本会議

2022-03-18 参議院 全48発言

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会議録情報#0
令和四年三月十八日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第八号
  令和四年三月十八日
   午前十時開議
 第一 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指
  名
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力
  及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区
  域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に
  関する協定第二十四条についての新たな特別
  の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との
  間の協定の締結について承認を求めるの件(
  趣旨説明)
 一、雇用保険法等の一部を改正する法律案(趣
  旨説明)
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山東昭子#1
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 日程第一 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名
 内閣から、中央選挙管理会委員五名の任命について、本院の議決による指名を求めてまいりました。
 本委員を指名するときは、併せて同予備委員を指名することとなっております。
 よって、これより中央選挙管理会委員及び同予備委員各五名の指名を行いたいと存じます。
 つきましては、中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名は、いずれも議長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山東昭子#2
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 中央選挙管理会委員に宮里猛さん、門山泰明さん、神本美恵子さん、西博義さん及び橋本雅史さんを、
 また、同予備委員に元宿仁さん、阿部信吾さん、平川憲之さん、魚住裕一郎さん及び島松洋一さんを、
それぞれ指名いたします。
     ─────・─────
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山東昭子#3
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山東昭子#4
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。林芳正外務大臣。
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
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林芳正#5
○国務大臣(林芳正君) ただいま議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府は、我が国に合衆国軍隊を維持することに伴う経費を日本側が負担し、我が国に駐留する合衆国軍隊の効果的な活動を確保するため、米国政府と協議しつつ検討を行ってきました。その結果、本年一月七日に東京において、私と駐日米国臨時代理大使との間で、この協定に署名を行いました。
 この協定は、我が国が、我が国に雇用されて合衆国軍隊等のために労務に服する労働者に対する一定の給与及び手当の支払並びに合衆国軍隊等が公用のため調達する電気等の料金又は代金の支払に要する経費の全部又は一部を負担することを規定しています。
 また、我が国が、施設及び区域に設置される訓練能力に関連する資機材及び関連する役務を米国政府が調達するための経費、並びに我が国政府の要請に基づき、米国が合衆国軍隊の行う訓練を他の施設及び区域又は米国の施設、施政の下にある領域若しくは米国の領域に変更する場合には、その変更に伴って追加的に必要となる経費に係る費用の支払に要する経費の全部又は一部を負担することを規定しています。
 この協定は、二〇二七年三月三十一日まで効力を有することを規定しています。現行の協定が本年三月三十一日まで効力を有することとなっておりますので、この協定は本年四月一日に発効させる必要があります。
 この協定の締結は、日米安全保障条約の目的達成のため我が国に駐留する合衆国軍隊の効果的な活動を確保するためのものであり、ひいては日米関係全般並びに我が国を含むインド太平洋地域の平和及び安定に重要な意義を有するものであると考えます。
 以上が、この協定の締結について承認を求める件の趣旨でございます。拍手
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山東昭子#6
○議長(山東昭子君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。比嘉奈津美さん。
   〔比嘉奈津美君登壇、拍手〕
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比嘉奈津美#7
○比嘉奈津美君 自由民主党の比嘉奈津美です。
 私は、自民、公明を代表して、ただいま議題となりました在日米軍駐留経費負担に係る特別協定について質問いたします。
 一昨日遅くに宮城県、福島県沖で発生した最大震度六強の地震がありました。お亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
 また、ロシアによるウクライナ侵略はあってはならないことであり、断固非難をするとともに、ロシアに対し、即時に攻撃を停止し、部隊を国内に撤収するように強く求めます。政府においても、邦人の安全確保、国際社会との連携協力による世界の安全保障への脅威への対処を強く求め、質問に入ります。
 周辺各国が軍事力を強化し、我が国周辺で軍事活動が急速に活発化されるなど、安全保障環境はこれまでに、これまでにない速度で厳しさを増しています。
 北朝鮮は、今年に入り十回もの弾道ミサイル等を発射、しかも、先月二十七日と今月五日に発射した弾道ミサイルは、いずれも射程五千五百キロ以上のICBM級、そして一昨日にも正常に飛翔しなかったと推定されるものの弾道ミサイルを発射するなど、暴挙が続いております。
 また、中国による尖閣諸島周辺での領海侵犯や接続水域内での航行も相次ぐ中、今月五日から始まった全人代、全国人民代表大会では、国防費について前年比七・一%増、日本円で二十六兆円余りと拡大しています。
 ウクライナへの侵攻以降、ロシア海軍の津軽海峡や宗谷海峡通過、北方領土でのミサイル演習など、ロシア軍の活動の活発化も見られています。
 そこで、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定に関する質問の前提として、現下の国際情勢や我が国を取り巻く安全保障環境をどのように分析した上で、日本の外交・安全保障における基軸である米国と同盟関係をどう強化していくお考えでしょうか。林外務大臣にお尋ねいたします。
 日米地位協定において米国側に負担義務がある経費の一部について、一九八七年、昭和六十二年以降、同協定の特例として、日本が在日米軍の駐留に係る一定の経費を負担してきました。これについては、通称として思いやり予算と言われてきましたが、新たな特別協定では同盟強靱化予算としており、在日米軍の安定的なプレゼンスを支え、日米同盟の抑止力、対処力をより一層効果的に強化するという性格を的確に表しているものと考えます。
 そこで、同盟強靱化予算という通称が定着するように、国民の皆様に分かりやすく、本協定の意義、具体的に何が変わり、どのような点で日米同盟の抑止力、対処力が強化されるのか、説明していただくことが大切だと考えます。林外務大臣に分かりやすい説明をいただきたいと存じます。
 本協定における同盟強靱化予算として、労務費では、在日米軍施設・区域で働く労働者のうち二万三千百七十八人の基本給を負担し、令和三年度日本側負担労働者数を維持しております。他方、光熱水料等の負担額は段階的に削減されており、令和四年度には二百三十四億円のところ、令和八年は百三十三億円、負担割合としては六一%から三五%への削減に相当します。
 そこで、林外務大臣にお伺いします。これまでも経費負担に係る特別協定の締結ごとに負担内容の変更等が行われてきましたが、これらの変更の趣旨、考え方はどのようなもので、今回の見直しはどのような中でどのような位置付けがされるものなのでしょうか。
 また、私はかつて環境大臣政務官を拝命したこともあり、地球温暖化対策に力を入れてまいりましたが、米国バイデン政権は気候変動への取組を公約に掲げ、国防総省も地球温暖化が軍事活動に重大な脅威をもたらすとして、温室効果ガス排出量削減などの取組を始めていると伺っております。
 そこで、安全保障のみならず、在日米軍施設・区域がある地域の経済や雇用、あるいは地球温暖化の視点などについても配慮がなされたかという点についてもお尋ねします。
 今回、新たに訓練資機材調達費として、自衛隊と米軍の相互運用性の向上にも資する訓練資機材調達をする経費を五年間で最大二百億円を負担することとなりました。ロシアによるウクライナ侵略で、従来の武力による侵攻の前後にはサイバー攻撃が相次ぎ、ドローンによる防衛力の行使も見られました。新たな経費では、人工知能を導入した模擬訓練システムなどを整備し、日米双方の部隊がネットワーク上で共同訓練に参加するなども想定できると伺っておりますが、この訓練資機材調達費によってもたらされる新しいメリットについて、岸防衛大臣にお伺いします。
 昨年、昨年末、私の地元沖縄でも、林大臣、岸大臣の地元山口県でも、在日米軍施設内で新型コロナウイルス感染症の発生が続き、米軍関係者から感染が拡大したと思われる状況となり、本年一月には広島県を含めた三県にまん延防止等重点措置が適用されました。
 林大臣はブリンケン米国務長官と電話会談をし、在日米軍に対し、外出制限を含めた防止策の徹底を求めたところであり、現在、三県ともまん延防止等重点措置の適用から除外されましたが、政府には、在日米軍施設・区域を抱える地域が安心して生活し、経済活動を続けていく環境をつくり上げていく努力により一層力を入れていただきたいと存じます。
 そこで、今回の在日米軍施設での新型コロナウイルス感染症の発生と施設外への感染の拡大を教訓として、地位協定の運用の改善を含め、どのように在日米軍施設・区域を抱える地域の安心を高めていく取組を進めるお考えでしょうか。林外務大臣にお伺いします。
 今年は、沖縄の本土復帰五十年の節目の年となります。政府においては、復帰の歴史的意義を想起しつつ、沖縄の歴史や県民のお気持ちに思いを巡らせながら、沖縄の振興、そして沖縄の基地負担軽減に全力で取り組んでいただきたいとお願い申し上げ、私の質問を終わります。拍手
