法務委員会
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会
会議録情報#0
令和四年四月二十八日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
四月二十六日
辞任 補欠選任
松下 新平君 中川 雅治君
三木 亨君 山崎 正昭君
宮崎 勝君 石川 博崇君
東 徹君 石井 章君
四月二十七日
辞任 補欠選任
中川 雅治君 竹内 功君
山崎 正昭君 中西 哲君
石井 章君 東 徹君
四月二十八日
辞任 補欠選任
竹内 功君 進藤金日子君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 矢倉 克夫君
理 事
清水 真人君
高橋 克法君
有田 芳生君
安江 伸夫君
川合 孝典君
委 員
岡田 広君
加田 裕之君
進藤金日子君
竹内 功君
中西 哲君
福岡 資麿君
森 まさこ君
山下 雄平君
真山 勇一君
石川 博崇君
東 徹君
山添 拓君
高良 鉄美君
嘉田由紀子君
事務局側
常任委員会専門
員 久保田正志君
参考人
一橋大学大学院
法学研究科教授 杉山 悦子君
日本司法書士会
連合会会長 小澤 吉徳君
弁護士 国府 泰道君
─────────────
本日の会議に付した案件
○民事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
─────────────
この発言だけを見る →午前十時開会
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委員の異動
四月二十六日
辞任 補欠選任
松下 新平君 中川 雅治君
三木 亨君 山崎 正昭君
宮崎 勝君 石川 博崇君
東 徹君 石井 章君
四月二十七日
辞任 補欠選任
中川 雅治君 竹内 功君
山崎 正昭君 中西 哲君
石井 章君 東 徹君
四月二十八日
辞任 補欠選任
竹内 功君 進藤金日子君
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出席者は左のとおり。
委員長 矢倉 克夫君
理 事
清水 真人君
高橋 克法君
有田 芳生君
安江 伸夫君
川合 孝典君
委 員
岡田 広君
加田 裕之君
進藤金日子君
竹内 功君
中西 哲君
福岡 資麿君
森 まさこ君
山下 雄平君
真山 勇一君
石川 博崇君
東 徹君
山添 拓君
高良 鉄美君
嘉田由紀子君
事務局側
常任委員会専門
員 久保田正志君
参考人
一橋大学大学院
法学研究科教授 杉山 悦子君
日本司法書士会
連合会会長 小澤 吉徳君
弁護士 国府 泰道君
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本日の会議に付した案件
○民事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
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矢
矢倉克夫#1
○委員長(矢倉克夫君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、宮崎勝君、三木亨君及び松下新平君が委員を辞任され、その補欠として石川博崇君、竹内功君及び中西哲君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、宮崎勝君、三木亨君及び松下新平君が委員を辞任され、その補欠として石川博崇君、竹内功君及び中西哲君が選任されました。
─────────────
矢
矢倉克夫#2
○委員長(矢倉克夫君) 民事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいている参考人は、一橋大学大学院法学研究科教授杉山悦子君、日本司法書士会連合会会長小澤吉徳君及び弁護士国府泰道君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、杉山参考人、小澤参考人、国府参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いをいたします。
それでは、まず杉山参考人にお願いをいたします。杉山参考人。
この発言だけを見る →本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいている参考人は、一橋大学大学院法学研究科教授杉山悦子君、日本司法書士会連合会会長小澤吉徳君及び弁護士国府泰道君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、杉山参考人、小澤参考人、国府参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いをいたします。
それでは、まず杉山参考人にお願いをいたします。杉山参考人。
杉
杉山悦子#3
○参考人(杉山悦子君) 皆様、おはようございます。一橋大学大学院法学研究科の杉山と申します。
本日は、民事訴訟法の一部を改正する法律案につきまして意見陳述の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、大学では民事訴訟法を含む民事手続法の教育と研究に携わっておりますが、今回の法律案との関係では、民事裁判手続等IT化研究会及び証拠収集手続の拡充等を中心とした民事訴訟法制の見直しのための研究会の委員として参加し、それぞれにおいて外国法制の調査研究にも協力させていただきました。また、現在では、法制審議会の民事執行・民事保全・倒産及び家事事件等に関する手続(IT化関係)部会に幹事として参加しております。
本日は、民事訴訟手続のIT化を中心に法律案について意見を述べさせていただきます。
今回の法律案は、オンラインによる申立てを認めること、さらには、それを一部の利用者には義務化すること、ウエブ会議方式などによる手続への参加を認めること、訴訟記録を電子化することを柱として、民事訴訟手続の全面的なIT化を目指すものです。
現在の民事訴訟手続は、基本的に、書面を用いて申立てなどを行い、訴訟記録は紙媒体で保管し、また、当事者らは裁判所に現実に出頭して対面で審議をするというものです。オンライン申立てを認める規定はございますが、訴訟記録は紙媒体として保管するものであり、実際にはほとんど用いられていませんでした。また、裁判所に出頭せずに手続に遠隔参加することも可能ではありましたが、利用できる場面や方法も限られており、インターネットが普及した社会に必ずしも対応しているものではありませんでした。
他方で、海外に目を向けてみますと、アメリカやヨーロッパの諸国、さらには近隣のアジア諸国はオンライン申立てを含めた民事裁判のIT化に早くから着手しており、この領域で日本が大きく後れを取っていたことは改めて御説明するまでもございません。
民事裁判のIT化への対応の遅れは、コロナ禍においては、裁判期日が入らずに手続が遅延するといった形でも顕在化し、迅速な対応が望まれていたところでした。そのため、DXの一環としても、民事訴訟手続がデジタル化に大きくかじを切ることは必然の流れであったわけですが、今回の法律案によって様々なメリットが期待されます。
まず、民事訴訟の利用者、つまり当事者や代理人の視点から見れば、司法アクセスが容易になります。
例えば、裁判所に紙媒体の書類を持参したり郵送したりしなくても、いつでもどこからでもオンラインで様々な申立てをすることができるようになります。費用の支払も、これまでのように手数料を収入印紙で支払ったり郵便費用を郵便切手で予納したりする必要はなく、電子納付の方法でできることになります。そして、送達についても、従来の郵便などの方法に限らず、オンラインでも可能になり、システムにアクセスして送達を受けることが可能になります。
また、ウエブ会議を利用した口頭弁論期日や証人尋問なども認められるようになるため、当事者や証人などが遠方の裁判所に出頭する負担やコストが軽減されます。移動の時間が減れば、期日も入れやすくなり、手続が迅速に進むことが期待されます。
今回の法律案では、ウエブ会議による参加で和解、調停によって離婚を成立させることも可能にしていますが、これにより、DV被害者が加害者と対峙したくないような場合など双方当事者が現実に裁判所に出頭することが困難であっても離婚をすることができるようになります。
さらに、訴訟記録が電子化され、電子データで保管されることになります。そして、当事者はいつでも裁判所の外から訴訟記録にアクセスして閲覧、ダウンロードをすることができるようになります。そのため、大量の紙の記録を持ち運ぶ必要もなくなり、また、電子化された記録の場合には検索も容易ですので、訴訟の準備を効率的に進めることが可能になります。
民事裁判のIT化には、裁判を運営する裁判所にとっても事務負担の軽減という利点があります。例えば、大量の紙の記録を管理、保管する負担が軽減されますし、印紙や郵券などを管理する必要もなくなり、事務処理の効率化が期待されます。
このような事務処理の効率化とそれに伴うコストの削減は、反射的に、裁判の潜在的な利用者である国民にも利益をもたらすものでありますが、それ以外にも、事件の電子記録を閲覧したり、将来的には、判決のデータを活用することによって自分に関連する裁判に対する予測可能性を高めることもできると思われます。
他方で、民事裁判のIT化を進めるに当たっては克服すべき課題もございます。いわゆるデジタルデバイドの問題ですが、これに対処するためには、誰もが使いやすいシステムの構築に加えて、ITリテラシーを高めるための教育や研修の普及、安価で安定した通信環境の提供、セキュリティー対策、システム障害や災害への対策など、制度を運営するのに必要な環境を整備することが不可欠になりましょう。
さて、IT化に関する様々な論点のうち、一点、オンライン申立ての義務化について更に意見を述べさせていただきます。
法律案では、オンライン申立てができるとするのみならず、弁護士など士業の方についてはオンラインによる申立てを義務付けています。諸外国でも同様の例が見られますが、その背景には、多額の初期費用を投じてシステムを構築したにもかかわらず、オンライン申立てが任意であるために実際には利用者が増えず、利用を促進するために早期に弁護士らのオンライン申立てを義務化するという方向に移行したという事情もあるようです。
民事訴訟では、相手方がいますので、一方当事者のみがオンライン申立てをするのではIT化のメリットを十分に享受することができませんし、電子データと紙の書類が混在する状態では事務処理も煩雑になります。そのような非効率を生じさせないためには、オンライン申立てを全面的に義務化するのが望ましいのでしょうが、そのためには十分なサポート体制が必要となり、現段階では時期尚早ということでしたら、法律案のように、なるべく多くの利用者がシステムを使うことを保障する形で立ち上げ、それと並行してスムーズに全面義務化に進められるような環境を整えていくというのも適当であろうと考えております。
そして、民事訴訟手続のIT化以降は、民事執行、倒産、家事事件手続等のIT化を進めていく必要があります。
例えば、倒産手続には債権者など多くの利害関係人がいるため、ITツールを用いてコストを削減する要請が強く働きます。家事事件でも、例えば少額の養育費を効率的に回収するためには手続のIT化がより求められるものと考えられます。これらのIT化を進めるためにも、まずは民事訴訟手続のIT化を迅速に実現していただきたいと思います。
その他の点についても、併せて若干の意見を述べさせていただきます。
まず、氏名などの秘匿措置についてです。これは、性犯罪の被害者やDV被害者などが相手方当事者に対して自分の氏名や住所、それを推知する事項を秘匿することができる制度です。
現行法では、訴訟記録などは当事者以外の第三者にも一般公開されますが、プライバシーに関する事項については、第三者による閲覧を制限することはできるものの、相手方当事者に対しては秘匿することができません。
しかしながら、氏名や住所など個人が特定される情報が相手方に開示されることによる報復などを恐れて訴えに踏み切れないと、裁判を受ける権利が害されることになります。これは実務上重要な課題として認識されていましたが、法律上の手当てがなく、また、運用による対処には限界がありました。
今回の法律案は、相手方当事者の防御権に配慮しつつこの問題への対処を可能とするものであり、是非実現していただきたいと思っております。
最後に、法定審理期間の制度です。これは、双方の当事者の申出などがある場合に、手続開始から六か月以内に審理を終結させ、一か月以内に判決の言渡しをする制度です。
民事訴訟手続を迅速化する取組はこれまでもあり、一定の成果は収めてきましたが、終期が予測できないことが訴訟の利用をちゅうちょさせる一因となっているという指摘もありました。現行法でも、訴訟の終期を予測させる制度として、例えば訴訟手続を計画的に進行しなければならないという規定や審理の計画という制度もございますが、訓示規定であることや対象事件が限定されていることなどから、活用がされてこなかったようです。
この法定審理期間の制度は、通常訴訟への移行の可能性を残しつつ早い終期を担保するもので、早期の紛争解決や早期の債務名義の取得のために民事訴訟手続を利用したいと考える当事者にとっては、新たな選択肢、新たな利用方法の可能性を与えてくれるものであると思っております。
