加納繁照の発言 (厚生労働委員会)
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○加納参考人 日本医療法人協会の加納でございます。
この度は、このような貴重な機会をいただき、感謝申し上げます。また、コロナ禍におきまして病院等に非常に多くの支援をいただきましたこと、改めて厚く御礼申し上げます。
それでは早速説明に入らせていただきますが、お手元の資料の、こういうリーフを見ていただければと思っております。
それでは、説明に入らせていただきます。
まず、二ページ目、これは私が主張しております、二・三・四、八・七・六の法則についてでございます。
公立・公的病院を称して公的としまして、公的は、病院数の二割、病床数の三割、救急搬送受入れ数の四割を占め、それに対し、民間は、病院数の八割、病床数の七割、救急搬送受入れ数の六割を占めているということで、公的と民間を比較し、分かりやすく表現したものになっております。日本の民間病院が医療を主体的に担っているということがこれで分かるかなと思っております。救急搬送の割合が、公的に対して、病院数、病床数に比較して比率が低いのは、効率が悪いわけではなく、この八割、七割の中には精神科や慢性期専門の病院が入っているからであります。急性期のベッド数で比較しますとちょうど四対六になり、これもトータルとしましたら民間主体ということで御理解いただきたいと思います。
三ページは、その根拠となる数字でございます。
四ページは、救急搬送を都道府県別にした総務省からの資料を基に作成した資料でございます。
それを基に、五ページは、左は民間の救急搬送受入れ割合が五〇%を超える民間優位の二十の都道府県で、右が公的優位な二十七の県であります。
左の二十の都道府県は日本の総人口の三分の二を占めており、片や、右の二十七の県は総人口の三分の一であります。人口密度の低いところでは、今の診療報酬では急性期医療の維持は難しく、税金を投入した公的病院が地域医療を守っていかなければなりません。一方、大都市圏は、民間病院主体で地域医療を守っているということがよく分かっていただけるかと思います。
六ページは、今申し上げたことを日本地図で表現させていただいております。
七ページは、各都道府県における今後の高齢化状況と、医療提供体制の実態でございます。御参考までに御覧になっていただきたいと思っております。
八ページですが、公的病院と民間病院の違いを示したものであります。
民間にできない政策医療をするということで、総務省から毎年八千数百億円以上の税金による繰入金が投入されております。平均的にしますと、一日当たり、一ベッド一万三千円の補助を受けていることになります。もちろん、感染症は政策医療の一つであります。さらに、公的と民間と全く異なるのが、税金に関してでございます。固定資産税を含め、完全にオール非課税が公的病院でございます。一方、一般の民間病院の多くは、株式会社と同様の額で税金を払っておるわけでございます。こういった公と民との違いがあるということを御認識いただきたいと思っております。
九ページから十二ページは、私の病院がある人口数全国第三位の大阪府の、コロナ禍でコロナ入院患者を受け入れた実際の数を設置主体別で示したものであります。直近では、民間が六五%の入院患者を受け入れております。十ページを見ていただくと、第三波以降は民間主体で受入れが行われていることが分かっていただけるかと思います。
十三ページで、大阪の第一波から第七波までの状況を数字でまとめております。
十四ページですが、これは欧米との比較です。
縦軸は対数ですので、日本はさざ波状態であったことが分かります。欧米は、急性期医療を集約化し過ぎて、第一波で、急性期大規模病院を中心にコロナ患者また一般の救急等の急性期患者が集中し、それらの病院を中心に感染爆発を起こしたと考えております。一方、日本では、ある意味、役割分担ができていたと考えております。
十五ページは、コロナ禍の救急搬送がどのようになっていたかを示す、千葉市消防局が作成したグラフです。