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
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林芳正#8
○国務大臣(林芳正君) 比嘉議員にお答えをいたします。
 現下の国際情勢及び安全保障環境に関する分析を踏まえた日米同盟の強化についてのお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く安全保障環境は、北朝鮮による核・ミサイル開発、中国による東シナ海、南シナ海における一方的な現状変更の試み、軍事バランスの変化による緊張の高まりなど、厳しさと不確実性を増しています。
 かかる認識の下、先般の日米2プラス2においても、引き続き、領域横断的な能力の強化、即応性、抗堪性及び相互運用性の向上、宇宙、サイバー分野での協力深化、拡大抑止の強化等、様々な分野での日米の防衛協力を進め、同盟を絶えず現代化し、共同の能力を強化する決意を表明しました。
 また、現在、岸田総理の指示の下、新たな国家安全保障戦略などの策定に取り組んでいるところであり、我が国の防衛力の抜本的な強化に取り組むことで、様々な事態に対応する能力を向上させ、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していく考えです。
 次に、同盟強靱化予算の意義及び具体的内容についてお尋ねがありました。
 今回、米国との間では、第一に、日米同盟の抑止力、対処力強化への貢献が直接的に見えにくい光熱水料等については、大幅に削減することで意見の一致を見ました。第二に、在日米軍のみならず、自衛隊の即応性及び米軍との相互運用性の強化にも資する訓練資機材調達費の項目を設けるとともに、第三に、今後は、在日米軍の即応性及びその施設・区域の抗堪性強化に資する施設整備、これを重点的に推進していくことといたしました。
 これまでは、在日米軍の駐留を支援することに重きを置いた経費負担でしたが、今回の合意により、本件経費を用いて日米同盟を一層強化する基盤を構築することで一致をしました。このような経費負担の内容の変化を踏まえ、今回の合意に基づく在日米軍駐留経費負担の性質を端的に示すものとして、その通称を同盟強靱化予算とすることとしたものであります。
 今後も、政府としては、地域の厳しい安全保障環境や我が国の厳しい財政状況、さらに、ただいま申し上げたような要素も勘案しつつ、同盟強靱化予算の内容や意義について丁寧な説明を心掛けていく考えです。
 次に、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定の負担内容の変更についてお尋ねがありました。
 我が国は、昭和六十二年度以降、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を確保するため、その時々の日米両国を取り巻く諸情勢に鑑み、日米地位協定により米側に負担義務がある経費の一部について在日米軍駐留経費負担に係る特別協定を締結して負担をしてきています。
 我が国の負担については、我が国の厳しい財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境等の各種要素を総合的に考慮し、その時々で主体的に判断してきています。
 今次交渉においても、光熱水料等の大幅削減や訓練資機材調達費の項目追加を含め、全体として、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるだけではなく、自衛隊を含む日米同盟の抑止力、対処力をより一層効果的に強化していくことに資する、また、厳しい財政状況を踏まえ、めり張りを付けた経費負担の合意を得ることができたと考えています。
 次に、同盟強靱化予算における経済、雇用、そして地球温暖化の視点についてお尋ねがありました。
 我が国の負担規模については、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるとともに、日米同盟の抑止力、対処力を強化する在日米軍駐留経費負担が引き続き重要である点を踏まえ、主体的に判断したものです。具体的には、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支える在日米軍従業員の方々の雇用の安定や社会経済的影響に加えて、我が国の厳しい財政状況や、我が国を取り巻く安全保障環境等の各種要素を総合的に考慮したものです。
 その上で、地球温暖化対策の観点からは、例えば光熱水料等について、現行特別協定の第四条において米側に一層の節約努力を求める旨を規定しており、米側において、電灯のLEDへの交換、空調に係る設定温度の見直し、節約への注意喚起などの取組を行っているものと承知をしております。
 次に、あっ、最後に、在日米軍の新型コロナ感染及び日米地位協定についてお尋ねがありました。
 在日米軍における新型コロナ感染状況への対応については、昨年十二月以降の施設・区域内及びその周辺自治体での感染拡大を受け、これまで、私からも直接、米側ハイレベルに対して感染防止対策の徹底及び地元の方々の不安解消に向けた対応を強く申し入れてきました。
 この結果、米側は、米国は、一月十日から一月三十一日までの三週間、必要不可欠な場合以外の外出を認めない、夜間の外出を禁止するなど、厳しい感染拡大防止策を取りました。
 また、一月二十八日には、日米地位協定に基づく日米合同委員会の下に検疫・保健分科委員会を設立し、日米双方の保健当局も参加する形で協議を集中的に行っております。
 今後とも、感染防止対策を徹底し、地元の方々の不安を解消すべく、日米間での連携をより一層強化をしてまいります。拍手
   〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕
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岸信夫#9
○国務大臣(岸信夫君) 比嘉奈津美議員にお答えをいたします。
 訓練資機材調達費についてお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、自衛隊と在日米軍の双方が各種の高度な訓練の実施等を通じて即応性を向上させていく必要があるとの観点から協議した結果、新たに訓練資機材調達費の項目を設けることといたしました。
 この経費で米側が調達する訓練資機材を日米共同訓練などにも活用することにより、在日米軍と自衛隊双方の即応性向上や、日米の相互運用性の強化に資すると考えております。拍手
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山東昭子#10
○議長(山東昭子君) 小西洋之さん。
   〔小西洋之君登壇、拍手〕
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小西洋之#11
○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之です。会派を代表し、質問します。
 冒頭、一昨日の震災について、衷心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 立憲民主党は、党綱領において、健全な日米関係を軸に、と我が国の外交・安全保障における日米同盟の本質的重要性の認識を明記し、後に菅政権の総合海洋政策本部参与会議より同様の提言がなされることになった、尖閣諸島を守り抜くための領域警備・海上保安体制強化法案の提出など、外交安保において真に現実的かつ実効性のある提言を行っています。
 審議の前提として、まず日米同盟の本質に関する政府の見解を伺います。
 かつて、駐留経費の膨大な負担増を訴えていたアメリカのトランプ氏は、大統領就任後の最初の訪日で、アメリカ軍を駐留させてくれてありがとうと述べました。これは、アメリカにとって言わば地上最大のグッドディールというべき日米同盟の本質を当選後に勉強し、理解されたものと解されます。
 すなわち、私は、世界で唯一のアメリカ海軍の空母機動艦隊の海外母港であり、対中国の航行の自由作戦の拠点である横須賀の海軍基地、嘉手納や岩国などの空軍や海兵隊の航空基地等々、日米同盟に基づく在日米軍基地がなければ、アメリカは、アジア太平洋地域はもとよりインド洋、中東地域に至るまで実効的な軍事プレゼンスを一秒たりとも保持できず、一言で言うならば超大国たり得なくなるのであり、アメリカにおいて日米同盟こそが世界最重要の同盟関係であると考えます。
 加えて、安倍内閣以前からの日米ガイドラインにおいても、この日本領土である在日米軍基地を守る主担当は精強なる我が自衛隊であるとされており、安定した親米社会、まさに本協定の莫大な駐留経費負担とそれによる高度な技術力等々、日本のような同盟国をアメリカはインド太平洋地域はもとより世界のどこを探しても見付けることはできず、いかなる代償を提供しても手にすることはできないと解されます。
 以上申し上げたような事実関係などを踏まえ、政府としても、日米同盟はアメリカにとっても世界で最重要の同盟であり、他に劣ることがない重要な同盟であるとの認識にあるのか、横須賀第七艦隊などの守備範囲たる前方展開範囲、あるいは自由で開かれたインド太平洋の実現における在日米軍基地の役割などの重要な具体例を示しつつ、外務大臣の明確な答弁を求めます。
 さらに、政府は、日米同盟はインド太平洋地域の公共財とも述べていますが、もしアメリカが日米安保第五条の日本防衛義務を果たさないことがある場合は、これだけの圧倒的かつ死活的ともいうべき恩恵を被っている同盟関係の約束をたがえ、世界最重要地域の公共財を破棄してしまうものとして、国際社会におけるアメリカの信頼は失墜し、かつ、日米同盟ですら機能しないという意味で、アメリカが他国と有する同盟関係の信頼も対処できないほどに毀損してしまうのではないかと考えますが、外務大臣の見解を伺います。
 また、この関連で、政府は、アメリカの日本防衛の一環とする核抑止力について、その実効性に何か疑問を持っているのか、もし持っていないのであれば、現在、安倍元総理や茂木前外務大臣などが主張などしている核共有の必要性などの議論は政策的な合理性を有するものなのか、外務大臣の見解を求めます。
 また、あわせて、岸田総理が答弁している自衛隊の戦闘機などが核兵器を使用する核共有の事例は、法理として、憲法九条との関係で可能なものかどうか、九条に違反しないとする場合はどのようなものがあり得るのか、当該事例を政府の九条解釈に当てはめて政府統一見解を外務大臣に求めます。
 このように、日米同盟はアメリカにおいても、冷戦期から中国の軍備増強の今日に至るまで、他に代替の利かない圧倒的かつ死活的なメリットを提供する条約関係であり、ゆえに、歴代政府は、日本がアメリカの防衛義務を負わない安保条約を双務条約であるとしてきました。安倍内閣が強行した安保法制の集団的自衛権行使は、この双務関係を超えて自衛隊にアメリカに対する武力攻撃を排除する役割を与えたものであり、今日においては、日米同盟は日本が基地提供だけでなく、アメリカの防衛義務を負った片務条約になっているのではないか、外務大臣の見解を伺います。