以上、私自身は基本的に法律案に賛成しておりますが、この法律案の目指すところの利用しやすい司法、迅速で効率的な司法を実現するためには、単に法律の仕組みを整えるのでは足りず、それを支える諸制度の整備、そして何よりも、民事訴訟に実際に携わる個々の当事者、実務家の方だけでなくて、裁判所、弁護士会、司法書士会、法テラス、その他様々な機関による多方面からの協力が欠かせません。
IT化の機運が高まっている今こそ、法制度とそれを支える仕組みを集中的に整え、誰もが取り残されることのない使いやすい司法が実現されることを切に願っております。
以上で私からの意見陳述を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、民事訴訟法の一部を改正する法律案につきまして意見陳述の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、大学では民事訴訟法を含む民事手続法の教育と研究に携わっておりますが、今回の法律案との関係では、民事裁判手続等IT化研究会及び証拠収集手続の拡充等を中心とした民事訴訟法制の見直しのための研究会の委員として参加し、それぞれにおいて外国法制の調査研究にも協力させていただきました。また、現在では、法制審議会の民事執行・民事保全・倒産及び家事事件等に関する手続(IT化関係)部会に幹事として参加しております。
本日は、民事訴訟手続のIT化を中心に法律案について意見を述べさせていただきます。
今回の法律案は、オンラインによる申立てを認めること、さらには、それを一部の利用者には義務化すること、ウエブ会議方式などによる手続への参加を認めること、訴訟記録を電子化することを柱として、民事訴訟手続の全面的なIT化を目指すものです。
現在の民事訴訟手続は、基本的に、書面を用いて申立てなどを行い、訴訟記録は紙媒体で保管し、また、当事者らは裁判所に現実に出頭して対面で審議をするというものです。オンライン申立てを認める規定はございますが、訴訟記録は紙媒体として保管するものであり、実際にはほとんど用いられていませんでした。また、裁判所に出頭せずに手続に遠隔参加することも可能ではありましたが、利用できる場面や方法も限られており、インターネットが普及した社会に必ずしも対応しているものではありませんでした。
他方で、海外に目を向けてみますと、アメリカやヨーロッパの諸国、さらには近隣のアジア諸国はオンライン申立てを含めた民事裁判のIT化に早くから着手しており、この領域で日本が大きく後れを取っていたことは改めて御説明するまでもございません。
民事裁判のIT化への対応の遅れは、コロナ禍においては、裁判期日が入らずに手続が遅延するといった形でも顕在化し、迅速な対応が望まれていたところでした。そのため、DXの一環としても、民事訴訟手続がデジタル化に大きくかじを切ることは必然の流れであったわけですが、今回の法律案によって様々なメリットが期待されます。
まず、民事訴訟の利用者、つまり当事者や代理人の視点から見れば、司法アクセスが容易になります。
例えば、裁判所に紙媒体の書類を持参したり郵送したりしなくても、いつでもどこからでもオンラインで様々な申立てをすることができるようになります。費用の支払も、これまでのように手数料を収入印紙で支払ったり郵便費用を郵便切手で予納したりする必要はなく、電子納付の方法でできることになります。そして、送達についても、従来の郵便などの方法に限らず、オンラインでも可能になり、システムにアクセスして送達を受けることが可能になります。
また、ウエブ会議を利用した口頭弁論期日や証人尋問なども認められるようになるため、当事者や証人などが遠方の裁判所に出頭する負担やコストが軽減されます。移動の時間が減れば、期日も入れやすくなり、手続が迅速に進むことが期待されます。
今回の法律案では、ウエブ会議による参加で和解、調停によって離婚を成立させることも可能にしていますが、これにより、DV被害者が加害者と対峙したくないような場合など双方当事者が現実に裁判所に出頭することが困難であっても離婚をすることができるようになります。
さらに、訴訟記録が電子化され、電子データで保管されることになります。そして、当事者はいつでも裁判所の外から訴訟記録にアクセスして閲覧、ダウンロードをすることができるようになります。そのため、大量の紙の記録を持ち運ぶ必要もなくなり、また、電子化された記録の場合には検索も容易ですので、訴訟の準備を効率的に進めることが可能になります。
民事裁判のIT化には、裁判を運営する裁判所にとっても事務負担の軽減という利点があります。例えば、大量の紙の記録を管理、保管する負担が軽減されますし、印紙や郵券などを管理する必要もなくなり、事務処理の効率化が期待されます。
このような事務処理の効率化とそれに伴うコストの削減は、反射的に、裁判の潜在的な利用者である国民にも利益をもたらすものでありますが、それ以外にも、事件の電子記録を閲覧したり、将来的には、判決のデータを活用することによって自分に関連する裁判に対する予測可能性を高めることもできると思われます。
他方で、民事裁判のIT化を進めるに当たっては克服すべき課題もございます。いわゆるデジタルデバイドの問題ですが、これに対処するためには、誰もが使いやすいシステムの構築に加えて、ITリテラシーを高めるための教育や研修の普及、安価で安定した通信環境の提供、セキュリティー対策、システム障害や災害への対策など、制度を運営するのに必要な環境を整備することが不可欠になりましょう。
さて、IT化に関する様々な論点のうち、一点、オンライン申立ての義務化について更に意見を述べさせていただきます。
法律案では、オンライン申立てができるとするのみならず、弁護士など士業の方についてはオンラインによる申立てを義務付けています。諸外国でも同様の例が見られますが、その背景には、多額の初期費用を投じてシステムを構築したにもかかわらず、オンライン申立てが任意であるために実際には利用者が増えず、利用を促進するために早期に弁護士らのオンライン申立てを義務化するという方向に移行したという事情もあるようです。
民事訴訟では、相手方がいますので、一方当事者のみがオンライン申立てをするのではIT化のメリットを十分に享受することができませんし、電子データと紙の書類が混在する状態では事務処理も煩雑になります。そのような非効率を生じさせないためには、オンライン申立てを全面的に義務化するのが望ましいのでしょうが、そのためには十分なサポート体制が必要となり、現段階では時期尚早ということでしたら、法律案のように、なるべく多くの利用者がシステムを使うことを保障する形で立ち上げ、それと並行してスムーズに全面義務化に進められるような環境を整えていくというのも適当であろうと考えております。
そして、民事訴訟手続のIT化以降は、民事執行、倒産、家事事件手続等のIT化を進めていく必要があります。
例えば、倒産手続には債権者など多くの利害関係人がいるため、ITツールを用いてコストを削減する要請が強く働きます。家事事件でも、例えば少額の養育費を効率的に回収するためには手続のIT化がより求められるものと考えられます。これらのIT化を進めるためにも、まずは民事訴訟手続のIT化を迅速に実現していただきたいと思います。
その他の点についても、併せて若干の意見を述べさせていただきます。
まず、氏名などの秘匿措置についてです。これは、性犯罪の被害者やDV被害者などが相手方当事者に対して自分の氏名や住所、それを推知する事項を秘匿することができる制度です。
現行法では、訴訟記録などは当事者以外の第三者にも一般公開されますが、プライバシーに関する事項については、第三者による閲覧を制限することはできるものの、相手方当事者に対しては秘匿することができません。
しかしながら、氏名や住所など個人が特定される情報が相手方に開示されることによる報復などを恐れて訴えに踏み切れないと、裁判を受ける権利が害されることになります。これは実務上重要な課題として認識されていましたが、法律上の手当てがなく、また、運用による対処には限界がありました。
今回の法律案は、相手方当事者の防御権に配慮しつつこの問題への対処を可能とするものであり、是非実現していただきたいと思っております。
最後に、法定審理期間の制度です。これは、双方の当事者の申出などがある場合に、手続開始から六か月以内に審理を終結させ、一か月以内に判決の言渡しをする制度です。
民事訴訟手続を迅速化する取組はこれまでもあり、一定の成果は収めてきましたが、終期が予測できないことが訴訟の利用をちゅうちょさせる一因となっているという指摘もありました。現行法でも、訴訟の終期を予測させる制度として、例えば訴訟手続を計画的に進行しなければならないという規定や審理の計画という制度もございますが、訓示規定であることや対象事件が限定されていることなどから、活用がされてこなかったようです。
この法定審理期間の制度は、通常訴訟への移行の可能性を残しつつ早い終期を担保するもので、早期の紛争解決や早期の債務名義の取得のために民事訴訟手続を利用したいと考える当事者にとっては、新たな選択肢、新たな利用方法の可能性を与えてくれるものであると思っております。
以上、私自身は基本的に法律案に賛成しておりますが、この法律案の目指すところの利用しやすい司法、迅速で効率的な司法を実現するためには、単に法律の仕組みを整えるのでは足りず、それを支える諸制度の整備、そして何よりも、民事訴訟に実際に携わる個々の当事者、実務家の方だけでなくて、裁判所、弁護士会、司法書士会、法テラス、その他様々な機関による多方面からの協力が欠かせません。
IT化の機運が高まっている今こそ、法制度とそれを支える仕組みを集中的に整え、誰もが取り残されることのない使いやすい司法が実現されることを切に願っております。
以上で私からの意見陳述を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
矢
小
小澤吉徳#5
○参考人(小澤吉徳君) 本日は、参考人として発言する機会を与えていただき、誠にありがとうございます。私は、日本司法書士会連合会会長の小澤吉徳と申します。
裁判のIT化に関しましては、平成三十年の七月から公益社団法人商事法務研究会で行われました民事裁判手続等IT化研究会にオブザーバーとして参加をさせていただき、研究会で報告書が取りまとめられた後は、法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会の委員として審議に関わってまいりました。
法案につきましては、本人サポート体制の構築及び拡充の必要性について御留意いただきたい点はございますが、総論といたしまして、部会で慎重審議を重ねた要綱を基に作成されたものと理解しているところです。国際的な動向を見渡しましても、裁判のIT化は待ったなしの状況となっておりますことから、弁護士、司法書士等の訴訟代理人のインターネット利用の義務化、当事者の住所、氏名等の秘匿制度、法第三百八十一条の二以下の法定審理期間訴訟手続に関する特則が盛り込まれた本法案の早期実現を強く望むものでございます。
さて、司法書士は、裁判書類若しくは電磁的記録等を作成することによって、本人訴訟をする当事者の支援をするとともに、簡易裁判所においては、代理人として弁護士と同様の業務をすることもございます。いずれも、比較的争点が複雑ではなく、迅速に紛争を解決したいと考える当事者の方々が、書類若しくは電磁的記録作成業務や代理業務として司法書士に委任されますので、これらの方々を念頭に置いて、当事者に使いやすく、当事者に利便性がある制度とすべきであるという視点から意見を述べてまいりました。
こういった視点を踏まえまして、本日は、御審議いただく法案について、主に本人訴訟のサポートの重要性について意見を述べさせていただきたく存じます。
法案では、インターネットを用いてする申立て等は、国や地方自治体が当事者となる場合を除きますと、委任を受けた訴訟代理人が申立てをする際には、電子情報処理組織を使用する方法により申立て等をしなければならないこととされております。
近年における情報通信技術の進展等の社会経済情勢の変化への対応を図るためには、もちろん申立て等をする者の全てがインターネットを用いることが望ましいこととはなるのですが、パソコンやスマホが普及し、日常的にインターネットにアクセスすることができる者が増えたとはいいましても、まだまだインターネット機器の操作が難しいと感じる方も少なからずいらっしゃいますし、物理的にインターネット環境を利用することができない状況で生活をする方もいないわけではございません。
そこで、国民の司法アクセスを後退させないという観点から、インターネットを用いてする申立て等を義務化するのは司法書士、弁護士などの法律専門士業者のみとし、当事者につきましては、電子情報処理組織を使用する方法によりすることができる者は、申立て等の電子情報処理組織を使用する方法によるものとするという旨の規律を最高裁規則に設けるものとするとの注意書きを要綱案に付すことによって、義務化の対象でない方々においてもできる限り積極的にインターネットを利用するものとする訓示規定を設けることが提案されてございます。
裁判手続全体を俯瞰しますと、電磁的記録を活用するためには、訴訟記録を全て電子化することが肝となります。そのため、書面で申立て等をされる当事者の訴訟記録につきましては、訴訟記録を全て電子化、裁判所の負担で電子化をすることとされているところでございます。
