国府泰道の発言 (法務委員会)
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○参考人(国府泰道君) ありがとうございます。
IT化というのは大変便利でいいことだということで、私なんかも業務上は大変歓迎したいと思っています。ただ、残念なことに、我が国ではまだパソコンを持っている方が五割強ぐらいですか、パソコンよりもスマートフォンの利用者が多いというふうに聞いています。そのように、社会全体の中でIT化が進んでいない中で、裁判制度だけが突出してIT化をしたり、義務化をしたりということについては、私は懸念を持っております。
法制審の議論でも、IT化、オンライン申立てを義務化するかみたいな話があって、最終的には訴訟代理人が付いている場合に限定されましたが、これがもし本人訴訟の場合にまで義務化されるということになると、これは大変なことになろうかと思っています。
裁判所は簡単に手続を進めたいからオンラインは歓迎でしょうが、当事者は、今までは自宅に待っていたら相手方から書類がファクスや郵便で送られてくるということで本人訴訟で対応できたのが、IT化になったら、IT機器を利用するために裁判所まで出向いていかなきゃならないとか、場合によっては司法書士さんの事務所まで出向いていかなきゃならないという、本人にとって不便ですよね。
ですから、IT利用できる本人さんたちにとってはもちろん便利なんですけれども、やはりIT環境にない国民にとっては大変不便な制度なんだということをよく理解した上で慎重に進めていただきたいと思うのと、それから、諸外国の例、僕の聞き及んだところでは、最初から義務化したようなところはほとんどなくて、今義務化したところでも、最初は義務化せずに、制度を実施して、それをやっていく中で利用者を増やしていくという、誘導政策というんですかね、そういうことがやられているようですので、義務化については慎重になされるべきではないかというふうに思っております。
以上です。