 また、あわせて、政府は、集団的自衛権行使を容認した七・一閣議決定以前に、アメリカから我が国が憲法規範やその解釈を変えて集団的自衛権行使を容認するよう求められたことは一度もないと繰り返し答弁していますが、岸田内閣においても同様の事実認識にあるのか、外務大臣にお尋ねします。
 ここで、こうした日米同盟の本質を顧みることなく安倍内閣が強行し、岸田内閣に引き継がれている集団的自衛権行使の容認は、昭和四十七年政府見解の中の外国の武力攻撃という文言を同盟国に対する外国の武力攻撃の意味に恣意的に読み替え、曲解し、歴代政府の九条解釈の基本的な論理なるものを同見解の中に捏造した法解釈ですらない不正行為による憲法違反であることが国会質疑により立証され、そのことが元最高裁判事、元内閣法制局長官の安保国会での参考人陳述、複数の公法学者の学術論文、朝日新聞、東京新聞の社説報道などでも確認されています。
 他方、この違憲の集団的自衛権行使の容認は、同時に、日米安保条約第三条に違反するものともなっています。
 実は、安保条約三条には、日本はアメリカのために違憲である集団的自衛権を行使しなくてよいと、主権国家同士の国際約束が明記されているのであります。すなわち、アメリカが上院決議により、全ての同盟国と締結している共通条項である第三条が、日米安保第三条だけは特別の文言変更がなされているのであります。このことは、安保改定当時の政府答弁において、集団的の能力という文言をそれぞれの能力と変更し、憲法九条を意味するとの外相説明とともに、憲法上の規定に従うことを条件としてとの文言を付け加えるなど、日本による集団的自衛権行使を法的に免責した条文として作り込まれたことが明確かつ詳細に答弁されているのであります。
 さらには、当時の岸信介首相は、後の証言録において、日本の憲法によれば、日本は、アメリカの日本防衛に相応する義務をアメリカに負えないわけだからね、日本としては、ただ基地を提供するとか、憲法の範囲内で防衛力を漸増するという非常に気の抜けた対応になっているわけだ、などと述べています。
 岸防衛大臣に伺います。
 条約は、法的効力において法律に優位します。この岸元首相の証言や安保改定当時の政府答弁をどのように理解し、考えるのかを具体的に示しながら、限定的な集団的自衛権行使の容認は日米の国会条約承認権を侵奪した違憲、違法と考えるかどうかについて答弁を求めます。
 さらに、健全な日米同盟の維持、発展のためには、日米同盟の本質について、我が国が世界最強の軍事力を有するアメリカの抑止力、防衛力を受けるという目的、効果の一方で、そのリスクについても直視し、隠すことなく国民に説明する必要があります。
 防衛大臣に伺いますが、仮に台湾海峡有事、すなわち、アメリカと中国の本格的な武力紛争が生じた場合には、アメリカ軍の軍事作戦の死活的基盤である嘉手納や岩国、佐世保などの在日米軍基地が中国軍の攻撃対象となる、あるいはなり得るというのは、見識ある軍事専門家の誰もが一致する見解ですが、政府もそのような認識にあるのか、答弁を求めます。
 さらに、外務大臣に伺います。
 安保条約に基づく岸・ハーター交換公文において、米軍が在日米軍基地を用いて戦闘作戦行動を行う場合は日本政府への事前協議が義務付けられていますが、一般論として、アメリカ軍が在日米軍基地を利用して他国領域に向けたミサイル発射を行う場合は、戦闘作戦行動に該当し、事前協議の対象となると考えているのでしょうか。同交換公文には、戦闘作戦行動とは直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動とされ、その典型例として、在日米軍基地からの航空部隊による爆撃などが示されていることとの論理的整合性に触れつつ、答弁を求めます。
 さらに、在日米軍基地をめぐっては、オミクロン株の流入をも引き起こした日米地位協定の他国に比しての多大なる制約、辺野古基地建設の強行、横田空域、低空飛行、騒音、環境問題等々、解決すべき深刻な問題が存在することを指摘し、以下、従来とは本質的な変容を遂げている本特別協定の質問に入ります。
 政府は、本特別協定より、同盟強靱化予算との通称を設定し、これまでの在日米軍の駐留支援に重きを置いた経費負担から、日米同盟を一層強化する基盤構築に重点が移ったと説明していますが、どのような負担内容の変更により、かつての思いやり予算が同盟強靱化予算へと変容したのか、外務大臣に説明を求めます。
 これに関し、今回初めて実動、バーチャル、仮想敵による、いわゆるLVC訓練システム、サイバー実戦訓練装置、戦闘射撃訓練用標的装置の調達費用を負担していますが、こうした米軍が所有することになる軍隊の装備品そのものを特別協定でこれまで負担したことがあったのか、また、なぜこれらの資機材を在日米軍の駐留に伴う経費負担と観念することができるのか、さらには、これらの資機材を自衛隊が訓練で共用することもあるということを大義名分としていますが、そもそも、自衛隊自ら日本防衛のためにこれらの資機材を調達する必要はないのか、それぞれについて両大臣に質問をいたします。
 さらに、政府は、提供施設整備についても、航空機の掩体及び整備用格納庫など、在日米軍の即応性向上及び抗堪性強化に資する事業に重点化していくとしていますが、近年の嘉手納基地の例では部品倉庫、貨物管理棟、家族用住宅などの整備であったものが、在日米軍基地への武力攻撃の防護施設であり、言わば武力の構成要素そのものである掩体、格納庫などへの重点整備と変容させるその目的や、それにより内外に生じ得る影響に関する認識について外務大臣にお尋ねします。
 いずれにしても、政府は、特別協定を日米地位協定第二十四条に定める米国の経費負担の原則の暫定的、限定的、特例的な措置との説明を変えていませんが、アメリカ軍の装備そのものの負担を引き受け、武力の構成要素そのものの負担に重点化していくことが果たして暫定的や限定的などの対応にとどまり得るものなのか、将来的に同盟強靱化の名の下に米側から過大かつ場合によっては同盟関係の在り方をも変容し得るような要求を受けることにはならないのか、さらには、そもそも同盟強靱化予算との通称は、駐留に伴う経費との説明では合理的な説明が困難な負担を糊塗するために用いられた名称ではないか、外務大臣の答弁を求めます。
 結びに、かつての中曽根総理の答弁を皆様に御紹介申し上げます。
 憲法及びその憲法に基づいてできている日米安全保障条約、その重みというものは非常に重いものでありまして、その命ずるところに従って国政は行われるべきであり、防衛は行われるべきである、それを逸脱してはならない、これは鉄則であります。
 この答弁は、昭和五十八年二月の八日、衆議院の予算委員会で、ソ連のバックファイアなどの爆撃戦闘機がアメリカの第七艦隊を攻撃する、それを自衛隊が守らなくてよいのか、すなわち、冷戦さなかの米ソ正面戦争という安倍内閣の安保法制の設定とは比べ物にならないほどの烈度における限定的な集団的自衛権の行使について、その憲法適合性、自衛隊の行動のあるべきについて問われたものです。
 当時の角田内閣法制局長官は、自ら第一部長として作成に関与した昭和四十七年政府見解を用いながら、ソ連の侵攻意図など、我が国に対する武力攻撃の着手に至らない事例設定である以上、この限定的な集団的自衛権行使は明確に違憲であると断じ、それに対する質疑者の、それで日本の防衛が全うできますかとの更問いに対し、中曽根総理はさきのような鉄則答弁をしています。
 中曽根元総理の憲法の基本原理などに関する見解は私とは大きく異なるところもございますが、この法の支配、立憲主義及び日米同盟の本質に基づく見解については深く敬意を表するところです。
 他方、安全保障は、武力によってのみなされるものではなく、平和主義の理念の力による取組も本質的に重要であります。
 去る三月二日の本院ロシア侵略非難決議においては、ウクライナ国民が憲法前文の平和的生存権を有することを宣言し、三月七日の本院予算委では、岸田総理が私の質疑に対し、同趣旨の政府見解並びに世界各国の市民による、侵略を非難し、ウクライナ国民の生命、尊厳を思い、連帯する行動は、憲法前文のもう一つの平和主義、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚する」の具体的表れであると答弁しています。
 まさに、我が国を始め世界各国の国民による様々な反戦運動や人道支援はもとより、困難を引き受けてでも、ロシアへの経済制裁などを支持する力などの源泉がここにうたわれているものと存じます。
 現下のウクライナ情勢を始めとして、政府が憲法前文の平和主義の理念をどのように外交の力に生かそうとしているのか、また、政府として、元総理の鉄則見解を現在も引き継ぎ、国防、外交・安全保障を大目的として包含すると解される平和創造、ピースクリエーションのために、我が国としてどのような平和創造戦略があるべきと考えているのか、外務大臣に格調高い答弁をお願いして、私からの質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
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林芳正#12
○国務大臣(林芳正君) 小西議員にお答えをいたします。
 米国にとっての日米同盟の重要性についてお尋ねがありました。
 議員の御指摘のとおり、日米同盟は米国にとっても極めて重要な存在であり、その点は米国も十分に理解してきていると考えます。
 例えば、かつて駐日大使を務めたマイク・マンスフィールド大使が、日米関係はほかに並ぶもののない最も重要な二国間関係であると述べたのは有名な話であります。
 また、在日米軍の施設・区域は、極東のみならず、米軍のこの地域における前方展開を支えており、これを可能ならしめているのが日米安全保障体制です。具体的には、御指摘の横須賀に空母ロナルド・レーガンを含む第七艦隊がプレゼンスを維持していることや、嘉手納飛行場を拠点に第五空軍が警戒監視等を実施していることなどは、インド太平洋地域全体における米国の利益の確保に大きく貢献しており、その意味で、米国もこの体制から極めて大きな恩恵を享受していると認識をしております。
 次に、米国の対日防衛義務の履行についてお尋ねがありました。
 仮定の質問についてお答えをすることは差し控えますが、その上で、米国は、インド太平洋戦略において、この地域へのコミットメントを改めて明確に示し、日米が共有する自由で開かれたインド太平洋のビジョンの実現に向けて一層の役割を果たす決意を示していると認識しています。
 また、米国は、累次の機会に日米安全保障条約の下での自国の対日防衛義務を確認してきており、本年一月の日米首脳テレビ会談においても、バイデン大統領がこの点を改めて表明をいたしました。日本政府として、米国が日米安全保障条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いています。
 次に、米国の核抑止力の実効性及び核共有の必要性についてお尋ねがありました。
 米国は、累次の機会に日米安全保障条約上の義務を確認してきており、本年一月の日米2プラス2において、米国は、核を含むあらゆる種類の能力を用いた日米安全保障条約の下での日本の防衛に対する揺るぎないコミットメントを表明しています。日本政府として、米国が条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いております。