しかしながら、裁判所の負担が過度に増加してしまいますと、円滑な裁判手続の支障となるおそれが生じます。したがいまして、義務化の対象とならない方々、インターネットを用いた申立て等をしていただくための方策が最も重要な事項になると考えております。
他方で、円滑な裁判手続の実現という国民全体の利益のみならず、当事者の方々個々人にとっても、インターネットを用いることで裁判所への出頭が不要となり、また郵送費用削減という経済的利益や郵送手続が不要となるという手間の削減という大きな利益があるものと考えられます。
このように申しますと、それほど利便性が高いということであれば、特段の手当てをせずとも当事者が自発的に利用するのではないかという御疑問もあろうかとは思います。しかしながら、ほとんどの国民にとっては、裁判は一生のうちに数回経験するかどうかといった手続でありまして、そうした数少ない手続に直面する場面では、わざわざインターネットを用いた操作方法を学ぶよりは、慣れ親しんできた書面で出してしまいたいと考える方が多いというのが現時点での実情だと考えています。
具体的な数値で御説明します。
昨年公表されました令和二年度の司法統計によりますと、地方裁判所全事件の第一審通常訴訟既済事件の総数は十二万二千七百四十九件であり、このうち原告、被告双方に弁護士が付いたものが五万四千六百二十五件、原告のみに弁護士が付いたものが五万四千七百九十六件、被告のみに弁護士が付いたものが三千四百三十九件となっております。これらから、双方本人訴訟であったものは九千八百八十九件となり、双方若しくは原告、被告の一方が本人訴訟であった事件は割合として五五・五%となり、地方裁判所においても半数以上が少なくとも一方当事者が本人訴訟であることが分かります。
また、簡易裁判所になりますと、同じく令和二年度の司法統計では、第一審通常既済事件の数の総数は二十九万七千百四十二件であり、このうち原告、被告双方に弁護士、司法書士が付いたものが一万九千七百七十一件、原告のみに弁護士、司法書士が付いたものが三万六千百四十二件、被告のみに弁護士、司法書士が付いたものが二万九百二十一件となっています。これらから、双方本人訴訟であったものは二十二万三百八件となり、双方若しくは原告、被告の一方が本人訴訟であった率は何と九三・三五%と、簡易裁判所では実に九割以上が少なくとも一方当事者が本人訴訟となっております。
御参考までに、登記の本人申請率及び本人申請におけるオンライン利用率としましては、令和三年三月三十日、内閣府規制改革推進会議第九回デジタルガバメントワーキング・グループの資料二によりますと、不動産登記においては本人申請率が約一〇%であり、このうちオンライン利用はほぼ見られず、商業・法人登記につきましては、株式会社設立の本人申請率が約二五%であり、このうちオンライン利用率は約六・五%、役員変更登記の本人申請率が約二〇%であり、このうちのオンライン利用率は約〇・七%という法務省からの回答がなされております。つまり、システム稼働後十七年以上が経過した登記制度におきましても、本人が積極的にオンラインによる手続を利用しているとは言い難い実態がございます。
登記と比べて本人訴訟率が高い裁判については、本人に利用していただくためには、システム構築の際、当事者が使いやすいユーザーインターフェースをすることはもちろんですが、ほかにも個々人のインターネット環境の整備の拡充、電子証明書の普及など様々な方策を一気呵成に進める必要があると考えております。
これらの方策のうち、喫緊の対応としては、本人訴訟による申立て等についても司法書士、弁護士などの士業者を活用することが考えられるのではないかと考えております。委任を受けた訴訟代理人となる司法書士、弁護士については、インターネットを用いてする申立てをすることが義務になるわけですから、当然インターネットを用いてする申立て等をする環境は整ってございます。
少なくとも、司法書士は登記のオンライン申請を十五年以上前から利用しております。現に、不動産登記分野の申請等件数に対するオンライン利用率は、令和三年九月二十四日のオンライン利用率引上げに関する基本計画によりますと、令和元年度は約七九・五%となりますが、これらの申請の大多数は司法書士、土地家屋調査士等の士業者を活用した成果によるものと理解をしておるところでございます。
このように、オンライン申請に熟練した司法書士を活用し、代理業務としての委任を望まない当事者については、司法書士が書類作成業務として委任を受けることで、インターネットを用いてする申立て等の利用件数を増加させることが可能になるというふうに考えております。こういった方策こそが裁判IT化に関する新制度を成功させるための重要なポイントになるんだろうと、こういうふうに考えているところです。
ここで、日本司法書士会連合会として検討を進めております本人訴訟のサポート体制について簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
すなわち、IT環境の不十分な方、操作に不安のある方をサポートするために、全国の司法書士会に設置されている百五十七か所の総合相談センターのインターネット環境や電子化のための機器を充実させるための助成を計画するとともに、既に一部の総合相談センターでは、ネット予約やウエブ面談相談の導入などのIT化対応も実施しております。また、総合相談センターでは、業務に付随する相談として、裁判IT化に関する相談にも対応していただくよう全国の司法書士会にお願いをしているところでございます。
さらに、全国四十五の司法書士会において最大六十五インチの大型タブレットを設置済みでございまして、これらは複数のシステムによるウエブ会議機能を備えているところであります。また、中央大学の先生方とも共同で、本人の関与する訴訟事件について、ウエブ会議等による口頭弁論参加の模擬裁判も実施し、会員向けの研修題材とするとともに、問題点等の具体的な検討も行っているところでございます。
法案の御審議の際に、本人訴訟の当事者にいかにインターネットを用いてする申立て等を利用していただくかという観点からの方策を検討されることと思いますが、是非とも士業者の活用について考慮していただくよう希望する次第でございます。
なお、日本司法書士会連合会におきましては、執行部が平成三十年一月三日から五日にかけて、韓国の大法院、弁護士事務所、法務士事務所を訪問し、電子訴訟の具体例、そして本人訴訟支援における電子訴訟の利用例、代理人訴訟の電子訴訟の利用例を視察するとともに、電子化後の士業者と依頼者との関係性などを聴取してまいりました。
韓国では、大法院運営のサイトとは別に、大韓法律救助公団、まあ日本で言う法テラスだと思いますが、法律支援センターというホームページを運営されておりまして、こちらでは、同公団が提供する全ての書式について、書式エディターを利用してサイト上で直接作成をすることができるようにもなってございます。こちらのサイトの利用は無料であり、会員登録をしなくても利用はできるのですが、会員登録をしないと若干の機能制限がある仕様のようでございます。
このように、システム上も工夫された上で、官民で複数の本人サポート体制を整えているという状況にあるというふうに聞いております。
以上で私からの報告を終わらせていただきたいと思います。本日は、このような発言の機会を与えていただき、誠にありがとうございました。
この発言だけを見る →裁判のIT化に関しましては、平成三十年の七月から公益社団法人商事法務研究会で行われました民事裁判手続等IT化研究会にオブザーバーとして参加をさせていただき、研究会で報告書が取りまとめられた後は、法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会の委員として審議に関わってまいりました。
法案につきましては、本人サポート体制の構築及び拡充の必要性について御留意いただきたい点はございますが、総論といたしまして、部会で慎重審議を重ねた要綱を基に作成されたものと理解しているところです。国際的な動向を見渡しましても、裁判のIT化は待ったなしの状況となっておりますことから、弁護士、司法書士等の訴訟代理人のインターネット利用の義務化、当事者の住所、氏名等の秘匿制度、法第三百八十一条の二以下の法定審理期間訴訟手続に関する特則が盛り込まれた本法案の早期実現を強く望むものでございます。
さて、司法書士は、裁判書類若しくは電磁的記録等を作成することによって、本人訴訟をする当事者の支援をするとともに、簡易裁判所においては、代理人として弁護士と同様の業務をすることもございます。いずれも、比較的争点が複雑ではなく、迅速に紛争を解決したいと考える当事者の方々が、書類若しくは電磁的記録作成業務や代理業務として司法書士に委任されますので、これらの方々を念頭に置いて、当事者に使いやすく、当事者に利便性がある制度とすべきであるという視点から意見を述べてまいりました。
こういった視点を踏まえまして、本日は、御審議いただく法案について、主に本人訴訟のサポートの重要性について意見を述べさせていただきたく存じます。
法案では、インターネットを用いてする申立て等は、国や地方自治体が当事者となる場合を除きますと、委任を受けた訴訟代理人が申立てをする際には、電子情報処理組織を使用する方法により申立て等をしなければならないこととされております。
近年における情報通信技術の進展等の社会経済情勢の変化への対応を図るためには、もちろん申立て等をする者の全てがインターネットを用いることが望ましいこととはなるのですが、パソコンやスマホが普及し、日常的にインターネットにアクセスすることができる者が増えたとはいいましても、まだまだインターネット機器の操作が難しいと感じる方も少なからずいらっしゃいますし、物理的にインターネット環境を利用することができない状況で生活をする方もいないわけではございません。
そこで、国民の司法アクセスを後退させないという観点から、インターネットを用いてする申立て等を義務化するのは司法書士、弁護士などの法律専門士業者のみとし、当事者につきましては、電子情報処理組織を使用する方法によりすることができる者は、申立て等の電子情報処理組織を使用する方法によるものとするという旨の規律を最高裁規則に設けるものとするとの注意書きを要綱案に付すことによって、義務化の対象でない方々においてもできる限り積極的にインターネットを利用するものとする訓示規定を設けることが提案されてございます。
裁判手続全体を俯瞰しますと、電磁的記録を活用するためには、訴訟記録を全て電子化することが肝となります。そのため、書面で申立て等をされる当事者の訴訟記録につきましては、訴訟記録を全て電子化、裁判所の負担で電子化をすることとされているところでございます。
しかしながら、裁判所の負担が過度に増加してしまいますと、円滑な裁判手続の支障となるおそれが生じます。したがいまして、義務化の対象とならない方々、インターネットを用いた申立て等をしていただくための方策が最も重要な事項になると考えております。
他方で、円滑な裁判手続の実現という国民全体の利益のみならず、当事者の方々個々人にとっても、インターネットを用いることで裁判所への出頭が不要となり、また郵送費用削減という経済的利益や郵送手続が不要となるという手間の削減という大きな利益があるものと考えられます。
このように申しますと、それほど利便性が高いということであれば、特段の手当てをせずとも当事者が自発的に利用するのではないかという御疑問もあろうかとは思います。しかしながら、ほとんどの国民にとっては、裁判は一生のうちに数回経験するかどうかといった手続でありまして、そうした数少ない手続に直面する場面では、わざわざインターネットを用いた操作方法を学ぶよりは、慣れ親しんできた書面で出してしまいたいと考える方が多いというのが現時点での実情だと考えています。
具体的な数値で御説明します。
昨年公表されました令和二年度の司法統計によりますと、地方裁判所全事件の第一審通常訴訟既済事件の総数は十二万二千七百四十九件であり、このうち原告、被告双方に弁護士が付いたものが五万四千六百二十五件、原告のみに弁護士が付いたものが五万四千七百九十六件、被告のみに弁護士が付いたものが三千四百三十九件となっております。これらから、双方本人訴訟であったものは九千八百八十九件となり、双方若しくは原告、被告の一方が本人訴訟であった事件は割合として五五・五%となり、地方裁判所においても半数以上が少なくとも一方当事者が本人訴訟であることが分かります。
また、簡易裁判所になりますと、同じく令和二年度の司法統計では、第一審通常既済事件の数の総数は二十九万七千百四十二件であり、このうち原告、被告双方に弁護士、司法書士が付いたものが一万九千七百七十一件、原告のみに弁護士、司法書士が付いたものが三万六千百四十二件、被告のみに弁護士、司法書士が付いたものが二万九百二十一件となっています。これらから、双方本人訴訟であったものは二十二万三百八件となり、双方若しくは原告、被告の一方が本人訴訟であった率は何と九三・三五%と、簡易裁判所では実に九割以上が少なくとも一方当事者が本人訴訟となっております。
御参考までに、登記の本人申請率及び本人申請におけるオンライン利用率としましては、令和三年三月三十日、内閣府規制改革推進会議第九回デジタルガバメントワーキング・グループの資料二によりますと、不動産登記においては本人申請率が約一〇%であり、このうちオンライン利用はほぼ見られず、商業・法人登記につきましては、株式会社設立の本人申請率が約二五%であり、このうちオンライン利用率は約六・五%、役員変更登記の本人申請率が約二〇%であり、このうちのオンライン利用率は約〇・七%という法務省からの回答がなされております。つまり、システム稼働後十七年以上が経過した登記制度におきましても、本人が積極的にオンラインによる手続を利用しているとは言い難い実態がございます。
