林芳正の発言 (安全保障委員会)
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○林国務大臣 昨年十二月に策定しました国家安全保障戦略について御報告申し上げます。
国家安全保障戦略は、国際秩序が重大な挑戦にさらされ、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、約九年ぶりに策定されたものです。
本戦略は、外交、防衛のみならず、経済、技術等を含む多岐にわたる分野の安全保障上の問題に対し、総合的な国力を最大限活用して、我が国の平和と安全を含む国益を確保するための安全保障に関する最上位の政策文書です。
本戦略では、我が国の国家安全保障上の目標として、主権と独立の維持、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化、国際社会が共存共栄できる環境の実現等を掲げております。
まず優先されるべきは積極的な外交の展開です。我が国は、長年にわたり、国際社会の平和と安定、繁栄のための外交活動や国際協力を行ってきました。その伝統と経験に基づき、大幅に強化される外交の実施体制の下、今後も、多くの国と信頼関係を築き、我が国の立場への理解と支持を集める外交活動や他国との共存共栄のための国際協力を展開します。
今年三月、自由で開かれたインド太平洋のための新たなプランを発表し、国際社会を分断と対立ではなく協調に導くとの目標に向け、歴史的転換期におけるFOIPの考え方や取組を示しました。FOIPのビジョンの下、戦略的な外交を展開してまいります。
こうした外交を展開するためには、裏づけとなる防衛力が必要であり、本戦略では、反撃能力の保有を含む防衛力の抜本的強化等の方針を示しております。
その上で、我が国を全方位でシームレスに守るための取組の強化等のため、宇宙、サイバー等の新たな領域への対応能力の向上、海上保安能力の強化、経済安全保障政策の促進等、政府横断的な政策を進めることとしております。
必要とされる防衛力の内容を積み上げた上で、同盟国、同志国等との連携を踏まえ、国際比較のための指標も考慮し、我が国自身の判断として、二〇二七年度において、防衛力の抜本的強化とそれを補完する取組を併せ、そのための予算水準が現在の国内総生産の二%に達するよう、所要の措置を講ずることとしております。
本戦略に基づく戦略的な指針と施策は、戦後の安全保障政策を実践面から大きく転換するものです。政府として、本戦略に基づき、安全保障に資する取組を着実に進めてまいります。
本戦略で示された方針は、憲法、国際法、国内法の範囲内で実施されるものであり、非核三原則や専守防衛の堅持、平和国家としての歩みを、いささかも変えるものではありません。
本戦略の下で、国民の生命や暮らしを守り抜くという政府の最も重大な責務を果たしてまいります。
皆様の御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。