 その上で申し上げれば、NATOで行われているような核共有は、我が国については非核三原則を堅持していくことから認められないと考えております。
 次に、核共有と憲法九条との関係に係る政府統一見解についてお尋ねがありました。
 従来から、政府は、憲法第九条と核兵器との関係についての純法理的な問題として、我が国には固有の自衛権があり、自衛のための必要最小限度の実力を保持することは憲法第九条第二項によっても禁止されているわけではなく、したがって、核兵器であっても、仮にそのような限度にとどまるものがあるとすれば、それを保有することは必ずしも憲法の禁止するところではないが、他方、必要最小限度を超える核兵器の保有は憲法上許されないものであり、このことは核兵器の使用についても妥当すると解しているところであります。
 いずれにせよ、御指摘の核共有については、我が国については非核三原則を堅持していくことから認められません。
 次に、平和安全法制と日米安全保障体制の関係についてのお尋ねがありました。
 日米安全保障条約は、第五条において、我が国への武力攻撃に対して日米が共同で対処することを定め、第六条において、米国に対し、我が国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和と安全の維持に寄与するために我が国の施設・区域を使用することを認めています。日米両国の義務は同一ではないものの、全体として見れば日米双方の義務のバランスは取られています。
 平和安全法制は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする観点から検討を行ってきた結果であり、我が国としての主体的な取組です。平和安全法制により、日米安全保障条約及びその関連取決めに基づく権利及び義務が変更されるものではありません。
 次に、米国から集団的自衛権行使を容認するよう求められたことがあるかについてお尋ねがありました。
 日本国憲法と集団的自衛権との関係については我が国自身が判断する問題であり、米国政府から集団的自衛権行使を容認するよう求められたことはありません。岸田内閣においても同様の事実認識です。
 次に、米軍による在日米軍施設・区域からのミサイル発射が事前協議の対象となる戦闘作戦行動に含まれるか否かについてお尋ねがありました。
 日米間では、岸・ハーター交換公文により、日米安全保障条約第五条の規定に基づいて行われるものを除き、日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用は事前協議の対象であるとされています。
 ここに言う戦闘作戦行動については、昭和四十七年の政府統一見解において、その典型的なものに言及した上で、そのような典型的なもの以外の行動については、個々の行動の任務、態様の具体的内容を考慮して判断するよりほかないとされています。議員御指摘のような米軍の行動が戦闘作戦行動に該当するか否かは、この政府統一見解の基本的な考え方に基づき、実際の個々の行動の任務、態様の具体的内容を考慮して判断することとなります。
 次に、同盟強靱化予算への名称変更についてお尋ねがありました。
 今回、米国との間では、第一に、日米同盟の抑止力、対処力強化への貢献が直接に見えにくい光熱水料等については、大幅に削減することで意見の一致を見ました。第二に、在日米軍のみならず、自衛隊の即応性及び米軍との相互運用性の強化にも資する訓練資機材調達費の項目を設けるとともに、第三に、今後は在日米軍の即応性及びその施設・区域の抗堪性強化に資する施設整備を重点的に推進していくこととしました。
 これまでは在日米軍の駐留を支援することに重きを置いた経費負担でしたが、今回の合意により、本件経費を用いて日米同盟を一層強化する基盤を構築することで一致しました。このような経費負担の内容の変化を踏まえ、今回の合意に基づく在日米軍駐留経費負担の性質を端的に示すものとして、その通称を同盟強靱化予算とすることとしたものです。
 次に、特別協定による訓練資機材の調達についてお尋ねがありました。
 在日米軍の訓練資機材調達費は、今回の特別協定で新たに項目として追加したものです。訓練を通じて米軍が各種技能の維持向上を図ることが、即応体制という軍隊の機能を維持する上で不可欠の要素であり、軍隊として当然に行うことを前提としている諸活動の一つであることに鑑みれば、訓練資機材の調達のための本経費は、日本に合衆国軍隊を維持することに伴う経費の一部と考えられます。
 そして、そのような経費は、あくまでも日米地位協定の下では米側に負担義務があるため、これを日本側で負担するに当たり、同協定の特則である特別協定を締結するものです。
 自衛隊においても訓練のために必要な資機材を自ら整備していると承知しておりますが、その上で、本経費により米側が調達する訓練資機材についても、日米共同訓練の際などに活用することにより、自衛隊の即応性及び米軍との相互運用性の強化が更に図られると考えております。
 次に、提供施設整備の目的や影響についてお尋ねがありました。
 提供施設整備は、日米地位協定の範囲内で、個々の事業ごとに、日米安全保障条約の目的達成との関係、我が国の財政負担との関係、社会経済的影響等を総合的に勘案の上、我が国の自主的判断により措置してきています。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、在日米軍があらゆる事態に適時適切に対応できるよう、必要な基盤をしっかり整備していくことは極めて重要です。かかる観点から、提供施設整備についても、例えば、航空機掩体や整備用格納庫等の整備といった在日米軍の即応性の向上及び施設・区域の抗堪性強化に資する事業を重点的に推進することとしたものです。
 次に、同盟強靱化予算に関する米国からの要求と、この通称が導入された理由についてお尋ねがありました。
 今般の交渉に際しては、日米両国を取り巻く諸情勢を総合的に勘案し、日米地位協定第二十四条に定める経費負担の原則は原則として維持しつつ、あくまでも暫定的、限定的、特例的な措置として、期間を五年間とする地位協定の特則である特別協定を締結することが適当との判断を改めて行ったものです。
 その上で、呼称については、これまでは在日米軍の駐留を支援することに重きを置いた経費負担でしたが、今回の合意により、本件経費を用いて日米同盟を一層強化する基盤を構築することで一致しました。このような経費負担の内容の変化を踏まえ、その通称を同盟強靱化予算とすることとしたものです。
 いずれにせよ、在日米軍駐留経費負担の将来の在り方については、引き続き国民の理解を得られる内容となるよう、我が国の厳しい財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境等の各種要素を考慮しつつ、真剣に協議を重ね、適切に対応してまいります。
 国防、安全保障、外交を包含する平和創造戦略についてお尋ねがありました。
 今回のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。明白な国際法違反であり、断じて許容できず、厳しく非難をいたします。
 このように厳しさを増す安全保障環境の中にあって、我が国が憲法の命ずるところに従って外交・安全保障を展開することは当然であります。
 憲法に掲げる平和主義の下、平和国家としての歩みを引き続き堅持し、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与をしてまいります。拍手
   〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕
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岸信夫#13
○国務大臣(岸信夫君) 小西洋之議員にお答えいたします。
 まず、集団的自衛権と日米安保条約第三条についてお尋ねがありました。
 日米安保条約第三条について、平和安全法制の整備以前は、集団的自衛権の行使を禁じている憲法の範囲内にあるものに限られることを明確にするために、憲法上の規定に従うことを条件としていること等を説明したと、していたところです。
 他方で、同条は、「憲法上の規定に従うことを条件」との文言から明らかなとおり、特定の憲法解釈に立ち入った規定ではなく、我が国自身が行う憲法解釈の下で実施されているものであります。
 この点、平和安全法制は、武力の行使の三要件を満たす場合には従来の政府見解の基本的な論理に基づく必要最小限の自衛のための措置として武力の行使が憲法上許容されるとの判断に至ったものであり、国会の条約、条約承認権を侵奪した違憲、違法なものとは考えていません。
 なお、御指摘の岸元総理の発言について政府としてお答えすることは差し控えます。
 次に、台湾有事、台湾海峡有事についてお尋ねがありました。
 仮定の御質問にはお答えを差し控えますが、地域の安全保障環境が厳しさを増す中、在日米軍と自衛隊は様々な事態に対応するため、万全の対応を取ってきています。
 一般論として申し上げれば、日米安保条約に基づいて我が国に駐留する米軍のプレゼンスは極東における国際の平和及び安全の維持に寄与してきており、地域における不測の事態に対する抑止力として機能してきていると考えています。
 最後に、訓練資機材調達費についてお尋ねがありました。
 本経費は、今回の新たに設けることとしたものであります。在日米軍がプレゼンスを維持しながら即応性を強化するには我が国において実践的な訓練を積み重ねていく必要があり、そのための資機材を調達する本経費は、我が国に合衆国軍隊を維持することに伴う経費であります。自衛隊の訓練の、自衛隊が訓練のために必要な資機材から、資機材を自ら整備していくことは当然ですが、本経費により米軍が調達する資機材も活用し、日米の即応性や相互運用性の更なる強化を図ってまいります。拍手
    ─────────────
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山東昭子#14
○議長(山東昭子君) 上田清司さん。
   〔上田清司君登壇、拍手〕
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上田清司#15
○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。
 会派を代表して、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定について質問いたします。
 二月二十四日のロシア軍によるウクライナへの不当な侵略行為が今も続いています。このようなロシアの行動は、平和のうちに生存する権利を侵害するものであり、武力の行使を禁じる国際法の明確な違反であります。日本国並びに日本国民は、対岸の火事と見ることなく、国際社会にあってはならないものとして断固たる決意でウクライナの原状回復に向けて取り組むべきものと考えます。
 この間、日本政府は、G7諸国と協調し、二月二十六日から三月十五日までの六次にわたって、外国為替・外国貿易法に基づく金融制裁としてロシア関係の資産凍結をしてきました。政府の対応を正しく評価します。
 エネルギー資源確保の多角化を目指したサハリン1、サハリン2のプロジェクトについて、既にエクソンとシェルが撤退を表明しています。日本独自の判断があってもしかるべきですが、発信ゼロというのも情けないという思いになります。