登記と比べて本人訴訟率が高い裁判については、本人に利用していただくためには、システム構築の際、当事者が使いやすいユーザーインターフェースをすることはもちろんですが、ほかにも個々人のインターネット環境の整備の拡充、電子証明書の普及など様々な方策を一気呵成に進める必要があると考えております。
これらの方策のうち、喫緊の対応としては、本人訴訟による申立て等についても司法書士、弁護士などの士業者を活用することが考えられるのではないかと考えております。委任を受けた訴訟代理人となる司法書士、弁護士については、インターネットを用いてする申立てをすることが義務になるわけですから、当然インターネットを用いてする申立て等をする環境は整ってございます。
少なくとも、司法書士は登記のオンライン申請を十五年以上前から利用しております。現に、不動産登記分野の申請等件数に対するオンライン利用率は、令和三年九月二十四日のオンライン利用率引上げに関する基本計画によりますと、令和元年度は約七九・五%となりますが、これらの申請の大多数は司法書士、土地家屋調査士等の士業者を活用した成果によるものと理解をしておるところでございます。
このように、オンライン申請に熟練した司法書士を活用し、代理業務としての委任を望まない当事者については、司法書士が書類作成業務として委任を受けることで、インターネットを用いてする申立て等の利用件数を増加させることが可能になるというふうに考えております。こういった方策こそが裁判IT化に関する新制度を成功させるための重要なポイントになるんだろうと、こういうふうに考えているところです。
ここで、日本司法書士会連合会として検討を進めております本人訴訟のサポート体制について簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
すなわち、IT環境の不十分な方、操作に不安のある方をサポートするために、全国の司法書士会に設置されている百五十七か所の総合相談センターのインターネット環境や電子化のための機器を充実させるための助成を計画するとともに、既に一部の総合相談センターでは、ネット予約やウエブ面談相談の導入などのIT化対応も実施しております。また、総合相談センターでは、業務に付随する相談として、裁判IT化に関する相談にも対応していただくよう全国の司法書士会にお願いをしているところでございます。
さらに、全国四十五の司法書士会において最大六十五インチの大型タブレットを設置済みでございまして、これらは複数のシステムによるウエブ会議機能を備えているところであります。また、中央大学の先生方とも共同で、本人の関与する訴訟事件について、ウエブ会議等による口頭弁論参加の模擬裁判も実施し、会員向けの研修題材とするとともに、問題点等の具体的な検討も行っているところでございます。
法案の御審議の際に、本人訴訟の当事者にいかにインターネットを用いてする申立て等を利用していただくかという観点からの方策を検討されることと思いますが、是非とも士業者の活用について考慮していただくよう希望する次第でございます。
なお、日本司法書士会連合会におきましては、執行部が平成三十年一月三日から五日にかけて、韓国の大法院、弁護士事務所、法務士事務所を訪問し、電子訴訟の具体例、そして本人訴訟支援における電子訴訟の利用例、代理人訴訟の電子訴訟の利用例を視察するとともに、電子化後の士業者と依頼者との関係性などを聴取してまいりました。
韓国では、大法院運営のサイトとは別に、大韓法律救助公団、まあ日本で言う法テラスだと思いますが、法律支援センターというホームページを運営されておりまして、こちらでは、同公団が提供する全ての書式について、書式エディターを利用してサイト上で直接作成をすることができるようにもなってございます。こちらのサイトの利用は無料であり、会員登録をしなくても利用はできるのですが、会員登録をしないと若干の機能制限がある仕様のようでございます。
このように、システム上も工夫された上で、官民で複数の本人サポート体制を整えているという状況にあるというふうに聞いております。
以上で私からの報告を終わらせていただきたいと思います。本日は、このような発言の機会を与えていただき、誠にありがとうございました。
矢
国
国府泰道#7
○参考人(国府泰道君) じゃ、発言させていただきます。
まず最初に、自己紹介を申し上げたいと思います。
私は、大阪で弁護士をしておりまして、弁護士登録三十八年になろうかと思います。今から十年前には、日本弁護士連合会の消費者問題委員会の委員長もやらせていただきましたが、三十八年の弁護士生活ずっとわたって、消費者や生活者のための訴訟活動であったり、それから制度の改革提言であったり、さらには中小零細企業者の法律紛争の支援、そういったことを中心にやってきた、普通、町にいる弁護士の一人であります。
今日、私は、今回の民事訴訟法の改正法案の中で、法定審理期間訴訟手続を新設するという提案がされておりますので、これに対する反対の立場から意見を申し上げたいと思っております。
まず最初に、この手続の問題点として三点申し上げたいと思っております。
この期間限定裁判というのが近代裁判の原則にない、そういった制度ではないのかということであります。
この法定審理期間訴訟手続というのは、裁判における審理期間、つまり主張を立証をする期間、これを六か月に限定しようという、そういった訴訟手続です。法務省は、裁判の迅速化と期間の予測可能性を高めるための制度だと説明しています。この二つが立法目的だというわけですね。
これまで、訴訟といいますのは、判決に熟したとき、つまり主張、立証が尽くされたときに判決をするということになっています。これが近代訴訟の原則でもあります。諸外国でも同様です。期間を定めて、期間が到来したから判決するんだといった制度は諸外国にはないわけです。これは裁判の本質を根底から変えてしまうものではないのかと、そういった危惧を持っております。
裁判を受ける権利、これは憲法で定められた権利です。その中には、裁判所が当事者の言い分をしっかり聞いて、審理を尽くして判決をするというものが内容として含まれています。国民は、裁判所に事実を解明してもらいたい、そういったことを求める権利も持っているということであります。それで正しい裁判をやっていただく、これが国民の権利であります。
第二点目として、この制度では不十分で粗雑な審理になる危険性があると考えております。
この手続では、審理期間が限定されるということのために、事実上、主張や証拠が制限されてしまいます。不十分で粗雑な審理がなされる危険性があるんです。その結果、裁判にとって不可欠である事実の解明が不十分になったり、正しい裁判ができなくなってしまうおそれがあるわけです。
もちろん、迅速な裁判、これは誰もが望むところではありますが、どういった方法によってそれを実現するかが問題であります。利用者は、裁判は証拠に基づいて適切な事実認定がなされることがまず大前提であります。そして、それが早く行われることを望んでいるわけです。
実際の裁判では、そう単純なものではなくて、裁判というのは生き物だというふうに言われることもありますが、思い掛けない相手の主張や証拠が出てくることもありますし、それから、期間を制限されたことによってそういったものに対する反証が準備できない、そういったこともある。その結果、思い掛けなく敗訴するリスクもあります。この手続には元々そういったリスクがある、そういった手続であります。
こういったリスクがあることについては実は法務省も認めておられまして、そのためにはいろんな手当てを講じているんだということの説明がなされています。それについては後ほどまた詳しく述べたいと思いますが、それらの手当てを継ぎはぎしたとしても、この手続は粗雑な認定がなされるリスクを解消したとは言えないというふうに考えております。
三つ目の問題点としては、立法事実の検討ができていないことであります。
立法事実といいますのは、制度の必要性、それからそれを根拠付ける事実、社会的事実、そういったことをいいます。
立法提案者は、争点が少ない簡単な案件では本手続の需要があると言いますけれども、そのような事件は実は現行制度下でも短期間に判決ないし和解で終了しています。そもそも、このような手続を必要とするような事件類型が明らかになっていません。どんな場合に本手続の需要があるのか、そういったことが必ずしも明らかになっていないのです。立法事実が極めて不十分な提案であると言わざるを得ません。
この制度に賛成する方でも、せいぜい、あってもいいのではないの、選択肢が増えるからいいんじゃないのといった程度の賛成理由です。しかし、リスクが懸念されるのですから、その程度の必要性ならば立法は見送られるべきではないでしょうか。
次に、衆議院での審議を通じて明らかになった問題点について申し上げたいと思います。
今述べましたような問題点が指摘されてきたことに対しまして、法務省は、衆議院の法務委員会の審議の中で、予想される弊害については様々な手当てを講じていますという説明をされてきています。果たしてそうかという点について、以下六点にわたって述べたいと思います。
第一点目は、IT化の法案と同時に審議すべきテーマではないという点です。
期間限定訴訟といいますのは、そもそも民事裁判のIT化と直接関係のない提案であります。今述べましたようないろんな問題があって、裁判制度の根幹に関わるようなこの手続の問題をIT化の問題と併せて議論すべきではないというふうに考えています。
IT化は裁判実務に劇的な大変化をもたらすものです。様々な懸念があります。そういったものについての慎重な検討が必要です。そういった、日本の裁判にとって大変革となる大きな課題に取り組むときに、それと直接関連しない制度を導入して、それを一緒に審議させようというのはこそくなやり方ではないでしょうか。本手続は、期間制限というこれまでなかった制度、外国にもないような制度ですので、他の迅速化のための課題とも併せて別の場で堂々としっかり議論されるべき課題ではないでしょうか。
第二に、調査が不十分だという点であります。
衆議院の審議では、最高裁がこの手続の提案をした際には論文や調査報告書のなかったことが明らかになりました。海外にもないような制度なので、これについて書かれた論文もなく、研究はなされていないテーマであります。事前の調査研究が余りにも不十分で、生煮えの提案だったのではないかというふうに思います。
第三に、訴訟代理人の要件が付いていない点であります。
この制度をどんな場合にどんな事件に利用するのか、これを適切に判断するためには弁護士などの訴訟代理人が付いていることが不可欠です。法務省は、期間限定裁判は訴訟代理人が付いているような場合でないと認められないという説明をしましたが、しかし、実際の条文にはそのようなものは存在しません。条文を設けなかった理由について、法務省は、法務部を設けている企業が当事者になるような場合は、訴訟代理人が選任されていなくても期間限定裁判の使用を認める、認めていいんではないか、まあそれはそうでしょう、そういった説明をしました。
しかし、果たしてそのような企業が弁護士を訴訟代理人に選任しないで本人訴訟の形式を選択するでしょうか。本人訴訟というのは、法人の場合は社長若しくは支配人が裁判所に出頭しなければできないんです。そのために代理人に委任するわけですから、立派な法務部を設けている企業がそんなことは到底想像できないものであります。
それから、法務省は、訴訟代理人が選定されていなくても、適正な審理の実現を妨げると認められるときという条文に該当するとしまして、この手続の利用をさせないという決定を裁判所がすることができると言って説明しています。
しかし、そのような抽象的基準で適用除外されるでしょうか。ちょっと考えていただきたいんですが、本人訴訟の当事者がこの手続の利用をしたいというふうな申出をしてきたときに、裁判所が、あなたは代理人が付いていないから適正な審理の実現を妨げる場合に当たりますよ、この手続は利用できないんですよと果たして決定できるでしょうか。
結局、法務省の説明は、この手続には弊害とリスクのあることは認めながら、訴訟代理人が選任されている場合に限ることを明文化せず、裁判所の判断次第の抽象的な規定を設けるにとどまっております。これではリスク回避の制度的保障にはなっていません。
第四に、適用除外の類型が不十分だということです。
消費者契約に関する紛争、それから個別労働紛争、そういったものについて除外すると言っていますが、除外されるべきはそれだけではありません。労働者といっても、コンビニの店長や料理のデリバリー配達員や偽装請負のように形式的労働者でない場合もあります。そういった人たちも保護されるべきではないでしょうか。
第五に、通常訴訟への移行の点であります。
この手続は、粗雑な判決になってしまう、裁判になってしまうというリスクがあることから、途中で一方当事者が通常訴訟への移行申立てができる制度案に変更されました。つまり、乗り降り自由になったわけですが、これはそういったリスクに対応しようというものです。しかし、その結果、通常訴訟に移行することによって、当初、訴訟期間が予測できる制度だというふうに言われていたものが、とんでもないものに変わってしまいます。
