藤井克徳の発言 (厚生労働委員会)
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○参考人(藤井克徳君) 代読いたします。
二、国、厚生労働省は、障害者自立支援法を、立法過程において十分な実態調査の実施や、障害者の意見を十分に踏まえることなく、拙速に制度を施行するとともに、応益負担、定率負担の導入等を行ったことにより、障害者、家族、関係者に対する多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対し、原告らを始めとする障害者及びその家族に心から反省の意を表明するとともに、この反省を踏まえ、今後の施策の立案、実施に当たる。
以上です。
これは、その自立支援法問題のときの交わした締結書、基本合意文書なんです。やはり、単にそうじゃなくて、普遍的に、障害者関係の制度、法律を検討する場合の普遍的な姿勢を求めたわけですよね。この点に立ってきちんと議論をしていただきたいというのが一つ。
もう一つは、この束ね法案の問題性です。
今回、厳密に言うと八つの法律を一括審議する、極めて乱暴極まりない。つまり、一つ一つの法律が障害者の生命と人権と暮らしと、そして社会参加に影響する。ある面では、やっぱりこれはもう少し丁寧にということ。まあ現実的にはもうあしたから審議が始まるわけなので、そういかないかも分かりませんが、今後のやはり反省も含めて、この点については委員会等でもしかし深めておいてほしいということを強調しておきます。
最後に、国連の総括所見の件について触れたいと思います。
去る八月の二十二日、二十三日に、ジュネーブの国連欧州本部で、障害者権利委員会による、そして障害者権利条約に基づく初の国際審査が行われました。日本の障害者政策が国際評価を受けるのは初めてのことで、極めて歴史的なことだったと思います。私も傍聴に行ってまいりました。
この審査は、審査で終わるんじゃなくて、後にそれを文章で出すんです。これを総括所見あるいは勧告文といいますが、これが出されました。この内容は、七十五段落のうち六十三段落が懸念事項及び勧告ということで、そういうふうな構造になっております。
時間がありませんから、何がポイントだったかということと、どうこれに向かうべきかということを述べて終わっていこうと思います。
まず、何がポイントだったかということで、象徴的な文章があります。それは第七パラグラフ、第七段落です。
ここでも、じゃ、代読をしてもらいます。
代読いたします。
障害者への父権主義的アプローチを伴うことにより、障害関連の国内法及び政策が、条約に含まれる障害の人権モデルと調和していないこと。
これで、パターナリズムを父権主義と訳すのがいいかどうかということは分かりません。まだ実は公定訳が出ていないんですね。したがって、これは機械翻訳を使っていますけれども。いずれにしても、パターナリズム、パターナリスティック、これが日本の障害者政策の基調に座っていると、こういうふうに言っているんですね。と同時に、人権モデルとの調和をしていないというふうなことを言われました。
これは非常に大事なことで、つまり、このパターナリズムというのは、やっている方がよかれと思ってやっているけれども的外れであるということですね。あるいは、言い換えれば、障害者を保護の対象として、同情的、温情的な視点からアプローチをすると。やはり、権利の主体として位置付けるようにということを厳しく見抜いたわけです。同じように、人権モデルとの不調和ということについても問題点を強調していると。
二つ目は、この優生保護法問題の全面解決なども含めて、あるいはやまゆり園問題の真相究明を含めて、日本においては、優生思想又は健常者優先主義ということの視点がまだまだ残っているんじゃないかということですね。
三つ目は、分離処遇。入所施設にしても学校教育にしても働く場にしても、まだまだ分離が多い、これへの警鐘。これは、今後いろんな議論が要るところかも分かりません。現実的にどうするのかという議論も必要かも分かりません。と同時に、これはある面では社会へのイエローカード、地域で受け入れてくれるんですか、普通学校は大丈夫ですか、働く場大丈夫ですかということですね。こういうふうに言っていること。
四つ目は、今度の法案審議でも大事な精神科医療問題です。これは相当紙幅を取っています。厳しくこれは問うていますね。是非、今日お手元に資料を配りましたんで、特に第二十四パラグラフ、第三十四パラグラフ、御覧ください。
さて、時間が参りましたので、かつて国際障害者年時にこういうフレーズが国連から言われました、決議されました。障害者を締め出す社会は弱くもろい。逆に言うと、障害者をしっかりと大事にする社会というのは強靱でしなやか。私は、それよりも、障害者を大事にするという社会というのは尊敬される国だと思います。
参議院は、衆議院と違って大変任期が安定しています。障害者問題を是非、一回一回の国会ではなくて、中期的なそういうふうな議論を含めて、議論、本当にしていただきたい。このことを強調しまして、私の意見陳述を終わります。
ありがとうございました。