後藤茂之の発言 (本会議)

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○国務大臣(後藤茂之君) 森屋隆議員の御質問にお答えいたします。
 離職者の基本手当の拡充に関する暫定措置についてお尋ねがありました。
 雇い止めによる離職者の基本手当の給付日数の拡充措置の取扱いについては、労働政策審議会において、コロナ禍からの経済回復の途上であることも踏まえ、三年間延長すべきとの結論に至ったものです。この措置の令和七年度以降の取扱いについては、対象者の再就職状況等を注視しつつ、制度の効果や廃止した場合の影響も踏まえて検討してまいります。
 雇い止めに遭った有期雇用労働者の再就職についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症等の影響が長期化する中、非正規雇用で働かれる方々を中心として雇用者数は大きく減少し、コロナ禍では失業期間の長期化も懸念されているところです。
 こうした中で、雇い止めに遭った有期雇用労働者については、サービス産業など、仕事の繁閑のある職場で有期雇用を繰り返している方々の無期雇用への転換が難しい状況になっていることなどが要因であるものと考えております。
 このため、厚生労働省としては、雇い止めに遭った有期雇用労働者を引き続き所定給付日数の上乗せに係る暫定措置の対象とした上で、ハローワークにおいて、求職者の状況に応じたきめ細かな就職支援や、職業訓練を受講する期間中の雇用保険の延長給付の支給などを行っており、こうした取組を通じ、早期の再就職を実現してまいります。
 次に、今後の雇用保険財政の見通しについてお尋ねがありました。
 雇用調整助成金については、昨年末以降支給が減少傾向にありますが、令和四年度予算案においては、四月以降も一定程度の支給が続くことを想定し、約〇・五兆円を計上しております。
 厚生労働省としては、今回の保険料及び国庫負担の見直しなどにより、雇用調整助成金の支給を含め、引き続き雇用保険財政の安定的な運営を確保してまいりたいと考えております。
 財源不足に陥った場合の国庫繰入れについてお尋ねがありました。
 機動的な国庫繰入れ規定の運用に当たっては、労働政策審議会の報告書において、コロナ禍において雇用調整助成金等の支出額が増加し、積立金から二事業への貸出額を増加しなければ雇用調整助成金等の支払に支障が生ずるおそれがあり、かつ積立金の残高が不足している場合には、機動的な対応として、当面必要な国庫繰入れが行われるべきであるとの考え方が示されています。
 厚生労働省としては、こうした議論を尊重し、適切に対応してまいります。
 令和二年雇用保険法改正の際の附帯決議の受け止めについてお尋ねがありました。
 令和二年の雇用保険法改正の際の附帯決議は、コロナ前の雇用情勢等を踏まえ、国庫負担の暫定措置の延長を行うことに関して決議いただいたものと受け止めております。
 その後、コロナ禍における多額の財政支出に対応するため、雇用保険臨時特例法において、定率負担とは別の一般会計による国庫繰入れ規定を創設したところです。そして、今年度の補正予算においては、この規定等に基づき、約二・二兆円の繰入れを実施したところです。
 今般の法案においては、過去の附帯決議等の趣旨に加え、こうした経緯も踏まえ、失業等給付の国庫負担については、雇用情勢及び雇用保険財政の状況に応じて負担割合を四分の一又は四十分の一とした上で、こうした定率の負担とは別枠で、機動的に国庫繰入れができる仕組みの常設化を行うことといたしました。こうした新たな国庫負担の仕組みを通じて、国の雇用政策に係る責任を果たし、雇用保険財政の安定化を図ってまいりたいと考えております。
 国庫負担率四十分の一という数字の根拠についてお尋ねがありました。
 今般の改正においては、雇用情勢や雇用保険の財政状況に応じた国庫負担割合を設定することとしておりますが、このうち四十分の一の負担割合については、現行の国庫負担割合を基にしており、雇用情勢等にかかわらず、政府の経済政策、雇用政策の結果としての失業の発生に対する国の責任を継続的に果たすために設定したものです。
 雇用保険制度における国の雇用政策への責任についてお尋ねがありました。