そういったことで、私たちは、この訴訟手続には様々な問題があるので別の場でじっくりと御検討いただけないかと思って、今回の民事訴訟法の改正法案の中からは除外して、IT化の問題だけで改正法案を実現して進めていただきたいというふうに思って、意見を述べさせていただきました。
以上で私の意見陳述を終えさせていただきます。
この発言だけを見る →まず最初に、自己紹介を申し上げたいと思います。
私は、大阪で弁護士をしておりまして、弁護士登録三十八年になろうかと思います。今から十年前には、日本弁護士連合会の消費者問題委員会の委員長もやらせていただきましたが、三十八年の弁護士生活ずっとわたって、消費者や生活者のための訴訟活動であったり、それから制度の改革提言であったり、さらには中小零細企業者の法律紛争の支援、そういったことを中心にやってきた、普通、町にいる弁護士の一人であります。
今日、私は、今回の民事訴訟法の改正法案の中で、法定審理期間訴訟手続を新設するという提案がされておりますので、これに対する反対の立場から意見を申し上げたいと思っております。
まず最初に、この手続の問題点として三点申し上げたいと思っております。
この期間限定裁判というのが近代裁判の原則にない、そういった制度ではないのかということであります。
この法定審理期間訴訟手続というのは、裁判における審理期間、つまり主張を立証をする期間、これを六か月に限定しようという、そういった訴訟手続です。法務省は、裁判の迅速化と期間の予測可能性を高めるための制度だと説明しています。この二つが立法目的だというわけですね。
これまで、訴訟といいますのは、判決に熟したとき、つまり主張、立証が尽くされたときに判決をするということになっています。これが近代訴訟の原則でもあります。諸外国でも同様です。期間を定めて、期間が到来したから判決するんだといった制度は諸外国にはないわけです。これは裁判の本質を根底から変えてしまうものではないのかと、そういった危惧を持っております。
裁判を受ける権利、これは憲法で定められた権利です。その中には、裁判所が当事者の言い分をしっかり聞いて、審理を尽くして判決をするというものが内容として含まれています。国民は、裁判所に事実を解明してもらいたい、そういったことを求める権利も持っているということであります。それで正しい裁判をやっていただく、これが国民の権利であります。
第二点目として、この制度では不十分で粗雑な審理になる危険性があると考えております。
この手続では、審理期間が限定されるということのために、事実上、主張や証拠が制限されてしまいます。不十分で粗雑な審理がなされる危険性があるんです。その結果、裁判にとって不可欠である事実の解明が不十分になったり、正しい裁判ができなくなってしまうおそれがあるわけです。
もちろん、迅速な裁判、これは誰もが望むところではありますが、どういった方法によってそれを実現するかが問題であります。利用者は、裁判は証拠に基づいて適切な事実認定がなされることがまず大前提であります。そして、それが早く行われることを望んでいるわけです。
実際の裁判では、そう単純なものではなくて、裁判というのは生き物だというふうに言われることもありますが、思い掛けない相手の主張や証拠が出てくることもありますし、それから、期間を制限されたことによってそういったものに対する反証が準備できない、そういったこともある。その結果、思い掛けなく敗訴するリスクもあります。この手続には元々そういったリスクがある、そういった手続であります。
こういったリスクがあることについては実は法務省も認めておられまして、そのためにはいろんな手当てを講じているんだということの説明がなされています。それについては後ほどまた詳しく述べたいと思いますが、それらの手当てを継ぎはぎしたとしても、この手続は粗雑な認定がなされるリスクを解消したとは言えないというふうに考えております。
三つ目の問題点としては、立法事実の検討ができていないことであります。
立法事実といいますのは、制度の必要性、それからそれを根拠付ける事実、社会的事実、そういったことをいいます。
立法提案者は、争点が少ない簡単な案件では本手続の需要があると言いますけれども、そのような事件は実は現行制度下でも短期間に判決ないし和解で終了しています。そもそも、このような手続を必要とするような事件類型が明らかになっていません。どんな場合に本手続の需要があるのか、そういったことが必ずしも明らかになっていないのです。立法事実が極めて不十分な提案であると言わざるを得ません。
この制度に賛成する方でも、せいぜい、あってもいいのではないの、選択肢が増えるからいいんじゃないのといった程度の賛成理由です。しかし、リスクが懸念されるのですから、その程度の必要性ならば立法は見送られるべきではないでしょうか。
次に、衆議院での審議を通じて明らかになった問題点について申し上げたいと思います。
今述べましたような問題点が指摘されてきたことに対しまして、法務省は、衆議院の法務委員会の審議の中で、予想される弊害については様々な手当てを講じていますという説明をされてきています。果たしてそうかという点について、以下六点にわたって述べたいと思います。
第一点目は、IT化の法案と同時に審議すべきテーマではないという点です。
期間限定訴訟といいますのは、そもそも民事裁判のIT化と直接関係のない提案であります。今述べましたようないろんな問題があって、裁判制度の根幹に関わるようなこの手続の問題をIT化の問題と併せて議論すべきではないというふうに考えています。
IT化は裁判実務に劇的な大変化をもたらすものです。様々な懸念があります。そういったものについての慎重な検討が必要です。そういった、日本の裁判にとって大変革となる大きな課題に取り組むときに、それと直接関連しない制度を導入して、それを一緒に審議させようというのはこそくなやり方ではないでしょうか。本手続は、期間制限というこれまでなかった制度、外国にもないような制度ですので、他の迅速化のための課題とも併せて別の場で堂々としっかり議論されるべき課題ではないでしょうか。
第二に、調査が不十分だという点であります。
衆議院の審議では、最高裁がこの手続の提案をした際には論文や調査報告書のなかったことが明らかになりました。海外にもないような制度なので、これについて書かれた論文もなく、研究はなされていないテーマであります。事前の調査研究が余りにも不十分で、生煮えの提案だったのではないかというふうに思います。
第三に、訴訟代理人の要件が付いていない点であります。
この制度をどんな場合にどんな事件に利用するのか、これを適切に判断するためには弁護士などの訴訟代理人が付いていることが不可欠です。法務省は、期間限定裁判は訴訟代理人が付いているような場合でないと認められないという説明をしましたが、しかし、実際の条文にはそのようなものは存在しません。条文を設けなかった理由について、法務省は、法務部を設けている企業が当事者になるような場合は、訴訟代理人が選任されていなくても期間限定裁判の使用を認める、認めていいんではないか、まあそれはそうでしょう、そういった説明をしました。
しかし、果たしてそのような企業が弁護士を訴訟代理人に選任しないで本人訴訟の形式を選択するでしょうか。本人訴訟というのは、法人の場合は社長若しくは支配人が裁判所に出頭しなければできないんです。そのために代理人に委任するわけですから、立派な法務部を設けている企業がそんなことは到底想像できないものであります。
それから、法務省は、訴訟代理人が選定されていなくても、適正な審理の実現を妨げると認められるときという条文に該当するとしまして、この手続の利用をさせないという決定を裁判所がすることができると言って説明しています。
しかし、そのような抽象的基準で適用除外されるでしょうか。ちょっと考えていただきたいんですが、本人訴訟の当事者がこの手続の利用をしたいというふうな申出をしてきたときに、裁判所が、あなたは代理人が付いていないから適正な審理の実現を妨げる場合に当たりますよ、この手続は利用できないんですよと果たして決定できるでしょうか。
結局、法務省の説明は、この手続には弊害とリスクのあることは認めながら、訴訟代理人が選任されている場合に限ることを明文化せず、裁判所の判断次第の抽象的な規定を設けるにとどまっております。これではリスク回避の制度的保障にはなっていません。
第四に、適用除外の類型が不十分だということです。
消費者契約に関する紛争、それから個別労働紛争、そういったものについて除外すると言っていますが、除外されるべきはそれだけではありません。労働者といっても、コンビニの店長や料理のデリバリー配達員や偽装請負のように形式的労働者でない場合もあります。そういった人たちも保護されるべきではないでしょうか。
第五に、通常訴訟への移行の点であります。
この手続は、粗雑な判決になってしまう、裁判になってしまうというリスクがあることから、途中で一方当事者が通常訴訟への移行申立てができる制度案に変更されました。つまり、乗り降り自由になったわけですが、これはそういったリスクに対応しようというものです。しかし、その結果、通常訴訟に移行することによって、当初、訴訟期間が予測できる制度だというふうに言われていたものが、とんでもないものに変わってしまいます。
そういったことで、私たちは、この訴訟手続には様々な問題があるので別の場でじっくりと御検討いただけないかと思って、今回の民事訴訟法の改正法案の中からは除外して、IT化の問題だけで改正法案を実現して進めていただきたいというふうに思って、意見を述べさせていただきました。
以上で私の意見陳述を終えさせていただきます。
矢
矢倉克夫#8
○委員長(矢倉克夫君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
高
高橋克法#9
○高橋克法君 ありがとうございます。
自民党の高橋克法です。
今日は、参考人の先生方には、大変お忙しいところ、ありがとうございます。一生懸命勉強させていただきますので、よろしくお願いします。
今回のこの民訴法改正の問題点は二つあると思っています。
本人訴訟の割合が地裁約五割強、簡裁約九割強という中で、このIT化が混乱を引き起こすという結果にならないのかという、そういう問題と、それから、今、国府先生がおっしゃったように、期間限定裁判について、国民の裁判を受ける権利を侵害する危険性が大いにあるんではないかという問題点を私自身も認識をいたしております。
そういう問題意識の中から、参考人の先生方に質問をさせていただきます。
まず、小澤参考人の説明を聞きまして、先ほど申し上げた問題点の一番目、IT化がもたらす混乱、このIT化の土俵に乗れない方々がたくさんいらっしゃる、そういう方々をどうするのかと。それに対して、日司連を始めとする実務家の皆さんが力強いサポート体制をつくろうということで努力されていることも今よく分かりました。
そういう中で、小澤参考人にお伺いしたいんですが、小澤参考人は現場で実務家としてお仕事をされていますから、そういった問題点を解決するために具体的に国がどのような方策を講じればよいのか、そのことをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →自民党の高橋克法です。
今日は、参考人の先生方には、大変お忙しいところ、ありがとうございます。一生懸命勉強させていただきますので、よろしくお願いします。
今回のこの民訴法改正の問題点は二つあると思っています。
本人訴訟の割合が地裁約五割強、簡裁約九割強という中で、このIT化が混乱を引き起こすという結果にならないのかという、そういう問題と、それから、今、国府先生がおっしゃったように、期間限定裁判について、国民の裁判を受ける権利を侵害する危険性が大いにあるんではないかという問題点を私自身も認識をいたしております。
そういう問題意識の中から、参考人の先生方に質問をさせていただきます。
まず、小澤参考人の説明を聞きまして、先ほど申し上げた問題点の一番目、IT化がもたらす混乱、このIT化の土俵に乗れない方々がたくさんいらっしゃる、そういう方々をどうするのかと。それに対して、日司連を始めとする実務家の皆さんが力強いサポート体制をつくろうということで努力されていることも今よく分かりました。
そういう中で、小澤参考人にお伺いしたいんですが、小澤参考人は現場で実務家としてお仕事をされていますから、そういった問題点を解決するために具体的に国がどのような方策を講じればよいのか、そのことをお伺いしたいと思います。
小
小澤吉徳#10
○参考人(小澤吉徳君) 御質問どうもありがとうございます。先生が御指摘いただいた、その現場で本人訴訟の支援に当たっている者の立場から回答申し上げたいと思います。
御質問いただいたとおり、本人訴訟の当事者の方が書面での訴えを続けたままということになりますと、裁判所内部の事務負担が増えるばかりではなく、IT化の恩恵を肝腎の国民が享受できないと、それでは何のために多額の国費を投入するかという意見が出てきてしまうのではないかというふうにも考えております。
