでありました。
その後、視察委員との間で、福島国際研究教育機構の設立に当たっての広域的なインフラ及び多言語対応等の社会環境の整備、最先端の技術を研究開発する上での経済安全保障に係る取組、地域企業の参画を含めた福島イノベーション・コースト構想の課題、海外の研究者を確保するに当たっての研究者の家族の教育及び雇用対策等について意見が交わされました。
以上が調査の概要であります。震災から十一年が経過しましたが、原子力災害に見舞われた福島県は、いまだ三万人を超える県民が避難生活を続けていることに加え、住民帰還、被災者の生活再建、風評と風化の問題、地域産業の再生、廃炉、処理水の対策など、解決まで時間を要する課題が山積しており、引き続き国が前面に立って福島の復興再生の加速化に向けて取り組む必要があると改めて強く認識した次第であります。
最後に、私どもの調査に御協力いただいた皆様に対し厚く御礼を申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興創生が果たされますようお祈り申し上げまして、報告を終わります。