糸数公の発言 (厚生労働委員会)
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○糸数参考人 おはようございます。沖縄県保健医療部の糸数と申します。
地方自治体で新型コロナ対策に関わってきた立場から意見を述べさせていただきますが、お手元に資料を配付しておりますので、資料に沿って説明をさせていただきます。
まず、表紙をめくっていただきますと、これまでの沖縄県の経緯でございます。
沖縄県では、令和二年の二月十四日に最初の陽性者が確認されました。その三日後から、県としてのブリーフィングを毎日実施いたしました。
次に、四月になりまして県のコロナ本部を設置したのですが、沖縄県では、当初から県の災害医療コーディネーターの先生方に本部に常駐していただき、広域的なリアルタイム入院調整をOCASというシステムを使って行っております。OCASについては後ほど説明をさせていただきます。
その年の八月には、第二波の本格的な流行があり、本部機能を拡充することを余儀なくされました。具体的には、自宅療養者の健康観察のためのコールセンターの設置、それから、療養型病院でも施設内療養がありましたので、福祉施設を支援するセクション、そして、このときは全国の自治体及び自衛隊の方から看護師派遣の支援を受けましたので、その確保と調整のセクションなどを新設いたしました。
令和三年になりますと、冬休み、ゴールデンウィーク、夏休みといった人の動きが活発になると感染も拡大するということを繰り返し、特にデルタ株による第五波では、これまでで最多の重症患者、一日三十九例が発生しました。
令和四年になりますと、年末年始からオミクロン株が一気に感染拡大したため、成人式を控えた一月九日に蔓延防止等重点措置を発令いたしました。このときは、高齢者施設内で医療提供をするための支援を県の医師会に県として要請を行ったり、それから、救急外来に軽症患者が殺到しましたので、抗原キットの自己検査によって医療機関を受診せずに登録する仕組みをつくりました。
最後に、BA・5による第七波では過去最多の陽性者が発生し、医療フェーズで緊急フェーズというのを初めて発動しまして、医療非常事態宣言を出して、一般医療を制限しながら対応に当たったという経緯でございます。
十月二十八日現在の陽性者数の累計は、県人口の約三四%に当たる五十万人余りと、三人に一人が感染したというふうなこととなっております。
ページをめくっていただきますと、次はグラフとなっていまして、令和三年の七月、デルタ株以降の年代別の陽性者の推移でございます。
第六波のオミクロン株の際に、最初に、この赤い二十代が急激な拡大を見せたというのが特徴的ですけれども、その後の流行では、十代、十歳未満から流行が始まっているようにも見えます。
ちなみに、一番ピークになっています今年八月の一か月間の陽性者数の数は約十一万五千人、デルタ株、令和三年の八月一か月間の陽性者数は一万七千八百人、そして、先ほど述べました第二波、令和二年の八月の一か月の数は千七百人余りと、年を追うごとに桁違いに増えてきているという状況でございます。
次のページもグラフとなりますけれども、これは、医療機関でコロナあるいはその他の理由で休業しているスタッフの人数の推移となります。これも、横軸は同じく令和三年七月から現在までとなっていますが、今年の一月にスパイクが見られ、一旦下がりますが、前のページの感染状況と同じように、休業するスタッフの数もかなり増えたという状況が見て取れると思います。
次のページを御覧ください。
少し図になっていますが、これは、沖縄県における感染拡大のイメージ図のようなものでございます。
図の上の方を見ていただくと、移入例という文字が右の方にあると思います。沖縄県は離島でございますので、感染ゼロがしばらく続いた後は、必ず外から持ち込まれて感染が拡大します。それは、帰省客、観光客、そして、オミクロンの場合は米軍基地内からの持込みというふうなことが考えられます。
そのウイルスは、飲食、接待の場で主にやはり広がります。飲食店が多い、酒を飲む時間が長い、あるいは模合という集団飲酒が定着していることなどがそれに影響しているのではないかと考えています。
その後、ウイルスは家庭や職場、学校というところに持ち込まれ、一番下の介護施設、医療機関に入り込み、その中でハイリスクと言われる高齢者が重症化したり、亡くなったりするということをこれまでも繰り返しておりましたが、第六波以降では、学校で感染した子供がまたおうちに持ち帰って感染がつながるというふうな、そこで感染がぐるぐる回っているというふうなところが続いていたと考えています。
左側の列に書いていますのは、沖縄県民の生活環境、ライフスタイルで、感染拡大に影響したと思われる項目を記してございます。
それから、同じ、右側の外側の矢印は、ワクチン接種率が低いためにこの感染の拡大が加速したのではないかというふうな可能性を示しております。