具体的にどのような施策をということにつきましては、冒頭意見で述べさせていただいた日本司法書士会連合会の取組がございますけれども、それに加えて、被告の方に訴えの通知をされる際には、定型的に法テラスや弁護士会、司法書士会の相談窓口の連絡先を記載するといった工夫とともに、相談窓口の充実の一環として、司法書士、弁護士を積極的に活用するため、民事法律扶助における相談援助の拡充も併せて検討されるべきではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →御質問いただいたとおり、本人訴訟の当事者の方が書面での訴えを続けたままということになりますと、裁判所内部の事務負担が増えるばかりではなく、IT化の恩恵を肝腎の国民が享受できないと、それでは何のために多額の国費を投入するかという意見が出てきてしまうのではないかというふうにも考えております。
具体的にどのような施策をということにつきましては、冒頭意見で述べさせていただいた日本司法書士会連合会の取組がございますけれども、それに加えて、被告の方に訴えの通知をされる際には、定型的に法テラスや弁護士会、司法書士会の相談窓口の連絡先を記載するといった工夫とともに、相談窓口の充実の一環として、司法書士、弁護士を積極的に活用するため、民事法律扶助における相談援助の拡充も併せて検討されるべきではないかというふうに考えております。
高
高橋克法#11
○高橋克法君 加えまして、簡易裁判所についても地方裁判所と同様にIT化する内容となっています。簡易裁判所に対する専門家とも言える司法書士の立場から、例えばですよ、失礼な言い方ですが、簡易裁判所はIT化に対応することが本当にできるのかというようなことも含めて心配な点はありますでしょうか。小澤参考人にお伺いします。
この発言だけを見る →小
小澤吉徳#12
○参考人(小澤吉徳君) ありがとうございます。
簡易裁判所を利用される方々というのは、やはり紛争の額が少額であることから、迅速に解決したいというニーズをお持ちの方が極めて多いというふうに考えております。こういった意味で、おいてはIT化の活用と非常に親和的なのではないかというふうに考えているところであります。ですので、簡易裁判所のIT化こそ国民が最も望んでいるものであるというふうにも考えているところであります。
他方で、少額紛争の特性から、その解決に要するコストをできるだけ低廉に抑えたいというニーズをお持ちの方も多いというのが特徴だと思います。すなわち、士業者に委任するとしても、できるだけ費用を抑えたいとお考えになるということが多いと思いますので、私たち司法書士としても、代理業務としての受任とともに書類作成業務としてのメニューも提示をしながら、まさに当事者と二人三脚で紛争解決に当たっています。先ほどの申し上げた民事法律扶助制度の拡充などによって対応されるべき問題というふうに考えております。
この発言だけを見る →簡易裁判所を利用される方々というのは、やはり紛争の額が少額であることから、迅速に解決したいというニーズをお持ちの方が極めて多いというふうに考えております。こういった意味で、おいてはIT化の活用と非常に親和的なのではないかというふうに考えているところであります。ですので、簡易裁判所のIT化こそ国民が最も望んでいるものであるというふうにも考えているところであります。
他方で、少額紛争の特性から、その解決に要するコストをできるだけ低廉に抑えたいというニーズをお持ちの方も多いというのが特徴だと思います。すなわち、士業者に委任するとしても、できるだけ費用を抑えたいとお考えになるということが多いと思いますので、私たち司法書士としても、代理業務としての受任とともに書類作成業務としてのメニューも提示をしながら、まさに当事者と二人三脚で紛争解決に当たっています。先ほどの申し上げた民事法律扶助制度の拡充などによって対応されるべき問題というふうに考えております。
高
高橋克法#13
○高橋克法君 ありがとうございました。
日本は裁判のIT化が進んでいない、片や外国では進んでいる。それについての研究については杉山参考人が非常に深い研究を、調査研究をされているというのを文献等を読ませていただいて知った次第です。
先ほどの、この今回の民訴法改正の問題点にも関わるんですけれども、そういう問題意識の上に立った上で、杉山参考人が諸外国の民事裁判のIT化の状況を研究されて、そういった諸外国に見習うべき点があれば是非とも御紹介をいただきたいと思います。杉山参考人に質問します。
この発言だけを見る →日本は裁判のIT化が進んでいない、片や外国では進んでいる。それについての研究については杉山参考人が非常に深い研究を、調査研究をされているというのを文献等を読ませていただいて知った次第です。
先ほどの、この今回の民訴法改正の問題点にも関わるんですけれども、そういう問題意識の上に立った上で、杉山参考人が諸外国の民事裁判のIT化の状況を研究されて、そういった諸外国に見習うべき点があれば是非とも御紹介をいただきたいと思います。杉山参考人に質問します。
杉
杉山悦子#14
○参考人(杉山悦子君) 御質問ありがとうございました。
私は裁判IT化の研究会では特にイギリスの制度について調査をいたしましたので、そちらの例を簡単に紹介させていただければと思います。
イギリスの場合には、今、日本がしているように一気に国の全ての裁判所でオンライン申立てとかIT化を進めるというのではなくて、やっぱりこのIT化の問題というのは技術にも依存するところでありますので、なるべく実験をして試行錯誤をしながら、良いところは取り入れる、良くないところは修正していくという形で、民事訴訟法というのは、民事訴訟規則を改正するとなりますと国会で審議をしなければなりませんので、それを実務の通達レベルに委託をしまして、そこで期間を決めてテストをしているというところはあります。
さらに、そのテストをするに当たりましても、まずはロンドンのなるべくビジネスというか商事紛争を主に扱うような裁判所から実験を始めて、それがやはりかなりいいということで、もう少し一般の少額の訴訟などでも広がっているというような事情がございます。
さらに、一般の人が関わるものでも少額の債権を回収するというものになりますと、やっぱりオンラインでなるべく裁判所に出頭することなく判決などが出る方が望ましいということで、それもテストのようなプログラムがありまして、オンラインで裁判を受けることができるような制度というものがつくられていると、調べて分かっております。
最初はそのロンドンの一つの裁判所から始まったんですけれども、今はかなりの裁判所でオンライン申立てが広がっておりますし、またコロナ禍でかなりウエブなどを利用した審理というものもいち早く活用しているということも分かっております。
この発言だけを見る →私は裁判IT化の研究会では特にイギリスの制度について調査をいたしましたので、そちらの例を簡単に紹介させていただければと思います。
イギリスの場合には、今、日本がしているように一気に国の全ての裁判所でオンライン申立てとかIT化を進めるというのではなくて、やっぱりこのIT化の問題というのは技術にも依存するところでありますので、なるべく実験をして試行錯誤をしながら、良いところは取り入れる、良くないところは修正していくという形で、民事訴訟法というのは、民事訴訟規則を改正するとなりますと国会で審議をしなければなりませんので、それを実務の通達レベルに委託をしまして、そこで期間を決めてテストをしているというところはあります。
さらに、そのテストをするに当たりましても、まずはロンドンのなるべくビジネスというか商事紛争を主に扱うような裁判所から実験を始めて、それがやはりかなりいいということで、もう少し一般の少額の訴訟などでも広がっているというような事情がございます。
さらに、一般の人が関わるものでも少額の債権を回収するというものになりますと、やっぱりオンラインでなるべく裁判所に出頭することなく判決などが出る方が望ましいということで、それもテストのようなプログラムがありまして、オンラインで裁判を受けることができるような制度というものがつくられていると、調べて分かっております。
最初はそのロンドンの一つの裁判所から始まったんですけれども、今はかなりの裁判所でオンライン申立てが広がっておりますし、またコロナ禍でかなりウエブなどを利用した審理というものもいち早く活用しているということも分かっております。
高
高橋克法#15
○高橋克法君 ありがとうございました。
国府参考人が問題点として挙げられた期間限定裁判、これ正直、私自身も今回の参考人のこの質疑の前に国府参考人の論文等も読ませていただいて、正直言います、自分自身は、例えば双方の申立てによる期間限定裁判、しかしその期間限定裁判をやっていても途中から通常裁判への移行ということもできるというような、そういう制度が組まれているとすれば余り問題はないのではないかというような素人の安易な感覚、先ほど国府先生がおっしゃった、まあ選択肢が増える、あってもいいのではないかなと、まさにそういう感覚を持っていましたが、国府先生の論文を読み、また今先生の説明を聞いて、三つの大きな問題点、また弊害については法務省側から、役所の方から様々な手当てをしているといっても、それはやっぱり問題があるよという六つの点という話を聞きました。これは、私自身が以前に考えていた、感じていた、そんなに簡単な話ではないんだなと、こういった危険性、リスクというのは十二分に議論をしてこの民訴法改正の制度設計を進めていかないと、やはり万が一のことが起こり得るという認識を持った次第なんですね。これ、お恥ずかしながら私はそういう感覚を持っていましたので。
その上で、あえて、別に国府先生を無視しているわけじゃないんですよ、国府先生から今いろいろお話も聞きましたんで、杉山先生と小澤先生からは、この期間限定裁判について、杉山先生ちょっと触れられましたけれども、この国府参考人の問題意識、これらについて杉山先生と小澤先生がどういうふうな御所見を持っていらっしゃるか、お願いをしたいと思います。
この発言だけを見る →国府参考人が問題点として挙げられた期間限定裁判、これ正直、私自身も今回の参考人のこの質疑の前に国府参考人の論文等も読ませていただいて、正直言います、自分自身は、例えば双方の申立てによる期間限定裁判、しかしその期間限定裁判をやっていても途中から通常裁判への移行ということもできるというような、そういう制度が組まれているとすれば余り問題はないのではないかというような素人の安易な感覚、先ほど国府先生がおっしゃった、まあ選択肢が増える、あってもいいのではないかなと、まさにそういう感覚を持っていましたが、国府先生の論文を読み、また今先生の説明を聞いて、三つの大きな問題点、また弊害については法務省側から、役所の方から様々な手当てをしているといっても、それはやっぱり問題があるよという六つの点という話を聞きました。これは、私自身が以前に考えていた、感じていた、そんなに簡単な話ではないんだなと、こういった危険性、リスクというのは十二分に議論をしてこの民訴法改正の制度設計を進めていかないと、やはり万が一のことが起こり得るという認識を持った次第なんですね。これ、お恥ずかしながら私はそういう感覚を持っていましたので。
その上で、あえて、別に国府先生を無視しているわけじゃないんですよ、国府先生から今いろいろお話も聞きましたんで、杉山先生と小澤先生からは、この期間限定裁判について、杉山先生ちょっと触れられましたけれども、この国府参考人の問題意識、これらについて杉山先生と小澤先生がどういうふうな御所見を持っていらっしゃるか、お願いをしたいと思います。
矢
杉
杉山悦子#17
○参考人(杉山悦子君) 御質問ありがとうございました。
この法定期間制度に関しましては、確かに裁判を受ける権利を侵害するのではないかという批判があることは承知しているのですが、他方で、終わりが見えない、いつ裁判が終わるか分からない、どれぐらい時間が掛かるか分からないがために訴えを提起することができない人たちがいるとすれば、それこそ裁判を受ける権利の侵害になるのではなかろうかと思っています。
じっくり時間を掛けて聞いてもらうということも重要なんですけれども、特にビジネスの世界などでは何年も紛争解決に時間が掛かっていると困るということもあり、そうすると民事訴訟の利用を控えてしまうというよりは、より使いやすい、そして短期間に、そして集中的に審理をするという制度をつくり、裁判を受ける権利を実質的なものにするということが必要であろうかと思っておりまして、この法定審理期間の制度がそのような制度になるかどうかと、実は実務家の方の努力にも懸かっているかと思いますけれども、一つのそのきっかけになるのではないかと思っております。
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じっくり時間を掛けて聞いてもらうということも重要なんですけれども、特にビジネスの世界などでは何年も紛争解決に時間が掛かっていると困るということもあり、そうすると民事訴訟の利用を控えてしまうというよりは、より使いやすい、そして短期間に、そして集中的に審理をするという制度をつくり、裁判を受ける権利を実質的なものにするということが必要であろうかと思っておりまして、この法定審理期間の制度がそのような制度になるかどうかと、実は実務家の方の努力にも懸かっているかと思いますけれども、一つのそのきっかけになるのではないかと思っております。
小
小澤吉徳#18
○参考人(小澤吉徳君) 私は、この手続については一定のニーズがあるのではないかというふうな意見を当初から持っております。また、法制審議会部会においても様々な、国府先生がおっしゃられたような御懸念は多くの委員から出され、そしてそれに応える形で練りに練られた案だというふうに私は理解をしておりまして、特則が濫用的に利用されることを防止するためには、先ほど国府先生の説明にもありましたが、消費者契約に関する訴えなどなど適用除外を設けておりますし、その点については私としては心配はないのではないかというふうな意見を持っております。