左の数と折れ線グラフが出動件数、右の数と棒グラフがコロナ陽性者の搬送数です。第五波の多いときでも、コロナ患者の搬送は、全搬送患者の一割を少し超したぐらいで、ほとんど数%で推移しております。コロナ禍を通して、不要不急でないコロナ以外の救急患者が、コロナ患者の十倍近くあったということが分かります。その患者層を日本の医療はほぼ完全に対応してきたと考えております。
十六ページは、国内におけるECMOの治療状況です。
コロナ禍の二年半近くで、千二百数十人がコロナ治療の中でECMOの治療を行いました。助かった人は八百人超えです。ECMOなしではコロナ対応が病院ではできないようなイメージをマスコミ等で与えられておりましたが、決してそうでなく、日本は、この数ですと、十分に既存の救命センター、大学病院等で対応できていたと考えております。
十七ページですが、現在審議されている感染症改正案の概要です。
感染症対応の医療機関として、公立・公的医療機関等、特定機能病院、地域医療支援病院に協定締結を義務化し、その他の医療機関に関しましては、実施に協力するものとするとされております。また、初期対応を行う協定締結医療機関には、流行前と同水準の医療の確保を可能とする措置、いわゆる財政的な措置を導入するということで検討が進められております。
十八ページですが、新型コロナ感染症への対応から学んだことのまとめでございます。
一つ目は、大都会においては、多くの民間中小病院が主体的に受入れを行ってきたという実態であります。二つ目は、ECMO治療の実績から考えますと、ECMO治療を行う病院は充足しており、決して大規模病院を更に増やす必要はないということでございます。今後、新興感染症のパンデミックのときには、今回の新型コロナウイルス感染症対応の実績をしっかりと検証し、現実的な対応を考えなければならないと考えております。
十九ページに進みます。これは、病院団体合同で、一昨年、第一波直後に会員病院の経営状況を調査した結果でございます。
これを見ていただくと、もちろん受入れ病院の方が大きく落ち込んでおりますが、コロナ患者入院受入れの有無にかかわらず、前年比大きく損益が悪化し、全病院への支援策は必須だということが分かっていただけるかと思います。
二十ページ、二十一ページでございます。これは、独立行政福祉医療機構、WAMが毎年調査、公表している資料でございます。
対象病院はほぼ民間病院であります。急性期の一般病院では、ふだん一%前後ある医業利益率が、マイナス一・一と赤字に転落しております、令和二年度の数字でございますが。補助金が全額入った次のページの経常利益率では、ここしばらくの例年の利益率、約二%近くの一・九%に回復していることが分かるかと思います。
二十二ページでございますが、これは、公認会計士の石井孝宜先生が作成された実調の資料を引用させていただいております。
この資料では、二つの大きなことがお分かりになっていただけると思っております。一つは、コロナ関連の補助金で損益が持ち直しているということ。もう一つは、公立・公的病院等の方が、医療法人に比べて、医業損益率が悪いにもかかわらず、コロナの関連の補助金によって経常利益率がはるかに高い率となっていることでございます。従前からの多額の繰入金を投入されていることに加え、更にコロナ補助金が投入された結果、かつてない利益を計上いたしました。公的へのコロナ補助金が適正な水準であったかどうかということは検討すべきだと考えております。
最後の二十三ページです。
福祉医療機構の調査から、今回の補助金等の支援金は、民間病院にとっては本当に適切な水準であったと言えます。この水準を考慮し、次回以降の補助金等の支援金設定を要望いたします。また、流行初期段階から遅滞なく、速やかなる支払いをお願いしたいと思っております。
当院では、二〇〇九年の新型インフルエンザの補助金により、陰圧装置六台、人工呼吸器、PPE等の備蓄を行っておりました。今回の新型コロナにおいては、大阪府では、民間病院ですが、多くの公的病院よりもいち早く対応できたと自負しております。備蓄の重要性を是非とも御理解いただき、民間病院にも平時から補助金の支援体制を再構築し、継続していただくよう要望させていただきたいと思っております。
以上、私からの説明とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)