 そこで、提案です。
 休戦、停戦まで両プロジェクトについて凍結するという表明はロシアに対して圧力になり、同時に、日本の国益は留保するということが可能になると考えますが、林外務大臣の所感を伺います。
 さて、本題の特別協定は、一九七八年からいわゆる思いやり予算と言われ、在日米軍基地での、働く日本人従業員の給与の一部、六十二億円を日本側が負担することから始まりました。その後、負担の項目などが増え、順次予算も増え、一九九五年には二千七百十四億円の水準まで達しました。その後、日本側も経費を精査したりしながら、二〇二二年度には二千五十六億円まで縮減したところです。俗称思いやり予算というのもいかがなものかということもあり、本年度より在日米軍駐留経費負担の通称を同盟強靱化予算とすることになりました。
 二〇二二年度の予算を見ていくと、光熱水料費が大幅に削減され、その分を新たに訓練資機材調達費が計上されています。五年間で最大二百億円の訓練資機材調達費で、在日米軍の即応性のみならず、自衛隊と米軍の相互運用の向上性に資するものと説明されています。
 岸防衛大臣に伺います。
 この五年間で二百億円、二〇二二年度では約十億円の訓練資機材費で、在日米軍の即応性、自衛隊と米軍の相互運用性の向上に効果がある資機材とは一体何なのか。あわせて、なぜ同盟強靱化と言われるほどの在日米軍の即応性、自衛隊と米軍の相互運用性の向上に役立つようになるのか。それぞれ具体的に説明してください。小西議員の質問の回答は余りにも抽象的です。
 林外務大臣には、一年間に十億円程度の訓練資機材費の内訳で、日米間の相互運用性の向上が見られると確信に至った理由を述べてください。
 本題は在日米軍駐留経費負担に係る特別協定における予算ですが、在日米軍関係経費で見ていけば、特別協定以外にも、周辺対策費、施設の賃借料、リロケーション、その他、漁業補償など、二〇二二年度分で二千五十五億円あり、他省庁分でも基地交付金四百億円など、二〇二二年度分の総計は八千三百七十一億円になります。特別協定の経費は抑えぎみですが、在日米軍関係全体は少しずつ増額しています。まさに、目立ってきたものは小さくして他のところでしっかり増やすという柳生一族の陰謀ならず、霞が関一族の陰謀の典型的なパターンというものであります。
 自主防衛の観点からすれば、防衛費全体は増えて在日米軍駐留経費は少しずつ減っていくのが望ましいとは思いませんか。岸防衛大臣の御見解を伺います。
 外国の在日米軍駐留経費について比較をしました。財政制度等審議会財政制度分科会の資料によれば、韓国、ドイツ、イタリアは光熱水料費は一切負担していません。労務費は、韓国が七〇%負担ですが、ドイツ、イタリアはアメリカ側が負担しています。提供施設整備費は、韓国は米韓負担で、ドイツ、イタリアはアメリカの負担となっています。負担割合を見ると、日本は七四%、韓国、ドイツ、イタリアは三〇%から四〇%で、日本は突出しています。この突出した現状を少しずつ減らし、自主防衛や外交を充実すべきではないでしょうか。林外務大臣の見解を伺います。
 最近における日本周辺は、極めて憂慮をする軍事的緊張が続いています。軍事バランスあるいは力の空白は紛争の原因と言われています。まさに、日本の外交力、防衛力が問われています。
 日米同盟は、我が国のみならずインド太平洋地域の平和、安全、そして繁栄に貢献してきたものと考えます。しかし、十九世紀、イギリスの首相パーマストンは、我が英国にとって永遠の同盟もなければ永遠の敵もない、あるのはただ一つ、永遠の英国の国益のみというように、米国への過剰同調に陥ることなく、自主防衛力を高め、外交力に磨きを掛け、周辺国との緊張緩和の方策もしっかり国策として展開すべきではないでしょうか。
 日米同盟の強靱化もいいのですが、日本防衛力の強靱化の議論を進めることがもっと重要だと考えますが、どのようなテーマを政府は国民に訴えられますか。岸防衛大臣の御見解を伺います。
 最後に、林外務大臣、岸防衛大臣の両大臣におかれましては、日本国の平和と安全、国民の生命と財産を守るため日夜精励されておられますことに感謝を申し上げて、終わります。拍手
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
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林芳正#16
○国務大臣(林芳正君) 上田議員にお答えをいたします。
 サハリン1及び2についてお尋ねがありました。
 今回のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。明白な国際法違反であり、断じて許容できず、厳しく非難します。
 一刻も早くロシアの侵略をやめさせ、ロシア軍を撤退させるために、我が国としては、まずは、G7各国、国際社会とともにロシアに対して強い制裁措置をとっていくことが必要だと考えており、実際に迅速に厳しい措置を打ち出しています。
 エネルギー分野については、今般発表されたG7首脳声明において、秩序立った形で世界が持続可能な代替供給のための時間を確保しつつ、ロシアのエネルギーへの依存を削減するため更なる取組を進めていくことで一致しました。サハリン1及び2についても、このG7首脳声明の方針に沿って、我が国のエネルギーの安定供給等の観点を十分考慮しつつ、経済産業省とも連携し、適切な対応を考えていきます。
 次に、訓練資機材調達が相互運用性向上につながるとの判断に至った理由についてお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟の抑止力、対処力を高めるためには、自衛隊と在日米軍の双方が、日米共同訓練を含む各種の高度な訓練の実施等を通じ、即応性を向上させていく必要があります。
 かかる観点から日米間で協議を行った結果、本特別協定において、新たに訓練資機材調達費の項目を設け、在日米軍の即応性のみならず、自衛隊の即応性及び米軍との相互運用性の強化にも資する訓練資機材を在日米軍が調達するため、五年間で最大二百億円を負担することとしました。
 令和四年度予算案については、戦闘射撃訓練用標的装置一式の調達に係る所要額として約十億円を計上しています。様々な種類の標的装置を充実させることにより、より効果的な射撃訓練が実施可能となり、実践的な戦闘射撃能力の向上に資すると考えております。
 次に、在日米軍駐留経費の負担水準及び自主防衛や外交の充実化についてお尋ねがありました。
 政府としては、我が国の厳しい財政状況にも十分配慮しながら、国民の理解を得られる内容にするとの観点から、在日米軍駐留経費全体のうち一定の割合を日本側負担として導くとのアプローチではなく、同盟強靱化予算の各項目についてどのような支出が適切かについて米側と協議を重ねてきました。その結果、日米両政府で今回の合意に至ったものであり、同盟強靱化予算は適切な水準であると考えています。
 その上で、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさと不確実性を増す中、新たな国家安全、国家安保戦略等を策定し、我が国自身の防衛力の抜本的強化に取り組む決意です。また、外務省としては、日米同盟の抑止力、対処力の強化をしっかり図っていくとともに、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を関係国や地域のパートナーとの間で一層強化していきます。拍手
   〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕
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岸信夫#17
○国務大臣(岸信夫君) 上田清司議員にお答えをいたします。
 まず、訓練資機材調達費についてのお尋ねがありました。
 現時点では、ネットワークを介して複雑かつ大規模な訓練を実施するためのシステム機材、戦闘射撃能力を向上するための標的装置、実践的なサイバー対処訓練を行うための機材の調達を想定しています。こうした訓練資機材を日米共同訓練などにも活用することで、在日米軍と自衛隊双方の即応性向上や日米の相互運用性の、強化し、日米共同対処能力の向上につながると考えています。
 次に、防衛関係費と在日米軍駐留経費の関係についてお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国自身の防衛力を抜本的に強化する必要があることは当然であります。同時に、日米同盟及び在日米軍は、我が国の防衛や地域の平和と安定のためになくてはならない存在であり、同盟強靱化予算によって在日米軍の安定的なプレゼンスを支え、日米同盟の抑止力、対処力をより一層効果的に強化していく必要があると考えています。
 最後に、防衛力の強化についてお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く安全保障環境は急速に厳しさを増しています。こうした中で、ミサイル防衛体制を始め、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのかという問題意識の下、いわゆる敵基地攻撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化してまいります。拍手
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山東昭子#18
○議長(山東昭子君) 音喜多駿さん。
   〔音喜多駿君登壇、拍手〕
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音喜多駿#19
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 会派を代表して、在日米軍経費協定について質問をいたします。
 質疑に先立ち、ロシアによる理不尽な侵略行為、武力行使によって犠牲になられたウクライナの方々に哀悼の意をささげます。覇権国家の武力による現状変更は、いかなる言い分があれ、断じて容認できるものではありません。我が党としても、改めてロシアに対して最大限の非難を表明するとともに、ウクライナの方々と連帯することをお誓い申し上げます。
 現在、ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会でのオンライン演説を政府に打診しています。ここで万が一にでも引き受けないことになれば、それは国際的な連携を放棄するという、国際社会に誤ったメッセージを出してしまうことにもなりかねません。ましてや、オンライン配信技術の問題や前例主義から難色を示すことは、我が国がいかにIT後進国であり、閉鎖的な国であるかを世界にさらけ出すことになります。価値観を同じくする諸国と連携し、国難に直面するウクライナの人々に寄り添うためにも、ゼレンスキー大統領の本会議場での演説を受け入れるべきと考えます。一義的には国会が決定することとは承知をしておりますが、高度な外交事項でもあり、政府としての受け止めを林外務大臣にお伺いいたします。