この発言だけを見る →高
高橋克法#19
○高橋克法君 大変ありがとうございました。
今日、私自身は一番目の質疑者ですが、これから与党の先生、野党の先生方からも参考人の先生方に質疑を行います。その質疑の中でしっかりと自分自身学んでいって、この民訴法改正についての議論に参加をしていきたいと思っておりますので、国府先生に対する質疑も野党の先生方からもたくさんあると思いますので、先生、済みません、もう時間が来ちゃったんで、国府先生に質疑ができないんで申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
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ありがとうございました。
有
有田芳生#20
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。
今朝も電車に乗っておりましたら、まあ最近いつでもそうなんですけれども、電車の中で本読む人というのはほとんど見ないどころか、それ以上に新聞を読んでいる人なんていうのはもう珍しいぐらいな時代になってしまいました。ですから、新聞社なども、恐ろしい勢いで今紙媒体が少なく、減少している状況の下で、各新聞社もネットの重視という時代になっておりますというところに見られるように、この司法の分野だけではなく、あらゆる社会の中でのIT化というのはもう避けられないというのは分かるんです。
そういうことは前提として理解しながらも、まず杉山参考人にお聞きをしたいんですけれども、全面的なIT化という表現なされました。そういう流れは押しとどめることはできないのは分かりつつ、外国法制についての研究もなさっているという、一言おっしゃっておりましたけれども、外国での流れというものは、例えば韓国などが結構進んでいるということも聞くんですけれども、先生から見ていて、諸外国での著しい水準というのはどういうことがあるのか、ちょっと典型的なことをお聞きしたいというのが一点目。
二点目は、私が危惧するのは、オンラインでの証人尋問の際、不正を排除できるのかどうかという問題なんですよね。大学入試でも、女子学生が試験の内容を外に送って、外から解答が来るというような、非常に、恐らく複雑ではないやり方なんだけど、今ネットの社会において様々な不正が可能な時代だと思うんです。その点についての危惧があるんですが、いかがでしょうかというのが二点目。
三点目の質問は、デメリットの件ですけれども、やはり、私も何度も訴えられたりして裁判所に行くことはあるんだけれども、やはり相手の弁護士などとの、やっぱり顔色を見て、この人は本当に正直に語っているんだろうかということを含めて、人間と人間の関係というのはやはり対面というのが物すごく重要だと思うんですよね。確かに、私は沖縄の仕事やっていますけれども、沖縄までわざわざ行かなくたってズームで会議をやることができるという便利さはあるんだけれども、ただ、恐らく先生なんかも、ズームで講演なんかをなさるときでも、相手の表情が見えないという物すごいデメリットもあると思うんです。
だから、特に裁判という機微な問題において、そういう人間の根源的な感覚というものを重視すべきだという点からすると、デメリットになるんではないかななんというふうに思ったんですけれども、その三点、お聞きをまずしたいと思います。
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そういうことは前提として理解しながらも、まず杉山参考人にお聞きをしたいんですけれども、全面的なIT化という表現なされました。そういう流れは押しとどめることはできないのは分かりつつ、外国法制についての研究もなさっているという、一言おっしゃっておりましたけれども、外国での流れというものは、例えば韓国などが結構進んでいるということも聞くんですけれども、先生から見ていて、諸外国での著しい水準というのはどういうことがあるのか、ちょっと典型的なことをお聞きしたいというのが一点目。
二点目は、私が危惧するのは、オンラインでの証人尋問の際、不正を排除できるのかどうかという問題なんですよね。大学入試でも、女子学生が試験の内容を外に送って、外から解答が来るというような、非常に、恐らく複雑ではないやり方なんだけど、今ネットの社会において様々な不正が可能な時代だと思うんです。その点についての危惧があるんですが、いかがでしょうかというのが二点目。
三点目の質問は、デメリットの件ですけれども、やはり、私も何度も訴えられたりして裁判所に行くことはあるんだけれども、やはり相手の弁護士などとの、やっぱり顔色を見て、この人は本当に正直に語っているんだろうかということを含めて、人間と人間の関係というのはやはり対面というのが物すごく重要だと思うんですよね。確かに、私は沖縄の仕事やっていますけれども、沖縄までわざわざ行かなくたってズームで会議をやることができるという便利さはあるんだけれども、ただ、恐らく先生なんかも、ズームで講演なんかをなさるときでも、相手の表情が見えないという物すごいデメリットもあると思うんです。
だから、特に裁判という機微な問題において、そういう人間の根源的な感覚というものを重視すべきだという点からすると、デメリットになるんではないかななんというふうに思ったんですけれども、その三点、お聞きをまずしたいと思います。
杉
杉山悦子#21
○参考人(杉山悦子君) 御質問ありがとうございました。
一点目からでありますけれども、諸外国に関しましても、私自身はイギリスを調査いたしましたが、ほかにもドイツ、フランス、アメリカの調査もございますし、韓国、シンガポールなどの調査も弁護士の先生などがされているものを拝見することがございます。
特に、何か電子的な法廷というよりはオンライン申立ての方が諸外国では進んでいるようでありまして、どのようなシステムを使うかについては国によって差はございますけれども、基本的には弁護士の人については書類等はオンラインで申し立てると、記録も電子記録を閲覧するということが、という点が多くの国が採用している制度になっているようです。ちょっと、細かな制度はちょっと少し紹介するのはあれですけれども。したがって、特に、紙ではなくて電子で申立てという点につきましては、それらの国ではかなり進んでいるというふうに理解をしているところであります。
二点目ですけれども、オンラインの証人尋問で不正があるかどうかということは、これは法制審議会でもそうですし、その前の研究会でも、特に実務家の先生から指摘がされてきたところであります。証人がいる部屋に第三者がいて何か指示をしているのではないか、そういう可能性なども指摘がされてきたところでありますが、そこは運用で対処するという点で、対処せざるを得ないところであろうかと思います。
ただ、よくよく考えてみますと、対面で法廷で証人尋問するときであっても、技術がだんだん発達していますので、もしかしたらカンニングなんてことも将来できるようになるのではないかという気もしているところでありますが、ただ、ウエブの場合にはそのような不正が見えない場面が多いので、しやすいというのが現在の状況であろうかと思います。
実務家の方から聞く工夫としては、最初にその部屋に誰もいないのかカメラで全部部屋を映して確認をしてもらうとか、もしそれでもなお不正をする可能性がある人、ような可能性がある場合にはやっぱりオンラインではしないと、対面で聞くということが保障されているので、そのような不正の可能性がある場合には、実際には裁判所に出頭してきていただくということになろうかと思います。
最後の点もその点と関わりますけれども、オンラインの方よりは対面の方が、これは実際に当事者の主張だけ聞く場面と証人の機微な、何といいますか、動作などを見ながら証人尋問する場合とでは少し違うのかもしれませんけれども、まだ現在の技術では対面の方がその辺りがよく酌み取りやすいことが多いということは承知をしているところです。
ただ、他方で、実際に裁判所に出頭するのがすごく困難であるような人、証人については、ウエブで尋問できるとかなり便利、メリットの方が上回ることになりますし、今後、もう少し通信環境などが良くなれば、実際に対面、技術が発展していきまして、対面で話を聞くのとオンライン上で話を聞くのとそれほど大差がないような時代も近いうちに来るのではないかと思っておりまして、そうであれば、両者の、何といいますか、垣根は、要するに対面の場合とウエブの場合と、オンラインの場合の違いというのは余りなくなっていくのではないか、その辺りを少し期待はしているところであります。
以上になります。
この発言だけを見る →一点目からでありますけれども、諸外国に関しましても、私自身はイギリスを調査いたしましたが、ほかにもドイツ、フランス、アメリカの調査もございますし、韓国、シンガポールなどの調査も弁護士の先生などがされているものを拝見することがございます。
特に、何か電子的な法廷というよりはオンライン申立ての方が諸外国では進んでいるようでありまして、どのようなシステムを使うかについては国によって差はございますけれども、基本的には弁護士の人については書類等はオンラインで申し立てると、記録も電子記録を閲覧するということが、という点が多くの国が採用している制度になっているようです。ちょっと、細かな制度はちょっと少し紹介するのはあれですけれども。したがって、特に、紙ではなくて電子で申立てという点につきましては、それらの国ではかなり進んでいるというふうに理解をしているところであります。
二点目ですけれども、オンラインの証人尋問で不正があるかどうかということは、これは法制審議会でもそうですし、その前の研究会でも、特に実務家の先生から指摘がされてきたところであります。証人がいる部屋に第三者がいて何か指示をしているのではないか、そういう可能性なども指摘がされてきたところでありますが、そこは運用で対処するという点で、対処せざるを得ないところであろうかと思います。
ただ、よくよく考えてみますと、対面で法廷で証人尋問するときであっても、技術がだんだん発達していますので、もしかしたらカンニングなんてことも将来できるようになるのではないかという気もしているところでありますが、ただ、ウエブの場合にはそのような不正が見えない場面が多いので、しやすいというのが現在の状況であろうかと思います。
実務家の方から聞く工夫としては、最初にその部屋に誰もいないのかカメラで全部部屋を映して確認をしてもらうとか、もしそれでもなお不正をする可能性がある人、ような可能性がある場合にはやっぱりオンラインではしないと、対面で聞くということが保障されているので、そのような不正の可能性がある場合には、実際には裁判所に出頭してきていただくということになろうかと思います。
最後の点もその点と関わりますけれども、オンラインの方よりは対面の方が、これは実際に当事者の主張だけ聞く場面と証人の機微な、何といいますか、動作などを見ながら証人尋問する場合とでは少し違うのかもしれませんけれども、まだ現在の技術では対面の方がその辺りがよく酌み取りやすいことが多いということは承知をしているところです。
ただ、他方で、実際に裁判所に出頭するのがすごく困難であるような人、証人については、ウエブで尋問できるとかなり便利、メリットの方が上回ることになりますし、今後、もう少し通信環境などが良くなれば、実際に対面、技術が発展していきまして、対面で話を聞くのとオンライン上で話を聞くのとそれほど大差がないような時代も近いうちに来るのではないかと思っておりまして、そうであれば、両者の、何といいますか、垣根は、要するに対面の場合とウエブの場合と、オンラインの場合の違いというのは余りなくなっていくのではないか、その辺りを少し期待はしているところであります。
以上になります。
有
有田芳生#22
○有田芳生君 更に一点追加でお聞きを、杉山参考人にお聞きしたいんですけれども、オンラインでの証人尋問について法務省に聞いたところ、限定的にやるんだというようなニュアンスの説明だったんですよね。
じゃ、それはどういう意味かというと、オンラインでの証人尋問は、例えばお医者さんなら信用できるという言い方なんですよね。これはもう、お医者さんは立派な方で悪いことはしないという性善説に立った説明だったと思うんですけれども、私は、性善説にも性悪説にも立たず、性弱説、人間は弱いものだという考えにおりますので、幾らお医者さんだから大丈夫だみたいな説明されると、それはちょっと甘いんじゃないかなと思うんですけれども、法務省の説明がそうだったんです。それについてはいかがでしょうか。
この発言だけを見る →じゃ、それはどういう意味かというと、オンラインでの証人尋問は、例えばお医者さんなら信用できるという言い方なんですよね。これはもう、お医者さんは立派な方で悪いことはしないという性善説に立った説明だったと思うんですけれども、私は、性善説にも性悪説にも立たず、性弱説、人間は弱いものだという考えにおりますので、幾らお医者さんだから大丈夫だみたいな説明されると、それはちょっと甘いんじゃないかなと思うんですけれども、法務省の説明がそうだったんです。それについてはいかがでしょうか。
杉
杉山悦子#23
○参考人(杉山悦子君) 御質問ありがとうございます。