今年に入って、沖縄県の専門家会議の医療関係者から次のような意見がありました。現在、コロナに関しては二つの世界がある、一般社会では、行動制限や感染の封じ込めもなくなり、ウィズコロナという名の下に自由になりつつあるが、医療と介護だけは相変わらずゼロコロナを目指して、一例出たら積極的に患者を探す、封じ込めを行っている、もちろん飲み会もできない、自分たちはこの両方の世界を行き来して仕事を行っているので、そのギャップに心が折れそうになっており、この二年半の間で一番今がきついと思うのはそういう姿を見ているからであるというふうなことが非常に印象的でございましたので、この図の中にも、その境目に線を引いて、今、ゼロコロナとウィズコロナが同時に行われているということを示しております。
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ここからは、沖縄県の特徴的な取組の御紹介をさせていただきます。
これは、県の対策本部で最も大きなスクリーンに毎日投影しているOCASというシステムでございます。災害医療コーディネーターの米盛医師が中心となって開発をいたしました。
仕組みとしましては、クラウド上、グーグルドライブの中にスプレッドシートを置きまして、各医療機関からリアルタイムで入力をしてもらうというふうな仕組みとなっています。重症度別の入院患者数、新規受入れ可能数、非コロナ病棟の患者数、そして、先ほどのスタッフの休業者数など、様々な項目を入力、御協力いただいておりまして、それを基に入院調整を行っております。
特徴としましては、高い汎用性。これは、スマホからでも入力、閲覧が可能ということでございます。それから、導入が迅速である。お金もかからないで、そのままアクセスできる。複数の機関からの同時入力も可能で、何よりも、医療機関が日々の正確な情報をきっちり入力していただくということで、透明性のある情報提供につながっており、これを県全体で共有しながら対応に当たっているという状況でございます。
現在、第八波のインフルエンザ同時流行が懸念されておりますけれども、沖縄県では、このOCASというシステムに新たにインフルエンザ入院患者数をこの冬は入力してもらおうということで、ちょうど今日から、十一月一日から入力を依頼するということで医療機関に今説明をしている、こういう状況でございます。
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これは、私たちはRADECOと呼んでおりますが、抗原キット配送の仕組みということで、今年の五月に、特に小児の患者が増加が続きまして、救急外来に子供たちが殺到したということがありました。下線にありますように、有症状の小中高校生のいる世帯に抗原キットを直接配布するという事業を開始いたしました。配布するキットは、本人の分だけではなく同居家族の分、そして、複数回できるような形で多めに配送していますが、この仕組みは、実は東京都の方が先に行っているというのを、東京都の方に来ていただいて、支援を受けてつくったものでございます。
沖縄県の場合は、これで陽性となった場合に、受診をせずにオンラインで登録する仕組みが既にありましたので、医療機関を受診することなく発生届を出すということが可能となりました。自宅で検査して、学校現場での感染拡大それから医療逼迫の回避につながったものと考えております。
最後のスライドを御覧ください。
新型コロナ対策は、感染症対応と災害医療対応の二つの側面を持ち、感染状況に応じて、両者を組み合わせてバランスよく対策を行うことが重要と考えています。今、自治体の方では、県のコロナ本部が解散をした後のことを考えて、この機能をどうやって引き継ぐか、特に災害医療に関するところを保健所でできるのかというふうなことなどを議論しているという状況です。
病床確保については、あらかじめ医療機関に約束した数を確保してもらっているんですけれども、実際には、院内感染でスタッフが休んでいるとか、あるいは非コロナ病棟がかなり逼迫していて受入れが難しいというふうな各病院の事情がございますので、沖縄県は、この情報も全てOCASで対応しながら、それぞれ可能な病床、ベッドを確保してもらうというふうな形で、柔軟な入院調整の仕組みをつくり上げております。
三つ目ですけれども、救急を含む外来の逼迫解消に抗原キットは一定の役割は果たしているというふうに考えているんですけれども、そもそも、コロナ医療に参加する医師、かかりつけ医、外来の診療の先生方を更に増やして、ほぼ全ての医療機関で診療する体制をつくることが本来あるべき姿ではないかと考えます。
最後に、コロナ対策、今のコロナ対策の今後の見通しを示すために、先ほど言いましたように、私たちがウィズコロナと呼んでいるのは具体的にはどういうふうな社会なのかというのを、住民や、先ほどありました医療、介護の従事者とも共有することが必要ではないかと考えています。インフルエンザのように、ある程度の流行は許容するのか、あるいは、今の、医療、介護だけゼロコロナというのがしばらく続くのか等についての議論は、今後の出口戦略のために必要であると考えている次第です。
以上となります。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)