 これまでにないスピードで厳しさと不確実性を増す国際環境において、日米安全保障体制と特別協定の在り方は、ますます重要性が高まっています。この特別協定は、大前提として、日米同盟が有事の際に十分に機能すること、その担保がまさに求められています。国際秩序を揺るがすウクライナ情勢を受けて、今ほど日米関係の深まり、深化が望まれているときはありません。
 そこで、改めて、有事の際、すなわち日本が攻撃を受けた際には、日米安保条約第五条に基づき、米国において速やかに議会承認などの手続がなされ日本の防衛に当たることは、どの点で保障されていると認識されているのか、外務大臣に伺います。
 今回のロシアによる侵略行為とウクライナの懸命な防衛行動で分かったことは、核保有国に専制覇権国家があるリスクが顕在化したこと、米国など世界各国は、核保有国に対しては、エスカレーション回避のために消極的な対応を取る可能性も高いこと、まず自国の防衛は自国で行わねば国際社会からの十分な支援は得られないことであると考えます。
 この三点の考え方について、大臣は同意をされますか。林外務大臣の受け止めと見解を伺います。
 この三点目の、自国の防衛はまず自国で行わねば国際社会からの支援は得られないという考え方に基づけば、防衛費の拡充が不可欠となってきます。
 政府は、令和四年度の防衛関係費について、令和三年度補正予算と合わせて防衛力強化加速パッケージと位置付け、必要な防衛力を強化することとしています。総理も、今国会において、防衛予算について、慣習であるGDP比一%の枠にとらわれない予算計上することを明言されました。
 ただ、一方で、ドイツのショルツ首相は、国防費をGDP比で二%以上へと大幅に引き上げる方針を表明しました。ロシアと国境を接し、覇権国家である中国と対峙をする我が国の状況は、欧州諸国以上に深刻です。防衛力強化のため、GDP比二%という明確な防衛費のターゲットを設定し、強いメッセージを対外発信するべきではないですか、岸防衛大臣に伺います。
 防衛予算が仮に増額されたとしても、その中核を成す自衛隊の規模が拡大しなければ意味がありません。
 しかしながら、自衛隊は現在でも定員割れが続いています。この要因として、自衛隊員の給与体系、待遇、働く環境に課題があるのではないでしょうか。現行のシステムでは、自衛隊員の給与改定は他の公務員と同様に民間給与との比較に基づいた人事院勧告によって定められていますが、国防を担う自衛隊員の給与査定が、経済環境に大きく左右される民間給与に影響されることは望ましいものではありません。また、職務の危険度に合わせた手当も十分なものとは言えません。
 こうした問題意識から、我が党は、この点、以前から議員立法の提出により強く問題提起を行っています。給与体系の見直し、十分な危険手当の付与等、抜本的な自衛隊員の待遇改善を行うべきと考えますが、防衛大臣の見解を伺います。
 自国の防衛力の強化という文脈の中で、核抑止、核共有の議論に注目が集まっています。我が党もタブーなく議論をしていく姿勢を表明したところでありますが、これは、直ちにNATOのように米国の核を自国の領土内に設置をしたり、核武装を検討するような短絡的な話ではありません。長期的には核なき世界を目指していく理想を堅持した上で、厳しい安全保障環境に直面する我が国で議論が行われるとすれば、米国の核の傘が実際に機能するか否かが重要な論点の一つになると考えます。
 米国の核戦術、核戦略における意思決定に対して我が国は現状どのように関わっていくことができるのか、この点、現状認識と今後の課題、対応について外務大臣に伺います。
 あわせて、台湾有事がいよいよ現実味を帯びてきた中、日米共同の軍事行動など、具体的な行動指針はできているでしょうか。また、経済制裁のシミュレーションはいかがでしょうか。外務大臣に伺います。
 日本は、これまで、平和安全法制の成立で新たに盛り込まれた自衛隊法第九十五条の二に基づく米艦防護など、米軍の活動に対して単に金銭的価値では測ることができないような貢献も実施をしてまいりました。このような我が国自身の努力について、主張すべきは主張することが必要であると考えますが、今回議題となっている特別協定締結に至る交渉過程において、米側にどのように主張、説明をしてきたのか、政府の取組を外務大臣に伺います。
 在日米軍の駐留経費の負担に係る原則は日米地位協定第二十四条が定めており、この原則の暫定的、限定的、特例的な措置として今回議題となっているような特別協定が締結され、同協定に基づく我が国としての経費負担が実施されています。
 しかし、これまで我が党が繰り返し指摘をしてきたように、締結される特別協定の内容は、毎回多少変化しつつも、我が国が協定第二十四条に定める金額を大きく超えて負担するという構図そのものは事実上恒久化されています。
 また、我が国と同様に米軍が駐留する国として韓国が挙げられますが、同国においては、米国より大幅な負担増を求められたことなどにより、現行の特別協定の締結が前協定の期限までに間に合わず、基地従業員が一時無給、休職に追い込まれるなど、混乱を来したことも記憶に新しいところです。
 我が国における在日米軍の駐留に不可欠な在日米軍駐留経費負担に関する取決めであるにもかかわらず、都度時限的な協定を結び、締結し直していく方式を取っていることに対し、制度としての安定性を疑問視する指摘もありますが、外務大臣の見解をお伺いします。
 駐留経費は、その負担によって我が国にどのようなメリットがあるのか、政府には丁寧な説明が求められます。この点、本協定が追求する日米同盟の抑止力、対処力強化という目的の効果について、できるだけ明確な指標で測り、国民に説明をするべきです。そこで、在日米軍駐留経費負担の金額の多寡が変化することによって、日米の協力関係にどのような変化が生じたのか、政府は定量的な指標を用いた分析を行っているのかどうか、外務大臣に説明を求めます。
 その点、具体的には、今回の特別協定では、前回と比べ、年平均で約百億円の負担増となっています。この百億円の負担増によって、どのように日米同盟の更なる強靱化が実現されるのか、外務大臣に伺います。
 最後に、訓練資機材調達費の新設についても伺います。
 今回新たに盛り込まれた訓練資機材調達費を用いて、我が国の負担で米国が調達した訓練資機材については、日米共同訓練の際に自衛隊も活用することが想定されているものと承知をしています。他方、この資機材の所有権は米国にあるとのことです。日米の相互運用性の向上という目的を達成するためであれば、我が国の負担で調達する資機材なのですから、我が国の所有として、必要に応じて米国にリースするということも考えられますが、今回なぜこのようなスキームを取ったのか、防衛大臣の説明を求めます。
 今回の国際秩序を揺るがすロシアによる武力侵略によって、安全保障の議論のステージは大きく変わることになりました。日本維新の会は、国際秩序の中で日本に求められる役割を果たせるよう、イデオロギーではなくリアリズムに立脚した政策提言を続けていくことを申し上げまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
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林芳正#20
○国務大臣(林芳正君) 音喜多議員にお答えをいたします。
 ゼレンスキー大統領による国会での演説についてお尋ねがありました。
 昨日、ウクライナ政府より、我が国の衆参両院議長に対して、ゼレンスキー大統領による国会での演説を行いたいとの正式な要請が寄せられたと承知をしています。政府としては、是非国会において御議論、御検討いただき、前向きに対応していただければ有り難いと考えております。
 次に、米国による日本の防衛と米国議会の承認についてお尋ねがありました。
 米国は、累次の機会に日米安全保障条約の下での自国の対日防衛義務を確認してきており、この点を本年一月の日米首脳テレビ会談においても、バイデン大統領が改めて表明しました。日本政府として、米国が条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いています。
 また、日米安全保障条約の締結は、米国においては米国議会によって承認されたものであり、米国は、行政府のみならず、議会を含めて日米安全保障条約上の義務を負っています。したがって、日米安全保障条約第五条に規定する米国の対日防衛義務について、この義務を承認した同じ議会がこの義務の履行を妨げるかのごとき措置をとるようなことは考えられません。
 次に、ウクライナ情勢を踏まえた我が国の安全保障政策についてお尋ねがありました。
 今般のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為です。明白な国際法違反であり、断じて許容できず、厳しく非難します。その中で、ロシアが核抑止力部隊の態勢を引き上げたことについては、情勢の更なる不安定化につながりかねない危険な行動であると認識をしております。
 我が国を取り巻く安全保障環境や、現実に核兵器が存在していることを踏まえれば、核抑止力を含む米国の拡大抑止は不可欠であり、米国と緊密に協議、協力していくことが重要です。先般実施された日米2プラス2においても、日米間で米国の拡大抑止の重要性について改めて確認しています。
 今回のウクライナ侵略のような力による一方的な現状変更の試みを、インド太平洋、とりわけ東アジアで許してはなりません。このような中、我が国は、新たな国家安保戦略等を策定し、我が国自身の防衛力の抜本的強化に取り組む決意です。その上で、外務省としては、日米同盟の抑止力、対処力の強化をしっかりと図っていくとともに、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を関係国や地域のパートナーとの間で一層強化をしていきます。
 次に、米国核戦術及び核戦略における意思決定への日本の関与についてお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、日米間では、同盟の抑止力、対処力強化に向けた様々な取組について、様々なレベルで日頃から緊密かつ幅広く意見交換を行っています。
 本年一月の日米2プラス2においても、日米両国が、米国の拡大抑止が信頼でき、強靱なものであり続けることを確保することの決定的な重要性を確認していると同時に、米国は、核を含むあらゆる種類の能力を用いた日米安全保障条約の下での日米、日本の防衛に対する揺るぎないコミットメントを表明しています。今後とも、日米拡大抑止協議の場を含め、あらゆるやり取りを通じて日米同盟の深化を不断に進めていきます。
 次に、台湾有事における行動指針についてお尋ねがありました。
 台湾海峡の平和と安定は、日本の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても重要です。台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決されることを期待するというのが従来からの一貫した立場です。この点、日米間でも、日米首脳テレビ会談や日米2プラス2などにおいて、台湾海峡の平和と安定の重要性について認識を共有してきています。
 その上で、あくまで一般論として申し上げれば、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、政府としていかなる事態に対しても対応できるよう、平素からの体制の整備を含め、万全を期していくことは当然です。