お医者様を裁判に呼んでくるときに、要するに証人ですね、例えば実際に原告となっている患者さんを診た立場として証人尋問する場合と、あとは中立的な専門家として意見を述べる場合と、両方あるかと思います。双方ウエブで尋問とか意見陳述をすることが可能になるわけでありますが、後者の事例であれば、比較的お医者様であれば大丈夫だということは言えるかと思いますが、前者の場合には、先生御指摘のとおり、ケース・バイ・ケースであろうかとは思います。
したがって、万が一その不正をするような可能性があるということを思うのであれば、裁判所として、やっぱり相当な事情があるかどうかということを判断してウエブによる尋問を認めるかどうかを決定することになりますので、こういう類型の人であれば定型的にウエブでやって、そうでない人は対面だというわけではなくて、やっぱり事案を見て裁判官が判断していくことになろうかと思っております。
この発言だけを見る →お医者様を裁判に呼んでくるときに、要するに証人ですね、例えば実際に原告となっている患者さんを診た立場として証人尋問する場合と、あとは中立的な専門家として意見を述べる場合と、両方あるかと思います。双方ウエブで尋問とか意見陳述をすることが可能になるわけでありますが、後者の事例であれば、比較的お医者様であれば大丈夫だということは言えるかと思いますが、前者の場合には、先生御指摘のとおり、ケース・バイ・ケースであろうかとは思います。
したがって、万が一その不正をするような可能性があるということを思うのであれば、裁判所として、やっぱり相当な事情があるかどうかということを判断してウエブによる尋問を認めるかどうかを決定することになりますので、こういう類型の人であれば定型的にウエブでやって、そうでない人は対面だというわけではなくて、やっぱり事案を見て裁判官が判断していくことになろうかと思っております。
有
有田芳生#24
○有田芳生君 次に、小澤参考人に二点お聞きをしたいんですけれども、今日の資料の中の写真で説明されている取組の中で、四番目に裁判IT化に関する市民公開シンポジウムの開催と、非常に貴重な取組をなさっているなと思いましたけれども、この写真の中で、宇宙からでも裁判できますかとあるんだけれども、これについてはどういう御回答をなされたのかなというのが素朴な疑問と、二点目に、この市民公開シンポジウム、三月二十六日なんですけれども、どのぐらいの人々が集まられたのかということと、これからも定期的にこういう催しを進めていらっしゃるんでしょうかという二点をお聞きいたします。
この発言だけを見る →小
小澤吉徳#25
○参考人(小澤吉徳君) 御質問ありがとうございます。
この宇宙からでも裁判できますかという点なんですけれど、これは少し大げさに表現をしたもので、もちろん現状では難しいということは御案内のとおりかと思います。
参加者でございますけれども、二百名程度の参加者があったというふうに記憶しております。内訳としては、やはり司法書士会で開催するシンポジウムでございますので司法書士の割合が多かったわけでございますけれども、弁護士さんであるとか一般の方の参加もありました。
そして、こういった市民の皆様にこの裁判のIT化のメリットを考えていただくという、こういった機会は今後も会として継続をしてまいりたいと思っておりますし、また同時に、会員に対する研修も今後充実させていきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →この宇宙からでも裁判できますかという点なんですけれど、これは少し大げさに表現をしたもので、もちろん現状では難しいということは御案内のとおりかと思います。
参加者でございますけれども、二百名程度の参加者があったというふうに記憶しております。内訳としては、やはり司法書士会で開催するシンポジウムでございますので司法書士の割合が多かったわけでございますけれども、弁護士さんであるとか一般の方の参加もありました。
そして、こういった市民の皆様にこの裁判のIT化のメリットを考えていただくという、こういった機会は今後も会として継続をしてまいりたいと思っておりますし、また同時に、会員に対する研修も今後充実させていきたいというふうに考えております。
有
有田芳生#26
○有田芳生君 二百人というのはよく集まられたなというふうに思いましたんで、これからの御活動を期待したいと思うんですが。
最後に、国府参考人に三点お聞きをしたいと思います。
期間限定裁判について、諸外国にはそういうケースはないというお話でしたけれども、議論もなかったのかどうかというのをお聞きしたいのが一点。それから二番目に、IT化の流れの中でなぜこのテーマが入ってきたのか。私が知る限り、法制審の審議の中では思い付きなんだという発言もあったと記憶しているんですけれども、やはりIT化の法改正案の中にこれが入っているというのはいかがなものかというのは私は思っているんですけれども、それについてお聞きをしたい。三点目に、期間限定なんだけれども、なぜ六か月ということなのか、その認識についてお話し願えればと思います。
この発言だけを見る →最後に、国府参考人に三点お聞きをしたいと思います。
期間限定裁判について、諸外国にはそういうケースはないというお話でしたけれども、議論もなかったのかどうかというのをお聞きしたいのが一点。それから二番目に、IT化の流れの中でなぜこのテーマが入ってきたのか。私が知る限り、法制審の審議の中では思い付きなんだという発言もあったと記憶しているんですけれども、やはりIT化の法改正案の中にこれが入っているというのはいかがなものかというのは私は思っているんですけれども、それについてお聞きをしたい。三点目に、期間限定なんだけれども、なぜ六か月ということなのか、その認識についてお話し願えればと思います。
国
国府泰道#27
○参考人(国府泰道君) 御質問ありがとうございます。
まず第一点目の、外国にはないということで、外国で議論がどうなっているのかということですが、残念ながら私は外国の議論の状況は知りませんが、ただ、最初から期限を定めてそれでやろうというやり方はやはり裁判の原則に反するものではないかというふうに思いますので、そういった発想が僕はそもそもないのではないのかなというふうに思います。
それから、我が国では期間の定めのないのかというと、審理計画を定めて審理をするというのが民訴法の百四十七条辺りにあったと思うんですが、これはまあ基本的に複雑な訴訟を前提にしてやるわけですが、そこでは、主張、立証の期間をいつまでとする、判決をいついつまでに出す、証人尋問もいつまでにするという期間を定めているものはあります。だけど、この期間を定めたものは全く使われていないということで、そういったものがなぜ使われていないのかについてまず検証することが先ではないかというふうに思います。
それから第二点目の、IT化の議論になぜ入ってきたのか、これは私も分かりませんし、見た限りそういったことが説明されてきたものはございません。ただ、これも、ここから私の推測ですが、これがIT化研究会の第二読会に出てきたときに、その年の一月の最高裁長官の年頭の御挨拶の中で、IT化だけではなくて、この機会に訴訟手続のいろんな見直しをしてはどうかという、そういうお話がありました。だから、そういうお話を受けて、最高裁の事務局が何かないかなということで言われたのかもしれません。ここはもう全く私の推測ですので、確証のない話です。
それから三つ目が、あれですかね、なぜ六か月なのかということなんですが、これも、六か月に定められた理由は、これまでなぜ六か月かという説明はありませんでしたが、元々、準備書面の通数を三通に制限するとか弁論の回数を三回程度にするとか、そういう議論から出発してきました。だけど、主張、立証することで制限するのはおかしいという議論が出てきて、その立証方法の制限ではなくて期間の制限に変わっていったわけですね。そのときに、弁論と弁論の期日の間隔が一か月とか二か月ということだとしたら、まあ三回弁論するんだったら六か月ぐらいでいいんじゃないかというようなことで出てきた期間ではないかというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →まず第一点目の、外国にはないということで、外国で議論がどうなっているのかということですが、残念ながら私は外国の議論の状況は知りませんが、ただ、最初から期限を定めてそれでやろうというやり方はやはり裁判の原則に反するものではないかというふうに思いますので、そういった発想が僕はそもそもないのではないのかなというふうに思います。
それから、我が国では期間の定めのないのかというと、審理計画を定めて審理をするというのが民訴法の百四十七条辺りにあったと思うんですが、これはまあ基本的に複雑な訴訟を前提にしてやるわけですが、そこでは、主張、立証の期間をいつまでとする、判決をいついつまでに出す、証人尋問もいつまでにするという期間を定めているものはあります。だけど、この期間を定めたものは全く使われていないということで、そういったものがなぜ使われていないのかについてまず検証することが先ではないかというふうに思います。
それから第二点目の、IT化の議論になぜ入ってきたのか、これは私も分かりませんし、見た限りそういったことが説明されてきたものはございません。ただ、これも、ここから私の推測ですが、これがIT化研究会の第二読会に出てきたときに、その年の一月の最高裁長官の年頭の御挨拶の中で、IT化だけではなくて、この機会に訴訟手続のいろんな見直しをしてはどうかという、そういうお話がありました。だから、そういうお話を受けて、最高裁の事務局が何かないかなということで言われたのかもしれません。ここはもう全く私の推測ですので、確証のない話です。
それから三つ目が、あれですかね、なぜ六か月なのかということなんですが、これも、六か月に定められた理由は、これまでなぜ六か月かという説明はありませんでしたが、元々、準備書面の通数を三通に制限するとか弁論の回数を三回程度にするとか、そういう議論から出発してきました。だけど、主張、立証することで制限するのはおかしいという議論が出てきて、その立証方法の制限ではなくて期間の制限に変わっていったわけですね。そのときに、弁論と弁論の期日の間隔が一か月とか二か月ということだとしたら、まあ三回弁論するんだったら六か月ぐらいでいいんじゃないかというようなことで出てきた期間ではないかというふうに思います。
以上です。
有
安
安江伸夫#29
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。
今日は、杉山先生、小澤先生、また国府先生、大変、それぞれのお立場、専門性を生かした貴重な御意見を賜りまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。
私からは、まず小澤参考人に御質問をさせていただきたいと思います。
今回の法改正の趣旨は、言うまでもなく、一層の裁判の迅速化と効率化を図り、民事裁判が国民により利用しやすいものにするという当然の前提が、目標がございますが、その上で、先ほど小澤参考人からも御説明をいただいております、様々な司法書士会の皆様方の取組については本当に敬意を表しますとともに、引き続き、とりわけこの本人訴訟を行われる方に対するサポートということを行っていただきたいということを改めて強く思った次第であります。
その上で、御質問でございますけれども、先ほどの高橋委員の御質問とも若干重複をいたしますが、やはり国として、政府として、この本人訴訟、これを支援していく、そのために何ができるかという観点でお伺いをしますが、先ほど高橋委員からの御質問に対して、民事法律扶助制度、この充実ということも御指摘をいただいたところであります。そのあるべき制度の姿、求めるところということをいま一度深掘りして御答弁をいただきたいということと、あわせまして、アクセスを図っていくという観点から、被告に対して窓口等を紹介するということも御示唆をいただいたところでございます。これについて付言するところがあればということと併せて、先ほどの御答弁なかった点で更にこれをというものがあれば、付加して御答弁いただければと思います。お願いします。
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私からは、まず小澤参考人に御質問をさせていただきたいと思います。
今回の法改正の趣旨は、言うまでもなく、一層の裁判の迅速化と効率化を図り、民事裁判が国民により利用しやすいものにするという当然の前提が、目標がございますが、その上で、先ほど小澤参考人からも御説明をいただいております、様々な司法書士会の皆様方の取組については本当に敬意を表しますとともに、引き続き、とりわけこの本人訴訟を行われる方に対するサポートということを行っていただきたいということを改めて強く思った次第であります。
その上で、御質問でございますけれども、先ほどの高橋委員の御質問とも若干重複をいたしますが、やはり国として、政府として、この本人訴訟、これを支援していく、そのために何ができるかという観点でお伺いをしますが、先ほど高橋委員からの御質問に対して、民事法律扶助制度、この充実ということも御指摘をいただいたところであります。そのあるべき制度の姿、求めるところということをいま一度深掘りして御答弁をいただきたいということと、あわせまして、アクセスを図っていくという観点から、被告に対して窓口等を紹介するということも御示唆をいただいたところでございます。これについて付言するところがあればということと併せて、先ほどの御答弁なかった点で更にこれをというものがあれば、付加して御答弁いただければと思います。お願いします。