林芳正の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(林芳正君) 井上議員にお答えをいたします。
ロシアによる侵略行為と国際人道法との関係についてお尋ねがありました。
ジュネーブ諸条約及び同第一追加議定書を含む国際人道法上、軍事行動は軍事目標に限定して行うこととされ、この軍事目標主義に反する攻撃は、国際人道法に違反するものであり、決して許されません。
今般のロシアによる軍事行動は、国連憲章第二条四が禁ずる違法な武力の行使であり、国際法違反です。我が国としては、国際社会と連携し、ロシアによる侵略を強く非難するとともに、ロシアに対し、即時に攻撃を停止し、部隊をロシア国内に撤収するよう、引き続き強く求めていきます。
次に、ロシアによるウクライナ侵略に関する国連総会決議についてお尋ねがありました。
現地時間三月二日、国連総会の緊急特別会合は、ロシアによるウクライナの侵略を最も強い言葉で遺憾とし、ロシア軍の即時完全無条件の撤退を求めること等を内容とする決議を、百四十一か国という多数の賛成によって採択しました。我が国は、できる限り多数の国々がこの決議案に賛成し共同提案国入りするよう、多くの国々に働きかけました。
インドとの関係では、二月十一日の日米豪印外相会合、また、三月三日の日米豪印首脳テレビ会議において、現下のウクライナをめぐる情勢について率直な意見交換を行いました。今後も、総理のインド訪問も含む様々な機会を捉え、意思疎通を行っていきたいと考えています。
いずれにせよ、我が国としては、一刻も早くロシアの侵略をやめさせ、ロシア軍を撤退させるために、G7を始めとする国際社会が結束して対応することが重要と考えており、棄権した国を含め、各国に対して様々な機会を捉えて粘り強い外交努力を続けていきたいと考えています。
次に、国連憲章の重要性及び憲法九条を持つ日本の役割についてお尋ねがありました。
国連憲章においては、例えば、第二条三において、全ての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならないと定められており、同条四において、武力による威嚇又は武力の行使を禁止しています。
今回のロシアによるウクライナ侵略は、国連憲章第二条四が禁ずる違法な武力の行使であり、明確な国際法違反であって、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。断じて許容できず、厳しく非難します。
国際の平和と安全の維持を目的としている国連憲章の考え方は、我が国の平和主義の理念とも軌を一にし、国際秩序の基礎となる重要なものです。
我が国は、憲法九条及び前文に示されている平和主義の理念の下、平和国家として国際社会の平和と安定に貢献してまいりました。この取組は高く評価されています。
今後とも、こうした取組を続けながら、平和国家としての歩みを続けていきたいと考えます。
次に、特別協定交渉の経緯についてお尋ねがありました。
本特別協定は、政府として、厳しい財政状況を踏まえつつ、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、在日米軍の安定的なプレゼンスを支えるとともに、日米同盟の抑止力、対処力をより一層効果的に強化していくことが必要であるとの認識の下、主張すべきは主張しつつ、協議を重ね、今回合意に至ったものであり、増額ありきの交渉だったとの御指摘は当たりません。
次に、訓練資機材調達費の負担上限についてお尋ねがありました。
日本側が負担する経費については、協定上、日本国政府が、相互に適当と判断する経費を負担するとの通告を米国政府に対して行う場合に限る旨規定しています。したがって、日本側の意に反して経費の負担を強いられることはありません。
加えて、本特別協定期間の五年間で最大二百億円を負担することとしたものでございますが、これは概算要求のための全ての必要な手続を完了することを条件とした額であることについて日米間で一致をしており、日本が際限なく負担することになるとの指摘は当たりません。
次に、訓練移転費を負担する理由及び沖縄の負担軽減についてお尋ねがありました。
訓練移転は、在日米軍の抑止力の維持向上と在日米軍施設・区域周辺における訓練活動の影響を軽減する観点から大きな意義を有しており、政府としても積極的に取り組んできています。
特に、沖縄の負担軽減は政府の最重要課題であり、例えば、嘉手納飛行場等に所属する航空機の訓練移転に取り組むことにより、嘉手納飛行場等の周辺の住民に対する騒音の影響が一定程度軽減される効果があるものと認識をしております。
かかる観点から協議を行った結果、航空機の訓練移転について、米軍による訓練の日本国外への移転を一層促進するため、広大な空域など恵まれた訓練環境を有するアラスカを訓練移転先の対象とすることについて、日米間で一致をいたしました。
これにより、米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄を始めとする地元の負担軽減を図るための訓練移転を更に促進することが可能になると考えており、筋の通らない負担を日本に負わせるための方便との御指摘は当たりません。
次に、在日米軍駐留経費負担の通称についてお尋ねがありました。
政府としては、今回の交渉の結果、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるだけではなく、自衛隊を含む日米同盟の抑止力、対処力をより一層効果的に強化していくことに資する、また、厳しい財政状況を踏まえ、めり張りを付けた経費負担の合意を得ることができたと考えています。
このように、これまでは在日米軍の駐留を支援することに重きを置いた経費負担でしたが、今回の合意により、本件経費を用いて日米同盟を一層強化する基盤を構築することで一致をいたしました。
このような経費負担の内容の変化を踏まえ、今回の合意に基づく在日米軍駐留経費負担の性質を端的に示すものとして、その通称を同盟強靱化予算とすることとしたものです。(拍手)
〔国務大臣松野博一君登壇、拍手〕