 次に、特別協定交渉における政府の交渉姿勢についてお尋ねがありました。
 政府としては、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国自身の防衛力を抜本的に強化するとともに、平和安全法制の下、引き続き、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための我が国としての主体的な取組を進め、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化しています。米国も、こうした日本の取組を累次の機会に支持、歓迎してきています。
 本特別協定の交渉に際しては、こうした防衛力強化に向けた我が国自身の様々な努力も含め、政府として、主張すべきは主張しつつ、協議を重ね、合意に至ったものです。
 次に、在日米軍駐留経費負担に関する特別協定の方式についてお尋ねがありました。
 今般の交渉に際しては、日米両国を取り巻く諸情勢を総合的に勘案し、日米地位協定第二十四条に定める経費負担の原則は原則として維持しつつ、あくまでも暫定的、限定的、特例的な措置として、期間を五年間とする地位協定の特則である特別協定を締結することが適当との判断を改めて行ったものです。政府としては、現時点において、地位協定第二十四条に定める経費負担の原則それ自体を変更することは考えておりません。
 このような枠組みの下で、今後とも、国民の理解を得られるよう、我が国の厳しい財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境等の各種要素の推移に応じて、日本側の適切な負担の在り方について不断に検討をしてまいります。
 次に、同盟強靱化予算の日米の協力関係への影響及びその評価の指標についてお尋ねがありました。
 在日米軍駐留経費負担は、在日米軍の円滑かつ効果的な活動、米軍の地域への前方展開を確保する上で重要な役割を果たしてきています。在日米軍駐留経費負担によって日米関係にもたらされる具体的な影響は多面的であり、かつ定量的な評価になじまないものと言わざるを得ません。
 その上で、我が国の負担規模については、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるとともに、日米同盟の抑止力、対処力を強化する同盟強靱化予算が引き続き重要である点を踏まえ、我が国の厳しい財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境等の各種要素を総合的に考慮し、主体的に判断してきています。
 今回の特別協定においてどのように日米同盟が強靱化されるかについてお尋ねがありました。
 今回、米国との間では、第一に、日米同盟の抑止力、対処力強化への貢献が直接的に見えにくい光熱水料等については大幅に削減することで意見の一致を見ました。第二に、在日米軍のみならず、自衛隊の即応性及び米軍との相互運用性の強化にも資する訓練資機材調達費の項目を設けるとともに、第三に、今後は、在日米軍の即応性及びその施設・区域の抗堪性強化に資する施設整備を重点的に推進していくこととしました。
 今回このように日米双方が真摯に交渉を行った結果、議員御指摘の増額となりましたが、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるだけではなく、自衛隊を含む日米同盟の抑止力、対処力をより一層効果的に強化していくことに資する、また、厳しい財政状況を踏まえ、めり張りを付けた同盟強靱化に資する経費負担の合意を得ることができたと考えております。拍手
   〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕
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岸信夫#21
○国務大臣(岸信夫君) 音喜多駿議員にお答えをいたします。
 まず、防衛費についてお尋ねがありました。
 NATOという民主主義国家の集まりが、安全保障環境を維持するために各国の国防費の対GDP比二%以上を達成することで合意しているという点において、対GDP比は指標として一定の意味があると考えています。
 防衛省としては、現下の安全保障環境に対応できるように、防衛費、防衛力を抜本的に強化するために必要な予算をしっかりと確保していきたいと考えております。
 次に、自衛隊員の確保のための給与面等における抜本的な待遇改善についてお尋ねがありました。
 自衛官の任務の特殊性に対する処遇は重要であると考えており、安全保障環境の変化や自衛隊の任務拡大等を踏まえた適切な対処を、適切な処遇を確保すべく、給与面で、給与面を含めて処遇の向上を図ってまいります。
 このような取組を通じて、人材確保を着実に図ってまいります。
 最後に、訓練費、訓練資機材調達費についてお尋ねがありました。
 自衛隊と在日米軍が実践的な訓練を通じ、即応性を向上させる必要があるとの観点から、新たに訓練資機材調達費を設けました。
 本経費は、本来米側に負担義務がある米軍の即応体制維持のための経費を、同盟強靱化の観点から、日本側が負担するに当たって締結する特別協定の下での負担の一部であるため、本経費で調達する資機材は米軍、米側が所有することになります。
 この資機材の活用のほか、自衛隊の資機材を米軍に使用させることなどにより、日米の即応性の、相互運用性を強化してまいります。拍手
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山東昭子#22
○議長(山東昭子君) 井上哲士さん。
   〔井上哲士君登壇、拍手〕
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井上哲士#23
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 宮城、福島での地震で被災された皆さんにお悔やみとお見舞いを申し上げ、政府に万全の対策を求めるものです。
 会派を代表して、在日米軍駐留経費負担特別協定について質問します。
 ロシアのプーチン政権によるウクライナ侵略をまず満腔の怒りを持って非難し、侵略の即時中止と撤退を求めます。
 ロシアの行為は、国連憲章違反の侵略行為であることはもとより、市民への無差別攻撃は国際人道法で、病院への攻撃はジュネーブ文民条約で、原発への攻撃はジュネーブ条約追加議定書で禁じられている国際法違反の蛮行であり、決して許されません。政府も同じ認識ですか。
 ロシア国内でも、侵略反対の市民の声や行動が、政府の弾圧の中でも広がっています。国際社会と連携した経済制裁とともに、侵略をやめさせる一番の力は、ロシア国内の声と連帯し、世界の国々と市民が侵略やめよ、国連憲章、国際人道法守れの一点で声を上げ、力を合わせることです。
 国連総会緊急特別会合でのロシアのウクライナ侵略への非難決議は、国連加盟国の七割を超える百四十一か国の賛成で採択されました。一方、棄権は三十五か国、退席した国が十二か国ありました。この四十七か国に対し、侵略を非難して軍事行動の中止を求める立場に立つように働きかけていく外交活動を政府に強く求めます。
 総理が明日から訪問するインドもこの決議に棄権しています。インドに対しても強く働きかけていただきたい。以上、外務大臣、いかがですか。
 ウクライナ国内外で、約五百万人の市民が避難しています。食料、物資、医療などが緊急に求められています。これら非軍事の人道支援に全力を挙げることを政府に強く求めます。
 現在審議中の来年度予算案には、安倍元総理とプーチン大統領の合意に基づくロシアとの八項目二十一億円の経済協力関係予算が計上されています。ロシアがウクライナを侵略している下で、国際的にも国民的にも全く納得は得られません。松野官房長官も会見で、日ロ経済協力について当面見合わせると述べられました。この予算は削減すべきです。答弁を求めます。
 二十世紀の初頭まで、戦争は国家の合法的な権利として認められていましたが、第一次世界大戦の惨禍を経て不戦条約が制定されました。しかし、第二次世界大戦を防げなかったその教訓から、戦争一般でなく、武力行使も武力による威嚇も禁じたのが国連憲章であり、力の論理を否定して世界の平和の秩序をつくってきました。日本国憲法はそれを発展させたものです。
 今脅かされているのは、ウクライナの主権だけではなく、世界の平和の秩序そのものです。国連憲章は無力だなどとして、ロシアの力の論理で、力で対抗しようとすることは、世界を十九世紀まで逆行させるものです。
 国連憲章に基づく世界の平和の秩序の回復の重要性と、憲法九条を持つ日本の役割について、外務大臣の答弁を求めます。
 次に、核共有議論の問題です。
 プーチン政権が核の使用で世界を恫喝しながら侵略を進めていることは言語道断です。この危機に乗じて、元首相などの核共有を議論すべきという動きは看過できません。
 岸田総理は、二日の予算委員会での私の質問に、様々な意見があるとした上で、だからこそ、政府としての考え方をしっかりと明らかにし、強く表明しなければいけないと述べ、非核三原則を堅持する立場からも、原子力の平和利用を前提とする原子力基本法を始めとする法体系からしても、こうした考えは認められないと答弁しました。官房長官も同じ考えですか。
 ところが、自民党の茂木幹事長は七日の記者会見で、核共有は概念上、非核三原則に直ちに反するものとも言えない、中長期的な抑止力確保の観点で位置付けられるべきなどと述べました。
 しかし、核共有とは、米軍の核戦力の日本配備を認めることです。国是である非核三原則を投げ捨てるものであり、断じて認められません。国是をめぐり、政権党の幹事長が総理答弁を覆すような発言をする、まさに異常な事態というほかありません。政府は、将来にわたって核共有などあり得ないと明言すべきです。官房長官、いかがですか。
 在日米軍駐留経費、思いやり予算特別協定について伺います。
 本協定は、在日米軍の駐留経費について、日本が二〇二二年度からの五年間に総額一兆五百五十一億円を負担することを約束し、二〇一六年度からの五年間の協定で示した負担総額を一一%も増額させるものです。これまで日本が負担した在日米軍駐留経費の総額と来年度予算案の計上額の合計額を、防衛大臣、お答えください。
 日米地位協定二十四条は、在日米軍の維持経費は日本国に負担を掛けずに合衆国が負担すると定めており、日本に負担義務はありません。昨年の現行協定延長の際の審議で当時の外務大臣は、日本の負担について、我が国の厳しい財政状況を考慮するとしていましたが、しかし、本協定を見れば、コロナ禍が続く中、更に厳しくなった財政状況を考慮したことを示す形跡はどこにも見当たりません。
 米インド太平洋軍司令官は三月九日の米議会で、注目すべきこととして、日本が過去二十年で最大の増額を約束したと評価しました。実際には、米国の負担増の要求にどう応えるのかという増額ありきの交渉だったのではないですか。外務大臣の答弁を求めます。
 本協定では、訓練資機材調達費として、米軍が訓練で使用する最新鋭の資機材調達を支援する新たな費目が設けられました。LVCシステムを始め調達が予定される資機材は、米軍が訓練環境の向上と費用の抑制を図ることを目的として、専ら米軍が使用するために導入するものです。機材は米国の所有となります。どこを見ても、日本がこの経費を負担する理由は全くないではありませんか。防衛大臣、いかがですか。