 失業等給付に係る費用の一部を国庫により負担しているのは、雇用保険の保険事故である失業は、政府の経済政策、雇用政策とも関係が深く、政府もその責任を担うべきとの考え方によるものです。この考え方については、今回の改正によって変わるものではないと考えています。具体的には、今回の国庫負担に係る改正は、新たな国庫繰入れ規定を創設するなどにより、雇用情勢等に応じて機動的な財政運営ができる枠組みを新たに設けるものです。こうした仕組みを適切に運営するとともに、総合的な雇用政策を効果的に推進することにより、雇用政策に係る国の責任を果たしてまいりたいと考えています。
 受給者実人員七十万人の基準の見直しについてお尋ねがありました。
 御指摘の受給者実人員七十万人という水準は、雇用情勢が相当程度悪化した状態として、原則の雇用保険料率を設定するに当たっての基本想定としている六十万人と、近年で最も高い水準である八十五万人の中間程度の水準をもって設定しているものです。
 厚生労働省としては、まずは今回の保険料及び国庫負担の見直しにより、雇用保険財政の安定的な運営を確保してまいりたいと考えています。
 その上で、衆議院厚生労働委員会の附帯決議の内容も踏まえ、必要に応じ適切に対応してまいります。
 国庫の機動的繰入れ制度の運用の考え方についてお尋ねがありました。
 本法案において新設する機動的な国庫繰入れ規定の運用に当たっては、労働政策審議会の報告書において、保険料の本則を超えた引上げが可能である弾力倍率一を下回る場合であって、雇用保険財政の悪化により積立金が不足し、失業等給付の支払に支障が生ずるおそれがある場合等において機動的な国庫繰入れにより対応すべきであるとの考え方が示されております。
 厚生労働省としては、こうした趣旨を尊重し、適切に対応するとともに、この考え方を何らかの形でお示しできるか検討してまいります。
 国庫の機動的繰入れに必要な財源の確保についてお尋ねがありました。
 厚生労働省としては、機動的繰入れを行うべき状況として雇用保険部会報告書に記載された四つの類型に該当する又は該当するおそれがある場合には、雇用保険部会に早急に財政の状況を報告し、財政安定化のための必要な財源の内容やその確保策も含めて議論を行い、必要な対応を取るべきとされた労働政策審議会の議論を踏まえ、適切に対応してまいります。
 機動的な国庫繰入れを行う場合の対応方針についてお尋ねがありました。
 今回の法案において新設する機動的な国庫繰入れについては、失業等給付に係る保険料率が法律上の本則である千分の八である場合や翌年度に千分の八となる場合等に行うことができる旨を政令で定める予定です。
 厚生労働省としては、こうした要件の下、労働政策審議会の報告書における国庫繰入れについての考え方も尊重し、適切に対応してまいります。
 なお、今後の具体的な給付水準等については、収支だけではなく、失業期間中の生活保障と再就職支援という制度本来の趣旨、目的も踏まえて、労働政策審議会における議論も経た上で検討する必要があり、単純に財政状況の悪化のみを理由として給付水準の削減を行うことは望ましくないと考えています。
 募集情報等提供事業者に対しての労働条件明示の義務付けについてお尋ねがありました。
 労働条件明示は、個別の労働者に対し、本人の希望等も踏まえながら、具体的な賃金や労働時間等を示すものであり、不特定多数の者に対し広く募集情報を提供する広告等の段階で明示することは一般的には難しいと考えられます。
 今回の改正案においては、募集情報等提供事業者に募集情報の的確表示の義務を定めており、その履行確保にしっかり取り組んでまいります。
 求職者保護の観点からの検討についてお尋ねがありました。
 今回の改正案においては、募集情報等提供事業者に募集情報を正確かつ最新の内容に保つための措置を義務付け、その措置の内容は厚生労働省令で定めることとしています。
 厚生労働省令の内容については、求職者の保護の観点を踏まえ、労働政策審議会で御議論をいただき、検討してまいります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120815254X00820220318_036

発言者: 後藤茂之

speaker_id: 29562

日付: 2022-03-18

院: 参議院

会議名: 本会議