 また、林外務大臣は衆議院で、訓練資機材調達費の上限に関して、協定の規定を挙げ、日本側の意に反して経費の負担を強いられることはありませんと答弁されました。しかし、近年の米国製兵器の爆買いやイージス・アショア導入決定までの経過を見れば、政府が米国の要求をきっぱり断ると信じる国民がどれほどいるでしょうか。納税者にとっては、何の歯止めにもならないではありませんか。
 さらに、本協定では、訓練移転費に関して、アラスカを米軍機の訓練移転先の対象に追加するとしています。米軍は、アラスカに、陸、海、空、宇宙、サイバーの軍事訓練に利用する環境を網羅する統合太平洋アラスカ訓練場を始めとした軍事施設を保有しています。ここには、沖縄やグアムなど他の太平洋地域のどこにもない広大で優れた訓練環境があるとされています。
 在日米軍が訓練の必要上、自国の優れた訓練場を選ぶのは全く米軍の都合によるものであり、日本が経費を負担する理由はどこにあるというのですか。沖縄の負担軽減を費用負担の口実にすることは、筋の通らない負担を日本に負わせるための方便ともいうべきものではないですか。
 今回、政府は、通称を同盟強靱化予算と変えましたが、実際は、日本に何ら負担義務がない経費の肩代わりを更に広げ、自衛隊と米軍との一体化を一層進めながら軍事力を強化しようとするものにほかならないのではありませんか。
 以上、外務大臣の答弁を求め、質問を終わります。拍手
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
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林芳正#24
○国務大臣(林芳正君) 井上議員にお答えをいたします。
 ロシアによる侵略行為と国際人道法との関係についてお尋ねがありました。
 ジュネーブ諸条約及び同第一追加議定書を含む国際人道法上、軍事行動は軍事目標に限定して行うこととされ、この軍事目標主義に反する攻撃は、国際人道法に違反するものであり、決して許されません。
 今般のロシアによる軍事行動は、国連憲章第二条四が禁ずる違法な武力の行使であり、国際法違反です。我が国としては、国際社会と連携し、ロシアによる侵略を強く非難するとともに、ロシアに対し、即時に攻撃を停止し、部隊をロシア国内に撤収するよう、引き続き強く求めていきます。
 次に、ロシアによるウクライナ侵略に関する国連総会決議についてお尋ねがありました。
 現地時間三月二日、国連総会の緊急特別会合は、ロシアによるウクライナの侵略を最も強い言葉で遺憾とし、ロシア軍の即時完全無条件の撤退を求めること等を内容とする決議を、百四十一か国という多数の賛成によって採択しました。我が国は、できる限り多数の国々がこの決議案に賛成し共同提案国入りするよう、多くの国々に働きかけました。
 インドとの関係では、二月十一日の日米豪印外相会合、また、三月三日の日米豪印首脳テレビ会議において、現下のウクライナをめぐる情勢について率直な意見交換を行いました。今後も、総理のインド訪問も含む様々な機会を捉え、意思疎通を行っていきたいと考えています。
 いずれにせよ、我が国としては、一刻も早くロシアの侵略をやめさせ、ロシア軍を撤退させるために、G7を始めとする国際社会が結束して対応することが重要と考えており、棄権した国を含め、各国に対して様々な機会を捉えて粘り強い外交努力を続けていきたいと考えています。
 次に、国連憲章の重要性及び憲法九条を持つ日本の役割についてお尋ねがありました。
 国連憲章においては、例えば、第二条三において、全ての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならないと定められており、同条四において、武力による威嚇又は武力の行使を禁止しています。
 今回のロシアによるウクライナ侵略は、国連憲章第二条四が禁ずる違法な武力の行使であり、明確な国際法違反であって、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。断じて許容できず、厳しく非難します。
 国際の平和と安全の維持を目的としている国連憲章の考え方は、我が国の平和主義の理念とも軌を一にし、国際秩序の基礎となる重要なものです。
 我が国は、憲法九条及び前文に示されている平和主義の理念の下、平和国家として国際社会の平和と安定に貢献してまいりました。この取組は高く評価されています。
 今後とも、こうした取組を続けながら、平和国家としての歩みを続けていきたいと考えます。
 次に、特別協定交渉の経緯についてお尋ねがありました。
 本特別協定は、政府として、厳しい財政状況を踏まえつつ、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、在日米軍の安定的なプレゼンスを支えるとともに、日米同盟の抑止力、対処力をより一層効果的に強化していくことが必要であるとの認識の下、主張すべきは主張しつつ、協議を重ね、今回合意に至ったものであり、増額ありきの交渉だったとの御指摘は当たりません。
 次に、訓練資機材調達費の負担上限についてお尋ねがありました。
 日本側が負担する経費については、協定上、日本国政府が、相互に適当と判断する経費を負担するとの通告を米国政府に対して行う場合に限る旨規定しています。したがって、日本側の意に反して経費の負担を強いられることはありません。
 加えて、本特別協定期間の五年間で最大二百億円を負担することとしたものでございますが、これは概算要求のための全ての必要な手続を完了することを条件とした額であることについて日米間で一致をしており、日本が際限なく負担することになるとの指摘は当たりません。
 次に、訓練移転費を負担する理由及び沖縄の負担軽減についてお尋ねがありました。
 訓練移転は、在日米軍の抑止力の維持向上と在日米軍施設・区域周辺における訓練活動の影響を軽減する観点から大きな意義を有しており、政府としても積極的に取り組んできています。
 特に、沖縄の負担軽減は政府の最重要課題であり、例えば、嘉手納飛行場等に所属する航空機の訓練移転に取り組むことにより、嘉手納飛行場等の周辺の住民に対する騒音の影響が一定程度軽減される効果があるものと認識をしております。
 かかる観点から協議を行った結果、航空機の訓練移転について、米軍による訓練の日本国外への移転を一層促進するため、広大な空域など恵まれた訓練環境を有するアラスカを訓練移転先の対象とすることについて、日米間で一致をいたしました。
 これにより、米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄を始めとする地元の負担軽減を図るための訓練移転を更に促進することが可能になると考えており、筋の通らない負担を日本に負わせるための方便との御指摘は当たりません。
 次に、在日米軍駐留経費負担の通称についてお尋ねがありました。
 政府としては、今回の交渉の結果、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるだけではなく、自衛隊を含む日米同盟の抑止力、対処力をより一層効果的に強化していくことに資する、また、厳しい財政状況を踏まえ、めり張りを付けた経費負担の合意を得ることができたと考えています。
 このように、これまでは在日米軍の駐留を支援することに重きを置いた経費負担でしたが、今回の合意により、本件経費を用いて日米同盟を一層強化する基盤を構築することで一致をいたしました。
 このような経費負担の内容の変化を踏まえ、今回の合意に基づく在日米軍駐留経費負担の性質を端的に示すものとして、その通称を同盟強靱化予算とすることとしたものです。拍手
   〔国務大臣松野博一君登壇、拍手〕
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松野博一#25
○国務大臣(松野博一君) 井上議員にお答えをいたします。
 八項目の協力プラン関係予算についてお尋ねがありました。
 現下のウクライナ情勢を踏まえれば、ロシアとの関係で新たな経済分野の協力を進めていく状況にはないと考えております。ロシアとの経済分野の協力に関する政府事業については、当面見合わせることを基本に、国際的な議論も踏まえて、エネルギー安全保障や人道上の配慮に留意しつつ対応してまいります。
 今後のウクライナ情勢や国際的議論の展望を正確に見通すことは困難であり、今後、個々の予算の執行の段階で、その時点での最新の情報を踏まえて、適切に判断をしてまいります。このため、予算案を削減する必要があるとは考えておりません。
 核共有についてお尋ねがありました。
 核共有は、平素から自国の領土に米国の核兵器を置き、有事には自国の戦闘機等に核兵器を搭載することなどによって自国の防衛のために米国の核抑止を共有するといった枠組みと考えられますが、我が国については、非核三原則を国是として堅持していることから、このような枠組みは認められないと考えます。拍手
   〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕
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岸信夫#26
○国務大臣(岸信夫君) 井上哲士議員にお答えをいたします。
 まず、在日米軍駐留経費負担の総額についてお尋ねがありました。
 在日米軍駐留経費負担について、昭和五十三年度から令和三年度までの当初予算額の総額と令和四年度予算案の額は合計で八兆七百二十五億円であります。
 最後に、訓練資機材調達費についてお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、自衛隊と在日米軍の双方が各種の高度な訓練の実施等を通じ即応性を向上させていく必要があるとの観点から協議した結果、新たに訓練資機材調達費の項目を設けることとしました。
 米側が調達する訓練資機材の、資機材を日本、日米共同訓練などにも活用することにより、日米双方の即応性向上や相互運用性の強化に資することとなり、本経費の新設は適切と考えています。拍手
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山東昭子#27
○議長(山東昭子君) 以上で質疑は終了いたしました。
 これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開議
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山東昭子#28
○議長(山東昭子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 雇用保険法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山東昭子#29
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。後藤茂之厚生労働大臣。
   〔国務大臣後藤茂之君登壇、拍手〕
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